日刊IWJガイド 2015.1.29日号 ~No.869号~


■■■ 日刊IWJガイド 2015.1.29日号 ~No.869号~ ■■■
(2015.1.29 8時00分)

おはようございます。Web班の伊藤です。

27日23時頃、イスラム国とみられる犯行グループが、後藤健二さんの解放条件や24時間以内に殺害を予告する動画を、YouTubeに公開しました。

ただ今、29日午前3時を過ぎました。

ヨルダン国営放送が、政府報道官の談話として「ヨルダン人パイロットが無事解放されれば、サジダ・リシャウィ死刑囚を釈放する用意がある」と伝えたという情報はあるものの、後藤さんについては、残念ながら解放の確たる情報はまだ届いていません。

AFP通信 ヨルダン「死刑囚釈放の用意あり」と報道、イスラム国人質事件
http://www.afpbb.com/articles/-/3038036

時事通信 後藤さん安否なお不明=「24時間」の期限経過-政府、解放へ懸命
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015012801032

今回の邦人人質事件について考えつつ、IWJが日々報じてきた内容を改めて見返していると、正義や正しさというものは、宗教の数、国の数、人の数ほどに、世界にはあまた存在するんだという事を考えさせられます。

正義と正義がぶつかり合う場面で、片側に一方的に加担をしてしまえば、反対側から激しく抵抗され、その結果、デメリットが大きくなる・・・、こういう事は仕事や日常生活でも、ままある事ですね。

かくいう私も、自分と反対の意見を持つ人と調整するのは、骨の折れる作業なものだから、ついつい端折って失敗する場面も。

他山の石としなければなりません。

今のように、メディアが権力批判を自ら抑制し、同調圧力が蔓延した世の中で、一面的な情報しか届かない状態の中で、国民は、国政選挙でさえも投票に行かないことが常態化しています。

それでは、全体を見渡し見通すことのできるバランス感覚に優れた政治的リーダーを持つことは、難しいことになります。

民主主義は、手続きに時間がかかって面倒くさいもの。しかし、その手続きこそが、民主主義そのものです。自分が利害当事者になったら、面倒くさいほど手続きを慎重に丁寧にやってもらわねば、たまったものではありません。個々人は行政権力に比べれば、微力そのものです。

情報のパイプ役を担うメディアが、多種多様であることはとても大切なことなんだと、自戒を込めつついま再認識しているところです。

さて、このイスラム国と安倍政権の問題にからめて、精力的にインタビューを重ねている岩上さんですが、未熟な私が一押しをさせていただきます。

2015/01/25 「イスラム世界全体を敵に回しかねない」安倍外交の失敗と、イスラム国の真の狙い ~ジャーナリスト・志葉玲氏に岩上安身が聞く

イラク戦争で、老人や若者たちが、米軍によって拷問された現場を見てきた志葉さんは、ご自身も米軍に拘束された経験をお持ちの方です。

米軍が、自軍の損害を減らしながら掃討作戦をスムーズに行うために、宗派間対立を煽り、シーア派の民兵にスンニ派を殺させたり、残酷な尋問や拷問をさせてきた、そのツケがスンニ派の過激派であるアルカイダやイスラム国の台頭なのだと、よくわかります。大義なきイラク戦争が、現在の惨状を招いている遠因であることを、ぜひ、皆さんに知っていただきたいと思います。

大手メディアでは伝えられないリアルな中東情勢と、この人質事件の背後でうごめく、安倍政権、米国ネオコン、イスラエルの思惑という「核心」を、志葉さんは、語ってくださっています。

まだ、ご覧になっていない方は、ぜひ下記URLをクリック。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/227656

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未登録の方は、ぜひ新規会員登録をご検討ください。
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…(後半へ続く)

◆中継番組表◆

本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。

**2015.1.29 Thu.**

【Ch2】19:00~「『中長期ロードマップの進捗状況』に関する記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※中長期ロードマップの進捗状況に関する記者会見。福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデント 増田尚宏氏、福島第一廃炉推進カンパニー広報担当 川村信一氏、原子力・立地本部長代理 小林照明氏らが出席

【Ch5】11:30~「院内集会&政府交渉 原発事故子ども・被災者支援法ー健康調査・住宅支援・保養を動かそう!」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※川田龍平議員、満田夏花氏(FoEJapan理事、子ども・被災者支援法市民会議世話人)が講演。その後、「子ども・被災者支援法」に関して政府交渉が行われる

【Ch6】17:00~「民主党 長妻昭代表代行 定例記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※民主党・長妻昭代表代行の定例記者会見を中継します

【再配信・Ch1】19:00~「岩上安身による水野和夫・日本大学国際関係学部教授インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※昨日行われた、ベストセラー『資本主義の終焉と歴史の危機』の著者であり、日本大学国際関係学部教授の水野和夫氏へのインタビューを再配信します

(前半の続き)…
さて、昨日は、ベストセラー『資本主義の終焉と歴史の危機』著者の、水野和夫さんに岩上さんがロングインタビューを行いました。

「資本主義が終わる」という、なかなか消化しきれないショッキングなお話がメインではありましたが、長年続くゼロ金利の意味を改めて考え、バブルのツケを新たなバブルで支払っている今の世界経済に対して、ゼロ成長で十分という水野さんのご主張は、大変説得力があります。

ですが、水野さんのインタビューは、それだけでは終わりません。もっとショッキングなお話が岩上さんによって引き出されます。イラク戦争の原因についての話です。

なんと、世界の基軸通貨を巡る争いが、イラク戦争の背景にあるというのです。

2000年、イラクのサダム・フセインは、石油の貿易の決済を、ドルからユーロに変えました。当時のシラク仏大統領も強力に後押ししました。その決済通貨変更への返答が、2003年の大義なきイラク戦争であり、イラクは米軍に散々に破壊されたあげく、貿易の決済通貨をユーロからドルに戻させられたのです。

無茶苦茶な話では、ありませんか。

イラク戦争からイスラム国、ドルとユーロの駆け引き、そしてイラク戦争に強硬に反対したシラク時代と、シャルリ・エブド事件の直後、「フランスは対テロ戦争に臨む」と米国追随を明らかにしたオランド現大統領との落差。。。

皆さん、本当にIWJを応援してください。でないと、こうした事実をお伝えし続けられなくなってしまいます。。

会員として、ぜひ、継続的にお支えください。会員になっていただければ、豊富なコンテンツをご覧になっていただけます。お得です! 絶対に損はしません!

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本日19時から、Ch1で水野さんのインタビューの再配信を行いますので、見逃してしまった方は、ぜひ、ぜひ、ご覧ください。
http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi

そして、関連で、こちらもぜひ!

借金だらけの米国が、なぜ覇権を維持できるかといえば、米軍の力とドルを基軸通貨としているからです。

その基軸通貨ドルを支え続けているのが、日本なんですね。

日米の財政の比較と、日本がいかに米国に貢いでいるか、つまり我々日本国民の富が米国の覇権維持に使われてしまっているか、評論家の植草一秀さんが、岩上さんのインタビューと、川内博史前衆議院議員、木村朗鹿児島大学教授と岩上さんとのクロストークで、データを明示して論じています。

水野さんのインタビューとあわせてご覧になると理解が一層深まります。

一般会員の方でも、まだ、アーカイブをご覧になれますので、ぜひ、会員登録がまだの方は、登録していただき、ご覧になってください。

2015/01/23 いかにして、絶望を希望に転化させるか~クロストーク「日本の真実を語る」第3回 木村朗×植草一秀×川内博史×岩上安身
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226919

2014/11/25 【大義なき解散総選挙10】「財政で経済を潰す」に反転したアベノミクス 増税逆噴射で「日本の奈落」を招く財務省と安倍政権の狙いは ~岩上安身が政治経済学者・植草一秀氏に聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208614

本当に物事は、つながりあっているのだと、つくづく実感します。

水野さんのインタビューは、本当にいろいろなことを考えさせてくれますが、バブルを作り出しては弾けるにまかせ、また飽きずにバブルを作り出す、その問題を考えると、現在の株高も、バブルなのではないかと疑わざるをえません。

バブルは、必ず弾けます。その時、被害はどれほどのものになるのか。

怖いのは、現在の株高が、我々の年金資金を投じてかさ上げされている官製相場であること。それがリーマンショックの時のように吹っ飛んだら、どうなるのか。我々の年金はどうなってしまうのか。

実は、政府は、その試算を出しています。

GPIFが年金資産の運用の株式投資比率を25%に引き上げたため、株価が暴落した時には損失リスクは2倍以上になるとの答弁書を政府は閣議決定しているのです。仮にリーマンショックと同レベルの株価暴落が起きれば、年金資産の損失は、26兆円を超えるというのです。

26兆円て、、、いったい消費税の何年分に相当するのでしょうか。見当もつきません。そんな損失が出た場合、結局、我々国民の税金で穴埋めさせられるのでしょう。

この問題の責任のありかについて、IWJは、1月20日の塩崎厚労大臣の定例記者会見で、質問をぶつけました。

2015/01/20 「消えた年金」再び?! 年金運用の株式投資シフトで損失リスクが2倍に―― 塩崎厚労相、あくまで「安全かつ効率的」な運用だと強調
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226280

損失が出た場合の責任問題について、明快な回答を避けた塩崎大臣でしたが、本日は、この件の質問主意書を政府に提出した当の本人である長妻昭民主党新代表代行の記者会見が、17時より行われますので、新代表代行に直接、ご意見をうかかいたいと思っています。ご注目ください。
http://www.ustream.tv/channel/iwj6

さて、Web班からのお知らせです。

~2月2日より会員システムが変わり、グッと便利になります~

ただ今、毎日、担当スタッフで最終テストを繰り返しているところですが、会員の新システムへの移行を、2月2日8時頃開始予定で、急ピッチで準備しております。

ご希望の多かった、クレジットカードや、ゆうちょ銀行以外の銀行口座での自動引落などが可能となりますし、会費のお手続が、画面上のマイページよりいつでも行えるようになります。

また、今までは、ログインIDが英数字の文字列でしたが、2日より、ログインIDは『ご登録のEメールアドレス』となります。ログインパスワードに変更はございませんので、ログインIDだけ変更で、お間違えないようよろしくお願いいたします。

最終テスト中ですので、まだ完全に確定ではございませんが、2月1日(日曜)23時頃~2月2日(月曜)8時頃まで、新システム移行作業のため、会員ログイン、会員サービスのご利用ができなくなる予定です。

取り急ぎのご報告で恐縮ですが、確定となり次第、移行作業の予定や新システムの詳細について、見やすくて分かりやすいご案内ページを、明日以降サイト上にアップさせていただきますので、もうしばらくお待ちいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

この会員管理システムの改良はずっと取り組み続けてきた課題。本当に苦労に苦労を重ねてきました。

目に見えないところで、IWJのサイトが見やすく、使いやすく、便利になるようにと、コツコツ頑張り続けているスタッフがいることを、ぜひぜひ、ご理解いただき、ご支援をお願いしたいと存じます。IWJは厳しい財政難に直面していますが、資金があれば、サイトの改良事業もマンパワーをかけられるので格段に進みます。どうぞよろしくお願いします。

ご寄付、カンパのお願い
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

~わとはぷ(What happend today?)~

2002年の今日、1月29日は、米国大統領だったジョージ・W・ブッシュ大統領が、一般教書演説で北朝鮮・イラク・イランを「悪の枢軸」と名指する発言をした日です。

言うなれば、アメリカが中東・イスラムに直接介入し、今の混乱を生み出す発端となった、悪夢の始まりの日とも言えるのではないでしょうか。

いま一度、イラク戦争とは何だったのかを振り返りたい方は、ぜひ下記記事をご覧ください。

2014/11/02 【兵庫】「情報量が格段に少ない日本、まるで情報鎖国」~高遠菜穂子氏・泥憲和氏が講演、イラクの惨状を訴え日本政府の態度を批判
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/201948

年末で予定が合わなかった方、遠方の方々など、大変お待たせいたしました。「饗宴V」のDVDが完成しました!

饗宴V ―ぎりぎりからのターンオーバー ~民主主義はいつも遅れて反撃する―
http://iwj.co.jp/shop/goods/item.php?ID=VSYMP5

DVD3枚組、合計459分の超大作が、3,800円! お陰様で、たくさんのご注文をいただいております。ぜひぜひ、お買い求めください。

それでは本日も、よろしくお願いいたします。

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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