日刊IWJガイド・非会員版「『イスラエルはパレスチナ人を屈服させ土地を諦めさせたいのです』! 映画『ガザ 素顔の日常』オンライン上映シンポジウム取材報告」2023.10.16号~No.4045号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<IWJ取材報告>「ガザでは5分後に何が起きるかわかりません」!「イスラエルはパレスチナ人を屈服させ土地を諦めさせたいのです」!「ガザでは、製造業も農業も成り立たない。ガザで生きるより死ぬ方がまし」!~10.14 緊急開催!【ガザ地区で何が起きているのか?】映画『ガザ 素顔の日常』オンライン上映シンポジウム

■IWJは消滅の危機に直面! 前期は2200万円を超える赤字に! 岩上安身は難病の次女の存在をカムアウトし、自らが背負う責任と使命についての思いを告白! 今期は徹底的な支出カットをしても、なお赤字ならばIWJをたたむ不退転の覚悟で経営再建に臨みます! IWJが金融機関から受けたつなぎ融資2500万円の連帯保証人は岩上安身個人! 岩上安身個人がIWJに私財を投じた金とあわせ、約5000万円を完済し、IWJの経営再建ができなければIWJも岩上安身も破産ですし、難病の次女も守れません! 必ずやサバイバルします! IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの連撃 2連弾!】

■【第1弾! イスラエルの挙国一致内閣に野党から迎え入れられたギデオン・サール元法務大臣が「ガザ地区は、戦争終了時にはもっと小さくなければならない」と表明!】「イスラエルと戦争を始めた者は領土を失わなければならない」とも発言! パレスチナからのさらなる領土収奪を正当化!?(『ハアレツ』、2023年10月14日)

■【第2弾! 米国、イスラエル、エジプトが話し合った人道回廊は、ガザからエジプトに退避する米国人のみが対象!?】エジプトはパレスチナ人がガザとの国境を通過し退避することを、イスラエルによるパレスチナ人の永久追放につながるとして「アラブの大義だ」と拒否! 逃げ場のないガザで総攻撃が行われている以上、脱出を認めないエジプトのシシ政権は、イスラエルによるパレスチナ人大虐殺の共犯者である!(『ロイター』、2023年10月11日)

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その79)>第四部 自由という災厄「第十三章「文明の衝突」の虚実 ―― 一九九四年二月~四月――」(Part9)
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■はじめに~<IWJ取材報告>「ガザでは5分後に何が起きるかわかりません」!「イスラエルはパレスチナ人を屈服させ土地を諦めさせたいのです」!「ガザでは、製造業も農業も成り立たない。ガザで生きるより死ぬ方がまし」!~10.14 緊急開催!【ガザ地区で何が起きているのか?】映画『ガザ 素顔の日常』オンライン上映シンポジウム

 おはようございます。IWJ編集部です。

 10月14日(土)午後4時半から、「緊急開催!【ガザ地区で何が起きているのか?】映画『ガザ 素顔の日常』オンライン上映シンポジウム」が行われました。

 ガザ地区へのイスラエルの地上軍の侵攻が、このイベントの最中、いつ起きてもおかしくないという緊迫した状況下での開催でした。

 イベントに登壇した、東京大学中東地域研究センターの鈴木啓之准教授によると、イスラエル地上軍のガザ侵攻は、今回が初めてではなく、2008年から2009年の戦争の時と、2014年のガザ戦争の時に、すでに2回、ガザ地区に侵攻しています。

 2014年の侵攻の時には、2000人以上が死亡しました。今回の地上部隊の侵攻では、これを上回る犠牲者が出る可能性があり、非常に懸念されています。

 イベントの最初の90分は、2019年の映画『ガザ 素顔の日常』(ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネル監督)が上映されました。参加登録者は753名という、関心の高いイベントとなりました。

 この映画は、2014年のガザ戦争(2014年7月8日にイスラエル国防軍がパレスチナ自治政府のガザ地区に侵攻した紛争。8月26日の無期限停戦で一応終息した。イスラエル・パレスチナ紛争としては、第四次中東戦争以来最大の死傷者を出している)や、その後の2018年、2019年のパレスチナ人のプロテスト活動である「帰還の大行進」を背景にしたドキュメンタリーです。

 この映画では、多種多様なガザ市民が登場します。

 主催者であるユナイテッドピープルの関根健次氏と、共同企画した日本国際ボランティアセンターの並木麻衣氏によると、「ガザの人々は、私たちとまったく違わない普通の人々で、私たちと同じ日常を生活していることを多くの人に知ってもらいたい」というのが、この映画の上映を企画した趣旨だということです。

 この映画には、ガザに住む、写真家や仕立て屋、漁師、紛争で障害を負ったラッパー、ガザに希望してやってきたタクシーの運転手、将来が不安で留学して、国際法か政治学を学んで祖国の役に立ちたいという十代の女子、仲間はストレスから心臓麻痺を起こして次々に死んだという舞台演出家、限られた医療物資で対応せざるを得ないという救急隊員、3人の女性と結婚して子どもが40人いるという難民キャンプの老人、現実逃避からチェロを弾くようになったという女性など、多種多様な市民とその言葉が映像に記録されています。

 まさに、私たちと変わらない普通の平和な暮らしを望む市民たちの姿が、その喜怒哀楽とともに映像化されています。

 しかし、大きな違いがあります。

 それは、ガザの人々の日常が恐ろしく不安定だということです。

 多くの仲間が死んで、「自分はまだ家族と一緒にいられて幸せだ」と述べたタクシーの運転手は、ガザの生活の不安定さをこう表現しています。

 「ガザでは5分後に何が起きるかわかりません」。

 この日常の不安定さは、イスラエル軍の空爆や銃撃などによる死と隣りあわせ、という不安定さばかりではありません。

 ガザでは人の生活に干渉しないと聞いて外からやってきたという、このタクシー運転手は、タクシー業だけでは家族(奥さんと息子ひとり)を養うことができず、請求の支払いが滞ってしまい、自分から警察に出頭して20ヶ月間刑務所に服役したのです。

 驚いたことに、このタクシー運転手は、「刑務所には46人の(ガザの)大物実業家やディーラーがいました。ガザ全体が負債を抱えているのです。ひどい経済です」と証言したのです。

 このタクシー運転手自身、友人の自動車用品店の店主との会話で「調子はどうだい」と聞かれて「(収益は)ガソリン代しか出ないよ」と答えています。これでは、生活が成り立ちません。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

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■IWJは消滅の危機に直面! 前期は2200万円を超える赤字に! 岩上安身は難病の次女の存在をカムアウトし、自らが背負う責任と使命についての思いを告白! 今期は徹底的な支出カットをしても、なお赤字ならばIWJをたたむ不退転の覚悟で経営再建に臨みます! IWJが金融機関から受けたつなぎ融資2500万円の連帯保証人は岩上安身個人! 岩上安身個人がIWJに私財を投じた金とあわせ、約5000万円を完済し、IWJの経営再建ができなければIWJも岩上安身も破産ですし、難病の次女も守れません! 必ずやサバイバルします! IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

 おはようございます。岩上安身です。

 10月に入り、急に冷え込むようになってきました。

 正念場を迎えているIWJの第14期も、3ヶ月目となります。

 私、岩上安身の訴えにお応えいただき、9月のご寄付・カンパは、804万9400円と、月間目標額の400万円の201%に届きました! また、今期第14期が始まった8月は赤字でしたが、その不足分107万4700円と、9月の目標額400万円をあわせた507万4700円に対しても、159%に届き、2ヶ月連続で赤字をまぬがれています! ご寄付いただいた方には、心から感謝いたします。皆さま、本当にありがとうございます!

 10月は、13日までの13日間で、98件、167万3100円のご寄付・カンパ(月間目標額の42%)をいただいております! ありがとうございます! 今月10月も、引き続きどうぞよろしくお願いします!

 しかし、これまでの前期1年間の累積の赤字2200万円(見方を変えると、個人岩上安身からの、会社IWJへの貸し付け)に加え、第14期スタートにあたっての銀行からの新たな借り入れ2500万円を考えると、まだまだ5000万円近い累積の債務を返済できてはおらず、危機を切り抜けたなどとはとても言えません。

 皆さま、どうぞ今こそ、IWJの救済のために、ご支援をよろしくお願いします!

 第13期の2200万円を超える赤字は、IWJ創業以来初めての危機です。これは私、岩上安身1人の力で乗り越えることは困難です。

 当面のキャッシュフローを確保するために、8月1日からの第14期のスタートにあたっては、新型コロナウイルスに関する港区中小企業融資制度を利用することで、金融機関から2500万円の融資を受けることになりました。

 今期、第14期からは、支出を徹底的に削り、赤字を出さないだけではなく、黒字分を累積した赤字への返済にあてて、今年は、私からの借り入れ2200万円を返済しきろうとすると、2200万円÷12ヶ月=183.3万円となり、この183.3万円の返済額と、直接の運営のための月間目標額の400万円とを合計すると、毎月583.3万円が必要になります。

 他方、金融機関からの借り入れによって、キャッシュフローの不足で倒産する、という危機は当面、まぬがれましたが、私は若くはないので、長期ローンは組めず、返済期間は7年間と短く、毎月の返済額も約30万円ずつと、決して少額ではなく、毎月の返済負担は重いものとなります。

 住宅ローンのように35年間、毎月少しずつ返済してゆけばいい、というものではないのです。前述の通り、毎月、583.3万円が必要であり、それに毎月30万円の銀行への返済額を合計すると、約612万円が毎月、必ず必要となります。

 IWJは個人企業ですので、代表取締役・岩上安身が借りたこの銀行の融資は、個人である岩上安身が連帯保証人となっています。したがって、IWJとしてこの融資の返済が滞れば、岩上安身個人が全額返済しなければなりません。

 できなければ、会社としてのIWJも、岩上安身も、自己破産ということになります。もちろん、私には、全額返済できるキャッシュを、現在、持ち合わせてはいません。それほどの現金があるなら、借り入れなどしません。返済のために自宅を売り払わなくてはならなくなるかもしれません。

 しかし、私、岩上安身には、実は、難病の娘がおります。そのため、自己破産して我が身ひとつで散ることはできません。

 私にはふたりの娘がいますが、次女が20代の時に、難病である線維筋痛症を発症しています。線維筋痛症は、全身が強い痛みに襲われる原因不明の難病です。次女がこの病気で10年以上も苦しんできたことは、これまで公表してきませんでした。初めて、明らかにする話です。

 次女は、健康に生まれ、明るく、快活にすくすく育ちました。子どもの頃から先天的な障害があったわけではありません。

 国立看護大学校を出て、千葉県柏市にある国立がん研究センター東病院につとめ、看護師として、末期がんの病棟を担当していました。看護師は、かなりの激務です。末期がん病棟の夜勤を担当したことによる、多大なストレスも、もしかしたら発症に影響したのかもしれません。

 発症しはじめた頃は、体全身に痛みがあるということで、仕事を休まざるを得なくなり、退職をして、療養していました。当初は短時間のアルバイト程度は可能でしたが、しかし、病状が好転してゆく、という淡い期待はかなわず、激しい全身の痛みという、次女の病状は、次第に重くなっていき、働くこともできなくなり、線維筋痛症という診断が下されました。

 自己免疫疾患である線維筋痛症は、その原因もまだ未解明であり、治療法も確立されていない難病です。米国の歌手のレディ・ガガさんや、日本テレビのアナウンサーだった大杉君枝さん(故人)、元フジテレビのアナウンサーの八木亜希子さんも発症され、闘病されており、近年になって、この難病の存在が知られるようになってきましたが、まだまだ社会的理解は進んでいないと感じられます。

 重い難病や、障害のある方やそのご家族が苦しみ、悲しみ、時に物理的に困窮している現実もあるという一方で、そうした方々への、悪意ある社会的な差別的な圧力の高まりも、日々、強く感じています。

 生産性のない生命は早く死ねばいい、死なせるべきだなどという、弱者をさらに痛めつける、まさにナチス的な思想を公言するような、知識人、政治家が、近年、次々と登場してくるたび、私は全身の毛穴から血が吹き出すような怒りと恐れ、不安、そして悲しみを感じています。

※【特集】ナチスと同じく、生命の選別をしようとする者ども! 大西つねき、大久保愉一、山本直樹、成田悠輔、松井一郎、馬場伸幸、植松聖、麻生太郎!! 彼らの思想も政策も許さない!
https://iwj.co.jp/wj/open/life-screening-special

※<シリーズ特集>「相模原殺傷事件から4年」今ここにある優生思想に向き合う~ 大西つねき氏「命の選別」発言から ALS患者「嘱託殺人」事件まで
https://iwj.co.jp/wj/open/eugenic_thought

※【第605号-608号】岩上安身のIWJ特報!背後に「暴力団」が関与し凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し!ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題!岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー(その4)2023.8.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/517607

 私の娘を含め、気の毒に、このような病いを得た方々は、何も悪いことをしていません。何の罪もありません。ひたすら、この不遇、不条理、苦しみ、悲しみに耐えているのです。

 こうした、運がたまたま悪かったというべき弱い立場の人々に対し、生命を選別せよ、などと迫り、さらなる苦痛を与えようとする、ナチスと同根の輩を、私は誰一人、黙って許すことができません。

 私は娘を守るために、娘と同じように、難病や障害のためにつらい思いをしている方々とそのご家族のために、私が生きている限り、このような悪意に満ちた弱者への攻撃とナチス的思想をまき散らす者たちに対して、言説をもって戦い続けてゆく覚悟です。

 私の娘は、全身の痛みで、今ではほぼ寝たきりです。毎日、痛みと苦しさしかなく、人生に希望を持てないため、うつ病にもなりました。コミュニケーションを取るのも難しい状況です。何とか、線維筋痛症に効く、良い薬や治療法が早く開発されてくれないだろうかと、焦る気持ちで祈っています。

 私は、自分の愛する娘に対してできるだけのことをしてやりたい、親としての最低限の責任を果たしたいと、親として当たり前の願いを強く心に願っています。自分が直接、守ってやれなくなる自分の死後も、この子が生きていけるように、雨露をしのげる部屋や、定期の収入が入る不動産など、何らかの私財をわずかでも残しておきたいと思っています。

 長女は結婚して、子どももいます。家庭があるわけですから、次女の面倒のすべてを長女にまかせ、頼るわけにはいきません。私の死後は、生活面・精神面では長女にも頼らなければならないでしょうから、せめて生活と治療のための経済的側面だけは、私が責任をもって何とか今から備えをしておかなくてはならないと思っています。

 ですから、私は無責任に借金を残して人生を終えるわけにはいかないのです。今期、IWJの第14期は、絶対に赤字を出さず、最低でも収支があうようにした上で、できれば黒字を出し、2200万円の私自身の貸付も、2500万円の金融機関からの借り入れも着実に、しかも私の年齢がかさんでいるので、なるべく早く、全額返済してしまわなければなりません。金融機関からの借り入れに対する返済は、前述したように、毎月約30万円弱で、7年間です。

 IWJの活動を続けることによって、今年、赤字がこれ以上少しでも拡大し、それを私が補填しなければならないようであれば、結局、今ある借金も返済できなくなり、我が身だけでなく、娘をも巻き込んでの身の破滅となってしまいます!

 赤字続きではIWJの活動はもう絶対に続けられない! というのは、私がそうした個人的な事情を抱えているためでもあります。私が生きて活動していられる時間には限りがあり、さらに意味のある生産活動をできる健康寿命の期間は、もっと限りがあります。

 そのためには、全力で、この3ヶ月くらいでIWJの支出を大幅に削ります!! 他方で、皆さまに評価され、その結果として、収益の上がるような、新たな情報発信もやりたいと思っています!

 会員様から最もご要望の多かった、私がソロで時事的テーマを話し、解説する動画番組(私がいわゆるYouTuberになる、と考えてもらっていいと思います)も、スタートさせる予定です!

 正直なところ、この半年が勝負です! そこでご寄付が集まらず、支出も削れなければ、現在の事務所を引き払い、現在の体制も解体して、IWJの活動規模を極限までミニマムにして収支があうようにするか、あるいは本当に会社を清算するか、本気で腹をくくらなければいけませんし、本気でそうするつもりでいます。

 時々、ウクライナ問題に力を入れているが、なぜなのか、という素朴な質問を受けることがあります。答えは簡単です。米国は、単独覇権の拡張と維持のため、思い通りに従わない、中国とロシアを強く敵視し、この両国を弱体化するためには手段を選ばないことを公式に国家戦略として掲げています。

 2014年のユーロマイダンクーデター以降、米国とNATO、ウクライナ政府による、8年間にわたるウクライナ南東部のドンバス地方でのロシア語話者に対する民族浄化は、米国の思惑通りに、ロシアがその挑発に乗って介入してしまいましたが、ロシアを弱体化するには至りませんでした。ウクライナ紛争を仕掛けた米国の思惑は、失敗に終わっています。

 ロシアと同様に、米国の単独覇権維持にとって邪魔となる中国に対する弱体化への、米国の仕掛けもこの数年続々と仕掛けられ、今後も着々と準備されています。日本における米国との集団的自衛権の行使容認も、安保法制も、改憲による緊急事態条項の導入も、日本を、米国の対中代理戦争の「道具」及び「戦場」として、便利に自由に使えるようにするための準備に他なりません。

 私の編集方針は、IWJの設立時から一貫しています。日本が、戦前の天皇大権の国とは180度違う、国民主権の民主主義国家として、自立した国家主権を米国から取り戻し、周囲の国々と和解して平和共存するという、明治維新以来、近代日本が失敗し続けたテーマに、これからの日本は再チャレンジすべきだ、ということに尽きます。

 私としては、日本が「第2のウクライナ」にされてしまい、米国の対中代理戦争の「捨て駒」として破滅的な戦争の危機に向かいつつあることを、多くの日本国民に知らせ、それを食い止める必要があると思っています。それはジャーナリズムとしての最低限度の責務であると確信しています。

 日本のマスメディアがこの件について、すべて、ひとつの例外もなく、機能不全に陥っていて、米国のプロパガンダのたれ流しをしている状況を見て、なおさら、IWJだけは、このドロドロの濁流に、最後の最後まで抗おうと固く心に決めています!

 私自身、第4コーナーを回って、残りの人生すべてをIWJとともに、日本のサバイバルのために死力を尽くして戦い、愚かな戦争を回避し、日本国民の生命と暮らしが犠牲とならないように、米国への従属から自立し、来るべき、希望のある多極的世界へと漕ぎ出してゆけるよう、全力を尽くしたいと真剣に思っています。

 その闘志に衰えはありません! 志半ばで、IWJを閉じることになるのは、決して本望ではありません!

 繰り返しになりますが、第14期は、背水の陣で臨んでいます。毎月、毎日が、IWJが生き残れるかどうかの勝負です! ぜひ、ご支援をよろしくお願いいたします!

 どうか皆さま、IWJの経営再建に向けて、会員登録、特にサポート会員への登録、そしてご寄付・カンパ、あるいは協賛広告によるご支援をお願いいたします! また、YouTubeのチャンネル登録も、ぜひお願いいたします!

※【岩上安身より最後になるかもしれないご支援のお願い!】第13期2200万円の赤字を出し、加えて銀行から2500万円の融資を受けました。私には難病の娘がいて、この子を私の死後においても守るため、自己破産して我が身ひとつで散ることはできません。赤字を止められなければ、第14期途中でも、IWJの活動を中止するサドン・デスの決断をくだします。赤字体質が脱却できれば、活動を継続します!IWJの経営再建に向けて、最後になるかもしれない勝負の時、会員登録と、ご寄付・カンパ、協賛広告によるご支援のお願いをします!
https://youtu.be/jZv9X2ojES8

※【岩上安身より最後になるかもしれないご支援のお願い!】私には難病の娘がいて、この子を私の死後も守るため、自己破産して我が身ひとつで散ることはできません。IWJの経営再建に向け、ご支援のお願いをします!
https://youtu.be/5oOoBcOJuh0

 私たち親子にとっても、IWJにとっても、まだまだ険しい試練の道のりが続くと思われますが、試練は乗り越えるために、天から与えられているものだと私は受け止めています。

 もし自分に天命というものがあるとしたら、日本を戦禍に巻き込まれることなく、米中対立の危機の難を逃れ、同時に、米国からの隷属をやめて自立し、21世紀後半だけでなく、22世紀以降も、世界と平和共存する国として、サバイバルできるように、微力でも貢献することにあります。生きている残りの期間は、そのための一助となるべく、微力ながら力を尽くしたいと思います。

 ぜひ、IWJへの会員登録と、ご寄付・カンパで、ご支援をよろしくお願いいたします!!

 現状の会員数を、お知らせします。

 9月末時点での会員総数は2582人(前年同日比:431人減、前々年同日比:944人減)でした。会員の方々の会費と、ご寄付が、IWJの運営の二本柱です。その会員数と会費が減ることは、IWJにとって大きな痛手です。

 ご寄付も、連日お伝えしているように、目標額を下回っていますし、会員数も会費もこの不況のあおりを受けて著しく減少しています! コロナ禍と未曾有のインフレ下の不況の急速な進行と、細かい数字は、10月末にご報告しますが、わずか1年間で前年度の売り上げから約4割減となり、約6割となってしまったというのは、本当に大きなダメージです! 進む高齢化などが逆風として吹きつけている結果であると思われます!

 この巨大な外部環境の変化自体は、私ごときが変えられるようなものではありません。少しでも家計を楽にするように、様々な支出を減らそうとし、その結果、IWJの月額の会費も削る人々が増えた、その結果でしょう。

 現在のIWJの編集方針が不満なので会員をやめる、という内容のメールをもらうことは、最近は本当にめったにありません。今、お支えくださっている会員の方々、特にサポート会員の方々は減ることがなく、我々の編集方針を支持してくださっていると思われます。

 皆さま一人一人の会費は、積もり積もれば、大きくもなりますし、一人一人が削ってゆけば大きなマイナスともなります。皆さまに会員としてお支えいただけなければ、IWJは、存続ができません! ご寄付の負担を減らし、目標額のハードルを下げるためにも、できるだけ、新規の会員登録をお願いいたします!

 休会中の方は、再開の手続きをお願いいたします! 会費が増えれば、毎月のご寄付・カンパのお願いも、もう少し少なくてすむようになります。よろしくお願いいたします!

 ただ、ここにきて、嬉しいニュースも届いています。先月末、7人の方が一般会員に、9人の方がサポート会員になってくださった、ということが分かりました。嬉しくて、そして明日に希望がもてます!

 どうか、会員登録をしたことがない方は、新規で会員登録を、休会していた方は、再開をぜひ、よろしくお願いします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 日本は、エネルギーと食料の自給ができず、資源をもつ他の国々からの海上輸送に頼らなければならない、孤立した「島国」であるという「宿命」を背負わされています。その「宿命」を、日本人ならば1人として、決して忘れてはなりません。

 エネルギーと食料が確実に輸入できるようにするためには、戦争によって、他国に海上封鎖をされないようにすることが一番重要です。それには、国外にそもそも「敵」を作らない、多極的な平和外交の姿勢を目指し、貫くべきではないでしょうか!?

 また、米国から押しつけられた新型コロナワクチンの危険性について、報じることも、論じることもできず、国の言われるがままにワクチンを接種して、コロナから守られるどころか、死に至るまでの副反応被害を招いていることも、日本という国に主権がなく、その従属国の政府とべったりの関係を築いている記者クラブメディアが、権力から自立した報道を行うことができない、しようともしないために起きている「悲劇」ではないでしょうか。

 国民の皆さまの「知る権利」を現実に実現し、事実・真実を伝えるには、権力と癒着せず、市民の皆さまから直接支えられるIWJのような独立メディアが存在しなければ、風穴を開けることもできません。

 ジャニー喜多川氏の性加害を、何十年間もテレビ業界等、マスメディアの人間たちは皆、知りながら、見て見ぬふりをしてきました。問題視もせず、報道もせず、ジャニーズ事務所とテレビとは利益共同体として一体化し、結果、性被害を何十年にもわたり広げてきたのも、こうした癒着の構造が強固に作られており、既存マスメディアは、新聞もテレビも一体となって、ひとつ残らずがっちりとその中に組み込まれているからです。

 人権侵害が横行しているのは、芸能界だけをとっても、ジャニーズ事務所だけではありません! テレビを代表するマスメディアと、他の芸能プロダクションとの癒着は、まったく変わらずに続いています。

 皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうしたあらゆる問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします!

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 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料サポーターの皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
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 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、米国に忖度し、隷従を深める日本政府、大手主要メディアの、連日の「情報操作」の積み重ねの恐ろしさと、権力に忖度しないで真実をお伝えする独立メディアの意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 岩上安身


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◆中継番組表◆

**2023.10.16 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.10.17 Tue.**

【タイムリー再配信 1100・IWJ_YouTube Live】19:00~「伝統的ユダヤ教の絶対的平和主義から逸脱した”軍事国家”イスラエル ~岩上安身によるインタビュー 第365回 ゲスト モントリオール大学教授・ヤコブ・M・ラブキン氏」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 2013年10月に収録した、岩上安身によるヤコブ・M・ラブキン氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきたイスラエル関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/israel

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/107981

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「立憲民主党の財産保全『特別措置法案』をどのように見るか?」IWJ記者の質問に「立憲単独か、他の政党も一致をされて出すのかを含め、そういう協議がこれからあるのではないかと思うが、今コメントできる立場ではない」~10.13盛山正仁 文部科学大臣 記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519064

統一教会への解散命令請求を受け全国弁連が「保全措置前に財産が流出すると被害救済が困難になる」と懸念を表明! 100以上ある関連会社に不動産名義が変更される可能性も!~10.13 全国霊感商法対策弁護士連絡会 記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519067

【IWJ号外】バイデン氏は1986年上院議会で「もしイスラエルが存在しなければ、米国はこの地域の利益を守るためにイスラエルを発明しなければならなかったろう」と、暴言演説!!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519094

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■【本日のニュースの連撃 2連弾!】

■【第1弾! イスラエルの挙国一致内閣に野党から迎え入れられたギデオン・サール元法務大臣が「ガザ地区は、戦争終了時にはもっと小さくなければならない」と表明!】「イスラエルと戦争を始めた者は領土を失わなければならない」とも発言! パレスチナからのさらなる領土収奪を正当化!?(『ハアレツ』、2023年10月14日)

 イスラエルのネタニヤフ首相がガザ侵攻を前に樹立した挙国一致内閣で、野党から閣僚に迎え入れられた5人のうちの一人、ギデオン・サール元法務大臣が、イスラエルの『チャンネル12ニュース』に対し、「ガザ地区は、戦争終了時にはもっと小さくなければならない」「イスラエルと戦争を始めた者は領土を失わなければならない」と語りました。

 10月14日付け『ハアレツ』が報じました。

※Israeli minister says Gaza Strip ‘must be smaller by the end of the war’(Haaretz、2023年10月14日)
https://www.haaretz.com/israel-news/2023-10-14/ty-article-live/idf-kills-hamas-head-of-aerial-forces-strikes-dozens-of-gaza-targets-overnight/0000018b-2c64-da5e-abef-ad656b090000?liveBlogItemId=1518583688#1518583688

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■【第2弾! 米国、イスラエル、エジプトが話し合った人道回廊は、ガザからエジプトに退避する米国人のみが対象!?】エジプトはパレスチナ人がガザとの国境を通過し退避することを、イスラエルによるパレスチナ人の永久追放につながるとして「アラブの大義だ」と拒否! 逃げ場のないガザで総攻撃が行われている以上、脱出を認めないエジプトのシシ政権は、イスラエルによるパレスチナ人大虐殺の共犯者である!(『ロイター』、2023年10月11日)

 米国、イスラエル、エジプトが協議している、パレスチナ自治区ガザからのパレスチナ市民の避難のための人道回廊をめぐり、10月11日付け『ロイター』は、エジプトが「ガザから逃れる難民のために安全な通路を設置するいかなる動きも拒否している」と報じました。

 ガザ地区は、南側をエジプトと接していますが、この『ロイター』の記事は「エジプトは、最も激しい紛争の間であっても、ガザ人の自国領土への流入を長年制限してきた」と報じています。

※エジプト、ガザ支援について協議、民間人のための回廊を拒否、関係者が語る(REUTERS、2023年10月11日)
https://www.reuters.com/world/egypt-discussing-plans-provide-aid-gaza-under-limited-ceasefire-security-sources-2023-10-11/

★10月14日付け『ロイター』は、ガザと国境を接しているエジプトと同様に、ヨルダン川西岸地区と国境を接しているヨルダンも、「パレスチナ人が土地を追われることに対して警告している」と報じています。

※Arab states say Palestinians must stay on their land as war escalates(REUTERS、2023年10月14日)
https://www.reuters.com/world/middle-east/arab-states-say-palestinians-must-stay-their-land-war-escalates-2023-10-13/

 エジプトやヨルダンは、国内のパレスチナ難民が増加することへの懸念と同時に、人道回廊の設置自体が、イスラエルによるパレスチナ人の永久追放につながると指摘しています。

 この14日の『ロイター』の記事は、以下のように報じています。

 「エジプトのシシ大統領は12日、『これがすべてであり、すべてのアラブ人の大義だ。(パレスチナの)人々が、自分たちの土地で揺るぎなく存在し続けることが重要だ』と述べた。

 パレスチナ人にとって、自分たちが国家を作ろうとしている土地を去ったり、追い出されたりするという考えは、イスラエルの建国に伴う1948年の戦争で、多くのパレスチナ人が家を追われたり、逃げ出したりした『ナクバ(大惨事)』を想起させる。

 英国統治下にあったパレスチナのアラブ系住民の半数に当たる約70万人のパレスチナ人が、土地を奪われ、避難を余儀なくされ、その多くが近隣のアラブ諸国に流出した。彼らやその子孫の多くは、今も難民キャンプに暮らしている」。

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■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その79)>第四部 自由という災厄「第十三章「文明の衝突」の虚実 ―― 一九九四年二月~四月――」(Part9)

 岩上安身は、1989年から1994年まで、29歳から35歳まで、足かけ6年かけて、崩壊前夜のソ連から、ソ連崩壊後の「民主ロシア」誕生の裏面まで、現地で取材しました。

 現地取材をまとめた著書『あらかじめ裏切られた革命』(1996年、講談社、講談社ノンフィクション賞受賞作)は、当時のソ連・ロシアの実態を記録した貴重な資料ですが、残念ながら絶版となっており、入手困難な状況となっております。

 ウクライナ紛争の長期化、そして西欧諸国が世界を支配してきた構造、米国による一極支配構造に揺らぎが見え始めた今こそ、改めて1991年のソ連崩壊前後に戻って、歴史を振り返る必要があると思われます。日刊IWJガイドで、『あらかじめ裏切られた革命』の復刻連載を進めていきます。ぜひお読みください。

 下記URLから、初回の復刻連載(その1)をお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その1)>序文「ゴーリキーパークの世界精神」(日刊IWJガイド、2022年11月20日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20221120#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51557#idx-4

 直近の復刻連載は、下記URLからお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その77)>第四部 自由という災厄「第十三章「文明の衝突」の虚実 ―― 一九九四年二月~四月――」(Part7)(日刊IWJガイド、2023年9月25日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230925#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52773#idx-6

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その78)>第四部 自由という災厄「第十三章「文明の衝突」の虚実 ―― 一九九四年二月~四月――」(Part8)(日刊IWJガイド、2023年9月26日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230926#idx-7
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52776#idx-7

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◆二十世紀の「忘れられたジェノサイド」

 トルコが抱えるもう―つの紛争の火種は、隣接するアルメニアとの関係である。

 ソ連崩壊にともない、ソ連 – トルコ国境は、アルメニア – トルコ国境となり、新たな緊張が高まっている。古い歴史を有し、ローマ帝国に先がけること六十年、世界で初めてキリスト教を国教として受容したことを誇りとするアルメニアは、地政学上の要衝に位置するため、史上幾たびも大帝国の角逐の犠牲となってきた。

 とりわけ十八世紀以降は、ロシア、トルコ、イランの勢力争いに巻き込まれ、翻弄されてきたのだが、そうした状況下で展開されてきたアルメニアの独立運動に対し、オスマン帝国政府からの返答として、一八九五年と一九一五年の二度にわたり、大弾圧が行なわれた。特に二度目の弾圧では、約百五十万人のアルメニア人が虐殺されるという、ナチス顔負けのホロコーストが断行されたのである。

 レオ・クーパー著の『ジェノサイド――二〇世紀におけるその現実』(法政大学出版局刊、高尾利数訳)によれば、虐殺の第一段階は、アルメニア人の非武装化と、政治指導者・知識人などのエリートの大量逮捕・追放だった。こうしてまずアルメニアの民族共同体を「骨抜き」にしておいてから、軍が投入され、「国外追放」が行なわれたのである。

 男性のアルメニア人に対して政府の建物に出頭せよ、という布告が各地で出され、布告に従って出頭した男達は何の説明もなく縄でくくられて町の外へ行進させられた。そして「人影まばらな場所にくると停止させられ、すぐに虐殺された」。残った女や子供はイスラム教への改宗を強要されるか、さもなくば「国外追放」された。この追放の過程は文字通り「死への行進」であり、アルメニア人への暴行には、将兵だけでなく近隣のクルド系住民も加わった。

 「クルド族が女性を殺すのか、丘に連れ去るのかどうかは、その瞬間の気紛れにかかっていた。彼ら(ママ)が連れ去られたとき、その赤児たちは地面に置き去りにされるか石にたたきつけられるかした。(中略)憲兵たちはその任務を早急に終わらせたがっていたようである。遅れた女たちは路上で銃剣で突き殺されたり、断崖や橋から押し落とされた。河、特にユーフラテス河を通過することは、いつも大量殺害の機会であった。……彼らを苦しめる者たちの欲情と貪欲には限りがなかった。最後まで生き残った者たちはしばしば、よろめきながら裸でアレッポに着いた。彼らの衣服の糸の一本まですべて途中で引きちぎれていた」

 この一九一五年の大虐殺は、レオ・クーパーの言葉を借りれば、「アルメニア人だけに憶えられている二〇世紀の『忘れられたジェノサイド』」である。明らかに政府と軍部によって計画的・組織的に行なわれたものであるにもかかわらず、トルコ政府はいまだにこの事実を認めていない。虐殺が起きたときは第一次大戦下であったため、欧米先進諸国は抗議を行なわず、戦後もロシア革命後のソ連に対する警戒から、戦略的価値の高いトルコヘの配慮を優先し、アルメニア人の悲劇を顧みずにきた。

 国際的関心が高まりを見せ始めたのは近年のことである。欧州議会は一九八七年六月に、圧倒的多数でこの大虐殺はトルコによるものであると認める決議を採択、同時に、トルコ政府の反アルメニア政策を非難し、トルコの歴史家が大虐殺はなかったとする虚偽の情報を流していることについても抗議を行なった。

 しかしながら欧州議会に比べると米国の姿勢は鈍く、議会ではこの問題が何度も取り上げられ、論議されるものの、国務省と国防省および歴代大統領の反対にあい、決議されるには至っていない。同様に、国連においてもトルコによるジェノサイド非難の決議はいまだに採択できずにいる。

※旧ソ連のアルメニア共和国において、八〇年代後半から激しい表出をみたナショナリズムの根深さを理解するには、この「忘れられたジェノサイド」の問題を避けては通れない。トルコ系のアゼルバイジャンとの紛争も、「旧ソ連内部で起きた領土をめぐる紛争」という理解だけでは不充分であり、より広い歴史的視野の中でとらえ直さなくてはならないだろう。もちろん、歴史へのまなざしは彼らの抱く「神話」にも届かせる必要がある。九〇年にアルメニアの首都エレヴァンで会ったアルメニア最高会議のある大物代議員は、オフィスの窓の外に見える、富士山によく似た、白い冠雪の美しいアララット山を指さして私にこう言ったものだ。
 「私達の祖先であるノアが箱舟で漂着したのが、あの聖なるアララット山です。ノアの直系の子孫である我々アルメニア人は、旧約聖書の時代からあの山の麓で暮らしてきた。トルコ人達に追いやられ、今はトルコ領に組み込まれていますが、このエレヴァンからアララット山の頂きまで、歩いてのぼれる日が来るまで、我々アルメニア人の魂は、決して安らぐことはないでしょう。その日まで我々が戦いをあきらめることは決してありません」
 忘れないでもらいたいのだが、これはソ連が崩壊する前の話である。アゼルバイジャンとの紛争に直面しながらも、アルメニア人達はすでに背後の、トルコとの対決が避けられないものと考えていたのである。「ノアの子孫」という神話を信じ、アララット山という民族の「聖地」の奪還を夢見ながら――。

 大学でトルコ語の教育を受け、トルコの専門家を自称するジリノフスキーは、自著『南への最後の突進』の中でこのアルメニア人大虐殺を取り上げ、ロシアやイラクの行状を棚に上げてトルコ政府の「非人道性」を非難し、「この地球上からトルコ人が抹殺されたとしても、悲しむものは一人もいない」とまで言い切っている。つまり、ジリノフスキー現象によって高まるロシアとトルコ間の緊張には、実は、もう一枚、アルメニアというカードがさしはさまってくるのである。このテーマを持ち出すと、チャクマコグルは、俄然、身をのり出し、熱っぽく語りはじめた。

 「対アルメニアの問題は、トルコにとっても今、一番ホットな問題です。というのは、PKKは、フタを開けてみればクルド分裂派のみならず、アルメニア人のテロリストも数多く混じっていたことが、つい最近判明したからです。クルドとアルメニアのテロリストは、密かに手を結んでいたわけです。

 トルコとアルメニアの問題は、たしかに歴史的な問題です。アルメニア人にいわせれば、いつもトルコが悪いことになる。しかし、それは一面の事実でしかない。十九世紀末に結成されたダシナクツチュン党(トルコ領アルメニアの解放を叫び、旧ロシア帝国領内で結成されたアルメニア民族主義政党。ロシア十月革命直後に、アルメニア共和国の独立を宣言するが、ソビエト政権に権力を奪われ、追放された)などは、現在のPKKみたいなものです。自分達の権力闘争のためには、同胞を脅し、殺すことも辞さない。

 我々トルコ人に非があるなら、十九世紀から二十世紀初頭にかけてのあの時代、トルコ西部に住む住民を救えなかったことです。ダシナクツチュン党はそこで虐殺を行なった。確かな証拠となる資料が現存しています。その残虐さたるや、現在のPKKが、子供でも平気で殺すのと、何ら変わりがない。

 トルコという民族は、攻撃的な民族ではない。なんとか平和を維持していこうと努力し続けている。しかし一方、もし攻撃を受けたら絶対に逃げずに立ち向かう勇敢さも力もある。トルコはNATOのメンバーであり、しかもNATOの加盟国中第二の軍事力があるのですから」

 トルコはたしかに、NATOでは最大規模の六十万人の陸軍を擁する強力なメンバーではある。にもかかわらず、西欧ブロックの一員として正式に認められたとはいいがたい。EC(現EU)への加盟を申請したのは、一九六五年のこと。にもかかわらず今日に至るまで、トルコの正式加盟は保留されたままなのである。

 「EUの加盟問題(※)についていえば、たしかに不満はある。EEC(ECの前身のヨーロッパ経済共同体)の構想が発表されたとき、一番最初に名乗りをあげたのが、我がトルコでした。その我々が三十年間も加盟を待たされているというのに、つい昨日独立したばかりの東欧諸国が準加盟を認められているのは納得できないという声もたしかにある。ECがキリスト教諸国によるブロックだとは考えたくない。トルコの加盟が保留されてきた理由が、イスラム教の歴史的文化をもつ、という文明論的な理由によるものとは思いたくない。

 しかし、仮に加盟が認められなかったとしても、問題ではない。ソ連崩壊以降、ウズベキスタン、卜ルキスタン、キルギスタン等々、旧ソ連のイスラム諸国との間に友好関係が生まれ、大きな市場が開けた。世界経済がブロック化の方向に進むなら、我々はイスラム経済ブロックを作る。経済問題がいきづまることはないと確信しています。

 経済問題だけでなく、安全保障も同じこと。たとえ西欧諸国の支援があてにできなくても、我々は困らない。トルコ軍がその気になれば、アルメニアなど敵ではない。十日から十五日で占領してみせる。シリアもイラクも怖くない。もちろん、ロシアもです。

 ジリノフスキーがどうほざこうと、実際にロシア軍がアルメニアに肩入れしようと、そんなことは問題ではない。ロシアの脅威は昨日今日のことじゃない。常にあったし、今もある。私達はいつも戦争の準備をしてきたし、警戒を解いたことは一度たりとない。

 西方と南方へ侵略的な拡大を行なった、ロシアの女帝エカテリーナ二世は、『地中海沿岸までロシアは進出しなければならない』と言った。その膨脹志向を忠実に受け継いだのがスターリンであり、ジリノフスキーです。だからこそ我々は、NATOに加わり、準備を怠らなかった。私達トルコ人は、本当にロシアなど恐れていませんよ」

※EUへの正式加盟問題はその後、一定の前進をみた。九五年三月、キプロス問題をめぐってトルコと対立状態にあるギリシャの強硬な反対を押し切る形で、トルコとEUの間で、相互の輸出入関税を撤廃する関税同盟が締結され、同年十二月に欧州議会で承認されたのである。この関税同盟締結はトルコのEU正式加盟への前段階のステップとして位置づけられており、将来への見通しが一応は開けたことになる。
 もっとも、これで問題が片づいたわけではない。イスラム原理主義の台頭という、新たな問題が浮上してきたからである。欧州側が従来から強く非難してきたクルド人に対する人権抑圧問題が改善されていないにもかかわらず、欧州議会が関税同盟を批准したのは、トルコ国内のイスラム原理主義勢力の急速な台頭に対する政治的な配慮に他ならない。チルレル首相は、九五年四月の訪米時にも「EUがトルコの加盟を拒否することは、イスラム原理主義を招くことになる」と危機感を表明していた。
 イスラム原理主義の台頭というトレンドが目立ちはじめたのは、私がこの稿の取材のためにベルリンを訪れていたときとほぼ同時期の九四年三月のこと。トルコで行なわれた統一地方選挙において、イスラム原理主義政党のイスラム福祉党(繁栄党)が、首都アンカラや経済の中心地イスタンブールなど、二十八の市長選で圧勝をおさめたのだ。今から振り返れば、「欧州の壁」の厚さにチャクマコグルが不満を述べていたこの時期は、七十年あまり続いたトルコの国是である親西欧路線=「ケマル主義」体制が大きく揺らぎだした転機の時だったといえるだろう。
 実際、約一年半後の九五年十二月の総選挙では、福祉党が議員定数五五〇のうち一五八を獲得し、ついに首位に立つに至ったのである。福祉党を率いるイスラム工科大教授のネジメティン・エルバカン党首は、EUへの加盟を「トルコが欧州の奴隷になる」として反対し、NATOからの離脱も主張、「イスラム版国連、イスラム版NATO、イスラム版EUを創れ」と訴える。
 ジリノフスキーほど露骨に表現しなくても、ロシアや欧州がひそかに懸念している汎トルコ主義、汎イスラム主義を公然と標榜しているのである。また、シャリーア(イスラム法)の復活をも網領に掲げているが、これはまさしく政教分離を国是とするケマル・アタチュルク以来の国家体制そのものの否定を意味する。
 こうした原理主義台頭の原因についての分析は真っ二つに論が分かれる。ひとつはその主要因を経済の悪化にあるとするもの。たしかに財政赤字は四百億ドル、対外債務は百五十億ドル、九四年のインフレ率は―二五%。どれも一九二三年の建国以来、最悪の数字である。もうひとつが本文でも再三ふれてきた「欧州の壁」という文明論的要素を主要因とみなすものである。むろん、どちらか一方のみを極端に重視する見方には問題があるだろう。
 また、福祉党の躍進をただちに脅威とみなすのは、西欧中心主義の悪しき「オリエンタリズム」にもとづいた偏見と批判されても仕方がない。しかしながら、総選挙から二ヵ月以上も、連立政権の組閣合意ができず、政治空白が続いたのはやはり異常としかいいようがない。これは単なる主導権争いというものではなく、世俗主義の正道党、祖国党と、原理主義の福祉党との間には、政策面で軽々に一致できない深い溝があることを意味している。
 結局、三月六日に正道党と祖国党の間で、福祉党を排除し、ユルマズ祖国党党首を首班とする連立政権を組むことで合意に至り、ひとまず混乱は収束した。しかし世俗主義とイスラム原理主義の間の溝を埋めることは、困難であり、混迷は今後も長く続きそうである。また、九六年六月のロシア大統領選で、ジリノフスキーや彼と同様に大国主義路線を掲げる候補が勝利するようなことになれば、岐路に立つトルコ政局の行方に影響が出るのは避けられないだろう。
(続く)

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、前田啓)

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