日刊IWJガイド・非会員版「18日にトランプ氏とプーチン氏が、停戦に向けて2時間半もの電話会談! 結局、エネルギー施設への攻撃をやめることだけ合意!」2025.3.19号~No.4483


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~18日にトランプ氏とプーチン氏が、停戦に向けて2時間半もの電話会談! 結局、プーチン氏とトランプ氏は、エネルギー施設への攻撃をやめることだけ合意! 逆に、米国を含む西側の軍事支援と情報支援を停止することをプーチン氏が要求するも、これはトランプ氏が反対し、プーチン氏がのむ。事実上、停戦には至らないが、喧嘩腰の決裂などではなく、話し合いの継続を約束し、プーチン氏はトランプ氏に仲介の労をとってくれたことの感謝の意を表明、トランプ氏の顔を立てる! 政治的勝利を収めたのは米露であり、政治的にも軍事的にもポイントを得られなかったのは、欧州とウクライナ!

■昨日配信、再生数11万回超え!「財務省解体デモ」現場近くの路上で襲撃され深手を負った立花孝志氏に、岩上安身が事件後、最初の独占単独インタビュー!! 立花氏は「原因を作ったのは、『報道特集』では!?」とメディアの偏向報道が「テロリスト」を生む恐怖を激白! NHK党の浜田聡参議院議員は4回も立花氏を個人攻撃した『報道特集』を放送したTBSを「停波すべき」と訴え!!

■IWJの財政は崖っぷちです! 3月は1日から17日までの17日間で、33件、47万7700円のご寄付・カンパをいただいています。ありがとうございます! この金額は、月間目標額350万円の14%にあたります。昨年8月から始まった第15期は、半期が過ぎ、7ヶ月連続で月間目標を割り込み、累積のマイナス額は1277万4502円です! IWJが3月以降も活動を続けられますように、ご寄付・カンパによる緊急のご支援をよろしくお願いいたします!

■【中継番組表】

■【IWJ号外を出します!】<ジェフリー・サックス教授の欧州議会での講演「平和の地政学」(その1)>ソ連崩壊後、米国の一極覇権プロジェクトが始まり、2003年のイラク戦争後、「欧州は完全に発言力を失った」! 冷戦後、今に至るまでの35年間のすべての謎が解ける!東京大学松里公孝教授が推薦!

■<IWJ取材報告>たんぽぽ舎共同代表・山崎久隆氏「原発のメンテナンスさえろくにできない会社が、マグニチュード8を超える地震や高さ12メートルを超えるような津波に襲われる。そういうことを想像すれば、次に福島第一原発級の事故が起きるのは、柏崎刈羽であるというふうに考えるしかありません」~3.11「3.11【追悼と東電抗議】集会」第138回東電本店合同抗議行動 -登壇:鎌田慧氏、鴨下美和氏、全生・肉球新党など
┗━━━━━

■はじめに~18日にトランプ氏とプーチン氏が、停戦に向けて2時間半もの電話会談! 結局、プーチン氏とトランプ氏は、エネルギー施設への攻撃をやめることだけ合意! 逆に、米国を含む西側の軍事支援と情報支援を停止することをプーチン氏が要求するも、これはトランプ氏が反対し、プーチン氏がのむ。事実上、停戦には至らないが、喧嘩腰の決裂などではなく、話し合いの継続を約束し、プーチン氏はトランプ氏に仲介の労をとってくれたことの感謝の意を表明、トランプ氏の顔を立てる! 政治的勝利を収めたのは米露であり、政治的にも軍事的にもポイントを得られなかったのは、欧州とウクライナ!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 速報です!

 3月18日、トランプ大統領とプーチン大統領が、2時間半にもわたる電話会談を行い、ウクライナのエネルギー施設やインフラに対する攻撃を30日間停止することと、人質の交換のみで合意しました。あとは継続的に話し合うということで、全面的な停戦は事実上、先延ばしされました。

 欧州やウクライナが望んでいた、すべての戦闘の停止はならず、先延ばしとなり、また、占領した領土の返還も、欧州諸国を中心とした有志連合の部隊が鉤括弧つきの「平和維持部隊」として、ウクライナに入ることも、プーチン大統領は拒否して、トランプ大統領はひとまず受け入れざるを得ませんでした。

 他方、プーチン大統領は、仲介の労をねぎらい、感謝の意を表して、停戦に向けての継続的な話し合いを約束し、トランプ大統領の顔を立てることを忘れませんでした。

 これは、少なくともこの段階では、ロシアのみならず、米国も政治的勝利を納め、喧嘩腰を改めない欧州とウクライナは、政治的・軍事的な勝利のポイントをほとんど何も獲得できなかった、というべきでしょう。

 トランプ大統領は、18日の『トゥルース・ソーシャル』に次のようにポストして、会談の成功をアピールしました。

 「本日、ロシアのプーチン大統領と電話で話したが、非常に有意義な会談だった。

 我々は、エネルギーとインフラに関する即時停戦に合意し、完全停戦、そして最終的には、ロシアとウクライナ間のこの非常に恐ろしい戦争の終結に向けて迅速に作業を進めることで合意した。(後略)」。

※トランプ大統領の18日の『トゥルース・ソーシャル』へのポスト。
https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/114184931453780675

 他方、プーチン大統領は、西側によるウクライナへの「軍事支援や情報提供の完全な停止」が恒久的な和平合意の条件になると主張しており、それを米国はじめ西側が受け入れられないとトランプ大統領が(おそらくは)回答したため、全面的な停戦に至りませんでした。

 これは、戦場で圧倒的に優勢であり、ウクライナ軍の掃討戦の段階に入っているロシアにとっては、かえって好都合の拒否回答で、インフラ攻撃や民間へのテロ攻撃は停止されても、戦場で軍と軍とが戦う文字通りの戦争は継続されることになると、ロシアと米国が合意したことになります。

 実質的には、ロシアの交渉の勝利ですが、それを勝ち誇らず、トランプ大統領の顔を立て、花を持たせることで、彼の政治的面目を保ちました。これは、少なくともこの段階では、ロシアと、米国の双方が、政治的勝利を収めたことになります。

※米ロ首脳、ウクライナ全面停戦合意せず インフラ攻撃30日間停止(ロイター、2025年3月18日)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NEEU3BDE5NKJNJWOCN5IWDYGIE-2025-03-18/

 米国のウィットコフ中東担当特使は、ウクライナ紛争に関するロシアとの協議が、23日にサウジアラビアのジッダで行われると明らかにしました。

 停戦協議の進展や、その間の戦況は、続報でお伝えしますが、ウクライナは占領地の返還を求めているものの、ロシア側には占領地を返還するつもりがなく、ウクライナとしては欧州軍のウクライナ入りを求めているけれども、ロシアは断固拒否しており、米国が考えるほどすんなり完全停戦が成立するとも思われません。

 3月17日付『CNN』は、トランプ大統領が、「『ロシアとはかなりうまく進んでいる。火曜日(18日)には、何らかの発表ができるかもしれない。火曜日にプーチン大統領と話をする予定だ』と語った」と報じていました。

※Trump says Ukraine-Russia peace talks looking at ‘dividing up certain
assets’(CNN、2025年3月17日)
https://edition.cnn.com/2025/03/17/politics/trump-putin-meeting-ukraine-intl-hnk/index.html

 さらに、同日付『CNN』によれば、トランプ大統領は、「週末の間に多くの作業が行われた。この戦争を終わらせることができるかどうか、見極めたい。成功するかもしれないし、しないかもしれないが、成功の可能性は非常に高いと思う」と、楽観論を続けたといいます。

 国内向けには、自分が停戦をまとめ上げたという成果を誇りたいところですから、失敗は許せません。そこが、トランプ大統領の弱みでもあります。

 トランプ氏は、交渉団がすでに話し合うべきテーマを特定していると述べたとして、17日付『CNN』は、トランプ氏の発言をこう報じています。

 「『土地について話し合う。戦争前とは状況が大きく変わった土地が多くあることは周知の通りだ。土地問題、そして発電所(ロシア軍が確保しているザポリージャ発電所)についても話し合う予定で、これも重要な課題だ』と語った」。

 この先延ばしされた停戦協議のポイントが、領土の問題と原発の問題であることが、この報道から見えてきます。

 ただ、ここには欧州の有志連合軍が「平和維持軍」の美名のもと、停戦がなった時、ウクライナに乗り込んでくるのが許されるかどうかの問題が残されています。一番、この問題が、難しく、棚上げされている感があります。

 他方、領土問題については、ドンバス地方の一部が交渉対象になっていると、14日付『ザ・ヒル』は、報じています。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

■昨日配信、再生数11万回超え!「財務省解体デモ」現場近くの路上で襲撃され深手を負った立花孝志氏に、岩上安身が事件後、最初の独占単独インタビュー!! 立花氏は「原因を作ったのは、『報道特集』では!?」とメディアの偏向報道が「テロリスト」を生む恐怖を激白! NHK党の浜田聡参議院議員は4回も立花氏を個人攻撃した『報道特集』を放送したTBSを「停波すべき」と訴え!!

 昨日の『日刊IWJガイド』で、岩上安身による立花孝志氏へのインタビューについてお伝えしましたが、昨日配信したインタビュー動画の再生数が11万回を超え、きわめて大きな注目を集めていることから、改めてご紹介します。

 一昨夜、岩上安身が、「財務省解体デモ」現場近くの路上で襲撃され、深手を負った立花孝志氏に、事件後、初めての単独インタビューを行いました! 立花氏は、「(襲撃の)原因を作ったのは、『報道特集』やないか?」と主張しました。

 立花氏が立候補していた千葉県知事選挙は、3月16日に投開票され、与野党相乗りの現職・熊谷俊人氏が、得票率85.9%で、共産党推薦の小倉正行氏、「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏、「つばさの党」代表の黒川敦彦氏を破り、再選しました。

 狙いすましたように、その知事選の投開票日の前日の、3月15日にオンエアされた『報道特集』は、はじめから終わりまで、立花氏を「悪人」として描き出しており、これは悪質な選挙妨害の可能性が疑われます。

 3月15日のこの『日刊IWJガイド』でもお伝えしましたが、立花孝志氏は3月14日の夕方5時ごろ、東京・霞ヶ関の財務省前で行われていた「財務省解体デモ」の道路を挟んだ向かい側の路上で演説を行おうとしていました。

 演説に先立ち、支援者との握手と写真撮影を行なっていたところ、列に並んで順番待ちしていた宮西詩音容疑者に持っていたナタで襲われ、躊躇なくまっすぐに振り下ろされた凶器によって、側頭部および左耳に大怪我を負いました。

 のどにも斬り傷が残り、容疑者がまっすぐに真上から下へではなく、右上から左下へと斜めに、いわゆる「袈裟斬り」に斬っていたなら、間合いが近く、避けきれずに、頸動脈が斬られ、致命傷となるところでした。

 単なる傷害ではなく、殺人未遂として現行犯逮捕されたのも、当然のことです。

※誰が標的になろうと言論へのテロは絶対に許せない!! NHK党の立花孝志氏が、財務省前で、千葉県知事選挙の選挙活動中に襲撃される! 殺人未遂で現行犯逮捕された宮西詩音容疑者は「立花氏を殺そうと思い、持っていたナタを振り下ろした」「ほかの議員を自殺に追い込むようなやつだからやった」などと供述! 立花氏は「大丈夫です!」と無事を報告後、「実は耳とれかけていて、敏腕ドクターに縫合してつけてもらえました!」「殺されかけた…【不安と恐怖でいっぱいです。】」と投稿!(日刊IWJガイド、2025年3月15日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250315#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54503#idx-4

 立花氏は宮西容疑者について、「犯人に対しての怒りみたいなものは、意外に、本当に、まったく湧いてこない」と述べています。

 その反対に、宮西容疑者が「兵庫県の竹内英明元県議が自殺したというニュースを見て、立花氏に対して殺意を抱くようになった」と供述していると聞いて、むしろ宮西容疑者のような者を、殺人未遂に駆り立てたメディアの偏向報道に対し、憤りをつのらせていました。

 実際、主要メディアの中で、見出しに「どんな言動にも暴力は許されぬ」と掲げていたのは、読売新聞オンラインだけでした。

 主要メディア以外で、斎藤知事を叩き、立花氏をも叩いていたジャーナリストなどは、ほぼ沈黙状態です。

フランス革命を導いたヴォルテールの言葉とされてきた(今は別の人物の言葉ではないかと言われる)、「自分の考えに合わないとしても、相手の言論の自由を認め、言論へのテロを許さない」ことは、民主主義が成立する必要条件の第一です。

 他方で、TBS『報道特集』は、先述した通り、千葉県知事選投開票日の前日にあたる3月15日の放送で、立花氏の選挙活動を酷評する特集を報じています。

 斎藤知事が辞職し、民意を問い直して、再選され、百条委員会も中身のない報告書をまとめ上げた後もなお、このような番組を放送する意図がわかりません。

 この辺りは、岩上安身による独占インタビューを御覧になってください。

 番組は、冒頭に前日、立花氏が襲撃を受けた映像をとってつけたように流しながら、「立花氏は耳などに切り傷を負った」と、あたかも軽傷であったかのように軽く報じています。

 「極端なコンテンツ」作りをしている『報道特集』は、どこに放送法で求められる地上波の公平性や公正性、政治的中立性があるのか、と問わずにはいられません。

※「真実かどうかよりも、極端なコンテンツほどたくさん見られる」選挙期間中に拡散される誹謗中傷や虚偽を含む動画 作成に報酬も…背景を取材【報道特集】(TBS NEWS DIG、2025年3月16日)
https://youtu.be/hM2g5t2_c5c

 この『報道特集』は、最後にキャスターの村瀬健介氏が、「こうした過激な発信が憎悪や分断を煽っている」と指摘し、キャスターの日下部正樹氏が、「立花氏に対する暴力は、立花氏のやり方に疑問を持つ私達や、ジャーナリスト達が積み上げてきたもの、これを台無しにしかねません」と述べ、「健全な民主主義の対極にあるものです。何の解決にもつながりません」などと訴えて締めくくっています。

 しかし、TBS自身は、『報道特集』でこれだけ立花孝志氏を個人攻撃して、あげく、放映日前日に、彼を殺そうとする者が現れ、そのニュースを冒頭にもってきて、全体としてみれば、自分達を含むメディアの情報が、殺意をかきたてられて殺傷行為を実行に移す人間を生み出してしまうことを、自ら実証してしまった、と言えます。自らを切り裂く大ブーメランです。

 放映をいったん見送りにして、内容を見直す選択肢もあっただろうに、なぜ、平然と、テロのニュースと一緒にあの内容の番組を流してしまったのか。

 何がなんでも、立花氏を叩く番組を4回政策し、オンエアするという粘着ぶりを見せたのか。それほど、彼という存在が、目障りな存在だったのか。

 TBSに限らずですが、テレビ、新聞という「オールドメディア」は、現在ではこぞってネットに番組のサイトをもち、番組や記事を流しています。

 つまり、彼らは、ネットと自らを別のものとして差別化に必死なのですが、「オールドメディア」もまた、今はすでに「ネットメディア化」しており、ネットの中の玉石混交の情報のひとつになっているのが現実なのです。

 自分達だけが、裏どりをしっかり行い、オーソライズされた情報(玉)を発信している気になって、実際のところ石を投げ込み、政治的テロリストを生み出しているかもしれないという自覚や自省の念がまったく欠落しています。ラストのキャスターのセリフには、歯の浮くような偽善臭を感じざるを得ません。

 そもそも、立花孝志氏を4回も取り上げるのに、彼のもとへ取材に行ったのは、一回だけ。その取材も、コミュニケーションが取れず、噛み合わなくて、失敗に終わっています。今回の4回目にも、一度も取材に来ていません。

 「NHKから国民を守る党」の浜田聡参議院議員は、この15日放送の『報道特集』について、16日、自身のブログで「立花孝志氏だけを攻撃する内容の偏向報道を行いました」「選挙期間中、しかも投票日直前に特定の候補者だけを攻撃する内容の放送そのものがまず問題です」と主張し、「TBSは停波すべき」だと訴えています。

※立花孝志を徹底的に攻撃し続けているTBSは停波すべきだが…(参議院議員 浜田聡のブログ、2025年3月16日)
https://www.kurashikiooya.com/2025/03/16/post-20501/

 また、岩上安身による立花孝志氏へのインタビューは、昨日午後7時から、1時間25分に及ぶ動画をフルオープンで配信し、3月19日午後7時点で、YouTubeで11万回以上の再生が行われています。また今後、文字起こし記事の号外を発行し、サイトにも掲載いたします。

 ぜひ、立花氏本人への好き嫌い、政治信条の賛否は別にして、メディアの偏向報道によって、政治的テロに遭難した人物の述懐をお聞きになってください。

※「財務省解体デモ」現場近くの路上で襲撃され深手を負った立花孝志氏に、岩上安身が事件後、最初の独占単独インタビュー!! 立花氏は「原因を作ったのは、『報道特集』では!?」とメディアの偏向報道が「テロリスト」を生む恐怖を激白!~岩上安身による立花孝志氏(NHK党党首)インタビュー 2025.3.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/526915

 以下は、インタビュー冒頭12分の文字起こしの前半です。どうぞ、お読みになってください。後半は明日以降の『日刊IWJガイド』でお送りします。

― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―

岩上安身「皆さん、こんばんは。ジャーナリストの岩上安身です。本日はですね、緊急で動画を回しています。

 一昨日ですね、驚くべき政治的テロ事件が起きました。これを大きく、『テロ事件』と言ってるところ、『暗殺未遂』とか言ってるところはないんですね。それが非常に私は不可解で、しっかり他のメディアが報じているんであれば出る幕はないなと思ってたんですけども、そういうわけにはいかないと思いまして。

 (立花孝志氏に)ご連絡しましたところ、こういう大変重い怪我を負ったにも関わらず、取材を受けてくださることを快諾してくれました。NHKから国民を守る党の立花孝志党首です」

立花孝志氏「はい、立花孝志です。どうぞお願いします。御無沙汰しています」

岩上「御無沙汰ですね」

立花氏「いや、本当に我々が知り合いっていうのも、ほとんど(皆さんは)知らないでしょうけどね」

岩上「そうかもしれないですね。立花さんが、NHKをお辞めになられてしばらくして、まだ『YouTube』というものがこの世になかったんですよ。だから、僕らが(ネットメディアというものを)始めたばかりで。『USTREAM』しかなかった」。

立花氏「岩上さんは絶対覚えてないと思いますけど、岩上さんが自由報道協会、読売新聞の上杉(隆)君と、岩上さんが詰めてたじゃないですか」

岩上「小沢党首のこと(記者会見での発言)をね。(質問をしては、小沢氏が答えようとすると、全部大声をあげて回答の)邪魔をしてたから」。

立花氏「あの時に岩上さんを初めて知って。動画を見て初めて知ったんです。あ、こんな人いるんだと。上杉くんは、もちろん、前からもう知っていた」。

岩上「いや、もっと前ですよ。だって大阪であったでしょ?」

立花氏「いや、あの動画が先だったと思いますね。僕のイメージは。いや、岩上さんの。僕はもう、YouTubeチャンネルか何かもう忘れましたけど、動画サイトで自由報道協会を作られて、読売新聞の記者に、『お前、正力松太郎に取材にできんのか』とかね」

岩上「よく覚えてる!」

立花氏「いやいや、衝撃的でしたもん。僕はあれで、まあ上杉君と一緒にやってね、上杉のことをずっとツイッターで書いたら、『お前は上杉の真似して』みたいな感じで。そこで初めてブワーッと伸びていたので」

岩上「僕が書いた?」

立花氏「いやいや、上杉と二人で詰めてたでしょう。畠山さんもいましたけど」

岩上「そうそうそう。結果的に」

立花氏「だからそこから僕はちょっと上杉君の知り合いだということで、YouTubeやツイッターのフォロワー数が、当時、何10とか100くらいだったのかな。それが4桁にあっという間に上がっていて」

岩上「すごいね」

立花氏「その頃から、一方的に、すごいジャーナリストとして…」

岩上「いえいえ。僕はね、大阪で小さい、何て言うんですかね?」

立花氏「討論バーですね。討論バーしずっていうところでしたね」

岩上「あれたしか、上杉君、いたんじゃないかな。あれは何だったんだろう。誰か人の紹介ですよね」

立花氏「そうです」。

岩上「私が討論バーっていうところに行って。それで立花さんに初めて会った」

立花氏「岩上さんはいつ寝られているのかわからないので。タクシーで移動されているのを見て、『うわー、お金持ちやなー』と思いました」

岩上「お金持ちではない。冗談ではなく、周り中で、あの頃ですね、痴漢冤罪でバンバン捕まってたんですよ」

立花氏「痴漢の冤罪でね、人が。植草(一秀)さんとかがね」

岩上「そう。それもあるし、名前はあげられないけど、何人か痴漢冤罪で。そういう痴漢冤罪もあって。それまではもちろん、電車に乗って単独で身軽に行動していたんですけど。『いや、これはまずいな』と思って。そういう時期がありました。1人では(電車に乗らない)」

立花氏「最後にお会いしたのは、畠山さんの授賞式で。もうかれこれ…」

岩上「10年は経たないかな?」

立花氏「でも、僕は国会議員になってから、初めて(岩上と会った)かもしれないですね。僕は6年前に国会議員になったんですけど」

岩上「そっか、もっと前に議員になってますよね」

立花氏「地方議員はね。地方議員はもう10年前ですけど、船橋の議員になったのは10年前ですけど、国会議員は、6年前。

 岩上さんのことは、ちらちらと見ているので。もう5年ぶりとか7年ぶりとか、そんなイメージじゃないです」

岩上「(立花氏を)見ない日はないですね。ものすごい回数を上げてるので、勉強になりますけど。何か、思ったよりは元気そうで。ちょっと、良かったなと」

立花氏「あー、そうですね…。

 実感がないんですよね。今、僕。そういう被害にあったという。あまりに突然のことで。

 ただ、メンタル的には、これから何か出てくるのじゃないか。少なくとも事件の前と後では、かなり弱気にはなってます」

岩上「今?」

立花氏「弱気になってるっていうのは、僕はいいんだけども、今回も結局、支援者の人が太ももに3針縫って怪我もされているので。やっぱり、周りの人が怖いんじゃないのかな。

 だからそういう意味では、(今は)こう気持ちも良くなってる(けれども)、ひょっとしたら何か、トラウマ的なものが出てくるのかもしれないですけどね」

(次号に続く)

■IWJの財政は崖っぷちです! 3月は1日から17日までの17日間で、33件、47万7700円のご寄付・カンパをいただいています。ありがとうございます! この金額は、月間目標額350万円の14%にあたります。昨年8月から始まった第15期は、半期が過ぎ、7ヶ月連続で月間目標を割り込み、累積のマイナス額は1277万4502円です! IWJが3月以降も活動を続けられますように、ご寄付・カンパによる緊急のご支援をよろしくお願いいたします!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 財政が危機的状況です! IWJが3月以降も活動を続けられますように、ご寄付・カンパによる緊急のご支援をよろしくお願いいたします!

 IWJの今期第15期は、8月にスタート、半期が経過し、8ヶ月目に入りました。残念ながら8月からの今期第15期は、2月まで7ヶ月連続で一度も、目標額に達していません! この不足総額は、累計で暫定ですが、1277万4502円にもなります。

 今期は月間目標額を達成するだけではなく、累計1277万円のマイナスを少しでも埋められるよう、皆さまのご支援をお願いしたいと存じます!

 2月は1日から28日までの28日間の確定値で、70件、247万9211円のご寄付・カンパをいただきました。この金額は、月間目標額350万円の71%にあたります。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます!

 3月は1日から17日までの17日間で、33件、47万7700円です。この金額は、月間目標額350万円の14%にあたります。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます!

 11月からは、より一層、支出を絞り、ご寄付・カンパの月間目標額を400万円から350万円に下げることといたしました。目標額を下げても、目標額にはまったく手が届かないようならば、IWJは今後、活動を続けてゆくことが困難になります!

 第15期が、赤字とならないようにするために、無料でご視聴の方は、有料会員登録と、緊急のご寄付・カンパによる、財政難のIWJへのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 岩上安身は、コロナ後遺症と思われる体調不良から、養生しつつも、少しずつ回復しつつあります。一時期は、在宅で養生し、インタビューも1度もできない月もありました。しかし、昨年11月、12月、1月と、連続して重要なキーパーソンへのインタビューを実現し、配信しています!

 また、1月27日の、お台場のフジテレビ本社で行われた約10時間半にわたるロングラン記者会見にも参加し、現場で質問もし、乗り切りました(その後、夜中の2時近くに帰社して、徹夜で『日刊IWJガイド』の作業をしたので、疲れが数日間残り、ダウンしましたが)。

 また、インタビューを、お見逃しになった方も、会員であれば2ヶ月間全編視聴が可能です!

 サポート会員ですと、過去のすべてのコンテンツについて、いつでも、いくつでも御覧になれます! 公開済みのコンテンツの本数は、動画とテキスト記事あわせて2万6113本あります。このうち、動画が2万3502本、テキスト記事が1万1196本、ブックレビューなどその他248本あります(カテゴリーは重複するものもあります)。

 皆さま、会員登録をよろしくお願いします!

※会員登録のご案内
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 2月末現在、IWJ会員の総数は2009人、このうちサポート会員の方は773人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします! 会員総数が5000人、そのうちサポート会員が2000人いてくれたら、IWJの経営は格段に安定します!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 年会費をまとまってお支払いいただければ、12ヶ月中2ヶ月分がサービスとなります。即ち、一般会員が月1100円で、年間だとその12ヶ月分1万3200円のところ、一括払いなら、1万1000円(消費税込み)となります。

 同じくサポート会員が、1ヶ月3300円で、毎月支払ってゆくと、12ヶ月で3万9600円のところ、一括払いですと、3万3000円(消費税込み)ですみます! 2ヶ月分おトクです! ぜひ、ご検討ください!

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、米国に操られたまま、無謀な戦争へと向かう日本の対米従属権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えしてゆく独立メディアIWJの活動をご支援ください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身 拝

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆中継番組表◆

**2025.3.19 Wed.**

調整中

========

◆中継番組表◆

**2025.3.20 Thu.**

調整中

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆昨日アップした記事はこちらです◆

「財務省解体デモ」現場近くの路上で襲撃され深手を負った立花孝志氏に、岩上安身が事件後、最初の独占単独インタビュー!! 立花氏は「原因を作ったのは、『報道特集』では!?」とメディアの偏向報道が「テロリスト」を生む恐怖を激白!~岩上安身による立花孝志氏(NHK党党首)インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/526915

◆しばらくフルオープン! 動画をご視聴になり、記事をお読みになった方々は、ぜひ、この機会に会員登録をお願いします!◆

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

「『パンデミック合意』の中身は遺伝子製剤を使った儲け話の分け前。世界の保健とか、健康とか、ましてや命の話ではない! WHOは反社! 邪悪そのもの!! しかも日本はその主犯! WHOの親善大使・武見敬三氏が厚労大臣になって、バリバリ進めた!!」作られたパンデミックである「プランデミック戦争」から日本人の命を守るには!?~岩上安身によるインタビュー 第1167回ゲスト 立憲民主党・原口一博衆議院議員 2024.10.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/524918

※マスメディア内で横行する性暴力。ぜひ、フジテレビの性スキャンダルにご関心をおもちの方は、以下の大新聞内部での性暴力の実態を御覧になってください。「女性を丸め込む役割は女性」という点も、そっくりなことがよくわかります。

性暴力はメディア業界にはびこっている!! 記者クラブメディアの『病んだ労働環境』が性暴力を生む!! ~岩上安身によるインタビュー第993回 ゲスト 同僚からの性暴力被害者・元大手新聞女性記者Aさん
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/465919

中居正広氏の「慰謝料9000万円のSEXスキャンダル」の波紋が拡大! フジテレビの女性社員との食事会を設定し、自分はドタキャンして中居氏と女性社員を2人きりにしたフジ編成幹部は、松本人志氏と中居氏の番組『まつもtoなかい』の企画・立案者! フジは「当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」と否定! 中居氏のスキャンダルを一切報じないテレビ各局は、年が明けるとこっそり番組を差し替え! さらに各テレビのキー局とクロスオーナーシップでべったり癒着の大新聞もスルー! オールドメディアと芸能界で横行してきた「性上納」「枕営業」の実態に、どこの新聞・テレビも真実を報じることができず!
(日刊IWJガイド、2025年1月6日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54283#idx-1

【中居正広氏と元フジテレビ女性社員との間での「慰謝料9000万円のSEXスキャンダル」で、密会のお膳立てをしたと関与が疑われている、渦中のフジテレビが、昨年末12月26日の納会で各部署の女性社員達を大量に動員し、チアガールに扮装させ、全社あげてのどんちゃん騒ぎ! 大谷選手新居報道で取材拒否された「ニュース総局チーム」の社員は「大谷翔平選手のユニフォームを着ていた」との証言も!】フジテレビの辞書には「反省」「謹慎」の文字はなし!?(女性自身、2024年12月29日)(日刊IWJガイド、2025年1月7日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54286#idx-6

中居正広氏から「意に沿わない性的行為」を受けた局アナのX子さんは、フジテレビの当時のアナウンス室長、佐々木恭子アナウンス室部長、当時の編成制作局長に報告したが、フジテレビは事件を握りつぶしていた!『週刊文春』が明らかに!(日刊IWJガイド、2025年1月8日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54296#idx-1

中居正広氏MCのフジテレビ系『だれかtoなかい』が放送休止を発表! 中居氏への「性接待上納」当事者で、報道機関でもあるはずのフジテレビは「中居氏に関する報道を受け、状況を総合的に検討した結果」「当面の間休止とする判断に至りました」と、まるで他人事! 他のテレビ局も次々、中居氏の番組をさしかえ! 実際には、フジ以外にも、日テレ、テレ朝、テレ東のプロデューサーが、局アナやフリーアナウンサー、タレント志望の大学生にセクハラや猥褻行為のオンパレード! どこの局も最後は揉み消しに!! NHK『紅白』出場者は、芸能部長への「金と女」で決まるとの暴露も!!(日刊IWJガイド、2025年1月10日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54302#idx-5

中居正広氏が元フジテレビ女性社員との「トラブル」を認め、「お詫び」コメントを発表! これまで固く口を閉ざしていたメディアは、直後に一斉に報道! しかし、『週刊文春』が報じた「『意に沿わない性的行為』があったのか?」と言及したのは『ニュースZERO』のみ! 関与を指摘されている『フジテレビ』は「昨年来、事実確認を含め対応を継続しています」と表明! 前衆議院議員の丸山穂高氏は、『フジテレビ』の免許取り消しを国会で追及すべきと訴え! 12月下旬から『フジ』の株価は下がり続け!!(日刊IWJガイド、2025年1月11日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54307#idx-5

松本人志氏が性加害を行っていたとされるホテルスイートルームでの「部屋飲み」に、中居正広氏も参加していた!『フジテレビ』編成幹部A氏も飲み会メンバーの一人だった!! 元『テレビ朝日』法務部長の西脇亨輔弁護士は、X子さんの性被害報告を握りつぶしたアナウンス室部長(当時)佐々木恭子氏ら『フジテレビ』幹部の「初動」が「今日の混迷の一因」「なぜ中居氏を『出入り禁止』にしなかったのか」と指摘! 2020年に行われた岩上安身によるインタビューで、同僚から受けた性暴力を語った元大手新聞女性記者A子さんは、「同性である人事部女性が、話を聞きつつ、泣き寝入りに誘導された」と語っていた!
(日刊IWJガイド、2025年1月13日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54310#idx-1

日枝久氏の陰の権力のからくり! フジサンケイグループはなんと院政のための任意団体で企業ですらない、精神共同体と、フジが取材に応じて認める! このフジサンケイグループの代表が日枝氏! 法的に、彼が、フジテレビをはじめ、フジ・メディア・ホールディングス傘下の企業を統治する権力はない! にもかかわらず、対外的には、一取締役として責任を小さく見せ、グループ内部には最高権力者として人事権をはじめとする絶大な権力をふるう! IWJは、日枝氏の正体に迫るべくフジメディアHDに直撃取材!(日刊IWJガイド、2025年2月1日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54372#idx-2

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■【IWJ号外を出します!】<ジェフリー・サックス教授の欧州議会での講演「平和の地政学」(その1)>ソ連崩壊後、米国の一極覇権プロジェクトが始まり、2003年のイラク戦争後、「欧州は完全に発言力を失った」! 冷戦後、今に至るまでの35年間のすべての謎が解ける!東京大学松里公孝教授が推薦!

 ジェフリー・サックス教授は、2025年2月19日、欧州議会で講演を行い、ウクライナ紛争を含む米国の外交政策を強く批判するとともに、9年の冷戦崩壊から現在に至るまでの、米国の覇権を求める歴史を語りました。マイケル・フォン・デア・シューレンブルク(Michael von der Schulenburg)氏が主催するイベント「平和の地政学」に登壇したサックス教授は、米国の一極覇権主義を強く批判し、ウクライナ紛争は米国による「代理戦争」であり、「欧州には、現実にもとづいた独自の外交政策が必要」だと訴えました。

 欧州は米国の従属国になっている、という現実をも突きつけ、欧州の指導者らには、苦い講演となったはずですが、IWJを御覧になってきた方にとっては、随所で、我々がかねてより報じてきたことと、重なる部分があることに、気づかれると思います。

 サックス教授は、ハーバード大学に留学していた、皇太子(現在、今上天皇)との御成婚前の雅子皇后の指導教官であり、世界屈指の経済学者として知られていますが、彼は、実際に世界各国の政治経済の政策決定にも関わってきました。ソ連解体前後の、東欧・旧ソ連・ロシアで各国の社会主義経済から民営化への移行の政府アドバイザーを務めてきたことは、よく知られています。

 欧米諸国だけではなく、南アメリカ、アジア、アフリカ、中東の数十人の世界の指導者に経済戦略について助言を行ってきました。2001年から2018年まで国連事務総長特別顧問を務め、現在は、アントニオ ・グテーレス国連事務総長のもとで、「持続可能な開発目標SDGs」の顧問を務めています。

※Jeffrey D. Sachs、Short Bio(Congress.gov、米連邦議会、2025年3月16日閲覧)
https://www.congress.gov/117/meeting/house/114542/witnesses/HHRG-117-GO00-Bio-SachsJ-20220329.pdf

 岩上安身によるインタビューを受けていただいた松里公孝東大教授が、「非常に世界的に評判となっている講演なので、ぜひ御覧になってください」と、アドバイスをいただいてもおります。我々だけでなく、読者・視聴者の方々にも、広くお伝えしたいと思い、翻訳を行いました。

 冷戦後、一極支配を目指してきた米国が、何をしてきたか、その過程があますところなく、しかもシンプルかつ明晰に、語られています。

 世界の政治経済事情、とりわけ旧ソ連のロシア、ウクライナの現地の生の情報に通じているサックス教授の主張を凝縮したようなこの演説は、注目を集め、YouTubeでもフルヴァージョンや切り出しが数多く出ています。ここでは、『タイムズ・オブ・インディア』がYouTubeにアップした動画をご紹介します。

※Jeffrey Sachs Roaring Ukraine Speech At EU Parliament; Blasts U.S., Says ‘Not Putin’s Puppet’(Times of India、2025年2月25日)
https://youtu.be/hA9qmOIUYJA?si=GghkcRiZ9WBm-wv3

 講演の主催者であり、司会・紹介者でもあるシューレンブルク氏は、元国連事務次長で、現在はドイツの「急進左派」とされるザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟(BSW)所属の欧州議会議員です。

※Jeffrey Sachs: The Geopolitics of Peace(Consortium News、2025年2月27日)
https://consortiumnews.com/2025/02/27/jeffrey-sachs-the-geopolitics-of-peace/

 シューレンブルク氏は、サックス教授を、国連事務総長の顧問、コロンビア大学教授で地球研究所の創設者、持続可能な開発ソリューションセンターの所長と、その多彩な経歴を紹介しました。

 シューレンブルク氏は、「サックス教授ほど、国際的に人脈のある人物には会ったことがありません。宗教分野でも、政治分野でも、ジェフほど人脈のある人物はいません」「ジェフは世界中どこへ行っても知られています。中東でも、中国でも、モスクワでも、またキエフでも、そしてアフリカやラテンアメリカでも」と述べました。シューレンブルク氏は、「ジェフが特別」なのは、「彼が常にアドバイザーであり続けていること」「独立性を保っていること」であり、そのことが信頼性を高めている、と評価しました。

 シューレンブルク氏は、「ジェフは世界中で平和のために声を上げる人物」であるからこそ、「平和の地政学」について話してもらうために、ウクライナ紛争で揺れている欧州議会に招待したと説明しました。

 IWJは、サックス教授の講演と質疑を、全文文字起こしし、仮訳・粗訳を進めています。(その1)では、以下の小項目(IWJによる)をお送りします。

1)米国は、ソ連崩壊以降30年以上、他国の意見に耳を傾けることなく、多くの戦争を主導し、引き起こしてきた
2)2003年のイラク戦争後、欧州は完全に発言力を失った
3)1994年、米国による一極覇権を意味する、NATOの東方拡大をクリントン政権が正式に決定した
4)「NATOは1インチたりとも東方に拡大しない」と無数の文書に記載されている
5)「NATOの東方拡大」は、33年にわたる米国のプロジェクトである
6)ロシア封じ込め政策を、米国は英国から引き継いだ
7)米国の政治システムは、メディア操作による『イメージのシステム』である
8)コソボ紛争も、南スーダンの反乱も、NATOの東方拡大も米国のプロジェクトである
9)9.11の後の7つの戦争は、ネタニヤフの戦争である

 以下に、号外の(その1)の冒頭の一部を掲載します。

 どうぞ、IWJの会員となって、号外の全文をお読みください。

 また、明日以降も続きの号外を発行いたします。ぜひ御覧ください。

― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―

ジェフリー・サックス教授、2月19日「平和の地政学」EU議会での講演

1)米国は、ソ連崩壊以降30年以上、他国の意見に耳を傾けることなく、多くの戦争を主導し、引き起こしてきた

サックス教授「マイケル(司会のシューレンブルク氏)、(紹介を)どうもありがとう。そして、皆さん、こうして一緒に集まり、一緒に考える機会をいただき、どうもありがとうございます。

 私達は今、実に複雑で変化の速い時代に生きています。そして、非常に危険な時代でもあります。だからこそ、私達は思考を明晰に保つ必要があります。私は、特にこの演説に関心を持っているので、できるだけ簡潔かつ明晰に話すように努めます。

 私は、東ヨーロッパ、旧ソ連、ロシアで、過去36年間、出来事をとても間近で見てきました。

 1989年にはポーランド政府、1990年と91年にはゴルバチョフ大統領、1991年から93年まではエリツィン大統領、1993年から94年まではウクライナのクチマ大統領のアドバイザーを務めました。

 私は、エストニアの通貨導入を手伝いました。旧ユーゴスラビアのいくつかの国、特にスロベニアを手伝いました。私は36年間、非常に間近で出来事を見てきました。

 『マイダン(※2014年のユーロマイダン・クーデターを指す)』の後、私は新政権からキエフに来るよう要請され、『マイダン』を案内してもらいました。そして、非常に多くのことを直に我が目で学びました。私は30年以上、ロシアの指導者達と、連絡を取りあっています。

 私は米国の政治指導者達を知っています。51年前、当時の財務長官(※第62代財務長官ジョージ・シュルツ氏)は、私のマクロ経済学の先生でした。彼または彼女らは、ある思想を伝えていました。ですから、私達は、半世紀にわたって非常に親しい友人でした。

 私は、これらの人々全員を知っています。私が言いたいのは、私の見解は、二次的な情報によるものではない、ということです。

 それは、イデオロギーではありません。私が、この期間に自分の目で見て、経験したことです。

 私の理解では、ヨーロッパで起こった出来事には、多くの側面があります。ウクライナ危機だけでなく、セルビアでの1999年(※コソボ紛争)、イラク、シリアを含む中東での戦争、スーダン、ソマリア、リビアを含むアフリカでの戦争なども含まれます。

 ここには、あなたが驚くような、非常に重要なものがあります。おそらく、私がこれから話すことについて、非難が起こるでしょう。これらは、米国が主導し、引き起こした戦争です。そして、これは40年以上も真実でした。何が起こったのでしょうか? より正確には、30年以上です。米国は、特に1990年から91年にかけて、そうするようになったのです。

 ソビエト連邦が崩壊し、米国が世界をリードする立場となり、米国は他国の意見に耳を傾ける必要がなくなりました。(※他国にとっての)レッドライン、安全保障上の観点、国際的な義務、国連の枠組みなど。

 率直に申し上げて、申し訳ないのですが、1991年に私は、現代最高の政治家であったと思うゴルバチョフ氏を助けようと懸命に努力していたことを、ご理解いただきたいと思います。

 私は最近、私の提案について議論した際に、国家安全保障会議(※米国のNSC)によって記録されたメモを読みました。『米国がソ連の財政安定化と改革を支援すべきだ』と私が言ったとき、彼らがそれを完全に却下し、一笑に付したと書かれていました。

 メモには、特にハーバード大学の元同僚の何人かが、『大惨事を防ぐために最低限のことはするが、最低限のことというのは、我々が支援する仕事ではない』と述べていたとあります。まったく正反対でした。『支援することは、我々の利益にはならない』。

 1991年にソビエト連邦が崩壊したとき、その見方はさらに強化されました。私は、該当するメモの章と節をあげることができます。

 しかし、あなた方はいずれ知ることになるでしょうが、その見解は、チェイニー(※ディック・チェイニー第46代副大統領、在任2001-2009、ブッシュJr.政権)、ウォルフォウィッツ(※ポール・ウォルフォウィッツ、第25代国防副長官、在任2001-1005、ブッシュJr.政権、ネオコンのリーダー)、そして、多くの他の人物が、文字通り信じていたものです。

 『これは、今や米国の世界であり、我々は、我々の望むようにする』と。

 『我々は、旧ソ連を一掃する。残っている同盟国もすべて追い出す。イラクやシリアのような国々は消えるだろう』と。

 そして、私達は今、この外交政策を経験しています。実質的には33年間です。ヨーロッパは、このために大きな代償を払ってきました。なぜなら、私が知る限り、この期間、ヨーロッパには外交政策が存在しなかったからです」

(後略)

■<IWJ取材報告>たんぽぽ舎共同代表・山崎久隆氏「原発のメンテナンスさえろくにできない会社が、マグニチュード8を超える地震や高さ12メートルを超えるような津波に襲われる。そういうことを想像すれば、次に福島第一原発級の事故が起きるのは、柏崎刈羽であるというふうに考えるしかありません」~3.11「3.11【追悼と東電抗議】集会」第138回東電本店合同抗議行動 -登壇:鎌田慧氏、鴨下美和氏、全生・肉球新党など

 東日本大震災による東京電力福島第一原発の事故から14年目を迎える、2025年3月11日、午後6時45分頃より、東京都千代田区の東京電力本店前において、138回目の「東電本店合同抗議行動」が行われました。

 総勢約213名が参加し、黙祷、スピーチや合唱、音楽演奏、大太鼓のパフォーマンス、そして、東京電力への申し入れ行動などが行われました。

 抗議行動の冒頭、この日、午後2時から経産省前での「3・11脱原発・経産省前大集会」を終えて駆けつけた、「経産省前テントひろば」の江田忠雄氏が、主催者あいさつを行いました。

江田氏「(前略)14年が経過した今も、経産省前での抗議行動は続いている。今日ここで、皆さんと共に、抗議行動を行なえることを喜びたい。

 (中略)私達は、経産省前と東電前、いわば、行政と原発の本家本元の企業である東電、その両方を相手に闘ってきた。今後も、この運動をさらに進めていきたい」

 スピーチでは、たんぽぽ舎共同代表の山崎久隆氏が、次のように述べました。

山崎氏「14年前の今日、重大な原発事故を起こした東京電力は、今また、柏崎刈羽原発6号機・7号機の再稼働の準備を進めています。

 しかしながら、日本海というのは、能登半島地震でも明らかな通り、今、まさに地震活動が活発化している真っ最中です。

 狙いすましたように、地震の、その真上で、原発を動かそうという、この会社のこの感覚が、私にはまったく理解ができません。

 さらに近年、新たな知見がいくつも明らかになってきています。

 関東大震災において、熱海に、高さ12メートルを超える津波が襲い掛かりました。これは、地元の人達くらいしか、あまり知られていない事実ですけれども、なぜ熱海にそんな高い津波がやってきたのか?

 その当時の、関東大震災の海底地形の動きだけでは説明がつかないということで、いろいろ水深調査などを行った結果、地震直後に巨大な地滑りが発生し、それによる津波と地震による津波があわさって、熱海に襲いかかったことが、明らかになりました。関東大震災から100年以上もたって、ようやく、こういう知見が明らかになるのです。

 また、能登半島地震においては、能登半島の地震そのものは、半島の北側の活断層が活動した地震であり、その津波は、当然ながら、珠洲(すず)市や輪島市、七尾市を襲ったのですが、それよりも早い時間帯に、実は、富山県富山市、射水(いみず)市を襲った津波がありました。

 これによって、家屋に損害が出て、また、家が流される、そういう事態にもなったんですね。

 ところが、この津波、どこから起きたのか、しばらくわかりませんでした。なぜならば、震源域はそこよりもはるかに離れた、能登半島の沖合だからです。

 その後、富山湾内を調査した結果、富山湾の中には非常に深い谷、海底谷がたくさんあるんですけれども、湾内の谷で地盤崩落が起きていました。海底地滑りです。これによって、射水市や富山市に、3~4メートル級の津波が襲いかかったことが明らかになっています。

 さらに、上越市、だんだん近づいてきますね、柏崎市に。上越市においても、3メートル近い津波が発生していましたけれども、この津波もまた、どこから起きたのかはっきりしませんでした。

 今、解析が進められていますが、どうやら海底の地形が複雑なので、地震波によって発生した津波がぶつかり合い、その高さが非常に複雑に変化した中の一つが、上越市に襲いかかったというふうに推定されています。

 東京電力が柏崎刈羽原発のために用意した津波の想定は、高さがわずかに6メートル。今回、能登半島地震で発生した津波とほぼ同じくらいの、その程度の津波しか想定していません。

 ところが、発生する地震の大きさは、マグニチュード7~8.4と、いくつかの地震を想定していますが、最大で8.4という巨大地震も想定しています。

 ご存じの通り、能登半島地震はマグニチュード7.6です。その7.6で、6メートルを超える津波が襲った地域があるのに、8.4で、東京電力はそれと同じような津波しか想定していません。これは過小評価です。

 また、海底地滑りも、嵩上げとしては0.8メートル(80センチ)しか増えない、などと想定していますが、これも余りにも想定不足です。

 要するに、いまだによくわかっていない地震や津波の発生を『まあ、このくらいだろう』という歩留まりをして、たかだか高さ12メートルの防潮堤で守れると、そういう設計をしているのが、東京電力柏崎刈羽原発です。

 つい先日、その6号機でボヤが発生しました。そのボヤは、非常用ディーゼル発電機の制御盤から発生しています。

 ちょっと前ですが、1ヶ月ほど前、東海第二原発は、中央制御室内の制御棒、原子炉内中性子計測計の基盤から発煙しました。

 どちらも、もう老朽化してしまい、電気を通せば回路が火を噴く、そういう状況になっているんです。

 このような、原発のメンテナンスさえろくにできない会社が、マグニチュード8を超える地震や高さ12メートルを超えるような津波に襲われる。そういうことを想像すれば、次に福島第一原発級の事故が起きるのは、柏崎刈羽であるというふうに考えるしかありません。

 再び、東京電力が原発震災を新潟で起こせば、もう日本はおしまいです。それを止めるために、私達は今、ここに来ています。これからも頑張りましょう」。

※新潟 柏崎刈羽原発6号機制御盤室から一時煙 東京電力が消火(2025.3.10 NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20250310/1030032477.html

※東海第二原発 中央制御室内で火災 すぐ消火 昨年度も火災5件(2025.2.4 NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250204/k10014712581000.html

 集会の詳細については、全編動画を御覧ください。

※たんぽぽ舎共同代表・山崎久隆氏「原発のメンテナンスさえろくにできない会社が、マグニチュード8を超える地震や高さ12メートルを超えるような津波に襲われる。そういうことを想像すれば、次に福島第一原発級の事故が起きるのは、柏崎刈羽であるというふうに考えるしかありません」~3.11「3.11【追悼と東電抗議】集会」第138回東電本店合同抗議行動 -登壇:鎌田慧氏、鴨下美和氏、全生・肉球新党など
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/526823

― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

 YouTubeへの高評価とチャンネル登録も、よろしくお願いします。

 ご支援のほども、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20250319

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、浜本信貴)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト【 https://iwj.co.jp/
公式X(旧ツイッター)アカウント【 https://twitter.com/iwakami_staff