日刊IWJガイド・非会員版「6月も残り2日です! 1日から28日までのご寄付・カンパは、115万7700円と、目標額の29%の達成率で、危機的な数字です!」2024.6.29号~No.4266


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~6月も残り2日です! 6月1日から28日までの28日間のご寄付・カンパは、82件、115万7700円と、目標額の29%の達成率で、かなり危機的な数字です! 今期第14期は、7ヶ月連続で目標金額に届かず、累積の赤字額は1000万円近くになっています。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■「IWJを3.11以来頼りにしてきました」!「IWJは購読者だけで頑張っておられる。感服いたします」! ご寄付によるご支援をしてくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

■【中継番組表】

■トランプ氏がテレビ討論会の「勝者」に! 11月の米大統領選に向けて、バイデン第46代米大統領とドナルド・トランプ第45代米大統領が、初めてのテレビ討論会で一騎討ち! 精彩を欠き、とんちんかんな受け答えで、ますます認知症疑惑が深まったバイデン大統領に対し、トランプ氏は精力的に語り、健康をアピール! 討論会視聴者の69%が「トランプ氏のパフォーマンスのほうが優れていた」と回答、「バイデン氏の指導力に大いに信頼が持てる」と回答したのはわずか14%! トランプ氏は討論会の最後に「バイデンの軍事政策は狂っている。狂気の沙汰だ。彼は、第3次世界大戦に我々を追い込む」と真剣な警告!

■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

■【第1弾! 円が対ドルで一時161円20銭台! 37年半ぶりの円安・ドル高水準! auじぶん銀行の田中健二社長は、日銀が今後利上げに踏み切れば、住宅ローンの変動型の基準金利を引き上げると明言!】(『日本経済新聞』2024年6月28日ほか)

■【第2弾! プーチン大統領のベトナム訪問直後に米国が国務次官をベトナムに派遣! ベトナムまでもが、中国とロシアが主導するBRICSに加盟してしまうことをなんとしても阻止!? 】(『ロイター』2024年6月26日ほか)ベトナム戦争で、絨毯爆撃と枯葉剤をまき散らした米国が、謝罪も補償もなしに、「俺の仲間になれ」とは。どの面下げて頼むのか!?

■【第3弾! ライシ大統領の不可解な事故死に伴うイラン大統領選は、ライシ路線を引き継ぐ保守派のジャリーリー元国家安全保障最高評議会書記局長と、ガーリーバーフ国会議長、改革派のペゼシュキヤーン元保健相の三つどもえで28日投票に! 過半数に届かなければ、7月5日に上位2人の決選投票!!】一方、米国は「テロ支援の資金移動」だと主張し、イランの約50の団体と個人に対して制裁を科したと発表!!(『パーストゥデイ』、2024年6月10日ほか)

■岩上安身のインタビューでお馴染みの評論家、塩原俊彦氏が新刊『帝国主義アメリカの野望 リベラルデモクラシーの仮面を剥ぐ』(社会評論社)を刊行! 近日中に、急変する世界情勢を踏まえて緊急インタビューを行います!
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■はじめに~6月も残り2日です! 6月1日から28日までの28日間のご寄付・カンパは、82件、115万7700円と、目標額の29%の達成率で、かなり危機的な数字です! 今期第14期は、7ヶ月連続で目標金額に届かず、累積の赤字額は1000万円近くになっています。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。

 6月は、28日までの28日間で、82件、115万7700円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。これは、月間の目標額400万円の29%にあたります。

 6月も残り2日となりましたが、目標達成率29%というのは、かなり危機的な数字です。

 もし、7月の期末まで、これ以上目標に達しない月があれば、年の半分が未達確定となってしまい、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、独立メディアとして活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!

 以前にも書きましたが、私には、進行性の難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い次女がいます。

 ですので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません。倒産する一歩手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。

 ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません!

 皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!

 今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 5月末現在、IWJ会員の総数は2372人、このうちサポート会員の方は885人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

■「IWJを3.11以来頼りにしてきました」!「IWJは購読者だけで頑張っておられる。感服いたします」! ご寄付によるご支援をしてくださった皆さまからの応援・激励メッセージに、岩上安身がご回答いたします!

 IWJにご寄付をいただいた皆さまから、応援・激励のメッセージをいただきました。ありがとうございます! ここに感謝を込めてご紹介させていた
だき、岩上安身がご回答させていただきます!

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 IWJを3.11以来頼りにしてきました。存続を強く願っています。岩上さん健康を!

(F.M. 様)
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 F.M. 様

 ご寄付によるご支援、ありがとうございます!

 「3.11以来」というと、もう13年になりますね。本当に長いおつきあいを、ありがとうございます。心より御礼申し上げます。

 長いようで、あっという間の日々でした。当時から、日本は「新たな戦前」を迎えていると、私はSNSで発信したりしていましたが、本当に敏感に反応される方々はまれでした。

 でも今では、誰の目にも、現在が「新たな戦前」であることは、はっきり映っているとおもわれます。

 民主党への政権交代間近というおりに、小沢一郎氏が、でっち上げのスキャンダルである陸山会事件で、検察とマスコミに袋叩きにされて、代表の座を降りたあたりから、中国との接近は許さない、という米国の意志が強く働いていたのを感じていました。

 その後の中国との関係の冷え込み、米国の「ゆとりある覇権国」からの没落と、それに比例するかのように、戦争を肩代わりする戦略が露骨となり、ロシア・ウクライナ紛争や、イスラエルの、人目もはばからないジェノサイド、中国に対する敵対視と、日本をウクライナのような「捨て駒」にする戦略も明確になってきました。

 IWJの仕事は、こうした事態を「予告」しただけで終わってはならない、これからプロパガンダだらけで泥まみれのような事態にはまっていくだろうけれども、その間も、透き通った眼で、物事や自体の本質・真相を見抜き、お伝えしていかなければならない、と強く思っています。それには、IWJが活動を続けられるように、皆さまのご支援がどうしても必要です。どうぞ、末長く、ご支援のほど、よろしくお願いします。

 また、おっしゃる通り、私自身も、健康であり続けなければいけませんね。僕の人生の大半は、仕事対生活の割合が10対0のように仕事にふり切った人生でしたが、それはやはり、体に無理がきます。今頃、コロナを経験するなどして、代表的な後遺症である、体の痛みや倦怠感を感じ、痛感するようになりました。

 休みつつ、走る。そう心がけるようになりました。

 高血圧、狭心症だけでなく、糖尿病、肺気腫、血中の低酸素症など、次々と病気が発覚して、病院通いにも時間をとられていますが、まだ65歳、5年やれるか、10年、15年と仕事を続けられるかは、これからの生活や節制、養生のあり方にもよるだろうと思います。

 「早く楽になろう」と傾く気持ちと闘って、「長く生き残り、しぶとく闘い続ける」という、戦場のゲリラ戦の戦士のような心構えを保つよう、日々、心がけています。

 どうぞ、これからもよろしくお願い申し上げます。

 岩上安身拝

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 商業メディアが情報統制下にある今、独立ネットメディアの重要性は増すばかりです。中でも、日本で最も重要なネットメディアIWJが店仕舞いするようなことがあってはなりません。よく見ているRedacted やJimmy Doreも時々コマーシャルをいれているなか、IWJは購読者だけで頑張っておられる。感服いたします。このところ、寄付すべき人(Covid19関係で裁判しているDr.Ryan Cole)、米独立メディア(Greyzoneなど)が多くて、わずかしか寄付できなくて済みません。

(F.K. 様)

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 F.K. 様

 ご寄付によるご支援、ありがとうございます!

 インフレと不況の最悪タッグ、スタグフレーションに遭遇するのは、オイルショックの時以来、65年の人生で2度目ですが、その時はまだまだ日本の高度成長の余力があり、人口動態も若く、問題はエネルギーであり、そのエネルギー資源を確保するためには、中東をはじめ、平和が必要だと、内閣以下、企業も、国民も、目指すべき道筋がよく見えていました。

 中東外交に関して、現在とは違い、米国の言いなりになってイスラエル一辺倒にならず、アラブとの外交も大切にしたのは、切実な「油の一滴」の重要性を、身に沁みてわかっていたからだと思います。

 70年代の前半は、「福祉元年」といわれ、福祉の充実に、まさにこれから力を入れてゆくところでした。スタグフレーションに一時的には見舞われたものの、乗り越えるべき道筋や、前向きに努力することで道が開かれ、生活が良くなるという実感や希望は失われていなかったと思います。

 現在、日本が見舞われつつあるスタグフレーションは違います。日本自身がもはや若くはなく、さらに戦争に巻き込まれてしまう、そのリスクがインフレ不況の上に重なっているのです。これは戦後最大の危機であることは間違いありません。

 第2次対戦後の世界の構造も大きく変わりつつあります。米国の覇権が衰えると同時に、日本や欧州のような従属国にとって、不利益となるような、あざとい「戦略」を繰り出して、「覇権の自滅」を加速させています。米国が覇権主義の旗を静かにおろすのであれば、世界が平和になっていくのですが、彼らにはそのつもりがありません。

 うぬぼれた自意識と実力がすでにアンバランスになっており、その穴埋めに、言いなりになる従属国を犠牲にし、正面からたてつく国には、国際法上合法とはいえない「制裁」を乱発し、世界の多くの国からのリスペクトと信頼を失いつつあります。

 日本にとっても、貿易は欠かせず、その最大の貿易相手国はとっくに米国から中国になっており、日本はG7のメンバーであるよりも、BRICSのメンバーであった方が、国益にかなう(近隣の潜在敵国を減らして、国防リスクとコストを下げられる。米国の制裁に邪魔されず、中国市場へのアクセスと、ロシアのエネルギー資源の供給が見込まれる。世界で最も成長し、繁栄している東アジアにおいて、その成長を地理的に有利な立場で取り込める)と思われますが、そんな発想をする政治家も政党も出てくる気配がありません。

 米軍に占領され続けていることで、中国やロシアからの侵略の「魔除け」になると、本気で信じているのです。「日米安保」というカルトへのこの呪縛と洗脳は、「安保反対」と国民の多くが叫んでデモをした60年安保から64年が経ち、「安保カルト」は以後、安定して日本に根をおろして、今や国民の大半は、「2世信者」「3世信者」だらけになりました。

 生まれた時からある環境、光景だけに、疑うことすらなく、依存し切って「日米安保なき世界」を想像することさえ、できなくなってしまっているのです。

 この呪縛の囚人であることから、私たちがまず、解放されることが必要です。どうやって呪縛を解いてゆくべきか、ジャーナリストにできることは対症療法(マスメディアが権力と共に流布するデマやプロパガンダを逐一、見破ってゆく)に限るかもしれませんが、その果てに、大きな悲劇を回避して、サバイバルできる道を、応援してくださる皆さまと一緒に探し当てたいと思います。

 どうぞ、今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

 岩上安身拝


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◆中継番組表◆

**2024.6.29 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.6.30 Sun.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.7.1 Mon.**

調整中

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■トランプ氏がテレビ討論会の「勝者」に! 11月の米大統領選に向けて、バイデン第46代米大統領とドナルド・トランプ第45代米大統領が、初めてのテレビ討論会で一騎討ち! 精彩を欠き、とんちんかんな受け答えで、ますます認知症疑惑が深まったバイデン大統領に対し、トランプ氏は精力的に語り、健康をアピール! 討論会視聴者の69%が「トランプ氏のパフォーマンスのほうが優れていた」と回答、「バイデン氏の指導力に大いに信頼が持てる」と回答したのはわずか14%! トランプ氏は討論会の最後に「バイデンの軍事政策は狂っている。狂気の沙汰だ。彼は、第3次世界大戦に我々を追い込む」と真剣な警告!

 11月の米大統領選に向けて、ジョー・バイデン第46代米大統領とドナルド・トランプ第45代米大統領という2人の候補者による、第1回のテレビ討論会が、6月27日の夜9時(現地時間)から、ジョージア州アトランタで開催され、『CNN』によって放送されました。

 実は、バイデン大統領も、トランプ前大統領も、それぞれ民主党と共和党の正式な候補にまだ選ばれてはいません。両党の党大会で正式に候補者として選出される前に、討論会が開催されるのは異例のことです。

 今年初めには、トランプ氏が、バイデン大統領をリードしていると言われていましたが、相次ぐ裁判でトランプ氏が身動きの取れなくなる中、少しずつバイデン大統領が支持を集めているとも伝えられてきました。

※CNN Presidential Debate: President Joe Biden and former President Donald Trump(CNN、2024年6月27日)
https://www.youtube.com/watch?v=-v-8wJkmwBY

※アメリカ大統領選挙 テレビ討論会 バイデン大統領(81)とトランプ氏(78)が直接対決/Trump vs Biden debate(同時通訳)【ノーカット】(2024年6月28日)テレ朝/ANN
https://www.youtube.com/live/jjbXJewxiLI

 テレビ討論会では、インフレ、コロナ対策としての大規模財政出動、財政赤字、コロナ感染症対策、移民問題、メディケア・メディケイド、人工中絶問題、ウクライナ紛争、イスラエルとハマスの戦争、2021年1月6日の米連邦議会議事堂襲撃事件、トランプ氏がポルノ女優と不倫をして口止めしたとされる裁判、黒人に対する差別問題、気候変動、米軍のアフガニスタン撤退、フェンタニルなどの麻薬問題、中国との関係などなど、現在の米国で注目を集めている話題が続きました。

 その中のひとつには、両者の年齢に関する質問もありました。バイデン大統領は81歳、トランプ前大統領は78歳です。数々の重要政策がひしめく中で、実は、この日の討論会で最大の関心は、両者が「高齢過ぎるのではないか」という懸念です。つまり、両者が、大統領職を少なくとも4年間務めることが可能かどうか、という点が、第1回テレビ討論会の裏の焦点だったといえます。

 『CNN』の動画で、1時間20分ごろから、年齢の問題に関するやりとりが始まります。

司会「では、有権者がお二人に対して抱いている懸念に、話を移しましょう。バイデン大統領大統領、あなたは2期目の終わりに86歳になります。世界で最も困難な仕事を、80代までこなせるのかという懸念にどう対処しますか?」

バイデン大統領「まず第1に、私はキャリアの半分を(政治に)費やしてきたし、政治家としては非常に若いと批判されたことさえありました。合衆国上院議員に選出された時は、史上2番目の若さだった。いまや私は最年長だ。

 この男(トランプ氏)は、(私より)3歳若く、能力もかなり劣っている。私が成し遂げてきたことを見てください。私は、あなた(トランプ氏)が私に残したひどい状況を好転させたのです」。

 バイデン大統領は、雇用の拡大や半導体への注力などをあげ、「我々は成長している」と、自分の政策の成果を訴えました。

 しかし、バイデン大統領は自分の持ち時間を使い切ることはありませんでした。黙ってしまったバイデン大統領に、司会が「バイデン大統領、あと40秒あります。何か付け加えることはありますか」とうながし、バイデン大統領は自分の年齢の問題ではなく、意味のよくわからない発言をしました。一部を抜粋します。

 「すべての問題、すべての機会において、(米国は)世界で最も進歩的な国でした。そして、世界最強の国、そしてすべての同盟国との約束を守る国です。私たちの同盟国は、アメリカの約束を信じています。金正日総書記はトランプ氏にラブレターを送ったと言われていますね。プーチン大統領も、私たちに対して不当なことはできないでしょう。人達から信頼されている国で、物事を成し遂げようとする(国である)」。

 どういう脈絡で、アメリカの素晴らしさの話になったのか、話が年齢の問題から外れてしまっています。すかさず、司会はトランプ氏に発言の順番を与えます。

司会「続いて、トランプ前大統領。あなたは2期目の終わりに82歳になります。あなたの職務遂行能力に懸念を抱いている有権者に何と言いますか?」。

トランプ氏「私は2つの認知機能テストを受けた。2つともパスできた。ご存知の通り、公表した。彼(バイデン大統領)は何も受けていない。彼が(テストを)受けるのを見たい。簡単なものでさえ、最初の5問も、あなたにはできなかったと聞いている。でも、私は認知機能テストは2回受けた。健康診断も毎年受けている。健康状態はとてもいいんだ」。

 トランプ氏はバイデン大統領を挑発するような言い方をしてはいますが、きちんと自分の心身の健康について、具体的に語りました。トランプ氏の話しぶりには勢いと的確さがあり、ゴルフの選手権で2勝したとか、長い距離を打てるとか、体重の管理について言及しました。しかもその途中で、バイデン大統領には50ヤードも打てない、と挑発することも忘れていません。

 バイデン大統領は、討論会の初めにうまく話ができず、声がかすれたり、口ごもってしまいました。だんだん発言は改善されていきましたが、全体に精彩を欠き、表情が乏しく、勢いがありません。

 『CNN』が、米大統領選討論会を視聴した登録済み有権者565人にアンケートをしたところ、トランプ前大統領のパフォーマンスがより優れていたと回答した視聴者が、全体の67%を占めました。討論会の前は、トランプ氏がより優れたパフォーマンスを見せると予想したのは55%でしたので、討論会によってトランプ氏は12%も評価を伸ばしたことになります。

 バイデン大統領のパフォーマンスの方が良かったと回答した人は33%にとどまりました。事前にバイデン大統領のほうがより優れたパフォーマンスを見せると予想したのは45%でした。バイデン大統領にとっては、厳しい討論会になりました。

 そのほか、米大統領選討論会の視聴者のアンケートは、以下のようになっています。

1)
・バイデン氏の能力にあまり信頼が持てない 57%(事前調査55%)
・トランプ氏の能力にあまり信頼が持てない 44%(事前調査47%)

2)
・討論会を見た上で、トランプ氏の指導力に大いに信頼が持てる 36%
・討論会を見た上で、バイデン氏の指導力に大いに信頼が持てる 14%

 いずれも、トランプ氏への信頼が、バイデン大統領への信頼を大きく上回っています。討論会におけるバイデン氏の精彩を欠いた姿や、「バイデン氏の指導力に大いに信頼が持てる」が14%にとどまりました。

3)
・トランプ氏のみに投票することを検討している 48%
・バイデン氏のみに投票することを検討している 40%
・両候補を検討している 2%
・どちらにも投票することを検討していない 11%

 投票先についても調査でも、バイデン大統領は、トランプ氏を下回っています。

 こうした事態は、民主党関係者が、バイデン氏を大統領選挙の候補として担ぎ続けるかどうかを躊躇わせるほどの、動揺をもたらしています。

※米大統領選討論会、視聴者の67%がトランプ氏勝利と回答 CNN世論調査速報(CNN、2024年6月28日)
https://www.cnn.co.jp/usa/35220809.html

 『CNN』は、「10年以上にわたり、あらゆるレベルの選挙活動に携わってきたある人物は、『バイデン氏が我々の候補者であるべきだと主張するのは難しい』と漏らした」と報じています。

※民主党議員ら、バイデン氏に「絶望」 大統領討論会終え(CNN、2024年6月28日)
https://www.cnn.co.jp/usa/35220795.html

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■【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

■【第1弾! 円が対ドルで一時161円20銭台! 37年半ぶりの円安・ドル高水準! auじぶん銀行の田中健二社長は、日銀が今後利上げに踏み切れば、住宅ローンの変動型の基準金利を引き上げると明言!】(『日本経済新聞』2024年6月28日ほか)

 28日の東京外国為替市場で円が下落し、一時1ドル=161円20銭台を付けました。

 1986年12月以来およそ37年半ぶりの円安・ドル高水準となりました。

 28日付の『日本経済新聞』は、この急激な円安加速の要因を「四半期末で実需の売買が膨らみやすく、国内の輸入企業や機関投資家などがドルを調達する動きが円相場を押し下げた」と分析しています。

※円、対ドルで161円台に下落 実需のドル買いで(日経新聞、2024年6月28日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB27E3H0X20C24A6000000/

 円は、対ドルだけでなく、対ユーロでも下落しています。

 一時1ユーロ=172円台を付けました。

 この水準は、1999年に単一通貨ユーロが導入されて以降で最も円安・ユーロ高水準となりました。

 同日付『日経新聞』は、この対ユーロでも円安が進んでいる要因を「海外と比べて金利水準が低い円を売り、高金利通貨で運用するキャリー取引が活発化している」としています。

★欧米などの海外通貨と比べて、金利格差が、円安の構造的な要因として存在し、これを解消する方法は、日銀が金利を段階的に引き上げるほかありません。

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■【第2弾! プーチン大統領のベトナム訪問直後に米国が国務次官をベトナムに派遣! ベトナムまでもが、中国とロシアが主導するBRICSに加盟してしまうことをなんとしても阻止!? 】(『ロイター』2024年6月26日ほか)ベトナム戦争で、絨毯爆撃と枯葉剤をまき散らした米国が、謝罪も補償もなしに、「俺の仲間になれ」とは。どの面下げて頼むのか!?

 プーチン大統領は、6月19日、北朝鮮を訪問、6月20日、ベトナムを訪問しました。

 IWJは、この後にハノイで行われたロシア人記者向けのプーチン大統領の記者会見を全文仮訳してお伝えしました。

※北朝鮮、ベトナム訪問後のロシアのプーチン大統領の記者会見をIWJが全文仮訳・粗訳(その1)!「北朝鮮との包括的戦略的パートナーシップ協定は、期限の切れた古い協定の内容をそのまま踏襲しただけ」!「ウクライナ和平案への西側の拒否は予想していた。私の提案が十分に現実的で、偏りがなく、すべての締約国とヨーロッパ全体の利益に合致するものかどうか、ヨーロッパが本当に紛争の終結を望んでいるかどうかも含めて、冷静な政治家達が考えてくれる」!!「核ドクトリンの変更については検討中だが、西側の潜在的な敵対国が、核兵器使用の閾値を下げようとしていることは認識している」!(日刊IWJガイド、2024年6月26日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240626#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53620#idx-4

※北朝鮮、ベトナム訪問後のロシアのプーチン大統領の記者会見をIWJが全文仮訳・粗訳(その2)!「ウクライナ憲法には、戒厳令が発令された場合、『議会議長が最高司令官の権限を含む権限を引き受ける』と規定されている上、最高裁で『大統領の任期は5年を超えてはならない』との判決が出ている」とプーチン大統領!「ゼレンスキーは2025年前半のどこかで、すべての責任を負わされて交代させられるだろう」!「ウクライナの背後にいる米欧は、ウクライナ人に対し、どんな犠牲を払ってでも我々の部隊を国境まで追いやるよう求め、今年のNATOサミットと米大統領選で、大きな成果として示したいと考えている」!!
(日刊IWJガイド、2024年6月28日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240626#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53624#idx-4

 このプーチン大統領のベトナム訪問に、あせりを露骨に表しているのが、米国です。

 フェルナンデス米国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が、プーチン大統領のベトナム訪問直後の25日に、ベトナムを訪問し、ベトナムのズン計画投資相と会談し、経済協力の強化について協議したと伝えられています。

 まるで、「友人」を取られると焦った子供のようです。しかし、その「友人」は、かつて自分が、半殺しにした相手なのです。その暴力行使に対する謝罪も、補償も、米国は何ひとつしていません。約100万人のベトナム人が戦死し、約130万人が戦傷したベトナム戦争の話しです。

※米、ベトナムと経済協力強化を協議 プーチン氏訪越直後(ロイター、2024年6月26日)
https://jp.reuters.com/world/security/4A5VVGJ5UJPZLLC6AAD3YSA2WA-2024-06-25/

 26日付『ロイター』は、次のように報じています。

 「国務省によると、ベトナムとの今週の協議では経済安全保障、半導体、投資環境、デジタル経済、サイバースペース、エネルギー、重要鉱物などを取り上げる。米政府は昨年、両国関係を『包括的戦略的パートナーシップ』に格上げした。

 7月26日までにベトナムを『市場経済国』に認定するか判断する見通しで、認定すれば同国からの輸入品に課される反ダンピング関税の軽減につながる。

 フェルナンデス氏は『ベトナムと米国の関係はこれまで以上に強固だ』と述べた」。

 自分の気分次第で、相手を血まみれになるまで殴り、相手が屈服せず、降伏させられそうにないとなると、戦線を離れ放置し、今度は、他の「友人」ができそうになると、あわてて、低いレベルにおいておいたベトナムとのつきあいを、自分の勝手で「包括的戦略パートナーシップ」に格上げしてやると言い出す。まるで昔のことはなかったことにし、「マブダチに格上げしてやるよ」と上からモノを言っているような「不良」のようなものです。

★米国の焦った行動の背景には、明らかに、ベトナムまでもが、中国とロシアが主導するBRICSに加盟してしまうことを、なんとしても阻止することにあると思われます。

 18日には、タイに続いてマレーシアのアンワル首相が、中国メディアとのインタビューで、中国、ロシアやインドなど主要新興国でつくる「BRICS」に近く参加する意向を表明しています。

※はじめに~タイに続き、マレーシアがBRICSに加盟申請を決定!『アジアのルネッサンス』の著者でもあるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、中国メディアの取材に、西側諸国の「二重基準と偽善」を批判!「(西側諸国は)言説をコントロールしたがるが、我々はもうそれに耐えられない」マレーシアはチョークポイントである「マラッカ海峡」の沿岸国! 米国の軍事戦略家はマラッカ海峡を締め上げれば、中東からの石油に頼る中国は降参すると述べたが、逆にBRICS側が封鎖したら日本や韓国はどうなるのか?(日刊IWJガイド、2024年6月21日)
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 また、すでに何度もお伝えしているように、BRICSのGNPは、PPP(購買力平価)ベースで、2022年に、G7を追い抜き、ワシントンはパニック状態になっています。

 2022年は、8年間もウクライナ軍に痛めつけられていた同国内のロシア系住民の要請により、その保護のため、ロシア軍が介入し、ロシア・ウクライナ紛争が始まった年であり、経済的にも深まりをみせていた欧露関係は分断され、ロシアに「西側とのつきあい」をあきらめさせ、「東方との友好」へと舵を切らせた、歴史に刻まれるべき年でもありました。

 プーチン大統領の東方外交は、今年になってから活発な動きを見せています。5月に北京を訪れ、6月には北朝鮮とベトナムと、米国に「敵対視」されてきた、あるいはされている国を訪れる、きわめて戦略的な外交です。

※はじめに~ロシアがウクライナに侵攻した2022年、すでにBRICSはG7の経済規模を超えていた! 米国とG7の没落によるパニックで、ワシントンは不安神経症状態に!! G7にぶら下がってきた日本は無策で大丈夫なのか!? 明治維新以来、第二次大戦後も、冷戦後も変わらなかった「脱亜入欧米」政策は、完全に行き詰まり! 日本は多様な言語や文化をもつグローバル・サウスの国々との交流、貿易のためにも、各国の多様な言語、文化について習熟した人材の大量の養成が急務な新しい時代に入った!(日刊IWJガイド、2024年6月20日)
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 この米国の焦りを端的に表しているものとして、国務省が今年の人身売買に関する年次報告書でベトナムを監視リストから除外したことがあげられます。

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■【第3弾! ライシ大統領の不可解な事故死に伴うイラン大統領選は、ライシ路線を引き継ぐ保守派のジャリーリー元国家安全保障最高評議会書記局長と、ガーリーバーフ国会議長、改革派のペゼシュキヤーン元保健相の三つどもえで28日投票に! 過半数に届かなければ、7月5日に上位2人の決選投票!!】一方、米国は「テロ支援の資金移動」だと主張し、イランの約50の団体と個人に対して制裁を科したと発表!!(『パーストゥデイ』、2024年6月10日ほか)

 5月19日にイランのエブラヒム・ライシ大統領が、ヘリコプターの不可解な墜落事故で死亡したことに伴うイラン大統領選挙が、昨日6月28日に投開票日を迎えました。29日中には開票結果の大勢が判明するものと思われます。

※イラン大統領選 三つどもえの争い 今夜までに大勢判明の見通し(NHK、2024年6月29日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240629/k10014496141000.html

※はじめに~中東騒乱の予感のただなか、イランのライシ大統領が、米国製の古いヘリコプターで墜落死! 暗殺か!? 偶然の事故死か!? 今のところ、このヘリコプターの墜落が、事故ではなく、人為的な暗殺事件だと断定して報じているメディアはないものの、米空軍の退役軍人で作家のニコラス・ドレイヴン氏は「イランは中東のロシアだ」と指摘! その真意は、覇権への野心を持つ国(米国とイスラエル)にとっては、ロシア(イラン)は目ざわりで弱体化したい敵国、という意味以外、共通点はなし!!(日刊IWJガイド、2024年5月21日)
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 6月10日付イランメディア『パース・トゥデイ』によると、大統領選への立候補の資格審査を通過した最終候補者は、以下の6人でした。

・マスウード・ペゼシュキヤーン氏(心臓外科医/元保健相)

・モスタファー・プールモハンマディー氏(イラン公文書館館長/イスラム法学者)

・サイード・ジャリーリー氏(外交戦略評議会メンバー/元国家安全保障最高評議会書記局長)

・アリーレザー・ザーカーニー氏(テヘラン市長/放射線医)

・セイエド・アミールホセイン・ガーズィーザーデ・ハーシェミー氏(現副大統領/殉教者財団所長/耳鼻科医)

・モハンマドバーゲル・ガーリーバーフ氏(国会議長/元テヘラン市長)

※イラン大統領選挙、立候補者全6人の顔ぶれ(Pars Today、2024年6月10日)
https://parstoday.ir/ja/news/iran-i124492

 選挙情勢について、6月28日付け『毎日新聞』は、「ライシ師の路線を支持する保守強硬派のジャリリ(※ジャリーリー)元最高安全保障委員会事務局長(58)とガリバフ(※ガーリーバーフ)国会議長(62)が有力候補とみられていたが、改革派から唯一、出馬が認められたペゼシュキアン(※ペゼシュキヤーン)元保健相(69)も支持を伸ばしており、『台風の目』となりつつある」と報じていました。

※イラン大統領選 きょう投票 改革派候補「台風の目」(毎日新聞、2024年6月28日)
https://mainichi.jp/articles/20240628/ddm/007/030/075000c

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■岩上安身のインタビューでお馴染みの評論家、塩原俊彦氏が新刊『帝国主義アメリカの野望 リベラルデモクラシーの仮面を剥ぐ』(社会評論社)を刊行! 近日中に、急変する世界情勢を踏まえて緊急インタビューを行います!

 岩上安身のインタビューでお馴染みの、ロシア・ウクライナ研究の第一人者で評論家、元日本経済新聞記者・元朝日新聞モスクワ特派員・元高知大学大学院准教授・塩原俊彦氏が、立て続けに重要な本を出しました。

 6月17日には、ウクライナ戦争やイスラエルのガザ侵攻からエネルギー、デジタル争闘戦、外交戦略まで世界を混乱と惨禍に叩き込む帝国主義米国の実態を暴露した注目すべき新刊、『帝国主義アメリカの野望 リベラルデモクラシーの仮面を剥ぐ』(社会評論社)を刊行しました。

 2023年4月6日には、ウクライナ戦争がはじまった理由、そして「なぜいまだに停戦することができないのか」を、西側諸国の視点から距離を置きつつ多角的・総合的に解説し、現在行われている強力な情報操作に対抗する好著『ウクライナ戦争をどうみるか:「情報リテラシー」の視点から読み解くロシア・ウクライナの実態』(花伝社)を刊行しています。

 さらに、この『帝国主義アメリカの野望』を刊行する9ヶ月前、2023年9月13日には、『知られざる地政学~覇権国アメリカの秘密(上巻)総論:米国の覇権を支える構造分析』を、同年10月12日に同書の下巻として、『知られざる地政学~覇権国アメリカの秘密(下巻)総四つの各論:エネルギー、食料、サイバー空間、金融』を上梓しています。この上下巻の大著に、最新刊の『帝国主義アメリカの野望』の先駆をなす米国分析の書、ということができると思います。

 さらに、さかのぼると、ロシア軍のウクライナ侵攻から5ヶ月後の2022年7月22日には、『ウクライナ 3.0 米国・NATOの代理戦争の裏側』(社会評論社)を刊行しています。これは、西側メディアがこぞって、一方的に、ロシアを悪党として描き出し、恒久平和のためのウクライナ紛争の原因論に関する議論を妨害していた時期に、日本で冷静な議論を提示した貴重な一冊です。

 こうした塩原氏の分析は、日本のマスメディアが伝えない、ロシア・ウクライナ戦争の真相を伝えるだけでなく、米国という覇権国そのものの構造分析、そして、米国が金科玉条として掲げる「リベラルデモクラシー」の仮面をはぐ、というところまで肉薄しているのがわかります。

 その塩原俊彦氏は、6月25日に、『現代ビジネス』に、ウクライナの実情を告発する注目すべきレポート「もはやここまで…汚職で腐りきったウクライナ政府の実情を全暴露する」を発表しました。

※もはやここまで…汚職で腐りきったウクライナ政府の実情を全暴露する(現在ビジネス、2024年6月25日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1555b001ac757a64bce0628b3a10448f2837ebd4?page=1

 この記事は、上記の数冊の著書と同じように、日本を含む西側のメインストリーム・メディアによる強力な情報操作を解体することを目的にしています。

 ウクライナの現実を美化するか、隠蔽するしか、してこなかった西側メディアに対して、4月以降のスキャンダルだらけのウクライナの汚職の具体的な事例を積み重ねてゆき、ウクライナという国家が民主的でも自由でも美しくもないことを、説得的に語ってゆくのです。

 この記事の極めつけの事例は、ウクライナ政府の腐敗防止と腐敗撲滅を目的として設立された独立機関、ウクライナ国家腐敗防止局(NABU)のクリヴォノス長官の腐敗を暴くくだりです。

 これは、オレクシー・チェルニショフ(国営のウクライナ・ナフトガスCEOで、前職は 2020-2022年ウクライナ地域開発大臣、2019-2020年キーウ地方行政長官)と関係者が、KSMグループのオーナーである開発業者セルヒイ・コピシュティラから、不当な利益を受け取ったという疑惑に関して、NABUの家宅捜索の対象となったものの、NABUのクリヴォノス長官とチェルニショフが、2023年4月に会い、事件のもみ消しを謀議したという事件です。

 この事件に対する塩原氏のコメントは、以下のとおりです。

 「はっきりいえば、ウクライナ政府は内部から『腐っている』のである。腐敗を取り締まるはずのNABUの長官から『腐っている』のだから」。

 インタビューの日時は、決まり次第お伝えします。ご期待ください!!

 岩上安身は、今年の1月に、この稀有な評論家にインタビューを行いました。

 こちらのインタビュー動画と、その内容をテキスト化した「IWJ特報」も、この週末の間、特別フルオープンにいたします! ぜひ、御覧になるとともに、会員登録と、IWJへのご寄付・カンパによるご支援をお願いいたします!

※「クリミア半島が奪われることになれば100%と言っていいぐらい戦術核を使う可能性が高まる! これは確実です!」~岩上安身によるインタビュー第1143回 ゲスト 評論家・塩原俊彦氏 2024.1.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521179

※【第635号-第636号】岩上安身のIWJ特報!「クリミア半島が奪われることになれば100%と言っていいぐらい戦術核を使う可能性が高まる! これは確実です!」岩上安身によるロシア・ウクライナ研究の第一人者である評論家 元日本経済新聞記者・元朝日新聞モスクワ特派員・元高知大学大学院准教授・塩原俊彦氏インタビュー(その1) 2024.4.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522111

※【第637号-640号】岩上安身のIWJ特報!「クリミア半島が奪われることになれば100%と言っていいぐらい戦術核を使う可能性が高まる! これは確実です!」岩上安身によるロシア・ウクライナ研究の第一人者である評論家 元日本経済新聞記者・元朝日新聞モスクワ特派員・元高知大学大学院准教授・塩原俊彦氏インタビュー(その2) 2024.5.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522873

※現在のウクライナ戦争も2014年のウクライナ危機も、核心は第2次大戦後のヤルタ会談での米ソによる領土決定だった!~12.2 平和のための学習会 塩原俊彦さんが語る「ウクライナ戦争をどうみるか」 2023.12.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520118

 岩上安身は、現代日本において、米国やNATOに都合のいい情報操作の解体を行ってきた塩原俊彦氏に、新刊『帝国主義アメリカの野望 リベラルデモクラシーの仮面を剥ぐ』(社会評論社)を踏まえて、近日中に再度のインタビューをお願いする予定です。

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

 ご支援のほども、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、六反田千恵)

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