日刊IWJガイド・非会員版「プーチン氏、演説でウクライナを『民族主義』『ナチズム』『ロシア恐怖症』と非難、2国承認は『ロシア系の人権を守るための対応』と主張」2022.2.23号~No.3450号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~ロシアのプーチン大統領がドネツク、ルガンスクの独立承認!「平和維持軍」の派遣を命令!! 演説ではウクライナを「極端な民族主義」「ナチズム」「ロシア恐怖症」と非難し、ロシア系民族やロシア語話者の基本的人権を否定する「ロシア嫌い」政府の支配下に置かれたことに対する、待ったなしの対応だと主張!

■皆さまへ緊急のお願いです!! 2月も残り7日ですがご寄付・カンパは月間目標額の48%にとどまっています! 8月1日から始まったIWJの今期第12期半年間にわたる累積の不足金額は、トータルで322万2951円! 2月の月間目標額を加えた2月末までに必要な金額は、21日現在、540万7453円です! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!!

■ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!

■【中継番組表】

■ロシアによるドネツク・ルガンスク地域の独立承認とロシア軍の派兵は今が軍事的に絶好のタイミングだった! この問題の本質にはNATOの東方拡大問題とドネツク・ルガンスク地域の住民独立運動がある! IWJは孫崎享元外務省国際情報局長に緊急取材!

■仏『レゼコー』報道より~プーチン大統領は演説で「ウクライナは『傀儡政権』、アメリカの植民地だ」と主張、ウクライナにドンバスでの軍事作戦停止を要請! 『キエフが大量破壊兵器(核兵器)を持てば、世界情勢は一変する』と主張!

■ウクライナ東部地域にバイデン米大統領が投資や輸出入、財産凍結の大統領令を発令! 政府高官は「明日さらなる措置を取る。これは侵攻に対する制裁ではない」と表明! さらにプーチン大統領の演説について「ロシアの安全保障に関する演説ではなかった。ウクライナを歴史的にロシアの一部とみなしていることを明らかにした」と指摘、「偽旗作戦」による侵略だと非難!

■<IWJ取材報告 1>ロシアが「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の独立を承認! 林外相は「ウクライナの主権と領土一体性を侵害する行為」と非難!「国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応」!! ~2.22林芳正 外務大臣 定例会見

■<IWJ取材報告 2>「極東でも米国とロシアが衝突し、日本も参戦するような事態を想定しているか?」IWJ記者質問に岸大臣は「仮定の質問には答えを控える」を繰り返すのみ! ~2.22岸信夫 防衛大臣 定例会見

■<IWJ取材報告 3>「石油価格高騰の根本原因と対策は?」とのIWJ記者の質問に、大臣は「原因は重層的、ウクライナ問題含め事態長期化なら、足元の高騰対策では済まない、全省を総動員」と回答~2.22 萩生田光一 経済産業大臣 定例会見

■<IWJ取材報告 4>「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している、必要な防衛力を抜本的に強化」──防衛省の答えに、防衛費の適正規模をたずねた市民が激怒! ~2.21大軍拡予算にNOを! 敵基地攻撃力保有を許さない! 防衛省交渉
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■はじめに~ロシアのプーチン大統領がドネツク、ルガンスクの独立承認!「平和維持軍」の派遣を命令!! 演説ではウクライナを「極端な民族主義」「ナチズム」「ロシア恐怖症」と非難し、ロシア系民族やロシア語話者の基本的人権を否定する「ロシア嫌い」政府の支配下に置かれたことに対する、待ったなしの対応だと主張!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日のこの日刊IWJガイドでもお伝えしたように、ロシアのプーチン大統領はモスクワ時間の21日夜、ウクライナ東部ドンバス地方の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認し、「平和維持軍」のドンバス派兵を命じました。

※はじめに~【速報!】ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の独立を承認! ウクライナに軍事介入!? バイデン大統領は10日「米とロシアが撃ち合えばそれは世界大戦だ」と言ったが世界は戦争に向かうのか!?(日刊IWJガイド、2022年2月22日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50283#idx-1

 米英による「ロシアのウクライナ侵攻は北京冬季五輪閉幕直後」という主張が、今度は現実的なものになりつつあるようです。

 2月12日のこの日刊IWJガイドでお伝えしたように、バイデン米大統領は10日に放送されたNBCのニュース番組「NBC Nightly News」のアンカーのレスター・ホルト氏による独占インタビューで、「that’s a World War when Americans and Russians start shooting one another(アメリカ人とロシア人が撃ち合いを始めれば世界大戦になる」と答えしました。

※NIGHTLY NEWS NBC News Exclusive: One-on-one with President Biden(NBC、2022 年2月10日)
https://www.nbcnews.com/nightly-news/video/nbc-news-exclusive-one-on-one-with-president-biden-132901957504

※はじめに~【速報!】ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の独立を承認! ウクライナに軍事介入!? バイデン大統領は10日「米とロシアが撃ち合えばそれは世界大戦だ」と言ったが世界は戦争に向かうのか!?(日刊IWJガイド、2022年2月12日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50222#idx-1

 ロシアメディアの『RT』は、21日付け記事で、次のように報じています。

 「ウラジーミル・プーチン大統領は、かつてウクライナの一部とされていたドネツク共和国とルガンスク共和国を新たに承認し、ロシア軍に『平和を確保』するよう命じた。

 モスクワは月曜日(21日)に2つの分離独立した地域の独立を公式に承認した。

 プーチンは、国防省にドンバスに平和維持軍を派兵するよう指示し、外務省には両州と外交関係を樹立するよう指示した。

 クレムリンの公式な動きは、月曜日の夜、プーチンが国民に向けた長い演説を行った直後に行われた。演説の中でプーチンは、『兄弟国』ウクライナが西側の『植民地』となり、モスクワに敵対し、ロシア系民族やロシア語話者の基本的人権を否定する『ロシア嫌い』政府の支配下に置かれたことに対する、待ったなしの対応であると説明している。

 ドネツクとルガンスクは、2014年、米国の支援を受けた民族主義者がマイダン・クーデターで民主的に選出された政府を倒した後、キエフからの独立を宣言した。しかしモスクワは、この問題はウクライナの内政問題であり、2015年に休戦状態を確立したミンスク合意に従って解決する必要があるとして、これまで彼らを承認することを拒んできた。

 しかし、月曜日に入り、ドンバス地域とウクライナの双方が、『休戦ラインに沿って集中的に砲撃を行った』と主張する中、ドネツクの指導者デニス・プシーリンとルガンスクの指導者レオニード・パセチニクが、再び正式にモスクワに承認を要請した。

 プーチンは演説で、ミンスク合意は失敗し、ウクライナは『平和的解決に関心がない。彼らは電撃戦を始めたいのだ』と述べた。

 同時に、ウクライナを『極端な民族主義』『ナチズム』『ロシア恐怖症』と非難し、ロシア語の報道機関の閉鎖やロシア語話者を差別する法律などを指摘した。

 また、キエフはロシアのインフラを狙う破壊工作員を送り込み、『外国を我が国との紛争に引きずり込もうとしている』とも主張した。ウクライナのNATO加盟の野望は、『わが国への攻撃の脅威を直ちに意味する』と主張した。

 プーチンは演説の冒頭で、旧ソ連であったウクライナの歴史とロシアとの結びつきを説明した。ロシアにとってウクライナは『単なる隣国ではなく、歴史、文化、精神世界の重要な一部である』と述べ、ウクライナ人は『ロシア人にとって血や家族とのつながりがあり、友人、隣人、同僚』であると強調した。

 プーチンは、『現代のウクライナは完全にロシアによって、より正確に言えばボルシェビキ共産主義ロシアによって作られた』と主張した。彼によると、『レーニンとその支持者たちは、ロシアの歴史的領土を疎外するという粗雑な方法でそれを行った。そこに住む何百万人もの人々の言い分は、まったく聞かれなかった』

 プーチン大統領は、ソ連崩壊後、キエフはソ連での役割に背を向け、主要なマルクス主義者の銅像を倒していると指摘した。『脱共産化を望むなら、我々はそれに満足する。しかし、途中で立ち止まらないでください。私たちは、脱共産化が実際にどのようなものかを示す準備ができています』と続けた。

 この演説が放送される数分前、クレムリンは、プーチンがフランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相に、『近いうちに』ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を承認する法令に署名するつもりであることを通告したと明らかにした。公式発表によると、両国の首脳は『この展開に失望を表明』したが、外交努力を維持する意志を強調した。

 この発表は、二つの離脱地域の武力組織とキエフの軍隊とが、前線で激しい砲撃を行っていることを互いに非難している中で行われた。

 月曜日にドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の指導者であるデニス・プーシリン氏とレオニード・パセクニック氏から、独立に対するモスクワの支持を求める声明が発表された。プーチンは、この要求を検討するために、ロシア安全保障会議の議長を務めた。会議はテレビ放映され、参加した高官からは、両地域を承認するようにうながされた。

 両共和国は、ウクライナで民主的に選出された政府を暴力的な街頭抗議で倒したマイダンの事件に続いて、2014年にキエフの支配からの自治を宣言した。

 しかし、これまで、ロシアも他の国連加盟国も彼らを主権国家として認めておらず、モスクワは紛争に外交的解決をもたらし、ドンバスとキエフを和解させることを目的とした『ミンスク合意』を支持してきた。

 先週、プーチンはウクライナ政府に対し、緊張が高まる状況に終止符を打つための話し合いを始めるよう、うながした。

 『キエフがすべきことは、ドンバスの代表者と交渉のテーブルにつき、この紛争を終わらせるための政治的、軍事的、経済的、人道的措置に合意することである。これは早ければ早いほど良い』と金曜日(18日)に述べた。

 欧米の指導者たちは数カ月前から、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性を警告しており、モスクワは軍隊の派兵を正当化するためにドンバス地域に対する『偽旗作戦』を用いる可能性があると主張してきた。ロシアは攻撃的な意図があることを繰り返し否定し、米国主導の軍事ブロックであるNATOの東欧への拡大を制限する安全保障協定を要求している。

 金曜日、ジョー・バイデン米大統領は、ロシアのプーチン大統領が攻撃を決定し、今後数日のうちに行われると思わせる情報を得たと発表した。クレムリンは一貫して攻撃開始の計画を否定しており、ワシントンが発表した情報報告を『ヒステリー』と決め付けている。

 この数週間、ロシア当局は、ヨーロッパ大陸の安定を確保するための保証を西側に求めてきたという。プーチンは、これらは『拒否』され、『我が国に対する脅威のレベルはますます大きくなっている』と述べた。

 12月にワシントンとNATOに送られた提案では、モスクワは米国主導の軍事圏の拡大停止、ミサイル配備の制限、現在の加盟国がウクライナ領土と他の東欧、コーカサス地方、中央アジアの国々での軍事活動を放棄するよう要求している。

 また、別の条項では、キエフをNATOに加盟させないことも要求しており、これはロシアが以前から強調している『レッドライン』である。

 NATO加盟国の中には、ウクライナの加盟を懸念する国もあり、ヨーロッパ諸国からは、『何を心配しているんだ、(ウクライナは)明日すぐにNATOに加盟しないぞ』という信号が来ているが、明後日はどうだろう?

 また、プーチンは2000年、モスクワを訪問したビル・クリントン大統領(当時)に、ロシアがNATOに加盟するという考えを『公の場で初めて』を確認した。彼によると、西側諸国はそれ以来、ロシアから距離を置くために広大な政治的溝を作り、関係を損ねたという」

※Putin orders Russian military to Donbass Republics as peacekeepers(RT、2022年2月21日)
https://www.rt.com/russia/550177-putin-decree-military-donbass/

※Putin signs ‘immediate’ recognition of Donbass regions(RT,
2022年2月21日)
https://www.rt.com/russia/550170-putin-donbass-ukraine-speech/

■皆さまへ緊急のお願いです!! 2月も残り7日ですがご寄付・カンパは月間目標額の48%にとどまっています! 8月1日から始まったIWJの今期第12期半年間にわたる累積の不足金額は、トータルで322万2951円! 2月の月間目標額を加えた2月末までに必要な金額は、21日現在、540万7453円です! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!!

 IWJ代表の岩上安身です。

 IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、必要なご寄付・カンパの目標額は月額420万円(年間5040万円)と算出させていただきました。

 2月になり、昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、折り返しを過ぎて後半に入りました。

 1月末までの6ヶ月間の累計の不足分は、まだなお322万2951円となっております。

 2月の月間目標額も420万円ですが、1日から21日までの21日間で187件、201万5498円のご寄付・カンパをいただいています。大変ありがたいことですが、この201万5498円という金額は、月間の目標額の48%にとどまっています。まだ半分に届きません! 2月の目標額である420万円まで、あと218万4502円が必要です!

 さらに、1月末までの6ヶ月間の累計の不足分は、322万2951円残っており、2月末日までに必要な額は、合計するとあと540万7453円になっております。

 2月は28日しかありません。月末まで残り7日です!

 どうか会員の皆さまのお力で、2月もIWJをお支えください!

 IWJの会員数は現在3298人です。そのうちサポート会員は1153人です(2022年1月31日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1780円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが1人5090円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。 https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ
 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身拝

■ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!

 ご寄付者様からメッセージをいただきました。

 メッセージひとつひとつに、岩上安身がご返信を書かせていただきます! ぜひ嬉しい励ましのメッセージ、あるいは、ご質問やご提案などにもお答えしますので、お寄せください! ただし、会員の方で、ご寄付者様からのメッセージのみとさせていただきます!

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たとえ微力でも支えるひとりになりたい。(タテノ アツコ 様)

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タテノ アツコ 様

 ご寄付とともに、心に刺さる素敵な応援メッセージをいただきありがとうございました!

 宮沢賢治の有名な詩「雨ニモ負ケズ」の最後の言葉、「…そういうものに、わたしはなりたい」を想像させられました。

 お支えいただいているIWJも、私自身もまた微力な存在です。しかし、人間は誰一人、例外なく、微力なものだろうとも思います。

 ところが、微力であるはずの人間が、権力という魔力を握ると、急に強大な力をふるい、時として多くの人々を奴隷化したり、苦しみや不幸に陥らせたりすることも、できるようになってしまいます。

 私たち微力なものが、権力を持つ者の奴隷にならないために必要な第一歩は、権力を持った者たちが必ず行う情報操作にだまされないことです。

 先にあげた賢治の詩の中に、「あらゆることを、自分の勘定に入れずに、よく見聞きし、わかり、そして忘れず」というくだりがあります。これはとても大切な戒めだと私は思っています(賢治の詩の原文はすべてカタカナですが、ここではわかりやすくするため、漢字とひらがなで表記しました。ご了解ください)。

 私たち、権力を持たない、小さき、微力な者は、まず第一に、クリアに事実・現実を認知し、理解する必要があります。その際に、「自分を勘定に入れない」ことはとても大切です。これは、ジャーナリズムにおいても通じる、大事な戒めだろうと思います。

 自分本位、自分の打算、自分の立ち位置、利害損得打算計算が入り混じれば、事実・真実を見る目が必ず濁ります。

 事実・真実を直視できなくなった人は、権力の情報操作に誘導されて、本当に何も見えなくなってしまいます。それは、目があるのに真実が見えなくなり、耳があるのに聞こえなくなり、頭脳があるのに、物事が正確に理解できなくなるのと同じことです。

 自分の利害損得ばかり考えている政治家の言葉は、実に寒々しいものです。権力にこびを売る御用メディアの操作も、クリアに見抜けると、そのくだらなさに、誘導されなくなります。

 そうやってだまされなくなる人が少しでも増えていけば、世の中は風通しのいいものになるはず、と私は思っています。

 遠い、心細い道のりかもしれませんが、急がば回れで、確実な道のりだろうと思われます。

 どうかこれからも、私とIWJを、心細い道のりをゆく、旅の道連れと思っていただき、ご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。

岩上安身

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孫崎さんのインタビュウを視聴中です。興味深いですね。本日カンパをいたしました。(匿名希望)

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匿名希望様

 インタビューのご視聴、そしてカンパをありがとうございます。

 今後とも、ご支援のほど、ぜひともよろしくお願いいたします。

岩上安身

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ロシア、中国関係のニュースをバイアス無しで報道・解説出来るのはやはりIWJだな、と思ったため。(I.T. 様)

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I.T. 様

 過分なおほめの言葉を、ありがとうございます。「バイアス無し」で話したり、論じたりするのは、先に書いたように、まず、「自分を勘定に入れない」ことができないと、やはり難しいと思います。

 現在、世界中の注目を集めている、ウクライナ問題ですが、世界中で量としてはおびただしいほど大量の情報量が流されているにもかかわらず、肝心なことには触れないものが大半を占めています。

 これは昨日と今日の日刊IWJガイドでも書いたことですが、ウクライナ問題を考える際に、欠かしてはならないことは、ひとつがウクライナ共和国内ではマイノリティになるロシア系住民=ロシア語話者の存在です。

 彼らは、いきなり、ロシア語を公用語から外され、ロシア語の使用や法律で禁じられ、学校での教育もいわば文化的民族浄化にあっている被害者なのに、米国政府を筆頭に、西側各国政府、そして西側メディアは、彼らの存在がまったく見えないふりをしています。ロシア語話者の存在に触れているのはプーチン大統領だけです。

 米国のブリンケン国務長官は、中国政府のウイグル人に対する政策を「ジェノサイド」だと指弾しました。であれば、ウクライナにおけるロシア系住民に対する人権侵害を、ロシア政府と同様に「ジェノサイド」あるいは「民族浄化(エスニック・クレンジング)」と呼んで非難すべきはずです。それをしないのは、ダブルスタンダードという他ありません。

 もう一つの問題は、欧露をつなぐ天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム2」の建設を、米国政府が邪魔し続けてきたこと、それでも完成してしまった現段階で、このウクライナ危機を煽り続け立てていることです。

 完成させはしたが、絶対に稼働させない、と言わんばかりの見幕が、米国政府の強硬姿勢からは見てとれます。日本を含め西の御用メディアは、このノルドストリーム2についてまったく光をあてようとしません。

 私たちは、ノルドストリームというパイプラインが、どのような歴史をたどって構想され、米国に、どのように邪魔されながら、ドイツを中心とする欧州各国とロシアとの協力で、完成を見たのか。その歴史を振り返り、さらにその「ノルドストリーム2」の稼働寸前で、なぜこの「ウクライナ危機」が再燃したのか、その謎を探るべく、近日中に新たなノルドストリーム物語についてのIWJ検証レポートの連載を開始します。どうぞ、ご期待ください。

 また、ロシア、中国について分析していくだけでなく、私たちがわかったつもりになっている、オープンにその姿を見せているはずの国、米国についても、改めて「米国とはどんな国なのか」、掘り下げていくインタビューや、レポートも準備中です。

 日本政府からネトウヨまで、ピンからキリまで、盲目的に米国を信じ、追従していきますが、実際には、その「ご主人様」である米国の本当の姿も、本音も知らないのではないかと思います。

 そうした深堀りコンテンツにも、ご期待ください。

 今後とも、ご支援をどうぞよろしくお願いします。

岩上安身

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少額で申し訳ありませんが、私としては精一杯です。どうか頑張ってほしい。(A.K. 様)

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A.K.様

 お気持ちだけでも、本当にありがたく思います。少額であっても、とても助かります。ありがとうございます。

 少ない額のカンパでも、会員の皆さまや、会員ではないものの無料コンテンツを見たり、読んだりしている方々が、IWJの経済的なピンチを知って、広くドネーションをしていただければ、本当に助かります。

 私たちも頑張りますので、どうぞこれからも皆さま、ご支援をよろしくお願いいたします。

岩上安身


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◆中継番組表◆

**2022.2.23 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

調整中

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◆中継番組表◆

**2022.2.24 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】12:30~「『サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の新設は何をもたらすか?』2.24院内集会」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「破防法・組対法に反対する共同行動」、「共謀罪反対!国際共同署名運動」共催による集会を中継します。これまでIWJが報じてきた警察関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/police

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

ウクライナ東部独立は悪?「東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(第3回)~岩上安身によるインタビュー 第1068回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏 2022.2.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502334

「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している、必要な防衛力を抜本的に強化」──防衛省の答えに、防衛費の適正規模をたずねた市民が激怒!~2.21大軍拡予算にNOを!敵基地攻撃力保有を許さない!防衛省交渉
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502504

ロシアが「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の独立を承認! 林外相は「ウクライナの主権と領土一体性を侵害する行為」と非難!「国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応」!!~2.22林芳正 外務大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502568

◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

IWJ検証レポート~米国の有識者が米中の国力逆転を認めたアリソン・レポートの衝撃!(その11)。米軍は「好ましくないフライホイール(弾み車)」に乗っている! 米軍の「伝来のプラットフォーム」は不要に!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502583

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■ロシアによるドネツク・ルガンスク地域の独立承認とロシア軍の派兵は今が軍事的に絶好のタイミングだった! この問題の本質にはNATOの東方拡大問題とドネツク・ルガンスク地域の住民独立運動がある! IWJは孫崎享元外務省国際情報局長に緊急取材!

 21日にロシアがウクライナのドネツク・ルガンスク地域(ドンバス地方と総称される)の独立を承認し、その後すぐにプーチン大統領はロシア国防省にドンバスの占領地に軍隊を派遣するよう指示しました。

 ロシア軍がドンバスに駐留する目的は、大統領命令によれば、平和維持機能を果たすこととされています。

※Зеленский: Устав ООН предусматривает право Украины на самооборону
Президент подчеркнул, что Украина ничего и никому не отдаст
https://112ua.tv/politika/zelenskiy-ustav-oon-predusmatrivaet-pravo-ukrainy-na-samooboronu-608593.html

 22日には、国連安全保障理事会の緊急会合が召集され、米国、英国、フランス、ドイツなどのNATO加盟国や中国などの安保理理事国、アフリカ諸国などがスピーチを行いました。

 安保理緊急会合では、英国が「ブダペスト覚書」違反を指摘し、モスクワに対する新たな制裁を約束し、フランス、アルバニアは、ロシアの行動は「ミンスク合意」に違反しているとし、デエスカレーションを求めました。

Совбез ООН начал экстренное заседание по Украине: Обсуждают срыв Россией минских договоренностей
Страны ООН призывали Россию к деэскалации, выводу войск из Украины, возвращению к дипломатии, а Британия указала на нарушение Будапештского меморандума и пообещала новые санкции против Москвы(122UA.TV、2022年2月22日)
https://112ua.tv/politika/sovbez-oon-nachal-ekstrennoe-zasedanie-po-ukraine-obsuzhdayut-sryv-rossiey-minskih-dogovorennostey-608595.html

 ドイツは、「ノルマンディーフォーマットに従って、ロシアはウクライナ、ロシア、ベラルーシと国境を接する地域から直ちに軍隊を撤退させなければなりません」と発言しました。

 さらに、米国は、「プーチン大統領はドネツク(DPR)・ルガンスク(LPR)地域の独立を認め、ロシア軍を配置すると発表しました。ロシアは平和維持軍と呼んでいますが、これはナンセンスです。

 ウクライナの主権と領土の完全性に対するロシアの攻撃は、国連加盟国としてのウクライナの地位に対する攻撃であり国際法違反です。私たちは、プーチン大統領の最近の行動を見て、この組織(国連)が設立された原則を守るために立ち上がらなければなりません。

 バイデン大統領は本日、DPRおよびLPRと呼ばれる地域への新たな投資、貿易、融資を禁止する大統領令を発表しました」と発言しています。

LIVE: U.N. Security Council meets after Putin recognizes Ukraine breakaway regions(ロイター、2022年2月22日閲覧)
https://www.youtube.com/watch?v=65x7GtUL7T8

 安保理では、NATO諸国から、ドンバス戦争の包括的な停戦を取り決めた2015年の「ミンスク合意」のロシア側の違反と、ウクライナに対し独立・主権・既存の国境を尊重し核兵器使用を控えるなどを取り決めた1994年の「ブダペスト覚書」に対するロシア側の違反が指摘されています。

 「ミンスク合意」については、総合対策の第2項で、軍事問題に関してキエフ、ドネツク、ルガンスクをドンバス戦争の紛争当事者と認めており、ロシアは当事者とされていません。

 「ブダペスト覚書」は、米国、英国、ロシアの間に取り交わされた政治協定書で、この覚書に法的規定が存在するかどうかは明らかではありません。

 この問題の本質はどこにあるのでしょうか。また、なぜ、今このタイミングで、ロシア軍はドンバス地域へ侵攻するのでしょうか。

 西側のメインストリーム・メディアだけを見ていると、米国正義・NATO正義の方向へ誘導されます。

 IWJは、岩上安身のインタビューでお馴染みの孫崎享元外務省国際情報局長に緊急取材しました。

IWJ「ロシアがドネツク・ルガンスクの両人民共和国の独立承認と軍の派遣を発表しました。これについて、どのように御覧になっているでしょうか」

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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■仏『レゼコー』報道より~プーチン大統領は演説で「ウクライナは『傀儡政権』、アメリカの植民地だ」と主張、ウクライナにドンバスでの軍事作戦停止を要請! 『キエフが大量破壊兵器(核兵器)を持てば、世界情勢は一変する』と主張!

 フランス大統領府は、21日付けでロシアを避難する声明を発表しました。

 「共和国大統領(エマニュエル・マクロン)は、ロシア連邦大統領が行った、ウクライナ東部の分離主義地域を承認する決定を非難する。

 これは明らかにロシアの国際公約に対する一方的な違反であり、ウクライナの主権に対する攻撃である。

 国連安全保障理事会の緊急会合と、EUの制裁を要求している」

※ELYSEE(2022年2月21日)
https://www.elysee.fr/emmanuel-macron/2022/02/21/decision-russie-de-reconnaitre-les-regions-separatistes-est-ukraine

 フランスメディアの『レゼコー』が、21日のプーチン大統領によるウクライナドンバス地方の2共和国の承認以降の各国の動きを「21日に覚えておくこと」と題して報じています。

※Les Echos(2022年2月21日)
https://www.lesechos.fr/monde/europe/en-direct-ukraine-toute-lactualite-sur-levolution-de-la-situation-ce-lundi-21-fevrier-1388411

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■ウクライナ東部地域にバイデン米大統領が投資や輸出入、財産凍結の大統領令を発令! 政府高官は「明日さらなる措置を取る。これは侵攻に対する制裁ではない」と表明! さらにプーチン大統領の演説について「ロシアの安全保障に関する演説ではなかった。ウクライナを歴史的にロシアの一部とみなしていることを明らかにした」と指摘、「偽旗作戦」による侵略だと非難!

 米ホワイトハウスは21日、ウクライナの主権と領土の完全性を損なうロシアの継続的な力の行使に関して、「特定の人物の財産を封鎖し、特定の取引を禁止する大統領令」を発表しました。

 大統領令はウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」を対象に、米国人による新規投資の禁止、物品やサービスの輸出入の禁止しました。

 さらに、対象地域の企業の操業者や会社役員など「財務長官が国務長官と協議して決めた人物」を対象に、「所有または支配下にあるすべての財産およびその権利は封鎖」、米国への入国禁止などを命じています。

※Executive Order on Blocking Property of Certain Persons and Prohibiting Certain Transactions With Respect to Continued Russian Efforts to Undermine the Sovereignty and Territorial Integrity of Ukraine(THE WHITE HOUSE、2022年2月21日)
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/presidential-actions/2022/02/21/executive-order-on-blocking-property-of-certain-persons-and-prohibiting-certain-transactions-with-respect-to-continued-russian-efforts-to-undermine-the-sovereignty-and-territorial-integrity-of-ukraine/

 一方、この大統領令に関する記者ブリーフィングで、ホワイトハウスの高官は、「我々は、国際法およびウクライナの主権と領土の一体性、さらにはロシア自身の国際公約に対するこの明確な違反の責任をロシアに問うため、明日さらなる措置を取るつもりだ」と明らかにした上で、「これらの措置は、ロシアがウクライナに侵攻した場合に備えて同盟国やパートナーと連携して準備してきた迅速かつ厳しい経済措置ではない」と強調しました。

 さらにこの高官は、「プーチン大統領が今日行った演説についても言及したい。なぜなら、この演説は彼の真の意図を明らかにしたと考えるからだ」と述べ、以下のように語りました。

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■<IWJ取材報告 1>ロシアが「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の独立を承認! 林外相は「ウクライナの主権と領土一体性を侵害する行為」と非難!「国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応」!! ~2.22林芳正 外務大臣 定例会見

 2月22日午前11時頃より、東京都千代田区の外務省庁舎にて、林芳正外務大臣の定例会見が開催されました。

 冒頭、林大臣より、前日2月21日、ロシアのプーチン大統領が「ドネツク人民共和国」、および「ルガンスク人民共和国」の独立を承認する大統領令に署名をするとともに、ロシア軍に軍事基地等の建設・使用の権利を与える「友好協力相互支援協定」に署名をしたことについての報告がありました。

 林大臣は、「こうした行為は、ウクライナの主権および『領土一体性』を侵害し、国際法に違反するものであり、決して、認められるものではなく、非難を致します。

 我が国として、あらためて、この事態の進展を深刻な懸念をもって注視していくとともに、G7をはじめとする国際社会と連携して、制裁を含む厳しい対応につき、調整を行ってまいります」と述べ、ロシアの動き強く非難しました。

 また、22日、林大臣がフランスとEU共催の「インド太平洋閣僚会合」に出席すると報告がありました。

※林外務大臣のフランス・EU共催「インド太平洋閣僚会合」への出席(オンライン形式)(外務省、2022年2月22日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_009274.html

 続く質疑応答は、林大臣のスケジュールのため短時間で切り上げられ、IWJ記者は質問をすることができませんでした。他社からの質問は「ウクライナ危機」に集中しました。

 ロシアへの制裁についての質問に、林大臣は「我が国としては、あらためて、事態の進展について、深刻な懸念をもって注視していくとともに、G7をはじめとする国際社会と連携致しまして、制裁を含む厳しい対応について調整を行っていく」と述べるにとどめました。

 林大臣の会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※ロシアが「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の独立を承認! 林外相は「ウクライナの主権と領土一体性を侵害する行為」と非難!「国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応」!!~2.22林芳正 外務大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502568

■<IWJ取材報告 2>「極東でも米国とロシアが衝突し、日本も参戦するような事態を想定しているか?」IWJ記者質問に岸大臣は「仮定の質問には答えを控える」を繰り返すのみ! ~2.22岸信夫 防衛大臣 定例会見

 2月22日、東京都新宿区の防衛省で、岸信夫防衛大臣による閣議後の定例会見が行われました。

 会見でIWJ記者は、「ロシアのプーチン大統領が『ドネツク人民共和国』と『ルガンスク人民共和国』の独立を承認したことを受けて、この後の展開として、ロシア軍が両州に入ることが想定され、ウクライナがNATO加盟を申請し、即、承認となった場合、NATO全体がロシアと直接対決することになり、バイデン大統領が言っていた『アメリカ人とロシア人が撃ち合う時、それは世界大戦になる』という言葉が現実になるかもしれない、今、最前線はロシアとウクライナ国境だが、極東でも米国とロシアが衝突し、日本も参戦するような事態を大臣は想定しているか?」と質問しました。

 これに対し岸・大臣は「その後の事態については仮定である。仮定の質問には答えを控える」と繰り返し、想定の有無さえ答えることはありませんでした。

 ロシア国防省が今月12日、「北方領土の千島列島のウルップ島周辺海域で、アメリカ海軍の原子力潜水艦がロシアの領海を侵犯した」と発表するなど、米・露の緊張は東欧の一地域に限らないこと、この日本列島近辺でもつばぜり合いが起きていることは明らかです。日本の防衛を担当する大臣としての姿勢が問われています。

 詳しくはぜひ、全編動画を御覧ください。

※「極東でも米国とロシアが衝突し、日本も参戦するような事態を想定しているか?」IWJ記者質問に岸大臣は「仮定の質問には答えを控える」を繰り返すのみ!~2.22岸信夫 防衛大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502578

■<IWJ取材報告 3>「石油価格高騰の根本原因と対策は?」とのIWJ記者の質問に、大臣は「原因は重層的、ウクライナ問題含め事態長期化なら、足元の高騰対策では済まない、全省を総動員」と回答~2.22 萩生田光一 経済産業大臣 定例会見

 2月22日、萩生田光一経済産業大臣の定例会見が経済産業省にて開催され、IWJが生中継しました。

 大臣からの報告はなく、質疑応答でIWJ記者は以下の質問を行いました。

IWJ記者「ガソリン税トリガー条項についておうかがいします。岸田総理は21日の予算委員会で、『トリガー条項も含めてあらゆる選択肢を排除せず、さらなる対策を早急に検討したい』とおっしゃいました。

 一方、自民党の高市政調会長は、このトリガー条項に代わるものとして『今年度予算の予備費4000億円を活用して、石油元売り等に補助金を支給する案』が最も現実的であると述べています。

 どちらにするのか、岸田総理のお考えはまだ具体的に示されていませんが、トリガー条項と、高市政調会長のご提案は方向性が異なります。萩生田大臣はどちらの案がより良いとお考えでしょうか。

 また、どちらにしても一時的な対症療法であることには、変わりなく、今般のガソリン価格の高騰は世界的な原油価格の高騰を反映したもので、長期化する可能性も取り沙汰されています。

 その原因も一つではなく、脱炭素のムーブメントによって、石油生産への投資が減り、急な需要増加に設備が追いつかないという話もあれば、ウクライナ危機の再燃でロシアの天然ガスをスムーズに欧州に送れず、欧州での燃料価格の高騰につながっているというものもあります。また、コロナ禍での金融緩和と財政出動で金余りとなり、インフレを呼んでいるとの声もあります。

 何がインフレの原因か突き止められないと、正しい根本的なインフレ退治処方箋は書けないと思われます。

 萩生田大臣は、何が根本原因で、どういう手段をとるべきだとお考えなのか、その点もお聞かせください」

萩生田大臣「従来から申し上げておりますが、あらゆる選択肢を排除しないという事は、トリガー条項も含む、あらゆる選択肢について検討するということでありまして、岸田総理がおっしゃっていることは、私が昨年から申し上げていることと、同趣旨だというふうに承知しております。

 この度、党の方から、この、今行っている様々な対策をさらに強化すべしという、言うならば要望書、意見書をいただいたことは承知をしております。その中に、具体的な財源ですとか、具体的な数字は確かに示されておりましたが、それは与党のご提案として、真摯に受け止めて、今後の検討の課題にしていきたいと思っております。

 どちらがいいかっていうのは、先程も申し上げたように、直ちにどちらがいいっていうことを私が申し上げるのは控えたいと思いますが、いずれにしましても、国民の生活、産業活動、こういったところに影響が出ないように、できる限り前広に、いろんなことを考えていかなきゃいけないと思っています。

 その上で、ご指摘のように、原油価格高騰の理由っていうものは、様々重層的に重なっているものがあると思います。国際情勢にも影響されますし、最終的には市場で取引が行われるわけですから、そういった意味では、すべてを前もって予見することはすごく難しいと思うんですが、今、ウクライナの問題などを含めて、これ、事態が長期化する場合には、おっしゃるように足元の高騰対策では済まないっていうことも考えておかなきゃならないと思います。

 したがって、あらゆる検討を排除することなく、あらゆる省を総動員して、国民の皆さんの暮らしを守っていくという、そのために何が一番適切か、いつまでこういう状態が続いた場合はどうするのかっていうことも含めて、しっかり検討を加えていきたいなっていうふうに思っているところでございます」

 他社からは、原油高騰対策、ウクライナ問題の日本経済への影響を中心に質問がありました。

 会見について、詳しくは全編動画を御覧ください。

※「石油価格高騰の根本原因と対策は?」とのIWJ記者の質問に、大臣は「原因は重層的、ウクライナ問題含め事態長期化なら、足元の高騰対策では済まない、全省を総動員」と回答~2.22 萩生田光一 経済産業大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502571

■<IWJ取材報告 4>「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している、必要な防衛力を抜本的に強化」──防衛省の答えに、防衛費の適正規模をたずねた市民が激怒! ~2.21大軍拡予算にNOを! 敵基地攻撃力保有を許さない! 防衛省交渉

 2月21日、東京都千代田区の参議院議員会館で、市民らが防衛省の担当者25名に、防衛予算についてヒアリングを行いました。

 市民らは事前に岸信夫防衛大臣宛てに、およそ40項目の質問書を送り、防衛省担当者らがそれらについて文書で回答し、口頭で説明を行いました。

 質問書の「防衛費の対GDP比等について、防衛省の考える適正規模、指標等があるか」との問いに対し、防衛省担当者は、「我が国を取りまく安全保障環境がこれまでにない厳しさを増しているので、必要な防衛力を抜本的に強化する」と答えました。

 これを聞いた参加者は、「枕詞のように『我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す』とついてくるが、このままいくとずっと防衛費を増やしていきますよね」と指摘。「毎年毎年、必要だからと言って積み上げて行ったら天井、ないですよ」「国民経済から見て、どこまでが上限だという指標、ありますか?」などと、厳しい言葉を投げました。

 今回は時間の関係で、防衛省の説明を聞くだけに終わりましたが、次回は市民側が質問と意見を述べることとなりました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している、必要な防衛力を抜本的に強化」──防衛省の答えに、防衛費の適正規模をたずねた市民が激怒!~2.21大軍拡予算にNOを!敵基地攻撃力保有を許さない!防衛省交渉
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502504

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、渡会裕、浜本信貴、木原匡康、城石裕幸、富樫航、中村尚貴)

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