日刊IWJガイド・非会員版「仰天! モスクワでのテロ資金は、バイデン大統領の次男、ハンター・バイデン氏が取締役を務めたウクライナの企業、ブリスマが提供!?」2024.4.11号~No.4198


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~仰天! 仰天! モスクワでのテロ資金は、バイデン大統領の次男、ハンター・バイデン氏が取締役を務めたウクライナの企業、ブリスマが提供!? ロシア連邦捜査委員会が、刑事事件として書類送検!

■経済的にピンチのIWJへの応援・ご支援をお願いします!! IWJへのご寄付・カンパの月間目標額達成率は、先月3月は162万2511円、目標額の41%の達成率でした! 11月から3月までの5ヶ月間は連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります! 今後も目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が出てきます! 4月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、今期の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■<号外を出します!>「騙されてはならない!! クリス・ヘッジズ氏が、米国がガザで建設を進めている『仮桟橋』は、『パレスチナ人の海への永久追放』を目的としたものだと警告!」

■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! 2024年ASEAN世論調査で「米中のいずれかとASEANが同盟を結ぶとしたら?」は、中国が米国を1年で大逆転! 経済的影響力、政治的戦略的影響力、戦略的パートナーとしての重要性でも中国がトップ! しかし台湾問題は「外交で」、米中の2大国の間で「中立を保ちたい」が8割!「信頼できる国」では、この1年でEU・米国への信頼が激減し、日本が首位!】日本は米中2大国の間で独立独歩路線を歩むべき! 米国への隷属を続け、米中代理戦争に踏み出せば、アジアからの信頼を失う!(SEAS ユソフ・イシャク研究所『東南アジアの現状:2024年調査報告書』、2日)

■【第2弾! 少子化対策の徴収額が国民一人当たり月額500円から1000円に値上がり!? 増え続ける試算とちぐはぐな説明で、岸田無能政権への国民の怒りがさらに高まる! 政治資金改正後の6月下旬に解散したら「自公83議席減! 過半数割れで自民分裂!」との予想!】(『週刊文春』、4月18日号)
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■はじめに~仰天! 仰天! モスクワでのテロ資金は、バイデン大統領の次男、ハンター・バイデン氏が取締役を務めたウクライナの企業、ブリスマが提供!? ロシア連邦捜査委員会が、刑事事件として書類送検!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 ロシア連邦捜査委員会は、4月9日、モスクワのテロ事件の資金源に関して、驚くべき発表を行いました!

 なんと、バイデン大統領の次男のハンター・バイデン氏が、2014年~2019年まで取締役を務めていたウクライナの石油・天然ガス会社、ブリスマ・ホールディングスの資金が、ロシア連邦内および外国で、テロ行為を実行するために過去数年間使用されていたという発表です!

 さらに、ロシア連邦捜査委員会は、米国およびNATO諸国の高官が、テロ活動に資金提供したという理由で、刑事事件として起訴したのです。

 ロシア連邦捜査委員会の4月9日の発表は、次のとおりです。

 「下院議員による訴えに関連して組織された捜査の結果、テロ資金供与に関する刑事事件が立件された。

 ロシア連邦捜査委員会主捜査局は、米国およびNATO諸国の高官によるテロ活動への資金供与に関するロシア連邦議会下院議員グループおよびその他の人々による訴えを受け、捜査を実施した。その結果、ロシア連邦刑法第205条第1項第4号(テロリズムへの資金供与)の犯罪を理由に刑事事件として起訴された。

 商業組織、特にウクライナで操業している石油・ガス会社ブリスマ・ホールディングスを通じて受け取った資金が、著名な政治家や公人を排除し、経済的損害を与える目的で、ロシア連邦内および外国で、テロ行為を実行するために過去数年間使用されていたことが立証された。

 捜査当局は、他の特殊機関や金融情報機関と協力し、数百万米ドルにのぼる資金の出所やさらなる動き、西側諸国の当局職員や公共・商業組織の職員の中から特定の人物の関与を調べている。

 さらに、テロ行為の直接の実行犯と、外国人キュレーター(情報収集提供者)、オーガナイザー、スポンサーとのつながりも、捜査および作戦の手段によって捜査されている」。

※По итогам проверки, организованной в связи с обращением депутатов Госдумы, возбуждено уголовное дело о финансировании терроризма(ロシア連邦捜査委員会、2024年4月9日)
https://sledcom.ru/news/item/1874187/

 ロシア捜査委員会の捜査によると、3月22日の夜に起きたモスクワのテロだけでなく、他の複数のロシア連邦におけるテロに対しても、米国およびNATO諸国の高官と、ブリスマ・ホールディングスなどの商業組織から、資金提供があったというのです。

 ブリスマを通じた資金は、過去数年間に渡って、テロ活動に使用されていたと、ロシア連邦捜査委員会は、はっきりと、述べています。

 9日付『RT』は、国際的な人権擁護者であり、ウクライナの企業とジョー・バイデン米大統領の家族との関係を扱った本『外国の絡み合い:ウクライナ、バイデン、そして分裂する米国の政治的コンセンサス(Foreign Entanglements: Ukraine, Biden & the Fractured American Political Consensus)』(2024年、クラリティ・プレス)の著者でもあるアルノ・デヴレイ(Arnaud Develay)氏に、このスキャンダルについてインタビューしています。

 デヴレイ氏は国際弁護士で、ラムジー・クラーク元米司法長官とともに、サダム・フセイン元大統領の弁護に参加した経歴があります。シーザー法(2020年に発動された米国によるシリア制裁)を契機として、デヴレイ氏は、ダマスカス在住中に、シリアに課された違法な制裁体制を記録しました。デヴレイ氏は、現在、モスクワに拠点を置いています。

※Arnaud Develay(Covert Action Magazine)
https://covertactionmagazine.com/author/arnauddevelay/

※Foreign Entanglements: Ukraine, Biden & the Fractured American Political Consensus by Arnaud Develay(BARNES&NOBLE)
https://www.barnesandnoble.com/w/foreign-entanglements-arnaud-develay/1144050359

 デヴレイ氏は、『RT』に対して、こう述べています。

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 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 しかしながら、IWJの財政は、本当に厳しい状況にあります!!

 3月は31日間で、135件、162万2511円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 しかしながら、この金額は、月間目標額の41%の達成率にとどまっています。

 今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から3月まで、5ヶ月連続で目標金額に到達しておらず、この5ヶ月間の不足額の合計は、972万3789円にもなってしまいました。

 もし、4月も目標未達となると、年の半分が未達確定となり、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう具体的な可能性が出てきました。

 4月のご寄付・カンパの状況は、4月1日から10日までの10日間で、44件、283万8000円です。

 これは、月間目標額の35%に相当します。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 4月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2024.4.11 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】18:00~「羽田空港衝突事故を振り返る4・11緊急院内集会」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「JAL被解雇者労働組合」主催の院内集会を中継します。これまでIWJが報じてきた、労働問題関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%95%8F%E9%A1%8C

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◆中継番組表◆

**2024.4.12 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

PFAS汚染に立ち向かうには、「平和への取り組みで基地をなくす」などの「社会的処方」が重要と訴え!~4.7 PFAS汚染と都政を考えるつどい~小池都政の課題 ―登壇:小泉昭夫氏(京都大学名誉教授)ほか
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522553

高校生の個人情報を奈良市が自衛隊に提供、自衛官募集はがき送付!「若者を戦場に送る企みに自治体加担」~4.8 奈良県自衛隊名簿提供違憲訴訟・東京集会「4.8自衛隊名簿提供違憲訴訟(RYU裁判)への支援を広げる学習交流会」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522559

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■<号外を出します!>「騙されてはならない!! クリス・ヘッジズ氏が、米国がガザで建設を進めている『仮桟橋』は、『パレスチナ人の海への永久追放』を目的としたものだと警告!」

 本日、号外で「ピューリッツアー賞受賞ジャーナリストのクリス・ヘッジズ氏が、米国が建設を進めている「仮桟橋」は、「ガザへの支援ではなく、パレスチナ人の永久追放」を目的としたものだと分析!」をお届けします。

 クリス・ヘッジズ氏は、3月18日、『サブスタック』で「イスラエルのトロイの木馬―――ガザの地中海沿岸に建設されている『仮桟橋』は、飢餓を緩和するためではなく、パレスチナ人を船に乗せて、永久追放するためのものである」と題する記事を公開しました。

※Israel’s Trojan Horse(CHRIS HEDGES Report、2024年3月18日)
https://chrishedges.substack.com/p/israels-trojan-horse

 クリス・ヘッジズ氏は、4月4日の『号外』でもお伝えしたように、ピューリッツァー賞を受賞した作家・ジャーナリストであり、同時に長老派の牧師でもあります。彼のイスラエル批判や道徳的正義感の源泉には、おそらくはこの長老派の牧師としての信仰や思索があり、シオニズムに共感する福音派的なキリスト教原理主義とは一線を画すものであると思われます。

 同時に、彼は何よりも、目の前にある事実を直視する、リアリズムのジャーナリストです。

※【IWJ号外】ピューリッツァー賞ジャーナリスト、クリス・ヘッジズ氏が、ガザのジェノサイドを「米国が資金を提供し、武器輸送で維持している」、「西側諸国が誇る道徳や人権尊重は、すべて嘘」と批判! 2024.4.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522522

 ヘッジズ氏は、米国が主体となって建設を進めている「仮桟橋」の表向きの目的は、支援物資をガザ地区に流入させることだが、分配のシステムもなければ、支援物資を運ぶドライバーとトラックもない、まったく具体性を欠いた「絵に描いた餅」だと指摘しています。

 しかも、その仮桟橋を通じて流入する支援物資を管理するのは、イスラエル側であり、中立的な立場にある第3者機関が管理するわけではありません。

 ヘッジズ氏は、この「仮桟橋」を、援助の窓口にするという米国やイスラエルの主張は口実に過ぎず、その本当の目的は、「230万人のパレスチナ人をどこに追放するか、という問題の解決策」だと分析しています。

 米国とイスラエルにとって、国際社会の非難を回避しつつ、イスラエル軍のラファ地上侵攻を実施するための最大の難問は、「ラファに集めたパレスチナ人をどこに追放するか」です。

 当初は、イスラエルの外部、隣接するエジプト国内の国境沿いの砂漠地帯に、テント都市を作らせて、そこにパレスチナ人を「永久追放」するという筋書きがあったように見えますが、結局はエジプトでハマス勢力を養い、イスラエルの安全保障を脅かすことになると懸念したのか、エジプト側があくまでも拒否しているのか、エジプト側への追放は始まっていません。

 3月13日付『アルジャジーラ』は、イスラエルは、ガザ地区中部に「人道的島々」を設けて、パレスチナ民間人約140万人を移送する計画を立てている、と報じました。

※Israel’s war on Gaza updates: ‘Humanitarian islands’ for Rafah civilians(ALJAZEERA、2024年3月13日)
https://www.aljazeera.com/news/liveblog/2024/3/13/israels-war-on-gaza-live-netanyahu-vows-to-finish-the-job-in-rafah

 しかし、10月7日以降、広島原爆2個分に相当する、イスラエル軍による爆撃を受けてきたガザ地区は、中部も北部も壊滅的に破壊されており、パレスチナ人が北部や中部に戻っても住めるような家はありません。

 『ロイター』は4月9日、イスラエルは、ラファ地上侵攻に備えてパレスチナ人を避難させるための12人用テントを、4万張注文したようだ、と報じました。しかしそれでも、最大48万人しか収容できません。また、そのテントもどこに設置するのか、それによって地上進行からパレスチナの民間人達が難を逃れることができるのか、判然としません。

 そもそも、イスラエルが「パレスチナ人のいないガザ」を目指しているとすれば、パレスチナ人を北部・中部に戻しても、そこに再定住させ、パレスチナのための街を復興させるはずがない、と推測されます。

※Israel purchases 40,000 tents for Rafah evacuation, Israeli media says(Reuters、2024年4月9日)
https://www.reuters.com/world/middle-east/israel-purchases-40000-tents-rafah-evacuation-israeli-media-says-2024-04-09/

 イスラエルによるガザ地区のパレスチナ人に対するジェノサイドの総仕上げである、イスラエル軍によるラファ地上侵攻がいつ本格的に始まるのか、緊張が続いています。イスラエル軍がラファへの地上侵攻を本格的に始めたら、どれだけのパレスチナ人を殺すつもりなのか、見当もつきません。

 4月1日に、ガザに食料を支援しているNGO組織「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の、英国人3人を含む欧米系の7名の職員がイスラエル軍によって殺害された事件以降、世界的にイスラエルへの非難がさらに強まり、米国もイスラエルに圧力をかけています。

※はじめに~米バイデン大統領が態度を急変! イスラエルのネタニヤフ首相に「最後通告」!? ガザの市民や外国の支援団体関係者の保護を徹底しないなら、米国は「イスラエル支援を見直す」と警告! イスラエルは渋々、ガザ北部エレズ検問所を解放決定! 急変のきっかけは、米食糧支援NGO「ワールド・セントラル・キッチン」へのイスラエル軍による攻撃で、死亡した7人のうち6人が白人だったから!? イスラエルは昨年10月7日以来、米国製兵器で3万3000人以上のパレスチナ人を殺害! 有色人種でムスリムならば、いくら殺してもいいのか!? イスラエルと米国の姿勢に、あからさまに表れているレイシズム!
(日刊IWJガイド、2024.4.8号)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240408#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53380#idx-1

 イスラエル側も「譲歩」をしているように見えます。イスラエルは、ガザに搬入される支援物資の量を拡大し、ガザ南部に駐留するイスラエル軍を、1部隊だけを残してほとんど撤収させました。

 しかし、本当にイスラエルのこうした「譲歩」は、ガザへの援助物資の拡大や、ガザ南部カーン・ユニスからのイスラエル軍の撤収は、イスラエルによるガザのパレスチナ人に対するジェノサイドの緩和や、ラファへの地上侵攻の取りやめ、停戦への第一歩を意味するのでしょうか。ことはそう容易ではなさそうです。

 4月10日付『タイムズ・オブ・イスラエル』は、イスラエルのネタニヤフ首相は4月8日、イスラエル軍がガザ南部の都市ラファで攻撃を開始する日付を設定した、と述べました。

ネタニヤフ首相「(ハマスに対する)勝利にはラファに入り、そこにいる(ハマスの)テロリスト大隊を排除することが必要だ。そうなるだろう。日程は決まっている」。

 米国務省のマシュー・ミラー報道官は、ネタニヤフ首相の発言について、イスラエルによるラファ侵攻の日程について米国は説明を受けていないなどと弁明しています。しかし、イスラエル軍が米軍の支援を受けて侵攻作戦を行っていることはすでに明らかで、米国政府が何も知らない、などというのは白々し過ぎます。

 ネタニヤフ首相は、具体的な日程を、彼の口からは表明してはいませんが、「人質全員を解放し、ハマスに対する完全勝利を達成する」という発言は繰り返しています。

※Israel has circled date in calendar for repeatedly pledged Rafah invasion, PM says(The Times of Israel、2024年4月10日)
https://www.timesofisrael.com/israel-has-circled-date-in-calendar-for-repeatedly-pledged-rafah-invasion-pm-says/

 米国だけではなく、英国もイスラエルに武器を送り続けています。

 英国の元上級判事3人と英国法曹界600人以上が、「英国がガザ地区でのジェノサイドに加担する恐れがある」として、イスラエルへの武器売却を中止するよう、政府に求めました。

 8日付『CNN』によると、英国のキャメロン外相は7日、英国によるイスラエルへの支持は「無条件ではない」と述べ、イスラエルが「国際人道法を順守することを期待する」と表明しました。

 しかし9日、同時付『ロイター』によれば、キャメロン外相は「英国企業によるイスラエルへの武器売却を停止するつもりはない」と明言しています。英国政府は結局、「二枚舌外交」を行っているのだと言わざるをえません。

※Britain will not block arms sales to Israel, says UK’s Cameron(Reuters、2024年4月9日)
https://www.reuters.com/world/uks-cameron-position-arms-sales-israel-unchanged-2024-04-09/

※英外相、イスラエル支持は「無条件ではない」(CNN、2024年4月8日)
https://www.cnn.co.jp/world/35217465.html

 イスラエルや米国・英国など西側諸国が、いかに人道的な配慮をしているかのように取り繕っていても、米英、並びにドイツなどの欧州各国が、武器支援をやめない限り、停戦はありえず、ガザにおけるジェノサイドも続きます。

 米国が「仮桟橋」を建設している真の目的は、「ガザへの支援ではなく、パレスチナ人の海への永久追放」であるというヘッジズ氏の指摘に注目すれば、ダブルスタンダードを続ける米国、英国、イスラエルのひそかな狙いが浮かび上がってきます。

 ぜひ、IWJが全文を仮訳・粗訳した、クリス・ヘッジズ氏の「イスラエルのトロイの木馬」を、IWJの会員となって、「号外」でお読みください!!

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■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! 2024年ASEAN世論調査で「米中のいずれかとASEANが同盟を結ぶとしたら?」は、中国が米国を1年で大逆転! 経済的影響力、政治的戦略的影響力、戦略的パートナーとしての重要性でも中国がトップ! しかし台湾問題は「外交で」、米中の2大国の間で「中立を保ちたい」が8割!「信頼できる国」では、この1年でEU・米国への信頼が激減し、日本が首位!】日本は米中2大国の間で独立独歩路線を歩むべき! 米国への隷属を続け、米中代理戦争に踏み出せば、アジアからの信頼を失う!(SEAS ユソフ・イシャク研究所『東南アジアの現状:2024年調査報告書』、2日)

 アセアン研究センターが4月2日、ISEAS ユソフ・イシャク研究所による『東南アジアの現状:2024年調査報告書』を発行しました。

 アセアン研究センター(ASC)は、東南アジア諸国連合(ASEAN)に関する諸問題を研究するために、2008年に設立されました。

 ISEAS ユソフ・イシャク研究所(ISEAS Yusof Ishak Institute)は、1968年に設立(旧東南アジア研究所)された、東南アジア地域の社会・政治・安全保障・経済動向とその発展、およびより広範な地政学的・経済的環境の研究を専門とする、シンガポールに拠点を置くシンクタンクです。

 76ページに及ぶ報告書は、ISEAS ユソフ・イシャク研究所のサイトからダウンロードできます。目次は以下のようになっています。

【目次】
調査方法
本調査のハイライト
第1章 回答者のプロフィール
第2章 地域的展望と国際情勢に対する見方
第3章 大国の地域的影響力とリーダーシップ
第4章 米中のライバル関係と東南アジアへの影響
第5章 信頼に関する認識
第6章 ソフトパワー

※The State of Southeast Asia: 2024 Survey Report(ISEAS Yusof Ishak Institute、2024年4月2日)
https://www.iseas.edu.sg/centres/asean-studies-centre/state-of-southeast-asia-survey/the-state-of-southeast-asia-2024-survey-report/

 「第1章 回答者のプロフィール」によると、この調査には、ASEAN加盟10ヶ国から合計1994人の回答者が参加しました。

 回答者数が最も多かったのはシンガポールで273人(13.7%)、次いでインドネシア265人(13.3%)、マレーシア225人(11.3%)、フィリピン(10.8%)、タイ(10.1%)、ベトナム(10.0%)、カンボジアとミャンマー(ともに9.5%)、ラオス(8.0%)、ブルネイ(3.9%)でした。

 回答者の過半数(55.8%)が学士号取得者で、修士号取得者が18.3%、博士号取得者が6.6%、19.4%が中等教育後/非中等教育修了者でした。

 回答者の所属先は、民間企業(33.7%)、政府(24.5%)、学術・シンクタンク・研究機関(23.6%)、市民社会・非政府組織・メディア関係(12.7%)、地域組織・国際組織(5.6%)でした。

 年齢分布は、22~35歳(43.3%)、36~45歳(24.5%)が最も多い年齢層になっています。

 ASEAN諸国が抱える問題や、将来に向けての課題など、広範なアンケートになっていますが、ここでは、米中対立が激化する中で、米国や中国、日本との関係に絞って、アンケートの内容を見ていきます。

【Q10 台湾海峡で敵対行為が勃発した場合、この地域にどのような影響がありますか?】

1)中国、台湾、東南アジア間のサプライチェーンを大きく混乱させる。(44.2%)
2)東南アジア諸国に米国か中国かの選択が迫られる。(25.0%)
3)ASEAN加盟国(台湾で働く移民労働者)に送還の危機をもたらす。(15.8%)
4)ASEANの無力さが露呈する。(8.5%)
5)この地域(東南アジア)への影響はない。(6.5%)

 ISEAS ユソフ・イシャク研究所「東南アジアの人々は、台湾海峡におけるいかなる敵対行為も、中国・台湾両国との地理的近接性や経済的結びつきを考慮すれば、この地域に重大な影響を及ぼすことを認識している。

 回答者の最大グループ(44.2%)は、そのような紛争シナリオが中国、台湾、東南アジア間のサプライチェーンを大きく混乱させることに懸念を表明しており、経済的関心が優勢である。この感情は特にベトナムで顕著であり、回答者の59.0%がこの懸念を共有している。

 回答者の2番目に多いグループ(25.0%)は、地域諸国が米国と中国のどちらかを選択せざるを得なくなることを懸念しており、シンガポール(37.7%)とタイ(32.3%)が最も高いレベルの懸念を表明している」。

 「台湾有事」の影響について、ASEAN諸国では、経済的な混乱が最も懸念されており、次いで、「米国か中国か」の選択を迫られることが懸念されています。

【Q11 台湾海峡で紛争が起きた場合、あなたの国はどうすべきですか?】

 この設問に対する回答は、米国につく、というものではありませんでした。

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https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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■【第2弾! 少子化対策の徴収額が国民一人当たり月額500円から1000円に値上がり!? 増え続ける試算とちぐはぐな説明で、岸田無能政権への国民の怒りがさらに高まる! 政治資金改正後の6月下旬に解散したら「自公83議席減! 過半数割れで自民分裂!」との予想!】(『週刊文春』、4月18日号)

 こども家庭庁は4月9日、「次元の異なる少子化対策」のための財源として医療保険料に上乗せして国民から徴収する「子ども・子育て支援金」の負担額について、年収600万円の人なら月額1000円となる新たな試算を公表しました。

※子育て支援金、年収600万円なら月1000円負担 政府試算(日本経済新聞、2024年4月9日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA088QA0Y4A400C2000000/

 負担額は所得別に算出したもので、年収400万円なら月額650円、年収1000万円なら1650円になります。徴収は26年4月に始まり、段階的に徴収額が上がっていきます。この試算は最終的に28年度時点での徴収額で、政府は支援金の総額1兆円と見込んでいます。

 この試算をめぐり、世論や大手メディアを中心に「話が違う」などと波紋が広がっています。

 当初、岸田総理は2月6日の衆院予算委で、「粗い試算」と前置きした上で、「月平均500円弱」と説明していました。

 しかし、これは子供を含め、文字通り国民一人当たりに均(なら)した金額で、実際に徴収される被保険者の平均では「月額800円」になると明らかになったのが3月下旬。そして今、「月額1000円」なる数字が出てきたことで、「今後も上がっていくのではないか」と不信の声が噴出しています。

 また、政府のちぐはぐな説明も、国民の不信感をつのらせる要因となっています。

 岸田総理は2月の衆院予算委で「歳出改革と賃上げによって実質的な負担を生じない」などと説明し、実質負担ゼロかと思わせるような表現を行いました。

 ですがこれは、負担が増えた分を賃上げした分が相殺すると言っているに過ぎず、実際には負担が増えることには変わりありません。

 そして重要なことは、一部大企業で賃上げが行われるとはいっても、国民全体の実質賃金は上がるどころか、下がり続けている、という事実です。

※【第2弾! 13日の東京株式市場で日経平均株価が1990年1月以来、34年1ヶ月ぶりの高値更新!】消費者物価は上がり、実質賃金は下がり続けて、国民生活は逼迫しているのに、バブル景気の時代の再現のような株高は、異常ではないのか!?(『日経新聞』2024年2月13日)(日刊IWJガイド、2024.2.14号)
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 4月8日に発表された働く人1人当たりの実質賃金(2月)は、前年同月に比べて1.3%減で、23ヶ月連続のマイナスとなっています。賃金上昇を肌で実感できない現状では、賃上げによって負担ゼロと言われてもその信憑性を疑ってしまいます。

 そもそも社会保険料の負担が家計を圧迫している現状で、さらなる上乗せとなるこの支援金は、「子育て増税ではないか」との批判的な声が出ていました。

 また、ただでさえ岸田政権は、派閥の政治資金パーティー裏金・脱税疑惑問題をめぐり、岸田文雄総理総裁本人を含めて、一部の裏金議員が厳罰を免れる「大甘裁定」で、国民のみならず党内からも不満の声が上がっています。

 現在自民党の政党支持率は、20%台に落ち込んでいます。『週刊文春4月18日号』が独自に行った調査によると、国会会期末の6月下旬に解散総選挙を行った場合、現在の259議席から73議席も減らして186議席になると予想されています。

 「政権交代が実現した09年総選挙以来の単独過半数割れとなる見込み」と同誌は報じています。

 岸田政権に対する批判がやむことがない中、実質的な増税をともなう「次元の異なる少子化対策」を遂行し、国民一人ひとりが自分ごととして徴収を受け入れるには、国民と真摯に向き合い、その必要性を丁寧に説明していくのが最重要のはずです。

 そのための最低限の前提条件として、何よりもまず、岸田総理総裁を筆頭に、自民党自らが裏金・脱税疑惑に対して根本的に姿勢を改める必要があります。小手先のごまかしで「早期の幕引き」など許されません。そういう姿勢ならば、この『週刊文春』の予測のように、自民党は国民から信頼を失い、大敗することになるかもしれません。

 少子高齢化は年々深刻化しています。日本総研が2月14日に発表したレポートによると、23年の日本人の出生数は前年に比べて4万人以上少ない72.6万人(5.8%減)になる見通しで、19年と並ぶ最大の減少率となる公算だといいます。日本にとって、少子化対策は急務です。

※2023年の出生数は▲5.8%減、出生率は1.20前後に低下へ(日本総研、2024年2月14日)
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=107273

 確かに岸田政権の唱える少子化対策は、まだ、プログラムの目次程度ではあり、この程度で少子化傾向を逆転して、合計特殊出生率を人口置換水準(人口維持水準)にまで回復できるかといえば、心許ないですが、これまでの政府施策に比べれば多少はマシな内容となっています。

 大きなポイントは、下記の6つです。

(1)児童手当の所得制限を撤廃し、支給期間を現在の中学生年代から高校生年代まで拡充
(2)育児休業給付を実質10割に拡充
(3)出産費用の保険適用
(4)保育士の処遇を改善し、親の就労を問わず利用できる「こども誰でも通園制度」の創設
(5)高等教育費の授業料減免、給付型奨学金の支援拡充
(6)子育て世帯が優先的に入居できる公営住宅などを10年間で20万戸確保

 今回議論となっている「子ども・子育て支援金」は、これらの政策を達成するための予算です。2月26日、加藤鮎子こども政策担当相はこの支援金によって、子供1人当たりの給付拡充額が平均146万円になるとの試算を公表しました。

 ただし、これは子供が18歳になるまでに受けられる生涯給付額で、年にするとおよそ7万円の増額に過ぎません。年間7万円は、子育て世帯の肌感覚としては物足りなく感じる人は多いでしょう。そもそもこれが根本的な少子化対策につながるのかと、疑問を投げかける声も少なくありません。

 そんな中で、生活に困窮している単身者世帯も含めて増税という形で遂行しようとなれば、不満が高まるのは必然です。今後岸田政権は、どのようにそれを払拭していくのかが問われています。

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、佐々木隼也、尾内達也)

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