■■■ 日刊IWJガイド 2015.1.30日号 ~No.870号~ ■■■
(2015.1.30 8時00分)
おはようございます。IWJで渉外窓口を担当しております江本と申します。
イスラム国に拘束されている後藤健二さんをめぐる情報ですが、かなり錯綜しています。
イスラム国は、ヨルダンで収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚を昨日の日没までにトルコ国境に連れてくるよう求めていました。そこで人質交換を行う、ということです。
交換の期限とされたのが日本時間の29日、23時半。この稿を書いているのは30日0時。現在、まだ後藤さんらがイスラム国に解放されたというニュースは入っていません。
昨夜8時半にはイランラジオが、「トルコの複数メディアが、テロ組織ISISが人質に取っていたヨルダン人パイロットを解放したと報じた」と速報を打ちました。
しかしNHKは23時頃、「ヨルダン政府は現時点で、『イスラム国』に拘束されているパイロットの生存を確認できず、死刑囚をまだ引き渡していないと述べました」と報じました。人質の交換はできていないと明言し、イランラジオの報道を事実上否定しました。
確かに、 ヨルダン政府からすれば、自国の人質の安全が確認できない以上、後藤さんと死刑囚だけを喜んで解放する、ということはできないでしょう。NYタイムスは23時半頃、「ヨルダン政府とISの人質交換交渉は決裂した模様だ」と報道したそうです。
そんな中、中国中央電視台(CCTV)は22時半頃、人質交換予定現場のトルコ国境地帯に向かう途中、フジテレビ関係者が自動車事故で死亡したと報道。
IWJも速報で流しましたが、その約1時間後、日本の通信社や新聞社も、「フジテレビの現地取材でコーディネーターを務めていたイスタンブール在住の日本人女性が、トルコ国内で交通事故に遭い死亡した」と報じ、フジテレビ自身もニュースジャパンの中で、死亡の事実を報じました。
お気の毒です。お亡くなりになったコーディネーターの方のご冥福を、心よりお祈りします。
今、現地では何がどうなっているのか、私には正直、まったくわかりません。後藤さんの顔を見るまでは何を信じていいかもわからず、とにかく、本当に心配でなりません。一刻も早く日本へ帰ってこれることを祈っています。
IWJでは、国外だけでなく、国内の問題にも目を配り続けています。
昨日は岩上さんによる水野和夫・日本大学国際関係学部教授のインタビューを再配信いたしましたが、ご覧いただけましたでしょうか。
水野先生のご著書『資本主義の終焉と歴史の危機』を中心に、お話をうかがいました。
この中で、いくつも驚きの指摘がありました。日本はずっと経済成長を遂げていない、もっと成長するように改革が必要だと言われ続けていましたが、水野さんは、日本が直面しているのは、資本主義400年の歴史の到達点として、利子率がゼロ、つまり投資しても儲けが出ない時代が来ているのだと仰います。無理をして成長しようとするとかえっておかしなことになると言うのです。
なかなか飲み込みにくいことですが、実感としてはわかります。全体としては成長しない、けれども一部の人は儲けたいという気持ちを抑えられない。そこで、大多数の人の賃金が抑えられ、多くの人が貧しくなり、一部の人や企業だけが儲けている。だからこそ、貧富の格差が開くばかりなのだと。
中でも胸を痛めるのは、日本の子供の6人に1人が貧困にあえいでいる、という現実です。インタビュー中に、そうした指摘も出てきました。
どうしたら、いいのでしょうか。これから結婚し、子供を生みたいと願っている私たちのような世代にとっても、他人事ではありません。
真剣に考える必要があります。
動画記事をUPいたしましたので、ぜひご覧くださいませ。テキストも近日中にアップする予定です。
お時間のない方、動画がすぐに見られないと言う方や、朝の通勤電車の中でも、記事でしたら気軽に読む事が可能です。
会員になって応援していただければ、インタビューの中身が凝縮された記事も全編読むことができますので、どうか会員になってIWJをお支えください。
→ 岩上安身による水野和夫・日本大学国際関係学部教授インタビュー「資本主義の終焉と歴史の危機~21世紀の利子率革命と蒐集の終焉」(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228274
会員登録はこちら→ http://iwj.co.jp/join/
本日は14時より【ch1】では、岩上さんによる郭洋春・立教大学経済学部教授インタビューを配信いたします。
郭先生は、TPPの問題に早くから警鐘を鳴らされ、岩上さんのインタビューにご登場くださったり、クロストークカフェにもご登壇いただいており、IWJのファンの皆様にはおなじみの先生です。
その郭先生に、今回岩上さんは、世界銀行やIMFの実態についてお聞きするそうです。岩上さんが最近読んでいた本が、ミッシェル・チョスドフスキーというカナダのオタワ大学の教授が書いた『貧困の世界化~IMFと世界銀行による構造調整の衝撃』という本。この本を翻訳したのが郭先生なのだそうです。
先ほど、「日本の子供の6人に1人が貧困」という話をしましたが、岩上さん曰く、「貧困は自然現象ではない」とのこと。「急激に人々が貧しくなる現象が世界中で起きている。それには理由があり、そのメカニズムを見極めなくてはならない。『貧困の世界化』はそのための手がかりとなる」とのこと。そこで、同書を翻訳した郭先生に中身を特別講義していただこうという企画です。
ちょうど今、話題の『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティ氏が来日し、昨日、講演とシンポジウムを行いました。IWJからも取材に行きました。ピケティの分厚い本は、IWJの事務所の、岩上さんが座っている真後ろの書棚に陳列していますが、私は分厚い背表紙を、遠くから眺めています。
岩上さんがインタビューされた水野先生も、ピケティ氏のデータを引用されていました。世界中、貧富の差が拡大し、しかもまだまだ拡大しそうだというのです。
貧しさは、テロの温床にもなるのではないでしょうか。今、直面しているテロの問題を考えるとき、ただ単に「テロには屈しない」とだけ唱えていても、何の解決にもならない気がします。
本日の、郭洋春先生へのインタビュー、ぜひ、ご注目ください。
少し前の頃ではなかなか伝わらなかったことが、まさに今だから理解できる! という内容になるのではないかと思います。
→ http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
…(後半へ続く)
◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。
**2015.1.30 Fri.**
【Ch1】14:00~「ミシェル・チョスドフスキー著『貧困の世界化~IMFと世界銀行による構造調整の衝撃』をめぐって~岩上安身による訳者・郭洋春立教大学経済学部教授インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※「ミシェル・チョスドフスキー著『貧困の世界化~IMFと世界銀行による構造調整の衝撃』をめぐって」と題し、訳者の郭洋春立教大学経済学部教授へ岩上安身がインタビュー
【再配信・Ch1】19:00~「イスラム国による日本人人質殺害予告事件の発生により世界中の注目を集める中東情勢~ウクライナ情勢とイスラエルによるガザ侵攻から考えるモントリオール大学教授ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー第1弾」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156099
※2014年7月23日に収録した「岩上安身によるモントリオール大学教授・ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー」を、IWJ特報189号~190号発行にあわせて、再配信します!なお、ラブキン氏の特報第2弾も、1月末に連続して発行予定です!
【IWJ特報第189・190号】「シオニズム」とは何か~ウクライナ危機とイスラエルによるガザ侵攻から考える モントリオール大学教授 ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー 第1弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228981
▲▽▲▽官邸前抗議関連 ▽▲▽▲
【Ch5】18:30~「再稼働反対!首相官邸前抗議(首相官邸前)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
【IWJ_AOMORI1】17:45頃~「青森駅前金曜日行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-aomori1
【IWJ_TOKYO8】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-tokyo8
【IWJ_EHIME1】18:00~「伊方原発をとめよう!県庁前行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-ehime1
【IWJ_HOKKAIDO1】18:00~「北海道庁北門前:反原発抗議行動」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-hokkaido1
【IWJ_IBARAKI1】19:00~「第121回原電いばらき抗議アクション」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-ibaraki1
(前半の続き)…
昨日はまた、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」最新号を発行いたしました。今号では、モントリオール大学教授で、『イスラエルとは何か』『トーラーの名のもとに』などの著書がある、ヤコブ・M・ラブキン氏のインタビューをテキスト化し、詳細な注釈をほどこしました。
イスラム国をはじめとした中東情勢を考えるに際して、避けては通れないのが、イスラエルの存在です。「シオニズム」の歴史的起源について研究されてきたラブキン氏が、昨年来緊迫し続けているウクライナ情勢から、昨年夏のイスラエルによるガザ侵攻について、じっくりと語っています。当然、それはイスラム国の問題にもつながっていきます。
イスラム国がなぜ、今日のように中東で台頭したのかということを考えるに際しても、決して見逃すことができないテキストです。引き続き、第2弾も発行予定ですので、どうぞご期待ください。
【IWJ特報第189・190号】「シオニズム」とは何か~ウクライナ危機とイスラエルによるガザ侵攻から考える モントリオール大学教授 ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー 第1弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228981
■メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」
・まぐまぐ:http://www.mag2.com/m/0001334810.html
・ブロマガ:http://ch.nicovideo.jp/iwj
・月額864円、初月無料
このメルマガの発刊にあわせて、本日は19時より【ch1】で「岩上安身によるモントリオール大学教授・ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー」を配信いたします。
特報とあわせて、ぜひ、ご視聴ください。
「イスラム国による日本人人質殺害予告事件の発生により世界中の注目を集める中東情勢~ウクライナ情勢とイスラエルによるガザ侵攻から考えるモントリオール大学教授ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー第1弾」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
皆様にお知らせです。昨年12月におこなわれた『饗宴V』のDVDが完成いたしました。
残念ながら会場にお越しいただけなかった皆様にも、できるだけ早くご覧いただきたいという思いから、動画班古田チーフのとっても早い仕事のお陰で遂に遂に完成いたしました!
DVD3枚組、合計459分収録で¥3,800円と、とてもお買い得になっております!
今回の饗宴Vは5つのテーマにわたってのシンポジウムとなっております。DVDでは、ご登壇された先生方のパワーポイントもご覧いただけます。
饗宴当日は、私はゲストの先生方の案内係をつとめたのですが、ご登壇を待っている間、先生方が他の先生方のスピーチを熱心にお聴きになっている姿がとても印象的でした。先生方もとても勉強になる、面白いと仰っていました。
ぜひ、ご購入いただき、ゆっくりご覧いただければと思います。
『饗宴V』――ぎりぎりからのターンオーバー ~民主主義はいつも遅れて反撃する――
■テーマ1「3.11から4年、原発と被曝を考える」
■テーマ2 「グローバル経済の真実~アベノミクス、消費税増税、TPP」
■テーマ3「明治、大正、昭和、そして現在に至る平成のヘイト問題」
■テーマ4「軍事的植民地化に抵抗する沖縄と集団的自衛権で対米従属を深める日本」
■テーマ5「パレスチナ、ウクライナ、イスラム国~世界における「文明の衝突」の虚実」
テーマ5で取り上げていたイスラム国の懸念が、このシンポジウムから一ヶ月で現実のものとなりました。
饗宴で、繰り返し言われたのが、この1から5までのテーマは、つながりあい、響き合っている、ということです。今こそ、ぜひ、ご覧になってお考えいただきたいと思います。
「饗宴V」DVD発売開始!
→ http://iwj.co.jp/feature/symposion5/archives/434
以下は、IWJから会員様へご案内です。
2月2日より会員システムが変わり、より便利になります。
ただ今、毎日、会員事務とシステム担当スタッフで最終テストを繰り返しているところですが、会員の新システムへの移行を、2月2日8時頃開始予定で、準備しております。
ご希望の多かった、クレジットカードや、ゆうちょ銀行以外の銀行口座での自動引落などが可能となりますし、会費のお手続が、画面上のマイページよりいつでも行えるようになります。
また、今までは、ログインIDが英数字の文字列でしたが、2日より、ログインIDは『ご登録のEメールアドレス』となります。ログインパスワードに変更はございませんので、ログインIDだけ変更で、お間違えないようよろしくお願いいたします。
最終テスト中ですので、まだ完全に確定ではございませんが、2月1日(日曜)23時頃~2月2日(月曜)8時頃まで、新システム移行作業のため、会員ログイン、会員サービスのご利用ができなくなる予定です。
取り急ぎのご報告で恐縮ですが、確定となり次第、移行作業の予定や新システムの詳細について、見やすくて分かりやすいご案内ページを、明日以降サイト上にアップさせていただきますので、もうしばらくお待ちいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
もうひとつ、お知らせがあります。
来る2月の中旬以降に岩上さんが北海道へ出張にいく予定です。その土地その土地の人たちと直接交流して、お話をする、というのが岩上さんのモットーです。
あまり日がありませんが、今回、北海道へいった際にも、皆様と直接お会い出来るようなイベントを計画しています。
日程や場所などの詳細はこれから決定していきますが、お近くの皆様、ぜひお立寄りください! 会員でない方もどしどしお越しいただければ幸いです。
岩上さんにこんなお話が聞きたい、こんなイベントにしてほしいという声などございましたらぜひお寄せください。
→ mailto: office@iwj.co.jp
本日アップした記事はこちらです↓↓
★記事UP 1/28福島第一、高濃度汚染水の処理が計画した今年度内に終わらないことについて規制委・田中委員長、発電所全体のリスクを考えるべきと主張するも具体策は事業者任せの姿勢
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228270
要求は敷地境界線量の目標値のみ
★記事UP!【IWJ特報第189・190号】「シオニズム」とは何か~ウクライナ危機とイスラエルによるガザ侵攻から考える モントリオール大学教授 ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー 第1弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228981
再配信も決定!
本日アップしたテキストはこちら↓↓
★テキストUP 1/28 「暴力の背景にはイスラム国の困難がある」 イスラム国を止めるには中東世界への日本人の理解、支援が必要~現代イスラム研究センター理事長・宮田律氏が会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228272
関心を持ち続けて欲しい。
★テキストUP 1/27 「東京で、何もしないわけにはいかない」――沖縄・辺野古の現実を直視した関東在住者が新宿駅前で訴え~新基地建設工事と暴力に抗議する街宣アピール
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/228052
沖縄現地と関東で感じる温度差
★テキストUP 1/24「ISD条項のほかにも、TPPにはサーティフィケーション(承認手続き)という悪玉が隠されている」~ジェーン・ケルシー教授が米国の手口を明かす
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/227262
米国は平気で理不尽を強いてくるだろう、と警告
~わとはぷ(What happend today?)
1948年1月30日は、マハトマ・ガンジー(マハートマー・ガーンディーとと)が、ヒンドゥー原理主義集団民族義勇団の一人ナートゥーラーム・ゴードセーらによって銃で暗殺された日です。
日課となっていた寺院でのお祈りに向かう途中、ガンジーは銃によって暗殺されました。彼の遺体はヒンドゥー教の習慣どおり火葬され、その遺灰はガンジス川に流されました。
ガンジーが暗殺された場所は、現在、博物館となっていて、肖像画や暗殺地点を記す記念碑の写真があるとのことです。
非暴力の平和主義を訴えたガンジーは、5回もノーベル平和賞の候補にあがったものの、1度も受賞していません。これは本当に驚きました。私がノーベル平和賞の審査委員だったら、きっとガンジーさんに授与していたと思います。
それでは今日も1日、よろしくお願いします! (IWJ 江本)
IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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