みんなの党を離党した15人で結成された新党「結(ゆ)いの党」の設立記者会見が、12月18日午後、ホテルニューオータニで行われた。
新党の初代代表に就任した江田憲司氏は、神妙な面持ちで会場に姿を現したが、中には笑顔を浮かべる議員も見受けられ、一連の離党劇から解放された安堵感が漂った。
(取材:IWJ 赤間一欽、記事:IWJ 野村佳男)
みんなの党を離党した15人で結成された新党「結(ゆ)いの党」の設立記者会見が、12月18日午後、ホテルニューオータニで行われた。
新党の初代代表に就任した江田憲司氏は、神妙な面持ちで会場に姿を現したが、中には笑顔を浮かべる議員も見受けられ、一連の離党劇から解放された安堵感が漂った。
■ハイライト
会見冒頭、党のロゴマークが披露された。情熱を表す赤色、躍動感を示す曲線、そして「民間と地域が主役」という言葉が添えられている。
「結い」という言葉には、田植えや稲刈りなどにおいて、無償で助け合うという意味がある。大震災を経て、人々の絆や地域のコミュニティーを日本再生の基盤とする、そして政界再編政党として野党の結節点となるという意味合いが込められている。
はじめに挨拶に立った江田代表は、新党設立の意図について、「政界再編、野党再編を目指し、自民党の暴走に歯止めをかける」と意気込みを語った。
特に安倍政権以降、官僚主導・族議員主導の政治が幅を利かせ、増税強行、規制改革の骨抜き、秘密保護法の強行採決などの強引な手法によって、国民が置き去りにされていると、新党結成に至った危機感を露にした。
新党の目標として、江田代表は「野党勢力を結集し、政権担当可能な一大勢力を作る。そのための触媒となる」と語り、「与党入りして政策を実現したほうが早い」という渡辺喜美・みんなの党代表の姿勢との違いを明らかにした。
その上で江田代表は、「次の総選挙までに政界再編が起きなければ、衆議員の職を辞する」と述べ、党のリーダーとしての気概を見せた。
その一方で、党の理念に関して、江田代表は「保守vsリベラル」という「不幸な争い」を超え、イデオロギーではなく政策を中心とした政党運営を目指すとし、みんなの党の原点を踏襲するという側面も明らかにした。
特に規制改革や地方主権という課題について、「既得権益を打破する成長戦略」を全面に押し出し、経済においては「フリー・フェア・オープン」という国際標準を目指すという点において、みんなの党との違いはないと語った。
自由貿易の推進や国際競争力の強化といった基本政策を掲げ、TPPにも賛成の方針だ。他方、薬害問題に取り組む川田龍平氏を社会保障担当にあてるなど、社会的弱者や子育て世代への支援にも力を入れる。
また、憲法改正や解釈変更、集団的自衛権などの問題については、はじめから賛否ありきの観念論ではなく、「政策協議を重ねながら現実的に対応する」との姿勢を示し、明言を避けた。
野党再編についても、「数を追い求めることが政党政治の最大の失敗原因」とし、「われわれは野党連合のための捨て石であり、最大野党である民主党に主導して欲しい」と述べ、具体的な施策やスケジュールを提示することはなかった。
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