「原発はゼロしかない!」朴勝俊講演会 2012.7.21

記事公開日:2012.7.21取材地: テキスト動画
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(IWJ・テキストスタッフ久保元)

 2012年7月21日(土)、神戸市勤労会館において、関西学院大学(関学)の朴勝俊(パク・スンジュン)准教授を招いて講演会が開かれた。「原発はゼロしかない!」というテーマで、市民団体の「さよなら原発神戸アクション」が主催した。朴准教授は、関学の総合政策学部で教鞭を執っている。専門は環境経済学。以前から原発問題やエネルギー問題を重点的に研究している。

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  • 日時 2012年7月21日(土)
  • 場所 神戸市勤労会館(兵庫県神戸市)

 講演会の冒頭、朴准教授は、わが国が世界有数の地震国であることを説明し、原発事故のリスクを強調した。特に、同氏が2003年に試算し、発表した「原発の近くに大都市が多く、人口密度が高いわが国で最悪の事態が起きた場合、460兆円の損害が長期間にわたって発生する」という被害想定を紹介し、「福島第1原発事故は、『最後の大事故ではない』かもしれない。すみやかな脱原発が必要」と説いた。

 続いて、脱原発を進める上で採るべき方策を提言した。非暴力・不服従によるデモや抗議行動、原発に関連した企業や団体に対する不買運動のほか、「議員には、脱原発を主張する候補を選ぶ。もしいなければ、誰かが選挙に出るべき」と述べ、市民の政治への参加が特に重要だと説いた。

 市民の政治への参加の実例としては、再生可能エネルギーの普及で先行するドイツのケースを紹介。もともと政治とは無縁の一人の母親だった「緑の党」のベーベル・へーン副代表が、チェルノブイリ事故をきっかけに政治の世界に入ったことや、1998年に社会民主党と緑の党が連立政権を組み、「赤と緑」政権が誕生した経緯を紹介した。

 最後に、「電気権力」と形容する、強大な原子力利権構造と闘っていく上での対策として、「再生可能エネルギーの促進」「電力の自由化」「原発の国有化」の3点を提言。また、「2050年を見据えたエネルギー政策の立案が必要」との持論を展開、「環境税制改革の二重の配当」という概念も披露した。

 その後の質疑応答では、聴講者から、日本における電力自由化や原発国有化の実現性についての質問などが多数寄せられ、約2時間半の講演は終わった。

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