日刊IWJガイド・非会員版「ガザ難民への食糧支援の米NGOへのイスラエル軍の攻撃で米国側の姿勢が急変! その理由は、死亡者のうち6人が白人だったから!?」2024.4.8号~No.4195


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~米バイデン大統領が態度を急変! イスラエルのネタニヤフ首相に「最後通告」!? ガザの市民や外国の支援団体関係者の保護を徹底しないなら、米国は「イスラエル支援を見直す」と警告! イスラエルは渋々、ガザ北部エレズ検問所を解放決定! 急変のきっかけは、米食糧支援NGO「ワールド・セントラル・キッチン」へのイスラエル軍による攻撃で、死亡した7人のうち6人が白人だったから!? イスラエルは昨年10月7日以来、米国製兵器で3万3000人以上のパレスチナ人を殺害! 有色人種でムスリムならば、いくら殺してもいいのか!? イスラエルと米国の姿勢に、あからさまに表れているレイシズム!

■IWJが経済的にピンチです! IWJへのご寄付・カンパの月間目標額達成率は、先月3月は162万2511円、目標額の41%の達成率でした! 11月から3月までの5ヶ月間は連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります! 今後も目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が出てきます! 4月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの一撃!】

■【第1弾! エルサレムで大規模デモ! 総選挙実施や兵役平等化を要求!】ネタニヤフ政権の支持者でイスラエル社会の変化を鍵を握る超正統派ユダヤ教徒たちは、徹底した徴兵拒否者!(『ニューヨーク・タイムズ』、2024年4月2日ほか)

■<IWJ取材報告 1>岡本厚氏「パレスチナの即時停戦については市民運動も平和運動も大体一致するが、ウクライナの停戦についてだけは、なお賛成・反対入り乱れている」~4.1 今こそ停戦を Cease All Fire Now!「停戦をためらう構造について」シンポジウム5

■<IWJ取材報告 2>政府がウクライナへ1492億円を拠出!「最終的に対ロシア戦争まで覚悟しているのか?」とのIWJ記者の質問に「自らの安全保障問題として対露制裁とウクライナ支援を行ってきた」と上川大臣!!~4.5上川陽子 外務大臣 定例記者会見
┗━━━━━

■はじめに~米バイデン大統領が態度を急変! イスラエルのネタニヤフ首相に「最後通告」!? ガザの市民や外国の支援団体関係者の保護を徹底しないなら、米国は「イスラエル支援を見直す」と警告! イスラエルは渋々、ガザ北部エレズ検問所を解放決定! 急変のきっかけは、米食糧支援NGO「ワールド・セントラル・キッチン」へのイスラエル軍による攻撃で、死亡した7人のうち6人が白人だったから!? イスラエルは昨年10月7日以来、米国製兵器で3万3000人以上のパレスチナ人を殺害! 有色人種でムスリムならば、いくら殺してもいいのか!? イスラエルと米国の姿勢に、あからさまに表れているレイシズム!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 イスラエルによる、ガザのパレスチナ人に対する、おぞましい「最終絶滅」のジェノサイドが始まってから、6ヶ月が経ちました。

 4月6日付け『アルジャジーラ』は、パレスチナ西岸地区ラマッラ在住のパレスチナ系米国人作家マリアム・バルグーティ氏によるオピニオン記事で、「公式統計によれば、ガザとヨルダン川西岸での米国製爆弾によるイスラエルの空爆、砲撃、野外処刑により、3万3000人のパレスチナ人が死亡した。しかし、この数字は、瓦礫の下敷きになったり、路上や自宅でイスラエル軍によって射殺されたり、ブルドーザーによって砂の下に埋められたりした『行方不明者』全員を数えているわけではない」と指摘しています。

 つまり、イスラエル軍によって無惨に殺された犠牲者の実数は、もっと多いということです。

※Palestinians and the world must not lose hope(ALJAZEERA、2024年4月6日)
https://www.aljazeera.com/opinions/2024/4/6/palestinians-and-the-world-must-not-lose-hope

 この『アルジャジーラ』の記事でバルグーティ氏は、ヨルダン川西岸で拘束されたパレスチナ人は、「子供を含めて数千人」であり、そのほとんどは、裁判も受けられずに拷問や虐待を受けて、「過去6ヶ月で少なくとも13人が殺害された」と述べています。

 バルグーティ氏は、イスラエルがパレスチナ人の反撃能力を低下させるための戦略として、パレスチナ人を消耗させ、疲弊させ、弱体化させ、感覚を麻痺させていると指摘し、次のように述べています。

 「イスラエルの目的は、その占領と植民地化に抵抗する人々の感情的、道徳的、精神的な消耗であり、残忍な弾圧に直面しても、抵抗に参加し、動員する意欲と決意を失わせることである」。

 バルグーティ氏は、イスラエルによる容赦ない物理的・感情的な破壊によって、パレスチナ人だけでなく、この全世界に公開されている大量虐殺を止めようとする世界中の人々の間にも、深刻な「集団的燃え尽き症候群」が生じていると、危機感を募らせています。

 この指摘は、極めて重要です。世界は、イスラエルと米国が組めば、どんな非道も許されてしまう。このジェノサイドの後に地球に残るのは、道徳も道義も人権も正義も善もない、普遍的価値感がすべて失われ、もちろん頼る神すらもない、荒涼たる世界です。

 ナチスは、敗北し、ホロコーストの犯罪も暴かれ、裁かれました。第二次大戦の瓦礫の上には、かりそめにも信じうる価値観があると思われました。

 悪はやはり敗れる運命にあったのだと、素朴な勧善懲悪のことわりが、この世にやはり存在するのだとも思えました。

 しかし、公開のホロコーストを強行している邪悪の極みのシオニスト・イスラエルと、それを口先だけで非難しても、大量の武器と弾薬・爆薬を提供して、大量虐殺の幇助をしている米国の偽善と悪徳を、世界は止めることも、処罰することもできません。

 この惨劇のあとの、人類の精神世界の荒廃は、アノミーとか、ニヒリズムという言葉で表現し尽くせるようなものではない、と思われます。

 こうした中、これまで口先では「人道問題への懸念」を表明しながら、イスラエルへの支援を続けてきた米国のバイデン大統領が4月4日、イスラエルのネタニヤフ首相に対し「パレスチナ自治区ガザの市民や外国の支援団体関係者の保護を徹底しないなら、米国はイスラエル支援を見直す」と警告しました。

 4月5日付け『ロイター』は、バイデン大統領が「事実上の『最後通告』を突き付けた」と、さもこれで事態が変わるかのように伝えていますが、その一方で「ホワイトハウスはネタニヤフ氏に求める具体的な対応策や、同氏が米国のメッセージに耳を貸さなかった場合にどうするのか詳しいことは明らかにしていない」と報じています。

 これでは結局、これまでと同じように、バイデン大統領の口先だけのポーズで終わる可能性があります。

※焦点:バイデン氏がイスラエルに「最後通告」、民間人保護なければ支援見直し(ロイター、2024年4月5日)
https://jp.reuters.com/world/security/L7WR654QMRJIXKABAAWIRHSYFA-2024-04-05/

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

■IWJが経済的にピンチです! IWJへのご寄付・カンパの月間目標額達成率は、先月3月は162万2511円、目標額の41%の達成率でした! 11月から3月までの5ヶ月間は連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります! 今後も目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が出てきます! 4月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 しかしながら、IWJの財政は、本当に厳しい状況にあります!!

 3月は31日間で、135件、162万2511円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 しかしながら、この金額は、月間目標額の41%の達成率にとどまっています。

 今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から3月まで、5ヶ月連続で目標金額に到達しておらず、この5ヶ月間の不足額の合計は、972万3789円にもなってしまいました。

 もし、4月も目標未達となると、年の半分が未達確定となり、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう具体的な可能性が出てきました。

 4月のご寄付・カンパの状況は、4月1日から5日までの5日間で、 24件、140万4000円です。

 これは、月間目標額の35%に相当します。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 4月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 岩上安身拝


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆中継番組表◆

**2024.4.8 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】14:00~「奈良県自衛隊名簿提供違憲訴訟・東京集会『4.8自衛隊名簿提供違憲訴訟(RYU裁判)への支援を広げる学習交流会』」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「日本平和委員会」、「『自衛隊名簿提供違憲訴訟(RYU裁判)』を支援する会」主催の学習会を中継します。これまでIWJが報じてきた徴兵制関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%BE%B4%E5%85%B5%E5%88%B6
———————-

【IWJ_YouTube Live】14:00~「『テレビ会社に株主提案するのは初めて』~テレビ輝け!市民ネットワーク・株主提案提出後の記者会見 ―登壇:田中優子氏(法政大学名誉教授・前総長)、前川喜平氏(元文部科学省事務次官)、梓澤和幸氏(弁護士)ほか」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「テレビ輝け!市民ネットワーク」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた、メディアコントロール関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/media-controll

========

◆中継番組表◆

**2024.4.9 Tue.**

調整中

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆昨日アップした記事はこちらです◆

【IWJ号外】ピューリッツァー賞ジャーナリスト、クリス・ヘッジズ氏が、ガザのジェノサイドを「米国が資金を提供し、武器輸送で維持している」、「西側諸国が誇る道徳や人権尊重は、すべて嘘」と批判!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522522

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■【本日のニュースの一撃!】

■【第1弾! エルサレムで大規模デモ! 総選挙実施や兵役平等化を要求!】ネタニヤフ政権の支持者でイスラエル社会の変化を鍵を握る超正統派ユダヤ教徒たちは、徹底した徴兵拒否者!(『ニューヨーク・タイムズ』、2024年4月2日ほか)

 3月31日の日曜日から3夜連続でイスラエルの首都、エルサレムで、数万人規模のデモが行われました。

 10月7日に、イスラエルがガザを攻撃し始めてから最大規模のデモとなっています。

 多くのメディアが、このデモの規模の大きさや警官隊との衝突の様子を映像や画像で報じています。

 3月31日付『ニューヨーク・タイムズ』は、エルサレムの幹線道を埋め尽くす抗議者の大群を映し出しています。

※Protesters Call for Netanyahu to Leave Office(ニューヨーク・タイムズ、2024年3月31日)
https://www.nytimes.com/live/2024/03/31/world/israel-hamas-war-gaza-news

 2日付『ニューヨーク・タイムズ』は、エルサレムでデモの抗議者と警官隊が衝突している映像を報じています。

※Antigovernment Protesters Clash With Police in Jerusalem(ニューヨーク・タイムズ、2024年4月2日)
https://www.nytimes.com/video/world/middleeast/100000009393990/netanyahu-jerusalem-protest.html

 1日付『NBC NEWS』は、デモ隊が幹線道路を封鎖し、抗議者があちこちで火を焚き、騎馬警官隊が抗議者たちを蹴散らしている映像を伝えています。

※Anti-government protests erupt across Jerusalem(NBC NEWS、2024年4月1日)
https://www.nbcnews.com/video/anti-government-protests-erupt-across-jerusalem-208069701686

 1日付『NBC NEWS』によると、デモは、エルサレムの国会、クネセト前だけではなく、エルサレム各地で行われているとのことです。

 エルサレム各地で行われているデモは、ネタニヤフ政権にNOを突きつけ、早期退陣を迫る点ですべて共通します。連立政権が早晩崩壊しない限り、ネタニヤフ首相が選挙に直面するのは2026年の春です。

 大きく分けて、そのNOの理由には、3つあります。一つは、10月7日以前からあるネタニヤフ首相の汚職疑惑です。

★もう一つは、10月7日に、人質奪還を目的にハマスを攻撃し始めたものの、181日経過しても、解放された人質は123人、残された人質は134人で、半分以上がガザ地区に残留しています。

※Israel-Gaza War: Day 181(ハアレツ、2024年4月4日)
https://www.haaretz.com/

 停戦協定も一向に結ばれないこの状況に、残された人質の家族が激怒しているのです。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

■<IWJ取材報告 1>岡本厚氏「パレスチナの即時停戦については市民運動も平和運動も大体一致するが、ウクライナの停戦についてだけは、なお賛成・反対入り乱れている」~4.1 今こそ停戦を Cease All Fire Now!「停戦をためらう構造について」シンポジウム5

 4月1日午後2時より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、「『今こそ停戦を』呼びかける人たち」の主催により、「今こそ停戦を Cease All Fire Now!『停戦をためらう構造について』シンポジウム5」が開催されました。

 登壇者は、伊勢崎賢治氏(元アフガン武装解除日本政府特別代表)、岡本厚氏(岩波書店元代表取締役社長、元『世界』編集長)、田原総一朗氏(ジャーナリスト)、和田春樹氏(東京大学名誉教授)、羽場久美子氏(青山学院大学名誉教授・国際政治学者)、阿部知子氏(立憲民主党・衆議院議員)。

 IWJがこれまで報じてきた「『今こそ停戦を』呼びかける人たち」の記事は、以下を御覧ください。

※伊勢崎賢治氏「『ロシアは侵略を止めよ。アメリカは代理戦争を止めよ』。この2つを同時に、同じ強さをもって訴えるのが『憲法9条の心』だと僕は思います」~4.5 広島G7サミットに集まる各国首脳へ向けて「今こそ停戦を」記者会見 2023.4.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515202

※ロシアではなくG7に停戦を訴えるのはウクライナ紛争が「米国の代理戦争」だからだ!――4.24 今こそ停戦を。ceasefire now ! 停戦の呼びかけ~その後~記者会見―登壇:伊勢崎賢治氏(元アフガン武装解除日本政府特別代表)、羽場久美子氏(青山学院大学名誉教授)ほか 2023.4.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515662

※和田春樹氏「広島サミットでグローバルサウスの国々にウクライナ戦争推進を拡大するのは成功しなかった」~6.21「今こそ停戦を」シンポジウム ―登壇:伊勢崎賢治氏(元アフガン武装解除日本政府特別代表ほか 2023.6.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516760

※東郷和彦氏「一刻も早く止めるためには、アメリカがプーチンをもっとよく知らなくちゃいけない」~12.21 Ceasefire Now!今こそ停戦を~Cease All Fire Now シンポジウム3 ―登壇:伊勢崎賢治氏(元アフガン武装解除日本政府特別代表)ほか 2023.12.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/520481

※和田春樹氏「第3次世界戦争を止められなければ、それは私たち全員の責任です。まず、ウクライナ戦争を直ちに止めましょう」~1.24 Ceasefire Now!今こそ停戦を~Cease All Fire「2024を和平の年に」プレゼン&トーク  2024.1.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/521237

 岡本氏は、このシンポジウムの主旨と主催者の活動を振り返り、以下のように述べました。

 「今日は、ウクライナ・ロシア戦争の『停戦をためらう構造について』ということで、話をしていきたいと思っております。

 パレスチナの即時停戦を求めるということでは、大体皆さん、市民運動も平和運動も一致するんですけれども、ウクライナの停戦についてだけはなお、議論があって、賛成・反対、入り乱れている感じであります。

 私たちは、停戦を求めるということで、ウクライナ戦争が始まった2022年からシンポジウムをやって、今日が5回目になります。(中略)

 今日の『ウクライナ・ロシア露戦争の停戦をためらう構造について』の議論というのは、いろんな意味で、本質的な議論なんですね。

 実は5月くらいに、我々はもう1回声明を出そうということで、いろいろな方々にご意見を求めるメールを差し上げたんですけれども、その中に、田中優子さん、法政大学の総長をやられた方ですけれども、から返信がありました。

 その一部を読み上げますと、田中優子さんは、以前から、ウクライナ戦争も『即時停戦すべきだ』ということでは、私たちと論調を一致させて、例えば、和田春樹さんと対談などをされたんですけれども、ひとつは、ウクライナ戦争が時間を経て、今の時点で改めて、停戦の方法と、その後の考えをめぐらしたときに、停戦の仕方によっては、再びロシアなどの侵略が起こりかねないと思われる、と。

 で、国連総会は、ロシア軍は即時、完全かつ無条件に撤退せよという勧告とともに、非難決議をロシアに対して4回出している、と。もちろん、戦争終結に向けた、外交的、政治的解決に向けた国際世論が重要ですけれども、その努力は、ウクライナ、ロシア双方に向けて行うべきであると。

 今、ウクライナに対して『諦めろ』というメッセージを出すことは、『今後の侵略にも耐えろ』ということになってしまうのではないかということを、田中さんは言われています。

 米国の撤退可能性が出てきた今日、この状況から、『諦めて停戦しろ』というメッセージを、私たちはウクライナに対して投げかけていいのだろうか、ということが言われています。

 これは、何て言いますか、私たちにとってみたら、非常にある意味で本質的な議論になるかと思います。

 これに対して、どういうふうに考えを言うかということについては、我々自身の中の考えを整理するという意味でも、大事な時期になっているのではないかというふうに思います。

 あらかじめ申し上げておきますと、私たちはウクライナの人たちに対して、『あきらめろ』ということを言ったことはないんですね。しかし同時に、これ以上『戦争を続けろ』と言うこともできないと思います。

 つまり、『降伏しろ』ということもできないし、それから逆に『戦って死んでこい』というふうにも、我々は言えないと思います。なぜかというと、私たちは戦争をしている当事者ではないからなんですね。

 侵略を受けた側でもないし、今、戦争をしている側でもないと。

 そして、これは私の考えですけれども、原点としては『殺すな、殺されるな』ということだと思うし、ウクライナに対して言っているのではなくて、国連とか、あるいは中国、インド、トルコ、ブラジルなんかの国、そして、日本も含めて、『間に入ってもらえないか』と。『間に入って、停戦、戦いを止めて、その間に入って交渉してもらえないか』ということが、私たちのおおよその議論だったというふうに思います。

 実は、私は20年ぐらい前に、ある憲法をめぐる会議をやっていたんですけれども、その中の議論として、坂本義和さんという国際政治学者の方と、樋口陽一さんという憲法学者の間で議論が交わされたことを覚えているんですね。

 坂本先生からは、『日本の中国の侵略に対して、我々はそれに抵抗する中国の人たち、人民解放軍に対して、支持してきたじゃないですか』と。あるいは、『ベトナム戦争が起きたときに、アメリカのベトナム侵略に対して、抵抗するベトナムの人たちを支持してきたじゃないですか』と。

 『だとしたら、憲法9条を持っているけれども、私たちには抵抗権や自衛権はあるのではないか』ということを、坂本先生は、国際政治学の立場から言われました。

 それに対して、樋口先生は『いや、抵抗権はあるけれども、それが武装の抵抗になるかどうかは、また別の話じゃないか』というようなことを言われたことを記憶しているんですね。

 これは、実は、戦後の憲法をめぐる議論については、ずっとこのことが言われていて、『抵抗』はあるけれども、しかしそれは『武装の抵抗』なのか、『そうではない抵抗』なのか、あるいは、『専守防衛』というのをどう考えるのか、それは『正しい』ことなのか、『正しくない』ことなのか、ということを、これは、決着がつかないまま、これまで議論をされてきたのではないかというふうに思います。

 今日は、ある意味で、この戦後の憲法論を含めてですね、大きな議論について、結論は出ないかもしれませんけれど、我々自身の中で、ちょっと考えを闘わせてみたいというふうに思います」。

 詳細は、ぜひ全編動画を御覧ください。

※岡本厚氏「パレスチナの即時停戦については市民運動も平和運動も大体一致するが、ウクライナの停戦についてだけは、なお賛成・反対入り乱れている」~4.1 今こそ停戦を Cease All Fire Now!「停戦をためらう構造について」シンポジウム5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522422

■<IWJ取材報告 2>政府がウクライナへ1492億円を拠出!「最終的に対ロシア戦争まで覚悟しているのか?」とのIWJ記者の質問に「自らの安全保障問題として対露制裁とウクライナ支援を行ってきた」と上川大臣!!~4.5上川陽子 外務大臣 定例記者会見

 4月5日午後2時30分頃より、東京都千代田区の外務省にて、上川陽子外務大臣の定例記者会見が開催されました。

 会見冒頭、上川大臣より、台湾東部地震について、日本台湾交流協会を通じ、100万ドル規模の緊急無償資金協力による支援を行うことが表明されました。

 また、4月8日(月)から麻布台ヒルズにおいて、外交史料館の新しい展示室が一般公開されることが報告されました。

 続いて、上川大臣と各社記者との質疑応答となりました。

 IWJ記者は、ウクライナ情勢について、以下の通り質問しました。

 「日本は過去2年間、ウクライナに総額約1兆7000億円の支援をしてきましたが、さらに世界銀行を通じて、1492億円拠出すると報じられました。

 ロシアから見れば、これは敵国への支援です。ロシアと米との緊張が高まっており、ウクライナ対ロシアの戦争は、西側諸国対ロシアの構図へと拡大しかねません。

 日本はお金を出しているだけだとはいえ、軍事的緊張が最終段階にまで高まれば、日本も戦争に巻き込まれる恐れがあります。

 上川大臣は、繰り返し、ロシアへの制裁に言及されており、即時停戦を求めてはいらっしゃいませんが、最終的には対ロシア戦争まで覚悟されてのご発言でしょうか。真意をお聞かせください」。

 これに対し、上川大臣は以下のように答弁しました。

 「2022年2月、ロシアは平和的解決に向けた事前の各国からの働きかけを聞き入れず、ウクライナの非軍事化やまた中立化といった一方的なロシア側の要求を実現すべく、ウクライナへの侵攻に及んだところであります。

 これは国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると同時に、明白な国際法違反であり、改めて厳しく非難をいたします。

 我が国といたしましては、この欧州大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分であり、このような力による一方的な現状変更の試みはどこでも起こり得るとの認識のもと、国際社会全体の平和と安全のため、自らの問題としてこの問題に取り組み、侵略開始以降、一貫して対露制裁とまたウクライナ支援を強力に実施してまいりました。

 このような我が国の基本的方針、立場と方針は変わりませんし、引き続き、G7やグローバルサウスと呼ばれる諸国を含みます各国と連携しつつ、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現するべくリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております」。

 御覧の通り、上川大臣は、質問に対して、はぐらかすのみで、何も答えていません。

 外交の責任者として、この言葉は、そのまま、ロシアにも、ウクライナにも、欧米各国にも、グローバル・サウス諸国にも届くのであり、日本政府の姿勢はいったい、なんなんだ、どういうつもりなのだ、ということになるのではないでしょうか。

 対露制裁に参加している各国でも、ロシアとの対立をこれ以上、深めるべきか、否かについて、真剣な議論がなされています。

 フランスのマクロン大統領のように、フランス軍の地上部隊をウクライナの地に送り込み、ロシアと直接、戦闘も辞さない、という決意を表明する指導者もいます。

 他の欧州のNATO諸国は、これまで通り、武器・弾薬を送り込む、ということにとどまり、戦争の主体にはならず、あくまで、ウクライナ軍が主体である、という立ち位置をキープしています。

 中にはハンガリーのオルバン首相のように、NATOの中にあって、決然と停戦を強く主張している指導者もいます。

 さらにややこしいことには、米国のように、武器支援を行うが、直接、米軍がロシア軍と戦うことは回避する、とはいうものの、国内で、巨額の支援を継続するというバイデン大統領率いる民主党と、武器支援の予算を議会で止めている共和党が、激しく対立している国もあります。

 共和党の大統領候補であるトランプ氏は、現実にできるかどうかは別として、自分が大統領になったならば、48時間以内に停戦をさせると公言しており、米国内では、国論が二分しています。

 プーチン大統領が、何度否定しても、西側諸国では、ロシアの進撃はウクライナだけではとどまらず、他のNATO加盟国を侵略するはずだ、というプロパガンダがしきりになされており、その時のためと称して、軍備の拡張が叫ばれています。

 つまり、現状では、停戦は求めないという、日本政府と同じスタンスのNATO諸国は、米国に尻を叩かれながら、戦争もありえるとして、おそるおそる準備を整えつつあるのです。

 しかし、その西側諸国と足並みを揃え、「ロシアの侵略は許されない」とだけ、毎回、繰り返している上川外務大臣は、では、その許されざるロシアが、占領地域を放棄しなければ、最終的には日本自らもロシアと戦う覚悟があるのか、という点について、我々、IWJが問いただしても、何も答えません。

 これは国民に対して、国際社会に対しても、日本政府としての根本的な姿勢を答えない、答えられない、ということです。

 これは、覚悟もなく、「西側諸国と協調」というマントラを唱えて、ふらふら流されているだけです。

 しかし、上記のように、西側諸国も、フランスのマクロン大統領から、ハンガリーのオルバン首相まで、足並みがそろっているわけでもありません。

 大勢としては、現状では、自国はロシアと直接対決はしないが、ウクライナに武器支援して戦わせる、というものですが、直近の調査では、ウクライナ国民のうち、武器をとって戦うと回答した者はわずか8%に過ぎません。

 もう戦いたくない、と、当事国の国民が嘆いており、和平なり、停戦なりを切実に求めているのに、なぜ、外野の国々が、戦争を続けろと強制するのでしょうか。

 プーチン大統領も、ロシアとしては、ずっと停戦を求めている、と繰り返し表明しているのに、西側諸国が、事実上の勝敗の決着がついた戦争の、延長戦を無理強いさせようとしているのは、あまりに無責任かつ非道です。

 その西側諸国の中でも、ひときわ、自国はどうするのか、意志薄弱で、何も覚悟を定めていないのが、岸田政権下の日本です。

 何の覚悟もないから、日本は戦争はしないだろう、というのは、間違いです。

 自分の意思が薄弱ならば、米国や西側諸国からそそのかされたり、強いられたら、和平にも、戦争にも転ぶでしょう。

 そんなだらしない参戦をする、可能性が、上川外相の回答からは、色濃く伝わってきます。

 国民は、岸田政権の、この意志薄弱さを、かつての安倍政権のような、勇ましいタカ派とは違うから、好ましいなどと勘違いしてはいけません。

 始まってしまった戦いを、止めるのも、止めさせるのも、強い覚悟とエネルギーが必要なのです。

 岸田マントラ内閣には、そんな意思もエネルギーもありません。国民が、戦争の拡大を絶対に望まない、という強い意志を持って、権力に対して、要求していかなければなりません。

 会見の詳細については、全編動画を御覧ください。

※政府がウクライナへ1492億円を拠出!「最終的に対ロシア戦争まで覚悟しているのか?」とのIWJ記者の質問に「自らの安全保障問題として対露制裁とウクライナ支援を行ってきた」と上川大臣!!~4.5上川陽子 外務大臣 定例記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522512

― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240408

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、浜本信貴)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト【 https://iwj.co.jp/
公式X(旧ツイッター)アカウント【 https://twitter.com/iwakami_staff