日刊IWJガイド・非会員版「BRICSはG7の経済規模を超えた! ワシントンはパニックで不安神経症状態に! 米国とG7の完全な没落が始まった!!」2024.6.20号~No.4258


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~ロシアがウクライナに侵攻した2022年、すでにBRICSはG7の経済規模を超えていた! 米国とG7の没落によるパニックで、ワシントンは不安神経症状態に!! G7にぶら下がってきた日本は無策で大丈夫なのか!? 明治維新以来、第二次大戦後も、冷戦後も変わらなかった「脱亜入欧米」政策は、完全に行き詰まり! 日本は多様な言語や文化をもつグローバル・サウスの国々との交流、貿易のためにも、各国の多様な言語、文化について習熟した人材の大量の養成が急務な新しい時代に入った!

■6月は1日から17日までの17日間のご寄付・カンパが、45件、62万2700円と、月半ばを過ぎても目標額の16%の達成率で、かなり厳しい数字です! 今期第14期は、7ヶ月連続で目標金額に届かず、累積の赤字額は1000万円近くになっています。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■「有事」を前提とした、食料安全保障に関わる法案が相次いで成立も、食料自給率上昇を諦めるというチグハグさ! このままでは戦争時に増産など不可能!?

■【本日のニュースの一撃!】

■【第1弾! 農林中央金庫が2024年度中に米国債や欧州国債を10兆円売却する方針! 米大統領選などの状況によってはさらに踏み込んだ売却を検討することもあり得る! 米国債を世界一買い込んで、米国の高金利=米国債の価格下落とともに含み損を膨らませてきた日本経済の体質改善となるか?】(『ロイター』2024年6月19日ほか)

■<IWJ取材報告>政府が種子法廃止の拠り所とした「みつひかり」について、岩月浩二弁護士は「想定していなかったほど、粗悪な不良品」だったと指摘! 外資種子メジャー参入の「地ならしだったとしても不思議じゃない」と表明! 山田正彦元農水相は、TPPから、種子法廃止、種苗法改正、農業食糧基本法改正、食糧有事法成立まで、国による食糧安全保障の破壊を批判!~6.14 種子法廃止等に関する違憲確認訴訟 控訴審第3回期日後の報告・意見交換会
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■はじめに~ロシアがウクライナに侵攻した2022年、すでにBRICSはG7の経済規模を超えていた! 米国とG7の没落によるパニックで、ワシントンは不安神経症状態に!! G7にぶら下がってきた日本は無策で大丈夫なのか!? 明治維新以来、第二次大戦後も、冷戦後も変わらなかった「脱亜入欧米」政策は、完全に行き詰まり! 日本は多様な言語や文化をもつグローバル・サウスの国々との交流、貿易のためにも、各国の多様な言語、文化について習熟した人材の大量の養成が急務な新しい時代に入った!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 6月13日の『日刊IWJガイド』でお伝えしましたが、世界銀行が、6月11日に公表した報告書『世界経済見通し2024』で、ロシアに対して経済制裁をおこなっている「先進諸国」は、GDPの成長率が、全体で1.5%にとどまり、それに対して制裁されているロシアが、2.9%と上回っています。

 また、インドや中国を筆頭に、ロシアに対して経済制裁を行わず、活発な貿易を行っているいわゆる「グローバル・サウス」または、「グローバル・マジョリティ」の国々は、全体で4.0%と、「先進諸国」の1.5%の3倍近い成長率となっています。

※【世界銀行が、ロシアのGDP成長率を上方修正! ウクライナ紛争を通じて、ロシアの軍需産業が拡大、そしてロシアの「東方転換」により、中国との貿易が増加!】ロシアの「東方転換」で世界経済の構造が転換し、西側諸国は世界経済を支配する力を失いつつある!「ロシアの弱体化」を画策して、ロシアを「東方」へ追いやった米国の歴史的な戦略的失敗!(世界銀行『世界経済見通し2024』、2024年6月11日)(日刊IWJガイド、2024年6月13日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240613#idx-7
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53585#idx-7

 これを、経済の規模(GDP総額)で見てみると、BRICS合計の経済規模は、2024年に米国のそれを越えました。

 IMFのデータにもとづいて、2024年4月のBRICS合計(中国、インド、ブラジル、ロシア、南アフリカ、サウジアラビア、アルゼンチン、UAE、エジプト、イラン、エチオピア)のGDP総額を計算すると、30.56719T×10億ドルとなり、米国の2024年のGDP総額の28.70T×10億ドルの約1.07倍となっています(T=×1000)。

※GDP, current prices Billions of U.S. dollars(IMF、2024年6月17日閲覧)
https://www.imf.org/external/datamapper/NGDPD@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD

 他方、米国の同盟国であるG7全体と比較してみると、G7の合計が48.68T×10億ドルとなり、BRICS全体では、G7全体の約63%まで迫っています。

 米国を除いたG7では、19.98T×10億ドルとなり、BRICS全体と比較してみると、米国を除いたG7同盟国は、BRICS全体の約65%にしか届きません。

 2023年は、G7全体で45.9T×10億ドルでした。このとき、BRICS全体は、30.8T×10億ドルで、BRICS全体は、米国も入れたG7全体の約67%まで迫っていました。

 2023年の米国のGDP総額は、26.9T×10億ドルでしたから、BRICSは米国の約1.14倍だったのです。

※Charted: Comparing the GDP of BRICS and the G7 Countries(ビジュアル・キャピタリスト、2024年6月17日閲覧)
https://www.visualcapitalist.com/charted-comparing-the-gdp-of-brics-and-the-g7-countries/

 ところが、このGDPをPPPベース(購買力平価(PPP)は、ある国である価格で買える商品が他国ならいくらで買えるかを示す交換レート)で比較すると、大逆転が起きていたのです。

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■6月は1日から17日までの17日間のご寄付・カンパが、45件、62万2700円と、月半ばを過ぎても目標額の16%の達成率で、かなり厳しい数字です! 今期第14期は、7ヶ月連続で目標金額に届かず、累積の赤字額は1000万円近くになっています。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。

 6月は、1日から17日までの17日間で、45件、62万2700円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。これは、月間の目標額400万円の16%にあたります。月半ばを過ぎて、目標達成率16%というのは、かなり厳しい数字です。

 今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から5月まで、7ヶ月連続で目標金額に到達しませんでした。この7ヶ月間の不足額の合計は、976万6289円です。零細な企業であるIWJにとって、非常に厳しい赤字額です!

 6月も月間目標に届かない事態になると、IWJは独立メディアとしての活動が、本当にできなくなる可能性が高くなります!

 IWJは収支を合わせるべく、徹底的に支出を減らす努力を、今も続けています! オフィスを移して、スモール化することも模索中です! そうやって支出を減らしても、収入が減り、赤字が積み上がっていけば、活動が続けられなくなります!

 もし、7月の期末まで、これ以上目標に達しない月があれば、年の半分が未達確定となってしまい、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう可能性が出てきました。

 第14期の期末である7月末まで、あと2ヶ月です! ぜひとも、期末までの間に、不足分の972万6289円の赤字分をなくし、少なくとも収支をトントンにさせてください!

 第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!

 以前にも書きましたが、私には、進行性の難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い次女がいます。

 賃貸のアパートで療養している彼女のために終の住処を、これから用意してあげなければなりませんし、生活費を出せる小さな物件も用意しておかないと、死ぬに死ねません。

 「ジャーナリズムバカ一代」として、すべてをなくすまで赤字経営を続けて、破産とともに「前のめりに死ぬ」などということは、自分の中の「人の親」という「情」が許さず、赤字が手に負えなくなるほど膨らむ、その一歩手前で、倒産の前に、誰にも迷惑をかけないよう、自らの手でIWJをたたみ、娘のために何かしら残せるようにするつもりです。

 もともとは健康に生まれ育ち、国立看護大学校を出て、看護師としてはつらつと働き、自活もしていた娘が、20代で発病し、働くこともできなくなり、年々病状が悪化して、ついには障害手帳をもつに至ってしまいました。そんな難病になってしまったことについて、彼女には、何の罪も落ち度もありません。

 ですので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません。倒産する一歩手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。

 ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません!

 世界と日本が未曾有の危機に直面しており、既存ジャーナリズムが機能しない現状だからこそ、最後の一歩手前まで、真実を伝える、ジャーナリズムの本道を貫き通します!

 皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!

 今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 5月末現在、IWJ会員の総数は2372人、このうちサポート会員の方は885人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

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みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

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 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2024.6.20 Thu.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.6.21 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee

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■「有事」を前提とした、食料安全保障に関わる法案が相次いで成立も、食料自給率上昇を諦めるというチグハグさ! このままでは戦争時に増産など不可能!?

 現在、日本の食料安全保障は、岐路に立たされています。異常気象による世界的な不作、円安による輸入食糧などの高騰、ウクライナ問題などに端を発する輸入危機、等々。

 食料自給率のきわめて低い日本にとっては、明日の食卓を脅かす問題が「数年前」から進行中です。

 そんな中、やっと政府が重い腰を上げました。

 5月29日には、日本の農業を支えようという趣旨の「食料・農業・農村基本法」が改正され、6月14日には、異常気象や紛争時といった食糧危機の際に、政府が農家に増産などを求められるようにする食料供給困難事態対策法(食糧有事法)が、可決・成立しました。

 一見すると、日本の食糧安全保障を高めようという法律に見えますが、その中身を見ると大きな問題をさまざま孕んでいます。

 まず「食料・農業・農村基本法」の改正ですが、これは「日本の農業・農村を『国の基』とし、規模の大小に関わらず農業経営を底上げしていこう」というものです。

 聞こえはいいですが、その内容を詳細に見ていくと疑問点がいろいろと湧いてきます。

 大きな改正点としては「高騰する生産コストを価格転嫁しやすくした」という点です。

 現在、円安などの影響によって、原油価格が高騰しています。

 石油はビニールハウスや農業ポリエチレンといった農業資材の原料です。さらにビニールハウスの温度管理にも使われますし、農産物を輸送する際の燃料など、多岐にわたって使われています。

 それらが軒並み高騰している上、さらに海外原料に依存している化学肥料や農薬の価格も高騰し続けています。

 特に化学肥料は、その輸入先を中国やロシア、ベラルーシなどに大きく頼っています。それがコロナウイルスの流行やウクライナ問題などによる、中国の輸出規制、ベラルーシへの経済制裁等で、入手困難になっているのです。

 これは、明らかに岸田政権の対米従属外交のせいであって、この馬鹿げた経済制裁は、一刻も早くやめさせるべきです。百害あって一利なし、です。

 生産コストの高騰にも関わらず、農家達はなるべく価格には転嫁しないようにここ数年耐え忍んできました。高い野菜やお米は売れないという市場原理があったからです。

 そのため近年、廃業したり、それを苦に自殺したりする農家が増加しており、担い手の高齢化問題ともあわさり、農家の数がどんどん減少しています。

 今107万戸ある農家の数は、2040年には30万戸前後になるとも言われています。

 そうした事態を防ぐために、生産コストを価格に転嫁して、農家の採算がとれるようにしよう、それを国がバックアップしていこうというのが、今回の改正法です。

 ただ、それでは遅すぎる、という声を漏らす農家は、少なくありません。

 ここまで日本の農業が弱体化したのは、国が農家を突き放してきたからだと見る専門家も多いのです。

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■【本日のニュースの一撃!】

■【第1弾! 農林中央金庫が2024年度中に米国債や欧州国債を10兆円売却する方針! 米大統領選などの状況によってはさらに踏み込んだ売却を検討することもあり得る! 米国債を世界一買い込んで、米国の高金利=米国債の価格下落とともに含み損を膨らませてきた日本経済の体質改善となるか?】(『ロイター』2024年6月19日ほか)

 19日付『ロイター』や『日本経済新聞』などによると、農林中央金庫の奥和登理事長は、2024年度中に米国債や欧州国債を10兆円売却する方針を明らかにしました。

※農林中金、今期に欧米国債10兆円規模で売却 赤字1.5兆円に(ロイター、2024年6月19日)
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/6IATTYTDPZP5LG4XCLP6AFUI2Y-2024-06-19/

※農林中金理事長「日本国債、慎重に投資」 米欧債は売却(日経新聞、2024年6月19日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB17BHF0X10C24A6000000/

 19日付『日経新聞』は、「米財務省によると、日本勢の米国債保有残高は24年3月時点で1兆1878億ドル(約190兆円)と、海外勢で最も多い。有力機関投資家の農林中金による大量売却は市場にも一定の影響を与える可能性がある」と報じ、農林中央金庫の2024年度中の米国債10兆円分売却が、国債市場に一定の影響を与える可能性を示唆しています。

 農林中央金庫の運用資産は、全体で56兆円ですので、そのうちの10兆円を売却するのは、大きな決断です。

 19日付『ブルームバーグ』は、外債の処理後の投資先に、海外市場の関心が集まっているとして、次のように報じました。

 「18日夜に同社による米欧の国債約10兆円相当の売却計画が報じられると、ロンドンやニューヨークなど海外市場では代替投資先に関心が高まった。複数の市場関係者は投資先の一つとしてCLOの可能性が高いと指摘した」。

※農林中金、株やCLO含めた幅広い分野への投資検討―外債処理後(ブルームバーグ、2024年6月19日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-19/SFAZLST1UM0W00

 CLOとは、ローン担保証券(Collateralized Loan Obligation)のことで、これは、資産担保証券の一種です。金融機関が事業会社などに対して貸し出している貸付債権(ローン)を証券化したもので、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことです。農林中金は3月末時点で7兆4000億円のCLOを保有SI、世界でも有数のCLOの買い手としても知られています。

 同日付『ブルームバーグ』は、外債処理後は、「(農林中金は)リスク・バランスを踏まえながら、国内外の債券や株式、プロファイ(プロジェクトファイナンスのこと。特定のプロジェクトを基礎にした資金調達の方法で、プロジェクト自体が生み出すキャッシュフローと資産を担保にして資金を調達する手法)などへの新規投資を検討する」と報じています。

※農林中金、株やCLO含めた幅広い分野への投資検討―外債処理後(ブルームバーグ、2024年6月19日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-19/SFAZLST1UM0W00

 農林中央金庫の大量の欧米国債の売却の目的は、リスクの分散と、含み損の大幅圧縮ですから、同じ発想は、米国債を大量に保有し含み損を抱える他の日本の機関投資家も行う可能性があります。

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■<IWJ取材報告>政府が種子法廃止の拠り所とした「みつひかり」について、岩月浩二弁護士は「想定していなかったほど、粗悪な不良品」だったと指摘! 外資種子メジャー参入の「地ならしだったとしても不思議じゃない」と表明! 山田正彦元農水相は、TPPから、種子法廃止、種苗法改正、農業食糧基本法改正、食糧有事法成立まで、国による食糧安全保障の破壊を批判!~6.14 種子法廃止等に関する違憲確認訴訟 控訴審第3回期日後の報告・意見交換会

 都道府県の管理によって、安全・良好な種子生産をする、主要農作物種子法が、2018年に廃止されました。

 この種子法の廃止を決めた、種子法廃止法は、憲法上の「食料への権利」を侵害し違憲だとして、全国の農家(一般農家・採種農家)と消費者が、国を被告に訴えた種子法廃止違憲確認訴訟は、昨年3月に、東京地裁が原告の請求を棄却しました。

※東京地裁は憲法25条に「食糧の権利」を認めるも「種子法には国民の食への権利を保障することまでは書いていない」と原告の請求を却下!~3.24 種子法廃止等に関する違憲確認訴訟 判決後の記者会見と報告集会 2023.3.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514913

 しかし原告側は、昨年4月に東京高裁に控訴し、現在も裁判が続いています。

※3月の地裁判決が示した、採種農家の権利や「食料への権利」への一定の理解を突破口に、控訴審へ!~4.6 種子法廃止違憲訴訟・控訴にあたっての記者会見 2023.4.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515229

 6月14日、東京高裁で行われた控訴審の第3回期日のあと、弁護士会館で、弁護団による報告と、支援者らとの意見交換会が行われました。

 昨年、この『日刊IWJガイド』でもお伝えしましたが、地裁判決後に、農林水産省が民間企業の米品種として推奨していた、三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社の「みつひかり2003」に、長年にわたる多品種の種子混入や、保証表示を下回る発芽率が確認され、三井化学が種子を回収、出荷を停止したという問題が発覚しました。

 政府は、2017年の通常国会での種子法廃止法案の審議当時、「種子事業への民間参入の促進」を目的のひとつとして掲げ、「優れた民間品種」の代表例として、「みつひかり」を推奨していました。

※【種子法廃止の誤りが露見! 民間の米品種「みつひかり」が7年間に渡り表示偽装していた!】種子法廃止違憲確認訴訟控訴審開始直前に発覚した三井化学の不正事件に農水省は厳重注意のみ!!(『山田正彦オフィシャルブログ』、2023年12月14日)(日刊IWJガイド、2023年12月19日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20231219#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53040#idx-6

 原告側は、控訴審で、この「みつひかり」不正問題を重要な争点として、「種子法を廃止して民間に種子事業をゆだねることは、極めて問題であって、私たちの食への権利を侵害するもの」だと主張しています。

 原告側は、原告のひとりである菊地富夫氏(採種農家)への当事者尋問と、弁護団共同代表でもある山田正彦元農水相、食料への権利に詳しい大分大学経済学部の小山敬晴准教授への証人尋問を申請しました。6月14日の期日で、裁判長は3人への尋問を採用しませんでしたが、次回期日で、このうち菊地氏と山田氏の意見陳述と、最終準備書面の提出を認めました。

 次回期日は、現時点では未定ですが、10月1日の午後3時もしくは9月24日の午後3時からで、結審となる見込みです。

 報告会で、弁護団共同代表の田井勝弁護士は、次回期日での菊地氏と山田氏の意見陳述を「この裁判のクライマックス」だとして、裁判の傍聴を呼びかけました。

 6月14日の第3回期日で、「みつひかり」不正事件について意見陳述した、弁護団共同代表の岩月浩二弁護士は、報告会で、三井化学の撤退(現在は出荷停止中)と外資の参入について、「具体的に何か知っているわけではない」とした上で、次のように語りました。

 「1審の段階から、当然のことながら、種子の民営化について批判してきましたが、批判の対象となる『みつひかり』がこれほど粗悪だということを、残念ながら我々は想定していなかったほど、粗悪な不良品でした。

 そして、撤退して、空白が生まれる。当然ながら、モンサントとかシンジェンタといったところは、F1(1代交雑種)のイネの品種を持っているわけです。

 種子法廃止とか、種苗法改正とか、そういったものが全部、種子メジャーが日本を席巻するための、地ならしになっているとみても、不思議な状況ではないですね。

 なぜ、こんなことをしてきたかと言えば、最後はモンサント様を迎えるためだった、みたいなオチである可能性は、全然否定できない」。

 また、意見交換会で、山田氏は、外資の参入について、次のように語りました。

 「元々、この裁判というのは、10年ちょっと前に、TPP差し止め違憲訴訟をやったの(が始まり)ですが、TPP協定というのは、地方自治体のサービスを民営化するということが、明記されているわけです。

 日本がTPP協定を批准して、最初に種子法が廃止されたんです。

 今までは、国及び地方自治体が、米麦大豆、日本の主食だけは安定して優良なものを安く提供するというのが、種子法だったんです。それを廃止して、民間に頼ると。(中略)

 (TPP差し止め違憲訴訟で、一審も控訴審も敗訴したが)控訴審の判決理由をよく読むと、『種子法廃止の背景に、TPP協定があることは否定できない』とあるんです。

 そして、今度の農業食糧基本法(5月29日に成立、6月5日に公布・施行された、『農政の憲法』と呼ばれる『食料・農業・農村基本法』の改正のこと)も、よく読むと、TPPの内容そのものなんです。言ってみれば、種子も海外に依存するんだと。(中略)

 今の食料自給率は、戦争直後の配給制度の時よりも酷い状況です。米の備蓄は、1ヶ月半しかない。

 中国では、すでに1年半分は、食糧自給の備蓄ができている。

 新聞にも載っていますが、今回、初めて米屋から米が消えた。そういう事態が生じている中、依然として国は、そういう態度なんです。

 だからこれは、本当に大変なことなんです」。

 さらに山田氏は、「みつひかり」不正問題について、次のように厳しく糾弾しました。

 「裁判で国側は、『みつひかり』(の不正問題)は『一事例だ』と言いましたが、政府は実際にあれを宣伝してまわったんです。38道県で、当時4000ヘクタールの農家が、(『みつひかり』を)作ったんです。

 ところが、実際に調べてみると、収量も反あたり11俵取れると言いながら、実際にはそんなもんじゃありませんでした。味も悪かった。

 しかし、もうすでに種子法を廃止して、国があれほど推奨してまわった時から、異品種が混じっていたんです。発芽率も偽造していたんです。ありえないことを、政府はやってきて、その結果、こういうざまなんです。

 他にも(米の)品種があります。住友化学の品種とか。日本モンサントの『とねのめぐみ』っていう米の品種とか。豊田通商の『しきゆたか』という品種もあります。

 しかし、それは今、ほとんどが輸出用なんです。輸出に国が税金を使って、輸出補助金をつけて、それで『輸出した、輸出した』って、今現在言っているんです。

 でも、実際に農民が作った品種で、圧倒的に多かったのは『みつひかり』なんです。

 米だけでなく、他(の作物)にも品種があります。

 大きな化学会社のトウモロコシの品種が、実は静岡県の浜松市で、まったく発芽しなかった。そして、トウモロコシ農家が2軒、倒産したんです。

 今、その事実関係を調べています。これをもうちょっと明らかにしたいんです。

 民間の種子に頼ると、もう本当に金儲けだけだから、こんな雑なものになる」。

 国による食糧安全保障の破壊は、これだけにとどまりません。この集会が行われた6月14日、国会では、食料危機の際、政府が農家に増産などを求められるようにする食料供給困難事態対策法(食糧有事法)が、可決・成立しました。

※食料有事法成立 国が農家へ増産要請(朝日新聞デジタル、2024年6月15日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S15958976.html

 TPP交渉差止・違憲訴訟の会代表の池住義憲氏は、この食糧有事法について、次のように述べました。

 「食糧不足が続いた場合に、国が農家に対して、『これを植えろ、あれを植えろ、芋を植えろ』などと指示を出す。それに従わなかった場合、罰則規定があるという報道が流れています」。

 この池住氏の発言を受けて、山田氏は、次のように政府を批判しました。

 「罰金が50万円だというんですが、本来ならば、『芋を作れ』と命令しても、種芋がなければ作れないわけですよ。

 本当に、僕は農水省の官僚に怒ったんだけど、机上の空論ですよ。そして、刑罰だけ、罰金だけ科すというんじゃ、農家が怒らないのがおかしいと思っているぐらいです。

 実際にあんなもの(食糧有事法)で、非常事態を乗り切れるわけが、絶対にないです。私はそう思っています。

 本来ならば、農家に報奨金を与えて、作ってもらう。これが、筋なんです。

 しかし、本当に政府は上から目線で、(江戸時代の年貢の)五公五民、六公四民じゃないけど、『殺さぬように、生かさぬように』という感じでやっている気がしているところです。

 やっぱり、なかなか、政権交代まで持っていかないと、一気に変わることはないかもしれないね。そんな思いです」。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※政府が種子法廃止の拠り所とした「みつひかり」について、岩月浩二弁護士は「想定していなかったほど、粗悪な不良品」と指摘! 外資種子メジャー参入の「地ならしだったとしても不思議じゃない」!!~6.14 種子法廃止等に関する違憲確認訴訟 控訴審第3回期日後の報告・意見交換会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523513

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