日刊IWJガイド・非会員版「『同盟は家臣ではない』! 米国に利用される日本は、ウクライナと同じ! 岩上安身による 元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビュー!」2023.9.15号~No.4019号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<インタビュー報告>「正しいことを追及するということを日本という国民はやめてしまった」!「『同盟は家臣ではない』! 米国に利用される日本は、ウクライナと同じ! 日本独自の安全保障を考えるうえで必要な『12の原則』とは!?」岩上安身による 元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビューをお送りしました!

■9月に入り、IWJの新しい第14期も2ヶ月目に入りました! 第13期は、2200万円を超える赤字となってしまいました! 第14期はなんとしても経営を建て直さなければなりません! 建て直しができなければ、IWJは消滅します! IWJへの会員登録と、ご寄付・カンパでIWJをご支援ください!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの1撃!】

■【ジャニー喜多川氏の性犯罪問題のきっかけを作った『BBC』で、ナイトの称号を受けた名物司会者が200件以上の性犯罪常習犯だった!】「私の頭や体をくまなくなでてきました。そして彼はズボンのチャックを下ろして、(性器を)私の口に無理やり押し込んだんです。私はもがいて泣きました。永遠に続くのかと思うくらい長く感じました」。日本の大手テレビ局は性犯罪を長年幇助(ほうじょ)! 日本の警察も強制捜査を!!(『日テレNEWS』、2023年9月6日)
┗━━━━━

■はじめに~<インタビュー報告>「正しいことを追及するということを日本という国民はやめてしまった」!「『同盟は家臣ではない』! 米国に利用される日本は、ウクライナと同じ! 日本独自の安全保障を考えるうえで必要な『12の原則』とは!?」岩上安身による 元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビューをお送りしました!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 9月14日木曜日、午後4時半ごろより、「『同盟は家臣ではない』! 米国に利用される日本は、ウクライナと同じ!」と題して、岩上安身による 元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビューをお送りしました。岩上安身のインタビューはすでに1133回目となります。

 孫崎氏は、先月8月24日に新著『同盟は家臣ではない──日本独自の安全保障について』(青灯社)を上梓されました。ここでいう「同盟」とは、日米同盟を指します。孫崎氏は、「日米同盟」は、相互に平等な関係ではなく、日本が家臣であり、絶対服従を強いられるような歪な関係になっていると批判しています。

 孫崎氏の新著の趣旨に沿って、「ウクライナには勝ち目がない」と欧米の有識者に指摘されるようになったウクライナ紛争の現状、そのウクライナ紛争は米国によって仕掛けられた「代理戦争」であること、東アジアにおける日本の「ウクライナ化」の懸念などについてお話を伺いました。

 冒頭、岩上は「アメリカは悪の帝国であると同時に、『性悪の帝国』なんですね。史上最大の『性悪帝国』ですから、『詐欺帝国』でもありますし、こいつと手を切るのは厄介なことです」と述べました。

岩上「日本が(米国による対中国の)ばかなケンカの鉄砲玉になるという、『第2ウクライナ』になるなんてことはあってはならないという思いがずっとあったところに、なんてまあ、ドンピシャな。(先生の新刊は)『同盟は家臣ではない』、そうですよ。『家臣』というよりは、これはただの『鉄砲玉の舎弟』ではないって書いて欲しかったくらいですね」

 岩上は、「アメリカの同盟というのは、戦国大名みたいな立派な構えがあるみたいですけれども、アメリカのやってることはもっと外道ですよ」と述べ、「これ(孫崎氏新著)は、売れなきゃダメですよ! これは皆さん読まなきゃダメですよ」と訴えました。

 孫崎氏は、「今、時代が変わってきているんですね」米国との関係を真剣に考え直す時期に来ている、と述べました。

孫崎氏「日本にいると、G7というものが世界中を支配している、こう思っているんだけれども。購買力平価ベースで見ると、G7の合計とBRICSの合計は、GDPはBRICSの方が大きいんですよね

 日本の多くの人は、依然としてG7の方が大きいと思っているんだけども、もうG7よりもBRICSの方が大きくなって。そうすると、他の国も『新たに仲間に入りましょう』ということになるから、BRICSプラス6カ国」。

 岩上は、BRICSに加盟を希望している国は40カ国から70カ国あり、「ほぼ、もう全世界ですよ」と述べました。

※はじめに~ロシアのプーチン大統領が、BRICSビジネス・フォーラムでビデオ演説、西側による経済制裁が世界経済を悪化させたと非難、「重要なことは、我々の協力が、平等、パートナー支援、相互の利益の尊重という原則にもとづいている」ことだと主張!「我々の経済関係の脱ドル化という、客観的かつ不可逆的なプロセスは、加速している」、「BRICS内の輸出入業務に占める米ドルの割合は低下しており、昨年はわずか28.7%にとどまった」と報告!(日刊IWJガイド、2023.8.31号)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230826#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52672#idx-1

 孫崎氏は「この本は、私はウクライナ戦争を止め、それで台湾(に関係する戦争)に行かない道。こういう本にしたいと思った」と述べました。『同盟は家臣ではない』という題名は、フランスのマクロン大統領の言葉「同盟は家臣ではない」を取り上げたものだといいます。

 孫崎氏は、今や、G7・欧州の中でも、米国に追従していけばそれでいいというわけではないと、有力な政治家が公に発言するようになった、と述べました。フランスでは元大統領のサルコジ氏も同様の趣旨の発言をしています。

※はじめに~対米自立・独立外交を堅持するとのマクロン大統領発言に、米紙は「気にするな」と米国と欧州の一体性を強調! 帝国からの独立を求める属国の声を「気にするな」とは、どういう神経か!? 米仏大統領による電話会談で、米国が割愛した「ウクライナ紛争の終結に向けて中国との関係を維持することの重要性」を、フランス大統領府は掲出! 米国とEUの間に「隙間風」が吹く中、EUが「対ウクライナ禁輸措置」へ!? 英紙に対しEU高官は「ロシアに対する新たな制裁は終わった」とコメント! それでもG7は「対露全面制裁」にEUを参加させると意気軒昂!(日刊IWJガイド、2023.4.23号)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230423#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52161#idx-1

【第2弾! フランスのサルコジ元大統領が『ル・フィガロ』のインタビューで「ロシアは欧州の隣国。欧州の利益は米国の利益とは一致しない」と表明!】フランスのサルコジ元大統領が『ル・フィガロ』のインタビューで「ロシアは欧州の隣国。欧州の利益は米国の利益とは一致しない」と表明! クリミア半島やウクライナ東部、南部を「歴史的にロシア」だと表明し、ウクライナによる奪還を幻想と指摘!「ウクライナは中立国でなければならない」と主張! 欧州で米国・ウクライナへの逆風が吹き始めた!(『ル・フィガロ』、2023年8月16日)(日刊IWJガイド、2023.8.21号)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230821#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52657#idx-6

 岩上は、孫崎氏の著書から、日本はいつまでも米国を喜ばせるだけの「喜び組」であってはならない、米軍が日本を守るというのは幻想である、中露北朝鮮との関係では外交努力しかないと、ポイントを紹介しました。

岩上「『米軍が日本を守る』は幻想です。これははっきり、皆さん、認識しましょう。中国・ロシアに対しては、これは(米軍が日本を)守るというよりは、『イケイケ、やれやれ、武器は導入する、もっと持ってきてやるから、お前が弾け』という話ですよ。ウクライナがやってる(やらされている)のと同じです。

 中国・ロシア・北朝鮮とは、外交努力をすれば武力攻撃を受けない。恐らくここに、今までの膨大なプロパガンダもあるので、受け入れない人も多いと思うんですけど、これ以外に道はないし、このような世界を作らなきゃだめだということですよね。

 敵基地攻撃論を10やったら10倍返し食らうのは当たり前だろう、と。フライ級がヘビー級に飛びかかっていったら、こちらの1発が『コツッ』と当たったところでね、メッタ殴りされますよ」

 岩上は、ウクライナ紛争で「ウクライナの反転攻勢」が完全に行き詰まっている現状、米国のウクライナ紛争への関与、バイデン政権の圧力を受けて日本政府が防衛費増額や防衛装備移転三原則の緩和に着手し、6月にはドイツで実施されたNATOの史上最大規模の空軍演習に自衛隊が参加したことなどを紹介しました。

 しかし、日本のマスメディアは、ウクライナ軍の惨状や、米国の圧力についてきちんとした報道をしてきませんでした。

岩上「いい加減に、インチキな日本の記者クラブ・プロパガンダメディア、新聞・テレビからのデタラメ情報から目を覚ましてもらいたい。

 (孫崎氏は、安倍晋三元総理が生前、米国がNATOを東方に拡大し、ゼレンスキーが東部2州の自治を尊重しなかったから)『戦争が起きた』、という趣旨の発言をしていた、と明らかにした。安倍総理がこれを言ったということ。(中略)

 僕もJFケネディの暗殺は、オズワルド単独犯行説を信じているわけではない。ただ、注目すべきは、そうやってケネディが殺された後、ジョンソン副大統領が大統領になって、そして米国からの言いがかりの偽旗作戦のトンキン湾事件が起こされ、(米国はベトナム戦争に参戦して)北爆を開始するわけですよね。

 そこのほんの3年ぐらいの流れを見ていると、安倍さんがこのウクライナ紛争に関して『これはおかしいんじゃないか』と正しいことを言っていたら、どういう形であれ、安倍さんは排除されてしまって、岸田内閣になって以降、アメリカ追従でいってしまって、メディアも全部追従で行ってしまっている。

 この状態というのは、やっぱり、重ね合わせると、ものすごく怖いことなのではないかと。あの後、お話をうかがって、じっくり自分で考えてみたんですけれども、怖いように思っています」

 岩上安身がここで述べているのは安倍晋三元総理の銃撃事件からほぼ1年となる7月6日に行ったインタビューでした。

※安倍元総理を銃殺したのが山上徹也容疑者ではないとすると、日本という国があまりにも自主的に物事を判断できない国というところにまでつながっていく ~岩上安身によるインタビュー第1126回 ゲスト 元外務省国際情報局長・孫崎享氏 2023.7.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/517054

※「山上容疑者は真犯人ではない!? 安倍晋三元総理暗殺事件とウクライナ紛争をめぐる世界情勢の激変はつながっている!?」 ~岩上安身によるインタビュー第1118回 ゲスト 元外務省国際情報局長・孫崎享氏 2023.4.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515371

孫崎氏「まずね、非常に重要なことは、その次のところにまさに書いてあるんです。基本的に、私は、何も安倍さんの支援者じゃない。ずっと安倍さんを批判してきた。『集団的自衛権』から。

 そのグループに属しているということを、まず考えてほしいんですけど、この安倍さんがウクライナ問題で述べたことというのが、『日本では報じられなかった理由がどうしてなのか』というのを、考えてほしいと思うんです。

 まず、第1に、ウクライナ問題について、さまざまな見解がありました。メディアでウクライナ問題について話を聞くとすると、2つのポイントがあると思うんですね。

 一つは、その人間が社会的に重要な地位にあるかどうか。だから重要な人間であって、その人がウクライナ問題をどう考えているかと言うんだったら、これは報道する価値がある。これが一つですね。

 もう一つは、事実に一番近いことがわかっている可能性のある人間。

 この2つのクライテリアがあると思うんですね。そうすると、去年の3月ぐらい、日本の政治の中では最も力の強かったのは、安倍さんなんです」

岩上「間違いない」

孫崎「岸田さんに対して、安倍派100人が『もう支持しない』と言ったら、すっ飛ぶわけですから。

 だから、日本の国内において、最も力のある人の発言をなぜ(報道)しないのかという問題が一つ。

 それからもう一つは、情報というのは、一番重要なのは1次情報ですよね。プーチンが何を考えているか、ということであれば、誰の見解よりもプーチンに会って聞いた人の見解がまず重要であると。

 それを一番知っているのが安倍さんなんだから。27回ぐらい、直接話を聞いている。その人の、プーチンの考え方ということを示すことなく、筑波大学の先生であるとか、そういうようないい加減な人たちがプーチンを何を考えているかということをしゃべったんです」

岩上「ああ、中村さん(中村逸郎筑波大学名誉教授)ね。中村さんは名前をずっと出さなきゃだめですね。いい加減、中村は批判対象にしないと。『MBS』ずっと(中村氏を)使い続けています。本当におかしい」

孫崎氏「どの視点から見ても安倍さんの発言を報道しない理由はないんですね。『報道しない理由がないにもかかわらず、報道してこなかった理由は何か』ということを1度考えてみていただきたいんですよね。

 そうすると、最も力があって、最も1次情報(を持っていて)一番知っている。これを報道しないという理由は、出てこないんですよ。

 唯一は、『安倍さんよりも強いアメリカと異なっているから、出さない』というそれくらいで。日本の今のメディアというものが腐りきっている」

岩上「そして政府も腐りきってる」

孫崎氏「日本で一番力のある人の発言も抑える。そして、日本で一番、1次情報として入っている人の情報も押さえる。これに多くの国民が騙されている、というこの構図を、まず知るべきだと、もう」

岩上「やっぱり、安倍さんが言ったことは、いろいろな形で残されているじゃないですか。残されているもの。BANされたりとか」

孫崎氏「残されているというんだけど、例えば私は講演に行きますよね。

 で、『安倍さんが日本のテレビでこういうことを言いました』、あるいは、『イギリスのエコノミストでこういうことを言いました。これを知っていますか?』と聞くんですよ。

 100人ぐらいいると、知ってる人は2人ぐらいしかいないんですよ。分かります?

 ここで知っている人に『じゃあ、あなたどうして知っているんですか』と聞くと。『いや、孫崎さん、あなたの発言で知っています』みたいな形で、もうこの事実は知られてない。

 その知られていない理由が何だったかっていうことを真剣に考えるとね。いかに、日本のマスコミというものが、アメリカに牛耳られているかということがわかります」

岩上「アメリカは、戦後3度4度にわたる戦争をしています。日本、それから朝鮮戦争、ベトナム、それから、アフガニスタン、イラク。

 そして今度、再度戻って中国と、あるいは北朝鮮との戦争を、日本にやらせるという。ふざけた奴らです。安倍さんは、正気だったんですよ。驚いたことに、ですけれども。

 でも安倍さんは正気で、きちんと時間をかければ、そう学習能力は速くなかったかもしれないけれども、やっぱりちゃんと、当たり前のことを当たり前に理解する人だったんだ。

 それをちゃんと言うだけの、それなりの腹もあった人だったんだ、ということに関しては、推さなきゃいけないと思うし、安倍言動というのを広める運動するべきだと僕は思っていますし、IWJでもできることはします。

 もちろん安倍の余計なことは、どうでもいいですよ。『あんな人たちに負けない』とか。こういうことが、でも、安倍さんと同様のケネディ暗殺事件から、ベトナム戦争の北爆につながった歴史を、みんなに学んでもらいたいんですよね」

孫崎氏「そしてもう一つ追加的に言うと、こういう発言があった。

 そして、それは我々から想定するとアメリカへの配慮であるということを想像するんだけれども。

 これに対して、今度は日本の『エコノミスト』が、去年の5月ぐらいに書いていること。それは、NATO・G7で『最大の敵はロシアである』という形をまとめようとしている。それに岸田さんが参画しようとしている。その岸田さんに(安倍さんは)後ろから弓を引くそういうことをしているんだ、という記事があるんですね。

 もう一つ。それだけじゃなくて、それに対してその人が言っているのは、『岸田政権の米国通の一部は怒りを隠さない』と言っているんですよ。と、いうような形で、もう既に岸田さんの岸田政権のある一部は、安倍さんの行動に対して怒りを隠せない。(安倍さんを)『後ろから弓を引く』、そういう人物として位置づけていたということも重要な事実です」

 孫崎氏は「岸田政権の米国通の一部は怒りを隠さない」というくだりについて、上述の7月6日の岩上安身のインタビューで、『レコンキスタ』に発表した論考を詳しく紹介しています。

岩上「安倍政権の時に、長いこと岸田さんは外務大臣をやりました。あの外務大臣としての動きと、それから岸田さんが(政権を)禅譲された途端に変わって、岸田政権がそう動きだしたのかということ、『スイッチ』が早かったのか。

 それとも、安倍さんがいる時でも、こっそりと岸田という人は、『僕はハト派の振りをしてますけれども、いざとなったら、皆さん(米国)の言うとおり動きますからね』ということを撒いていたのか」

孫崎氏「撒いていましたよ」

岩上「岸田政権になって、突然(対米追従)になったわけじゃないんですね。だから、岸田(の態度は)2つあったから、どっちの岸田なのかを鮮明にしながら、お話をうかがいたくて。

 やっぱり、岸田さんは面従腹背だったみたいなところがあるってことですね?」

孫崎氏「(岸田政権が)発足したすぐ直後から、極めて鮮明に『アメリカの言う通りに動く』ということを言ってましたから。

 今度、林(芳正外務大臣)さんが辞めたじゃないですか。そして上川さん、新しいの持ってきたじゃないですか。というような形を見ると、林さんはやっぱりちょっと違ったんですよね。アメリカ追随だけじゃない。

岩上「(林氏は会見でも)ぼんやりぼんやり、曖昧あいまいに回答する人です」

孫崎氏「というような形で、(林氏は)少し全面的(に米国追従)でないようなものを含んでいるということは、アメリカも察知して。

 結局、彼を外しているということだから、岸田さんが、本当はどういう人間であるか、どういうことを考えているか、ということは、確実に安倍政権の時にチェックしていると思います」

 新たに外務大臣に就任した上川陽子氏は、ハーバード大学ケネディスクール卒業、米国のトップクラスの環境で、政治学・国際関係学を学んでいます。

※【IWJ号外】岩上安身が、何のトラブルも起こしていないのに、総理官邸での総理会見から、今後排除されることに! 岩上安身は抗議するも、官邸報道室は「結論」を翻さず! 岸田改造内閣の顔ぶれが発表される! 2023.9.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518524

 孫崎氏は、こうした岸田政権の動きは、ウクライナ紛争が始まってからだと指摘しました。孫崎氏は、2021年の後半から、NATO軍がプーチンを戦争に引き込もうとしていたが、安倍氏は戦争になってから「この問題をしゃべらなきゃならない」「我々はちゃんと物事を見なきゃいけない」と明確な形で言った、と述べました。

孫崎氏「21年の9月ぐらいから、アメリカがものすごく、ロシアを誘導するような動き、挑発した。この挑発はそんなに世界的に知られている事実ではなかった、その時は」

岩上「その時に全空間、西側の全空間が黙り込んだわけです」

孫崎氏「だから、その当時、安倍さんが『この問題をしゃべらなきゃならない』という気持ちはなかった。だけど、戦争が始まったから、『しかし、それはちょっと違う』ということを言われ始めたんです」

岩上「だからこれをほんとうに重要なことで。安倍総理ですら、申しわけないけど、ここまでちゃんと向き合えば、真実に、理解が到達するんだ。そして、そのような人は、もしかして本当に恣意的に排除されたんだ」

孫崎氏「もう一つ言えることは、この情報が去年の2月3月という時にやられていたとしたら、(日本の国会でゼレンスキー大統領がビデオ演説した時の)スタンディングオベーションはないんですよ」

※本日23日午後6時、ウクライナのゼレンスキー大統領が国会でオンライン演説! 広島、長崎、福島、北方領土で日本人の共感を求め、日本の政治家、マスコミ、国民は、一方的なプロパガンダに惑わされる!?(日刊IWJガイド、2022.3.23号)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20220323#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50459#idx-5

※はじめに~ウクライナの #ゼレンスキー大統領 が日本の国会で演説! ゼレンスキー氏は「津波」「チェルノブイリ原発事故」といった日本に住む人々の心に刺さるような文言を使い、ウクライナへの支援とロシアへの制裁を求めるプロパガンダ演説を行う!
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20220324#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50465#idx-1

岩上「あの白々しい。最悪なことに、共産党まで、志位さんまでやっちゃった」

孫崎氏「だからそういう意味ではこれを封鎖する理由はあった」

岩上「他の国々でもみんなやってるかと言ったら、大間違いで。ハンガリーなんか半分ぐらいボイコットで、ふざけるなと。ビデオ上映だったりしたら上映中止しろ、(ゼレンスキーを)招くなというぐらい、色んな所で、みんな自分の頭で判断して言ってますよ」

孫崎氏「だから、去年の2月の日本の言論空間というのは、ものすごく異常だった」

岩上「異常でしたね。今も異常ですけどね。今も全然ですよ。今も全然異常なのは変わりませんよね。先生、異常が途切れたことはない。シームレスに異常ですから。

 先生は、僕より長く知っている。敗戦直後からずっとシームレスに異常。

 ただ、(今回の米国のプロパガンダは)やり方が細いのと、それから広範囲に渡っていて、日本という国だけを操ろうとかじゃなくて、もう西側全体が同じような情報が飛び交って、全くコピーされた嘘情報が流れるような話になっているじゃないですか。

 これで国際社会と言ってもG7だけだけで、その外は『馬鹿言ってんじゃねーよ、馬鹿野郎、この偽善者』とか言っていますが(インドのメディアなど)」

孫崎氏「個人的に言うと、非常に面白いのは、少し、日本の国内も部分的にちょっと変わってきていると思う。

 それはどういうことかっていうと、去年5月に町田だったと思うんだけど、講演に行って基本的には安倍さんの言っているようことを喋ったんだけど、その時、5分ぐらいたってすぐに退席した人がいたんですよね。

 それでなぜ出て行ったのかって言ったら糾弾。『孫崎はロシア糾弾と、ロシア制裁をしろということを言わない、そういう雰囲気を出したから私は出た』と。

 基本的に、これは共産党系の人たちの集会だった。ということがあった。それをずっと続いてきて、だから共産党系の集会はなかった。

 私の意見と、公的な共産党の立場とは違う。ところが、起こっている現象は多分、これは共産党とリンクがあると、何らかの形で関係があると思うところから、もう最近、5件ぐらい講演が来てますよ」

 孫崎氏は、今回「一番問題は左派、リベラル系」だと指摘しました。

 岩上は、米国で、オズワルドの単独犯行だとされた、JFK暗殺事件が起きて当時副大統領だった、リンドン・ジョンソン氏が大統領に就任して、偽旗作戦であるトンキン湾事件が起きて、「北爆」につながった歴史を引き合いに出しました。

 話題は木原事件に移ります。9月13日に発表された内閣改造人事では、木原誠二氏が、静かに官房副長官のポストから去りました。

岩上「日本で最も実力のある政治家、安倍晋三は暗殺。対中での戦争プロパガンダ、日本でのウクライナ化にこれはつながっていく流れじゃないですか? と、僕は思います。

 米国に従属する内閣だけが続いてしまっているんです。非常に危険です。岸田の側近も含めて、岸田研究が足りないと思うんですね。

 ちょっと注目のところで、先生、木原副官房長官の事件が大きく取り沙汰されもあるのも、木原さんという人は、事実上、官邸を全部取り仕切っているのは、木原だと。そこまで切れ者だと。

 そして近いところには警察庁長官を置いておいて、結局、今わかっていることは、警察庁長官が『やめろ』と、事件を止めたというところまで権力犯罪が浮かび上がっているわけですよ。そういうことまでさせた木原さんは、警察庁の出ではない人ですよね。

 そういういろいろな広い政策を見た上で、岸田内閣の特徴である、アメリカに対米追従というところまで、滑らかに協力をしていく段取りを整えていたのかと。だから彼は(捜索を)見過ごされたのか?というところをちょっと聞きたいと思います」

孫崎氏「まず、木原事件というのを考えてみましょう。木原事件の一番これは、郷原さん(弁護士、元特捜部)がしゃべっているんですよね。

 木原事件の一番大きな問題は、まず、警察庁長官を含めて、警察がこれを事件性がないということを言ったと。これが一番の問題。

 もう一つの問題は、それについて木原さんが警察庁に働きかけたのではないかという、この2つの問題が一番大きい問題ですよ、ということを郷原さんが述べているんですね」

※【木原氏退任でも「露木警察庁長官発言」は絶対に看過できない岸田内閣の重大問題!】(郷原信郎の「日本の権力を斬る!」、2023年9月13日)
https://www.youtube.com/watch?v=C5jCrsqmEnI

岩上「若狭さんも発言していて、面白い」

孫崎氏「多くの方々は、『官房副長官』というポストの重みを知らないんですよ。何だかんだといったって、外務省があり、財務省があり、経済産業省があると。こういうものがあるんだけど、これは統括されるわけですよ。

 統括する人間は、官房長官なんです。だから、本来的に官房長官というものが全省庁をコントロールしている」

岩上「集まる情報が膨大ですよね」

孫崎氏「集まる情報だけじゃなくて、これらを動かすどういう形で行動させるかということを(差配)するのが官房長官なんですね。

 総理がいて官房長官があって。だから、大臣よりも圧倒的に官房長官が強いわけですね。

 ところが、岸田政権はどうなっているかというと、(松野)官房長官はこれは安倍派なんですよね。だから岸田さんがどうしようかということをするときに、全面的に安倍派が協力するという構図ではない。だから、今の(松野)官房長官はあまり動かない」

岩上「要するに、最初の組閣を組んだときには、安倍派に目いっぱい気を使う必要があったから、数の論理で顔を立ててやらざるを得ない」

孫崎氏「そうすると、岸田さんは動けないわけですよね。で、動くために官房副長官に自分の全くの子飼いを入れたわけですね。

 岸田さんは総理大臣に行く前に、政調会長になってるわけですね。(中略)、そのときの副政調会長で、事務局長が木原さんなんですよ。ということで、政策面で全ての問題の中核になっているのが木原さんなんですね。

 それでだから官房長官が動かないときに、それをやってくれるとは官房副長官なんですね。そういう形で、木原さんが官房副長官のときには、全省庁をコントロールする官房副長官なんですよ。

 私は外務省にいたときに、局長になっているわけですよね。局長になっているときに、官房長官は野中さん、副長官が鈴木宗男なんですよ。

 ということになると、鈴木宗男氏は、首相と官房長官の意を挺して全省庁を掌握するわけ。ということになると、政治的には官房副長官は、首相との距離が近ければ近いほど、全権を振るんですよ。それが木原さんなんですね。(略)

 だから、木原さんが各省庁を全部コントロールしていたと思っていいわけ。それくらい力があったんですよ。それだけじゃなくて、新聞を見ていただければわかるように、安倍派とのパイプであるとか、あるいは公明党との会であるとか、官庁だけでなくて、今度は政治的な動きのコントロールも彼がやっていた。だからね、本当に陰の総理ですよ」

 孫崎氏は、それだけの権力を握った人間が、「奥さんのお父さんが殺した可能性があるという疑惑を警察庁の捜査官が持った途端に、この捜査をやめた、ということが木原事件なんですよ」と述べ、多くのマスコミが報じず、『週刊文春』もトーンダウンしている、と語りました。

 孫崎氏は「警察がこういう方針で行きますということを明確にすると、それに楯突く報道は、日本の社会ではもうなくなった。ここが一番重要なことです。それはさっきの安倍さんのところにもつながっているんです」と強く危機感を示しました。

 インタビューは、この後も日本のメディアの問題、JFK暗殺事件、東南アジアに広がる犯罪など、孫崎氏が駐イラン大使として経験したこと、グローバルサウスに対する米国と中国の外交の違いなど、多岐に及びました。

 孫崎氏は、世界の情勢、アメリカ国内でさえもがウクライナをこれ以上支援すべきではないというところに来ているにもかかわらず、日本はいまだにウクライナ支援一辺倒で「国際情理から離れてしまった」、「今回G20でロシア批判がなくなった」、「インドネシアの外務大臣は『時代が変わった』と言っている」、「国連事務総長も『最早妥協の時に入るべき』だという」。

 孫崎氏は、「世界的に見ると、今の日本のウクライナ支援は、突出して、日本だけがおかしい。あるべきことを述べることができるというのは、すべての国に起こってきている」と述べ、「そういう意味で、結局、さっきの木原事件でも述べましたけれども、正しいことを追及するということを日本という国民はやめてしまった」と強く批判をしました。

 岩上も、このままでは「もうみんなカウンターメディアはなくなる」と危機感を表明し、IWJへの支援を訴えました。

 詳しくは、ぜひ、全編動画で御覧ください。

――――――――――――――
【冒頭オープン 9/14 16:00~】岩上安身による 元外務省国際情報局長孫崎享氏インタビュー
視聴URL: https://www.youtube.com/watch?v=gRjF1hdD60c
――――――――――――――

■9月に入り、IWJの新しい第14期も2ヶ月目に入りました! 第13期は、2200万円を超える赤字となってしまいました! 第14期はなんとしても経営を建て直さなければなりません! 建て直しができなければ、IWJは消滅します! IWJへの会員登録と、ご寄付・カンパでIWJをご支援ください!

 9月に入り、IWJの新たな第14期も2ヶ月目に入りました。

 第13期は、たくさんの方から温かいご支援をいただきました。第13期の収支につきましては、7月31日時点で、暫定ですが、残念ながら2204万8900円のマイナスとなりました。

 厳しい経済状況の中、第13期最後の7月31日まで、ご寄付・カンパの呼びかけにこたえてくださった皆さまに、私、岩上安身とIWJスタッフ一同、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

 また、第13期の最終的な収支につきましては、9月末までに経理が、税理士の御指導のもと、決算報告書をまとめ、監査を受けてから税務署に提出します。その結果は、この日刊IWJガイドやIWJのサイト上でご報告いたします。

 なお、今期第14期の最初の1ヶ月、8月のカンパ実績が、確定いたしました。8月1日から31日までの31日間で、88件、292万5300円のご寄付をいただきました。誠にありがとうございます。しかし、これを第13期の月間目標額390万円にあてはめると、到達率は約75%でした。

 9月のカンパ額は、9月1日から11日までの11日間で19件、57万9000円でした。ありがとうございます。第14期は、背水の陣で臨んでいます。ぜひ、ご支援をお願いします!

 新しく始まった第14期も、代表をつとめる私自身がいきなり、初めて、新型コロナ、それもオミクロン株に感染してしまい、ダウンするなど、波乱の幕開けとなっています。

 感染して6日以上過ぎてからのPCRの再検査でも「陽性」が出て、実際、腹痛と下痢が続くなど、自覚症状がおさまらず、腰をすえて、隔離と治療・安静にあたってきました。

 正直、新型コロナが、これほどしんどいものとは思いませんでした。人により、症状のあらわれは千差万別のようですが、私にとっては、過去の風邪やインフルエンザよりも、ヘビーな体験であり、しかも、症状の期間が長く、自宅で横になり、一日中、眠っているような状況が続きました。

 しかし、先日8月18日、ようやくPCR検査で「陰性(不検出)」という結果が出ました。ちょうど私の64回目の誕生日でした。誕生日に、リセット、リスタートの日を迎えることが、おかげ様でできました。

 大変、皆さまにはご迷惑をおかけしてきましたが、ようやく出社しての仕事の復帰となります! まだまだ、体のあちこちが痛むなど、後遺症と思われる症状もあり、治療を平行していきながら、健康を取り戻し、同時にIWJの活動ペースを上げていきたいと思います。どうぞ、ご理解とご支援のほど、よろしくお願いします!

 IWJにとってはまだまだ険しい試練の道のりが続くと思われますが、試練は乗り越えなくてはなりません! ぜひ、IWJへの会員登録と、ご寄付・カンパで、ご支援をよろしくお願いいたします!!

 現状の会員数を、お知らせします。

 8月末時点での会員総数は2566人(前年同日比:1023人減)でした。会員の方々の会費と、ご寄付が、IWJの運営の二本柱です。ご寄付も、連日お伝えしているように、目標額を下回っていますが、会員数も会費も減少しています! コロナ禍と未曾有のインフレ下の不況、進む高齢化などが逆風として吹きつけています! しかし、皆さまに会員としてお支払いいただけなければ、IWJは、存続ができません! 近日中に、第14期におけるご寄付の月間目標額を発表させていただきます! どうか、会員登録をしたことがない方は、新規で会員登録を、休会していた方は、再開をぜひ、よろしくお願いします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 経営は本当に赤字が連続し、厳しい運営状況が続いています。どうぞ、会員登録、あるいは元会員の方は、再開をよろしくお願いします!

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として立つべきです。日本が「第2のウクライナ」にならないように、米国の代理戦争の「捨て駒」にされないように、自立すべきなのです。

 同時に、エネルギーと食料の自給ができず、資源をもつ他の国々からの海上輸送に頼らなければならない、孤立した「島国」であるという「宿命」を決して忘れず、国外にそもそも「敵」を作らない、多極的な平和外交の姿勢を示すべきではないでしょうか!?

 皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうした問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料サポーターの皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、米国に忖度し、隷従を深める日本政府、大手主要メディアの、連日の「情報操作」の積み重ねの恐ろしさと、権力に忖度しないで真実をお伝えする独立メディアの意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 岩上安身

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆中継番組表◆

**2023.9.15 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】11:00~「日本記者クラブ主催『イコモス 記者会見』―内容:神宮外苑再開発事業撤回に向けた緊急要請」
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「日本記者クラブ」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた神宮外苑関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%A5%9E%E5%AE%AE%E5%A4%96%E8%8B%91

========

◆中継番組表◆

**2023.9.16 Sat.**

調整中

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆昨日アップした記事はこちらです◆

【IWJ号外】岩上安身が、何のトラブルも起こしていないのに、総理官邸での総理会見から、今後排除されることに! 岩上安身は抗議するも、官邸報道室は「結論」を翻さず! 岸田改造内閣の顔ぶれが発表される!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518524

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■【本日のニュースの1撃!】

■【ジャニー喜多川氏の性犯罪問題のきっかけを作った『BBC』で、ナイトの称号を受けた名物司会者が200件以上の性犯罪常習犯だった!】「私の頭や体をくまなくなでてきました。そして彼はズボンのチャックを下ろして、(性器を)私の口に無理やり押し込んだんです。私はもがいて泣きました。永遠に続くのかと思うくらい長く感じました」。日本の大手テレビ局は性犯罪を長年幇助(ほうじょ)! 日本の警察も強制捜査を!!(『日テレNEWS』、2023年9月6日)

 日本のジャニー喜多川氏の性犯罪問題を告発した『BBC』は、ナイトの称号を受けた同局の名物司会者が200件以上の性犯罪常習犯だったことを明らかにし、英国社会と日本社会に衝撃を与えてます。

 9月6日付『日テレNEWS』は、この名物司会者が、タレント、ジミー・サビル氏(2011年に死去)で、かつて『BBC』などでテレビ番組の司会を務め、国民的な人気を集めていたと報じています。

 『BBC』がスカウティングした人物を、『BBC』自らがえぐるような深さで報道しているのです、ジャニーズ事務所に忖度して、何十年もジャニー喜多川氏のペドフィリア(小児性愛犯罪)を知りながら、傍観し、沈黙し、犯罪に加担し続けてきたすべての記者クラブメディアの大手テレビ・新聞らのあり方とはまったく違います。これがジャーナリズムの「最低限」のあり方のはずです。

※イギリス名物司会者の性加害 加害者死亡も…被害者の声で“異例の捜査”「社会正義の観点から考えて」(日テレNEWS、2023年9月6日)
https://news.ntv.co.jp/category/international/2f23383d32b049b491c75b30cfeddd6d

 サビル氏は、芸能界で華々しく活躍する一方、障害児支援など慈善事業も積極的に行っていました。

 サビル氏の性犯罪の被害者は、200人以上だったと英国の警察当局に認定されています。

 ジャニー喜多川氏の性犯罪を調査した「外部専門家による再発防止特別チーム」は、被害者の数は「少なく見積もっても数百人がいるという複数の証言が得られた」と報告していますから、200人以上という、このサビル氏よりも多い可能性があります。

 本当に許されてはならない「大事件」なのです。ワイドショーネタで、適当にお茶を濁されて終わらせてはならない「事件」であることを、多くの人に知らせる必要があります。

 さらに重要なことは、この司会者のジミー・サビル氏はすでに死亡しているのですが、英国の警察は捜査に乗り出していることです。「社会正義」の実現のためだそうです。日本の警察は、ジャニーズ事件といい、木原事件といい、何をしているのでしょうか!? 人権軽視と、不正義と、政治力に弱い点では、日本の警察は世界で3流、4流と非難されて当然です。

 今後は日本の警察のあり方そのものを問題化してゆくべきです!

※「1950年代から万遍なく」「被害者は数百人」…ジャニー氏性加害の実態、元Jr.らの証言から明らかに(東京新聞、2023年8月29日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/273428

 被害者の大部分は、サビル氏が司会を務める子ども番組に出演した子どもたちで、被害者は少女が多かったのですが、ジャニー喜多川氏と同様、少年も含まれました。

 自らの権力を利用する手口は、ジャニーズからデビューを夢見る少年たちに対して絶大の権力を持ったジャニー喜多川氏の手口と同じです。

 被害者の一人、ケビン・クックさんは、こう証言しています。

 「(番組の中で)バッジが子どもたちの憧れのグッズだったんです。それで彼は私に『バッジが欲しいか』と聞いてきました。私が『欲しい』と言うと、彼はステージから降りて私を楽屋に連れていきました」

 楽屋の中は、サビル氏とケビンさんの2人きりでした。

 「私の頭や体をくまなくなでてきました。そして彼はズボンのチャックを下ろして、(性器を)私の口に無理やり押し込んだんです。私はもがいて泣きました。永遠に続くのかと思うくらい長く感じました」

 性犯罪が終わった後で、サビル氏はこう言ったといいます。

 「誰もお前の言うことは信じない。だからこのことは誰にも言うなよ。お前の住んでるところは分かってるんだからな」

 これも、子どもたちの言葉に耳を真剣に傾けず、社会が権力や地位のある人間の言葉の方を信じることが重なったために、200人以上が犠牲になり、しかも、2011年に、サビル氏が死去するまで、誰も声をあげることができなかったのです。

 社会とメディアが共犯になって性犯罪を推進したという点で、ジャニー喜多川氏の性犯罪と、まったく同じです。

 ジャニー喜多川氏の性犯罪は、1950年代から2010年代半ばまで、なんと、65年間も野放しだったのです!

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

―――――――

― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ― – ―

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230915

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、前田啓)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/
公式ツイッターアカウント 【 https://twitter.com/iwakami_staff