┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~NATOがウクライナに供与した兵器でロシア領内への攻撃を認めた後、初めてロシアのプーチン大統領がサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)の会場で、複数の国際通信社のトップと会談! 驚くべき発言の数々が飛び出す!「ウクライナに武器を供給している西側諸国に対して、それらに不満を抱く国々へロシアが長距離兵器を世界中に運搬し、そこから機敏な攻撃を仕掛ける可能性がある」! メドベージェフ前ロシア大統領は「米国とその同盟国は、第三国によるロシアの兵器の直接使用を直接体験することになるだろう!」と発言!
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┠■5月のご寄付・カンパ総額が確定しました! 5月1日から5月31日までで、116件、232万3400円でした。目標達成率は58%でした。6割に届かず、かなり厳しい数字です!「IWJしか報じていない情報」が、日々、増えてきています! IWJの情報価値は日々高まっています! そのIWJを支えるのは、皆さまからいただく会費とご寄付・カンパだけです。有料会員登録と、ご寄付・カンパで、どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!
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┠■【中継番組表】
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┠■<号外を出します!>元米国防副次官スティーブン・ブライエン氏が、「NATOは戦争と消滅をもてあそんでいる」「NATOは、消滅の危機に瀕しているのではないだろうか?」と警鐘!
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┠■<岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏への緊急インタビュー第5弾報告(その2) 後編 >「金利のない世界」から「金利のある世界」へ再突入!「複利」のローンの恐ろしさ! 岩上安身がバブル期に連帯保証人となって体験した、60年2世代ローン地獄の実体験を紹介! 元本1億8000万円の投資物件が、7%の固定金利で、60年後の完済時までに111億円超に膨れ上がることに!
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■はじめに~NATOがウクライナに供与した兵器でロシア領内への攻撃を認めた後、初めてロシアのプーチン大統領がサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)の会場で、複数の国際通信社のトップと会談! 驚くべき発言の数々が飛び出す!「ウクライナに武器を供給している西側諸国に対して、それらに不満を抱く国々へロシアが長距離兵器を世界中に運搬し、そこから機敏な攻撃を仕掛ける可能性がある」! メドベージェフ前ロシア大統領は「米国とその同盟国は、第三国によるロシアの兵器の直接使用を直接体験することになるだろう!」と発言!
おはようございます。IWJ編集部です。
西側諸国による、ロシア領土内への直接攻撃をウクライナに認めたことに対して、ロシア側は、間髪入れず、ただちに反撃ののろしをあげました。
6月5日、ロシアのプーチン大統領は、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)の会場で、複数の国際通信社のトップと会談しました。
プーチンの発言は、歯に衣着せぬものであり、明確な表現で、ロシアを率いる自身の国家意思を語りました。
驚くべきことに、日本のマスメディアはその内容を、十分かつ正確に伝えていません。
議題となったのは、ロシア経済、次期アメリカ大統領選挙、モスクワと西側諸国との関係、ウクライナ紛争に関する質問でした。
以下、プーチン大統領が外国メディアに答えた肉声を、モスクワとニューヨークにオフィスを構える、国際的なマルチプラットフォームのロシア語メディアで、テレビチャンネル『RTVI』の資料から仮訳します。
これは、NATOが、自らウクライナに供与した兵器で、ロシア領内を攻撃しても良いと認めた後に行われた海外メディアの取材です。
しかも、その内容は、西側諸国の姿勢転換に対し、ただちにロシアは報復として、同様に西側諸国に不満を抱いている国々へ武器供与を行うと答えている重要な内容です。にもかかわらず、西側メディアでは、日本を含めて、この会見の内容は十分に報道されていません。報道されても、極めて断片的なものです。
ロシアが事前に明らかにしていた、レッドラインを西側諸国が踏み越えたことに対し、ロシアが対抗措置を取ったことを、あくまでうやむやにしようとする意図が西側メディアには明確に見てとれます。
IWJは、プーチン大統領が取材に答えた内容を、損なうことなく仮訳しました。まずは、「敵国」であれ、明確に声明を行い、会見も開いているロシアの大統領の「生の声」を、西側の市民は聞くべきですし、聞く権利があります。
※<Тупые, как этот стол> и <не кровь, а водичка>. Что говорил Путин в первый день ПМЭФ(RTVI、2024年6月6日)
https://rtvi.com/news/tupye-kak-etot-stol-i-ne-krov-a-vodichka-chto-govoril-putin-v-pervyj-den-pmef/
「紛争の激化とロシアへの攻撃について プーチンによれば、『西側諸国の参加によるロシア領土への攻撃は、ロシア国家との直接戦争を意味する』という。
『そのような行動は、最終的に国際関係を破壊し、国際的な安全保障を損なうことになる。もしこれらの国々が、我々(ロシア)に対する戦争に巻き込まれ、それがロシアに対する戦争に直接参加することになるのであれば、我々は同じように行動する権利を留保する。これは非常に深刻な問題への道だ』と大統領は述べた。
また、『ロシアは、防空システムをさらに改善し、西側の(ロシア領土内に届く、長距離ミサイル等の)兵器は、すべて破壊する』と述べた。
さらに、国家元首(プーチン大統領)は、『ウクライナに武器を供給している国々に対して、ロシアが長距離兵器を世界の各地に運搬し、そこから機敏な攻撃を仕掛ける可能性がある』と警告した。
『もし誰かが、そのような兵器を紛争地域に供給し、我々の領土を攻撃し、我々に問題を引き起こすことが可能だと考えるなら、なぜ我々には、ロシアに対してそのようなことをする国々の施設に対して機密攻撃を行う、世界のそれらの地域に兵器を供給する権利がないのか。つまり、非対称的な対応が可能であるのか、我々はそれについて考える』とプーチンは述べた」。
このプーチン大統領の回答を見ると、まず第1に、西側がウクライナに武器を提供してロシアを攻撃させるならば、それは直接、西側がロシアと直接、「戦争することになる」と、ロシアの「認識」をこれまで通り、明言しました。
そして、第2に、その反撃の仕方は、ロシア領土からの反撃だけとは限らない、ということも、今回、明言しました。「ロシアが長距離兵器を世界の(同盟国)各地に運搬し、そこから機敏な攻撃を仕掛ける」と明言しています。西側がウクライナに兵器を提供してロシアを攻撃させるならば、ロシアにも対等な権利があり、西側に不満を抱く他の国々に西側を攻撃する兵器を、同様に供与するだろう、というのです。
「西側とロシアは対等である」という論理は、実にシンプルなものであり、容易には突き崩せないでしょう。そもそも「ロシアの弱体化」のために、先手、先手と仕掛けてきたのは、ロシア語話者を迫害・虐殺してきたウクライナを含む、西側の方なのですから、ロシアが後手に回りつつも、同様の手段を取ると言い出した時に、西側諸国が、特権意識に立って、ロシアに対して集団的懲罰を加える権限があるのは我々だけなのだ、という西側諸国の「思い上がり」が、自ら先手を打たず、必ず「後手」に回ってから反撃を行うロシアの戦略を、結果的に「正当化」してしまっていると言えるでしょう。
つまり、これは、解釈次第では、米国を筆頭とする西側諸国の支配に対する、世界各地で抵抗の戦争の戦緒を開くと警告していることになります。それが、戦略核まで用いた全人類絶滅に至るハルマゲドンとなるかどうかは、ロシアと西側との、今後の出方ひとつにかかっています。
ロシアが、この先、仮に核弾頭とともに、極超音速ミサイルをキューバや中南米、あるいはイラン、シリア、ヒズボラ、フーシ派などに供与したとしたら、ウクライナだけでなく、シオニスト・イスラエルも、今までと同じペースでパレスチナ人を虐殺し続けることはできなくなるのではないでしょうか?
実際、キューバ政府は6月6日、ロシアの軍艦が来週ハバナに到着するが、同艦4隻は核兵器を搭載しておらず、地域に脅威を与えるものではないと発表しています。
7日付『ロイター』によると、キューバ政府の発表は、「ロシアは海軍演習を行うために、同盟国のキューバとベネズエラを含むカリブ海地域に戦闘艦艇を派遣する計画がある」と、米国当局者が記者団に語った翌日に行われました。米国当局者は、ロシアが2022年にウクライナに侵攻して以来、ロシア海軍の活動は米国のウクライナ支援により活発化していると述べました。
※Russian warships to arrive in Havana next week but pose no threat, Cuba says(Reuter、2024年6月7日)
https://www.reuters.com/world/americas/russian-warships-arrive-havana-next-week-pose-no-threat-cuba-says-2024-06-06/
この点について、6月7日、メドベージェフ前ロシア大統領は、Xへのポストで次のように述べています。
「昨日、ロシア大統領は初めて、ウクライナに武器を供給している国々(より正確に言えば、これらの武器を我が国に対して使用する国)と戦っている地域に、我々の武器を送る可能性を認めた。言い換えれば、米国やNATO諸国と対立している勢力に(兵器を)送る可能性があるということである。
これは、我が国の外交政策の、かなり重大な変更である。ヤンキーとそのよだれを垂らす犬たちは、次のように言っている。『我々はウクライナ(つまり我が国の敵)にあらゆる種類の武器を提供する権利があり、他のすべての国はロシアを助けることはできない。
つまり、我々はあらゆる手段を使ってあなた方を滅ぼすつもりだが、我が国を守るためにロシアに武器/機械/その他の物資を提供しようとする国は誰もいない』と。
今、米国とその同盟国は、第三者によるロシアの兵器の直接使用を直接体験することになるだろう。これらの人物や地域は意図的に名前を伏せているが、政治的見解や国際的認知度に関係なく、『ヤンキーランドとその仲間』を敵とみなす、すべての人々である可能性がある。
彼らの敵は、米国であり、つまり我々にとって彼らは友人である」。
※6月7日のメドベージェフ前大統領のXへのポスト
https://x.com/MedvedevRussiaE/status/1798769670889017841
メドベージェフ前大統領は、プーチン大統領の発言を敷衍して、ロシアが長距離兵器を供与する対象は、ロシアの同盟国だけでなく、米国およびNATOの敵対国でもあり、敵対勢力でもあると述べているのです。
これは、地球規模で親米国・親NATO派と、反米国・反NATO派の分断が進む可能性があるということにもなります。
米NATOによるウクライナへの長距離兵器の供与と、そのカウンターとしてのロシアによる反米・反NATO諸国・諸派への兵器供与は、ウクライナ紛争の戦局を変えるかどうかという局地戦的な意味より、地球の地政学的対立の力関係全体を変えることになりかねません。
さらに、プーチン大統領の発言について、RTV1は、次のように続けて報じています。
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5月のご寄付・カンパ実績が確定しました! 5月1日から5月31日までで、116件、232万3400円でした。目標達成率は58%です。6割に届かず、かなり厳しい数字です。
6月も月間目標に届かない事態になると、IWJは独立メディアとしての活動が、本当にできなくなる可能性が高くなります!
6月は、1日から6日までの6日間で、14件、16万8000円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます。
今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から5月まで、7ヶ月連続で目標金額に到達しませんでした。この7ヶ月間の不足額の合計は、976万6289円です。零細な企業であるIWJにとって、非常に厳しい赤字額です!
IWJは収支を合わせるべく、徹底的に支出を減らす努力を、今も続けています! オフィスを移して、スモール化することも模索中です! そうやって支出を減らしても、収入が減り、赤字が積み上がっていけば、活動が続けられなくなります!
もし、7月の期末まで、これ以上目標に達しない月があれば、年の半分が未達確定となってしまい、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう可能性が出てきました。
第14期の期末である7月末まで、あと2ヶ月です! ぜひとも、期末までの間に、不足分の972万6289円の赤字分をなくし、少なくとも収支をトントンにさせてください!
第13期は、2000万円を超える赤字でした。この時は、私、岩上安身が、老後の蓄えを崩してピンチを切り抜けました。しかし、2年連続大幅な赤字となると、私、岩上安身個人にも、もうこれ以上、投じる私財はありません!
以前にも書きましたが、私には、進行性の難病の線維筋痛症で、ほぼ寝たきりに近い次女がいます。
賃貸のアパートで療養している彼女のために終の住処を、これから用意してあげなければなりませんし、生活費を出せる小さな物件も用意しておかないと、死ぬに死ねません。
「ジャーナリズムバカ一代」として、すべてをなくすまで赤字経営を続けて、破産とともに「前のめりに死ぬ」などということは、自分の中の「人の親」という「情」が許さず、赤字が手に負えなくなるほど膨らむ、その一歩手前で、倒産の前に、誰にも迷惑をかけないよう、自らの手でIWJをたたみ、娘のために何かしら残せるようにするつもりです。
もともとは健康に生まれ育ち、国立看護大学校を出て、看護師としてはつらつと働き、自活もしていた娘が、20代で発病し、働くこともできなくなり、年々病状が悪化して、ついには障害手帳をもつに至ってしまいました。そんな難病になってしまったことについて、彼女には、何の罪も落ち度もありません。
ですので、私は、残念ながらIWJとともに心中することはできません。倒産する一歩手前で、未払いの給与や売掛、債務がないように始末して会社を自分の手で解散しますし、人様に迷惑のかかるような最後にはしない、と覚悟を定めています。
ただ、余力ある限り、自らのジャーナリストとしての使命・天命から逃げ出すようなことはいたしません!
世界と日本が未曾有の危機に直面しており、既存ジャーナリズムが機能しない現状だからこそ、最後の一歩手前まで、真実を伝える、ジャーナリズムの本道を貫き通します!
皆さまのご支援のある限り、全力で前進を続けます!
今月こそ、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を、期末の7月末までに削ってしまい、収支がマイナスにならないよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!
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城南信用金庫
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店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル
ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
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IWJホームページからも、お振り込みいただけます。
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どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!
よろしくお願いします!
岩上安身拝
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◆中継番組表◆
**2024.6.8 Sat.**
調整中
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◆中継番組表◆
**2024.6.9 Sun.**
調整中
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◆中継番組表◆
**2024.6.10 Mon.**
調整中
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◆昨日アップした記事はこちらです◆
虐殺を止める「我々の行動」とは?~6.4「イスラエル ネタニヤフ首相とハマス指導者への逮捕状請求、イスラエルへのジェノサイド防止命令とその後のラファ停戦命令について」超党派 人道外交議員連盟 第2回総会 ―登壇:伊勢崎賢治氏(東京外国語大学名誉教授)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523394
「情報戦」の時代をどう生き抜くか? 巨大組織メディア報道の罠を検証!【第2部】新型コロナウイルス危機とmRNAワクチン危機(第7回)~岩上安身によるインタビュー第1161回ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523269
「憲法改正のための資金をためこんでいる自民党!?」~5.31 改憲は憲法記念春のつどい 2024「裏金問題と改憲問題」―講演:上脇博之 神戸学院大学教授
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/523310
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■<号外を出します!>元米国防副次官スティーブン・ブライエン氏が、「NATOは戦争と消滅をもてあそんでいる」「NATOは、消滅の危機に瀕しているのではないだろうか?」と警鐘!
5月の末から、バイデン米大統領、ブリンケン米国務長官、ストルテンベルグNATO事務総長らをはじめ、英国、フランス、ドイツなどのNATOの中核国やバルト3国などの首脳らが、一斉に、ウクライナに供与した西側の兵器を使って、ロシア領内を攻撃することを容認しはじめました。
日本のマスメディアもこぞって、もう一度、ウクライナの「反転攻勢」が始まるぞ、と「イケイケドンドン」ムードの報道一色になっています。
しかし、ウクライナ軍は、昨年2023年初めにバフムートの攻防で劣勢となり、5月には敗走し、6月にようやく遅れに遅れた「反転攻勢」をはじめましたが、結局、ほとんど何の成果も上げることができませんでした。
米国のネオコン・シンクタンク「戦争研究所」が毎日出している戦況報告の地図を見ても、ロシアが2022年の秋から冬にかけて敷いた防衛線(スロビキンライン)を、ウクライナ軍がまったく越えられなかったことは明白です。
昨年9月末、元陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏は、テレ朝の『日曜スクープ』に出演し、ウクライナ軍の非常に優秀な82旅団が中心になってもたらした中部ロボティネからベルボベでの戦闘の成功を手放しで賞賛し、「10月いっぱいには、ウクライナ軍が(ロボティネからに進んで)トクマクを奪取するだろう」と述べていました。
しかし、その後、ウクライナ軍でロボティネでさらに進軍することはできず、押し戻されてさえいます。渡部氏は、こうした自身の見通しの誤りについて、何も釈明していませんが、このような「無能さ」で、有事の際に現役の自衛隊幹部として、戦局を見誤りながら自衛隊を指揮していたら、陸上自衛隊はいったいどうなってしまっていたか、想像すると総毛立ちます。
※はじめに~元陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏がテレ朝の『日曜スクープ』で、ウクライナ軍によるバフムト南部のふたつの集落奪還を「反攻作戦の成功を象徴するような戦果」だと手放しで礼讃!「押されている」ロシア軍は「非常に難しい状況」で、ウクライナ軍がロシアの3個大隊を「機能不全の状態に撃破した」と見てきたかのように「持論」を展開! しかし番組が「ロシア側の情報」と報じたのはロシア国防省の公式発表ではなく、戦争研究所のもので、ロシアに関するソースはなんと単なる軍事ブロガー達! 一方で、ロシア側の公式発表の戦果は日本のメディアは一切報じず!(日刊IWJガイド、2023年9月27日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230927#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52780#idx-1
※(続報)ウクライナ軍のセヴァストポリの黒海艦隊司令部攻撃! ロシア軍のビクトル・ソコロフ司令官黒海艦隊司令官は生きていた!? ウクライナ特殊作戦部隊の情報とウクライナ軍情報総局のキリール・ブダノフ局長の情報の矛盾から見えてくる「事実」!!(日刊IWJガイド、2023年9月28日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230928#idx-2
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52782#idx-2
※RUSSIAN OFFENSIVE CAMPAIGN ASSESSMENT, JUNE 6, 2024(ISW、2024年6月6日)
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-june-6-2024
7月9日から11日かけて、ワシントンで開催される予定のNATO首脳会議で、ハンガリーやスロバキアを除く、ほとんどのNATO加盟国が「軍事シェンゲン」に参加するのではないかと見られています。
軍隊や装備品の自由な移動を促進する「軍事シェンゲン」は、参加する加盟国の主権を犠牲にすることを意味しますが、米国が構想する「欧州要塞」の基盤が構築されることになります。
プーチン大統領は、6月5日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)で、「西側諸国の参加によるロシア領土への攻撃は、ロシア国家との直接戦争を意味する」として、「ロシアが長距離兵器を世界の(同盟国)各地に運搬し、そこから機敏な攻撃を仕掛ける」と発言しました。
このSPIEFには、元米海兵隊諜報部員であるスコット・リッター氏も招待されていましたが、直前で米国務省にパスポートを没収され、ロシアへの渡航を中止せざるをえませんでした。リッター氏は、7日SPIEFへオンライン参加することになった、と『スプートニク』が報じています。
リッター氏は、「文明の利器のおかげで、私に反対する人たちによって私の声がかき消されることはないでしょう」と述べていますが、これは明白な言論弾圧です。
※米政府が出国妨害のリッター氏 露フォーラムにオンライン参加へ(スプートニク、2024年6月6日)
https://sputniknews.jp/20240606/18573344.html
しかし、NATOとロシアの直接対決、核戦争の危機についてあまりにも楽観的であるように見える西側諸国は、ロシア側の警告を真剣には受け止めていないのではないでしょうか。
少数かもしれませんが、西側の軍事専門家にも、ロシア側の警告を真剣に受け止め、危機感を持つ人々がいます。その1人が、元米国防副次官スティーブン・ブライエン氏です。
これまでも日刊IWJガイドや号外でご紹介してきた、ブライエン氏が、「NATOは戦争と消滅をもてあそんでいる」、「NATOは、消滅の危機に瀕しているのではないだろうか?」と警鐘を鳴らしています。
ブライエン氏は、ウクライナは崩壊の危機に瀕しており、NATO諸国によるロシア領内への攻撃の容認は、NATOに大きな損失をもたらし、崩壊の危機に瀕しているウクライナだけではなく、NATOの存続を危うくするのではないか、と述べています。
ブライエン氏が、世界一のシェアを誇る中国のドローンメーカーが、ウクライナにドローンを提供し続けている、とも指摘しています。
ブライエン氏は、中国はロシアの友好国であるにもかかわらず、なぜウクライナにドローンを提供するのか、ウクライナ紛争を終わらせるにはドローンの提供を止めることがポイントではないかと、疑問を投げかけています。
※NATO IS FLIRTING WITH WAR AND EXTINCTION(STEPHEN BRYEN、2024年6月1日)
https://weapons.substack.com/p/nato-is-flirting-with-war-and-extinction
どうぞ、IWJ会員となって、号外全文をお読みください。
■<岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏への緊急インタビュー第5弾報告(その2) 後編 >「金利のない世界」から「金利のある世界」へ再突入!「複利」のローンの恐ろしさ! 岩上安身がバブル期に連帯保証人となって体験した、60年2世代ローン地獄の実体験を紹介! 元本1億8000万円の投資物件が、7%の固定金利で、60年後の完済時までに111億円超に膨れ上がることに!
6月3日に生配信した、岩上安身による、エコノミスト・田代秀敏氏への緊急インタビュー第5弾の報告を、『日刊IWJガイド2024.6.4号』、そして『日刊IWJガイド2024.6.6号』では、「(その2) 前編」としてお送りしました。
17年ぶりに解除されたマイナス金利ですが、わずか2ヶ月のうちに長期金利が1%を突破しました。田代氏は、以前より、「長期金利が2%になったら、経営の厳しい『ゾンビ企業』は、『たちまち倒れていくだろう』」と指摘していました。
長期金利が上がれば、日本国債の価格が下落します。国債が、より安い価格で取引されるようになれば、私達が銀行に預けた預貯金を原資として国債を購入していた銀行が、「国債売り」に転じる可能性が高まります。
田代氏は、「日本国債の売り圧力が高まって」おり、売りが増加すれば、ますます国債価格の下落が早まる、と指摘しました。
「金利が上がれば、預貯金が増える」と思って喜んでいる人がいると思います。しかし、その銀行は、我々の預貯金で国債を購入しており、その国債の価格が下がるのです。田代氏は、2011年12月、いわゆるアベノミクスの始まる前の段階にまで、国債の価格が下落していると指摘しました。
「金利のない世界」から「金利のある世界」へ。その影響が及ぶのは、企業だけではありません。一般の人々の生活にも大きな影響を及ぼします。
これまで、ゼロ金利政策のもとで17年間も過ごしてきた若い世代の人々は「金利」、特に住宅ローンをはじめとするあらゆる「ローン」で採用されている「複利」の恐ろしさをほとんど知りません。
※はじめに~<昨日の岩上安身によるインタビュー報告>昨夜、岩上安身による、エコノミスト田代秀敏氏緊急インタビュー第5回を、生配信でお送りしました!「投資は分散投資が原則です! 損をしたくなければ、絶対にこれだけは儲かりますといったセールスや番組に騙されてはダメ」!
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240604#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53558#idx-1
※<岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏への緊急インタビュー第5弾報告(その2) 前編 >「金利のない世界」から「金利のある世界」へ再突入!「複利」のローンの恐ろしさ! 岩上安身がバブル期に連帯保証人となって体験した、60年2世代ローン地獄の実体験を紹介! 元本1億8000万円の投資物件が、7%の固定金利で、60年後の完済時までに111億円超に膨れ上がることに!
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240606#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53562#idx-4
最終回となる今回は、これから住宅を買おうと思っている人達、「複利」の恐ろしさを知らない人達のために、岩上が自身の体験談を語ります。前編の続きとなります。
― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―
岩上安身「なぜ自分の失敗談をするかというと、あの時、大変苦労した人達は、かなりの率で口をつぐんでいるんです。というのは、自己破産されたりとか、中には本当に悲しいですけど、自殺された人もいますし、倒産された人もいますし。自己破産、倒産の経験を、今も引きずっている人は、いっぱいいるんですよ。
ですので、それを自己開示して話せる人というのは、僕は自分で取材して探そうとしていた時期もあるんですけれど、本当に探せない。
つまり、話してはくれるんですよ。『じゃ、書いていいですか』って言ったら駄目なんですよ。あるいは『出てきて喋ってくれますか』って言ったら、やっぱり『ノー』なんですね。
ですので、何とか切り抜けられた人(サバイバー)でないと、難しいんですね、話すのは。
僕は、いろいろなラッキーもあって、何とか切り抜けることができたんですけれども、みんながみんな、そういう風にはいかない。ということをもありますので、一罰百戒といいますか、皆さんの参考になればと思って、恥をさらしてお話ししてるような次第なんですが。
いずれにしても、その時、僕は、この『複利』というものの、ものすごい怖さ、恐ろしさ。それから、利率の高さ、『金利が高いということは、途方もないことだな』ということを感じました。痛感させられました。
この図は、三菱UFJ銀行の、『複利と単利』の値(を示した)、1つのモデルケースなんですけど。
『百万円を借りました』。百万円ぐらい借りるって、あっという間に、キャッシングの何だの、でやっちゃいそうなレベルなんですよね。普通の人でも、消費者ローンでやっちゃいそう。住宅ローンのレベルじゃないですね。住宅ローンだったら、これにゼロを一つか二つ増えちゃいますからね。
『5%で運用した場合の単利と複利』という。『単利』で見ていきますと、これが一番わかりやすい。その元本に対して1年当たり5%ですよということになっていきますから。
この10年で、返さなきゃいけない返済額というのは、150万円に増える。そして、30年で250万に膨れ上がる。
もちろん、実際は、毎月一定程度返しているから、この差額は、減ってくるでしょうけれども、元本を減らさないような借り方をしていると、ずっと続くことになります。これはこれで、『単利』でも大変なことになります。100万なのに、30年経ったら250万、2.5倍になっちゃうわけですね。
で、『複利』です。『複利』の方は、田代さんに、このケースを説明してもらった方がいいですね。
100万円を5%で運用した場合の『複利』ですけれども、こんなに高くなってしまうんですよ。これは『複利』が、元本の方と利子の方と両方に利子が乗るということなんですけど、一瞬、それを聞いて『どういうこと?』って思う人はいっぱいいると思うんですね。(中略)
実際は、ほとんど『複利』で動かされているわけです。金融機関は。
これ、ちょっと説明していただけます? 何で、10年で163万円、まだここでは(単利との差は)大きくないんですけれども。30年経つと、このぐらいの差が、432万円にも膨れ上がるんですよ」。
田代氏「肝心なのは、『単利』は元本、これ100万円ですよ。はい、で5%だから、毎年5万円の利子が発生するわけです。2年目もやっぱり5万円、3年目も5万円っていうふうに、同じ金額が積み上がっていくわけだから、30年たつと5万円の30倍だから150万円。だから、(元本と利子)合計が250万。わかりやすいですね。
だけど、金融の世界は、『複利構造』になっていて、(元本)百万円で、1年経つと、5万円の金利が発生する訳ですね。
これを(返済しないで)そのままにしておくと、次の年は、105万円に対して5%なら、実は利子は、5万500円になるわけです。2年目以降、どんどん増えていく訳です。
例えば、今、5%で30年だったら、確かに432万円。
『単利』なら、毎年毎年5万円の入利子が積み上がるだけだから、その30倍で150万円儲けて、あわせると250万円。
それに対して『複利』の方は、発生した利子に対して、それを元本に加えた金額全体に、5%が適用される感じで、少しずつ少しずつその元本が大きくなる。
元本が大きくなるから、それに伴って利子も大きくなっていく訳ですね。で、それを積み上げていくと、このように30年で432万円ですね。全然、違うわけです」。
岩上「大変ですよ」。
田代氏「金融っていうのは、全部『複利』なんですよ。
『単利』は、昔、コンピューターがない時代には、手計算で大変だから、(複利を)『単利』で近似していたわけです。『複利』の計算は、大変だったわけです。
今では、Excelがあって、PCがあるから、すぐに計算できるようになった。
例えば、よく言われる『6.9%ルール』があるわけ。
ここで、皆さん、クイズです。一体、金利が何%だったら、10年経つと、『複利』計算で、元利合計が2倍、200万になるでしょうか。
これは、対数計算すればすぐわかるんだけど、何も返済をしていっていないで、積み上げていったという前提で、6.9%なんですね。6.9%の利率であれば、10年経つと、元利合計は大体2倍になっちゃうわけです」。
岩上「先ほど私、ちょっと言いましたけれども、バブル期にやってたのは、7%なんですよ。(貸主は)一銭も負けない、と」。
田代氏「それは、もう本当に10年で2倍になっちゃう。
それが重要なのは、例えば、経済成長論でも、日本経済の高度成長期には、その経済成長率が10%近かったわけですよ。ってことは、GDPが10年経つと2倍以上になってるわけ」。
岩上「そういうことか」。
田代氏「だから、どうして、1960年に、岸信介が総理を退陣した後、後を継いだ池田勇人は『所得倍増』と言ったか、というと、当時の日本の経済成長率って9%なんです。ちょっと考えると、もう10年経たないうちに『倍増』する。
当時は、『国民所得』という観念を使ったから、『国民所得』が倍以上になるわけ。だから、『所得倍増』とぶち上げても、大ボラ吹きでもなんでもない。
その時の成長速度からすれば、それはも容易に見えている結果で、それを『控えめ』に言ったわけですよ。本当は2倍以上になると、みていたけど、そこを『倍増』と言ってね。スローガンに変えたわけで。
それは今言ったように、当時日本の経済成長率が、6.9%より、うんと高かったから。
じゃあ、これが例えば、経済成長率が1%だったら、どうなるかというと、10年経っても、『複利計算』しても、1.1倍ですよ。だから日本経済は、2000年代に入ってからは、経済成長率が1%未満になったわけですよ。
例えば、0.5%とすると、それは10年経っても成長率はせいぜい5%なんですよ。
だから、ほとんど『単利』と変わらない。つまり、金利が小さくならば小さくなるほど、複利の効果がなくなるんですね。
で、日本人が『あっ』と驚いたのは、どうして中国にGDPが逆転れたのか。それは当たり前です。日本経済の成長率が1%未満で低迷している時に、中国は10%とか9%だったわけです。
温家宝の時に、『8%台まで下がった』と言って大騒ぎしたわけですよね。8%ですよ。8%の経済成長だったら、10年たったらGDPは2倍以上なんですよね。だからそういう逆転負けは、不思議じゃないわけです。
それくらい『複利』というのは、至るところに効いてきて」。
岩上「凄まじい」。
田代氏「ですから、さっき言ったように、金利がわずかに上昇するということが、いかにそれが長期において、ものすごい結果をもたらすか、ということです」。
岩上「住宅ローンは『複利』ですよね。ということは、本当に返すときに、元本を削っていくような返し方をしていかないと、厳しいということですよ」。
田代氏「多くの場合、利子だけは払う。利子だけは払って、元本を増やさないようにする」。
岩上「そしてあとで、ガクンと上がってくるんですよ。毎月の利払いが。そういうのにひっかかっちゃうと、『はじめの10年5年、楽ですよ』とかっていう商品が多いんですよね。その後、ガーンと上がって行って。重くなっていくわけで。結局、この元本を削らないとどうしようもないわけですよ。
ところが、『元本を削る』といっても、時間が経てば経つほど元本にこの利子が乗せられていくわけじゃないですか。だから、単純な元本じゃないですよね。最初のこれ、仮に1000万、1億でもいいですけど、その1億のまんまじゃないわけですよね、ということが、すごく怖いよ、と。
ここの差額が、この図は100万円でも、(単利と複利で)182万円あるんです。
もうひとつ、結構多くの人が消費者ローン、あるいはサラ金、カードローン、キャッシング、リボ払い、どういう言い方をしてもいいんですけれども、昔『サラ金』だったものが、『アコム』『アイフル』『モビット』。
あれらは、銀行傘下に入って、楽しげな、無意味CMが、毎日のように流れ、そしてほとんど意味がないCMですよね。竹中直人が『助けに来たよ』と言って。『こんぶじゃないよ。わかめだよ』とか、訳のわからないことを言っているだけなんですけど。
ちっちゃく、金利が書いてあるわけですよ。『18%』だか『17%』だか、上限が出ているわけです。『17%』って、何だと。これに『複利で、17%かけるんですか』って、いう話ですよね。すさまじい話ですよ。
それで大概、小さいもの買うんですよ。女性が、『ハンドバック買いたいな』と、10万円の『ハンドバッグ』を買おうと思ったら、『やっぱりリボ払いがいいかな』とかね。『キャッシングしてちょっと』とか、そういうようなことをしながらやるわけですけれども。
いろんな形があるんでしょうけれども、結局、月賦で『複利』で買うということには、何ら変わらないわけですよね。
『リボ払い』って特に、タチが悪くて、こんなに買ったんだけど、『2万円でいいんですよ。だいじょうぶ、毎月2万円だけですからね』とか言い続けて。ずっと、利子だけを払い続けて、『ぶくぶくぶくぶく元本の膨れ上がっていることに気がつかない』っていう、恐ろしいことに陥るわけですね。
まさか自分がそんなことにはまるとは思っていない人は、若い人なんかに、特に多いんじゃないかと思います。
僕もこの会社を14年やってますけれども、本当に多種多様な人が出たり、入ったり出たり入ったりして。ずっと人もいれば短期の人もいるんですけど、毎日電話がかかってきて飛び出してきていたんですよ。
女性の方で、僕に『ちょっとお願いがあります』。『何ですか』って言ったら、『お金を貸してください』と頼むから、『藪から棒にどういうこと』って聞いたら、『ちょっとその、リボ払いやってて』みたいな。
それで『全部出してみてください』って言って、初めから全部見せないんですけどね。初めはバッグとかお洋服は、ちょっと高めのものを買ったと、それでリボ払いしたと、分割払いにしたというところがスタート点なんですけど、それで返せなくなってきて、キャッシングして。それのキャッシングも、もういっぱいになって、他のところへ行って、と。ブクブク膨れて、気がついたら200万ぐらいになっていると。
若い女性で、それ以上何か、特別所得がなければ、(200万円って)結構なものですよね。しかもそれがただの100万じゃないですからね。それがさらに、『複利』で増えていっちゃうんですから」。
田代氏「計算しましょうか。200万を10何%の金利で借りたとしますよね。そうすると翌年は234万です。その次の年は273万、次は320万、374万、438万、513万円、600万円、700万。10年後は821万になるわけ」。
岩上「1人じゃなくて、複数名、4人くらいいたかな、と思うんですね。『実は』って、後で告白されたのが1人。200万ぐらいで。それの人も、最初は、飲み代をクレジットカードでみんなで飲んだのを自分が払ってあげたとか。大したことじゃないんですよ。
あと、好景気だったから正社員だったのに、正社員じゃなくされたっていう人はざらにいるじゃないですか。所得は減ってるんですよね。だけど引っ越しが面倒くさいから、17万円のアパートにそのまま住み続けたと。どうやって、その毎月の不足分を埋めたのって聞いたら、『キャッシング』って。そういう感じで、そのキャッシングは少しずつ少しずつ借りていって、数年間たったら、あっさり400万ぐらいになってるっていう。
それも、もちろん17%ですから、あっという間に、1000万近くいっちゃうじゃないですか。『もう、どうすんの』と。どちらも女性なんですけれども。『とにかく、ご両親のところへ行って頭を下げてお願いしてらっしゃい』と言ったんですけど、どちらも『お帰りください』と言われて。親にね。
それで、1人は辞めていって、その後は知りませんけど。
もう1人は、とにかく支出を管理して、腹を据えて、本当にクリアにしたんですよね。まあ、そこに至るまでは、すごく本人大変だったと思いますけれども。
先ほどの住宅ローン。住宅ローンを、今まで『金利がない世界』でやってきたわけですよ。それを『金利のある世界』に、ぽんと飛び込むわけですよね。そして『複利』なんですよ。『複利』っていうことが、(実感として)わからなくなっている人が、たくさんいます。
ちょっと、僕のケースを当てはめてもらってもいいですか?
僕の両親のケースですね。1億8000万ぐらいの元本だったと思うんです。そして、金利は7%パーですね。
そして、完済のローンが60年という、『二世代ローン』という、二世代でなければ認めないという銀行が組み立ててきたものなんですね。僕が、ロシアへ行ったりしている間にですね。
あの頃の銀行員、熱心ですよね。自宅にまで来て、自宅そんな高く売れる住宅でもないのに、それを担保に、そこまで貸し込むって言うんですよ。60年って、一体…。僕の人生、全部そこで、その頃30歳になってましたから、90歳になっても終わってないんですよ。
無茶苦茶です。しかも3階建て鉄骨のアパートなんですけど、『不見転』で買ってるんです。恐ろしいことに。僕は連帯保証人になっちゃってたんですけど。実際に、老朽化し、人が入らなくなった時に、僕は見に行くんですけど、始めて。大分まで。
そしたら、まあ、もう錆びてしまってて、外階段が。『これでは、人、入らないわ』と。これは『建てかえないとダメだ』っていうくらい老朽化してるような物件で。これ、最初にちゃんと見とけば、買わなかっただろうな、と」。
田代氏「今、計算すると、1億8000万を7%の複利で借りて、60年経つと、元利合計額は、104億3000万円ですね」。
岩上「104億!? ええ?104億円!!」
田代氏「7%でしょ。10年たてば倍なんですよ。その倍々ゲームを6回やるんだから」。
岩上「104億…絶対無理ですね。なんちゅう…もうこれが、バブル」。
田代氏「60年の満期で、7%って、びっくりです。信じられない」。
岩上「びっくりですよね」。
田代氏「10年で、7パーセントで元利が2倍になるんですよ。60年でしょう」
岩上「でもこれ、貸し出し元の銀行が、ことごとく潰れていったりしてたじゃないですか。不良債権を抱えたじゃないですか。
『住専』が、あの整理回収機構っていうのができましてね。整理回収機構が回収するとなると、ここが全然妥協してくれないんですよ」。
田代氏「絶対しない」。
岩上「凄かったですよ。とにかく。1円でもあったら、差し押さえをすると。とにかく、毎月の利払い、最低の利払いだけでも、絶対に納めないと許さない。でも、利払い分だけやってたって減らないですから、早い話は、60年つっても元本消して、60年ですから、普通に払ってたら元本消せないですもんね。だから、ものすごい額を払わないと消せないんですよ。だから、ずっと利払いを延々続けて、60年じゃ終わらないと思うんですよね」。
田代氏「終わらないですね。利払いだけやってても元本消えないから。
ちなみに、何倍かというと、要するに、69.5倍だから70倍ですね。60年経つと」。
岩上「確か、僕は利払いだけしてて、20数万だったような気がするんですよ。だから、まだあの膨れ方が、まだ利払いもその上大きくなりますからね。で、(歳をとって)収入が減っていくっていう。
この時に、最終的に親の名義ですから、僕は勝手にできないんで、自分が連帯保証人だから自分が払ってたわけですけれども、最終的に親が看取ってから、全部僕は、相続と債務と背負って、全部整理して、最終的に消すことができたんですけど、終わりの方にこれ掛かってたら消せないですね」。
田代氏「そうだ、ごめんなさい。今の計算間違っていました。これは要するに60年満期だから、1億8000万円は60年後、111億6000万円ですね。それは最初の1億8000万円の何倍かというと、62倍ですね」。
岩上「僕は複利計算で、最後60年経ったらいくらになるんだろうって、何十億円と、当時計算して。完全に複利計算間違えてましたね」。
田代氏「あの当時は、特殊な電卓があって。金融機関が配っている、複利計算ができるのがあって、あれがないとちょっと難しかったですよね」。
岩上は、「だから皆さん、僕のようなケースってまれではないってことです。これで、当たり前に売ってたんですよ」「自分の所得でそれを払っていけるのか、真剣に考えないと大変なことになります」と警鐘を鳴らしました。
岩上「とにかく申し上げたかったことは、『金利のない世界』が『金利はある世界』に、もう突入しました。(中略)
(価格や金利が上がる前にと焦っていても)、ちょっと落ち着いて考えてみた方がいいんじゃないでしょうか」。
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それでは、本日も1日、よろしくお願いします。
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