2012年9月16日(日)、茨城県水戸市あむねすみとで、アムネスティ・インターナショナル日本 ・水戸グループ主催の「『大震災原発事故と被災者の人権侵害』公開自主学習会『フクシマの想い』ト-ク」が行われた。講演者は、福島県双葉郡富岡町に自宅を持つ木田節子氏。福島第一原発事故後に、水戸で避難生活をしながら講演活動を始めた経緯、家族のこと、原発のこと、福島の現実について、ユーモアを交えながら赤裸々に語った。
(IWJテキストスタッフ・花山/澤邉)
2012年9月16日(日)、茨城県水戸市あむねすみとで、アムネスティ・インターナショナル日本 ・水戸グループ主催の「『大震災原発事故と被災者の人権侵害』公開自主学習会『フクシマの想い』ト-ク」が行われた。講演者は、福島県双葉郡富岡町に自宅を持つ木田節子氏。福島第一原発事故後に、水戸で避難生活をしながら講演活動を始めた経緯、家族のこと、原発のこと、福島の現実について、ユーモアを交えながら赤裸々に語った。
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木田氏は、デモや集会などでよく話すエピソードとして、飯舘村や楢葉村などの警戒区域の入り口で警備をしている警察官に話しかけた体験を語った。木田氏にとって、それは抗議ではなく「福島の現実を教えたいから」だという。木田氏は「警備中の警察官が着ているのは防護服ではないため、塵をよけるだけで放射線を遮ることはできない。マスクも防塵マスクでなければいけないはずなのに、紙製の時もある」と警備の現状を説明した。
「そういう格好の彼らに、『こんな格好で1週間、2週間警備して、もし子供が生まれた時に影響が出たらどうするか考えたことがあるのか?』と聞くと、そこで初めて放射能の危険に気がつくようだ。放射線は人を選ばない。空間に衝立はないのだ。福島の警備をしているのに、彼らは何も教えられていない」と、無防備な警備の様子について語った。そして、「『あなたが被曝すれば生まれてくる子供も放射能の影響を受けるかもしれない、それを考えてほしい』と訴えると、多くの警察官が愕然とし、真剣に耳を傾けるようになる。若い警察官の中には目を潤ませる人もいる」と話した。
最後のまとめの中で、木田氏は、福島の現実を、「警戒区域が解除されて、自宅に週1回帰る人がいるが、測っている線量は毎回上がっている。除染しても何も変わらない。福島第一原発の事故は収束していない。壊れた建屋から放射能は出続けている」と訴えた。また、「避難先からの一時帰宅の際には、大手マスコミではなく、真実を報道する機関を伴い、取材内容はあらためて披露したい」と述べた。