日刊IWJガイド 2015.1.26日号 ~No.866号~


■■■ 日刊IWJガイド 2015.1.26日号 ~No.866号~ ■■■
(2015.1.26 8時00分)

おはようございます!IWJで取材・テキスト関係の仕事を担当している、佐々木隼也と申します。

いよいよ今日、第189回通常国会が招集されます。150日間に及ぶ与野党論戦が始まります。
15年度予算案について、アベノミクスの真価や、集団的自衛権をはじめとした新安保法制をめぐり、大論戦が予想されます。

もちろん、国会で取り扱うテーマとして急浮上したのが、シリアでの邦人2人の人質事件です。

この事件の発端は何でしょうか。
「危険地帯に行った彼らが悪い」という自己責任論も、悲しいことに一部から聞こえてきますが、それは筋が違うのではないでしょうか。

昨年8月に湯川さんがイスラム国に拘束された後、安倍総理は9月23日に、エジプトのシシ大統領と会談し、米軍によるイスラム国への空爆について、「イスラム国が弱体化し、壊滅につながることを期待する」と述べました。

そして10月に後藤さんが拘束された後、外務省はそれを知りながら、安倍総理は今回の中東歴訪で、イスラム国空爆の「後方支援」を掲げました。

人質がいるのを知りながら、それを放置したまま、一方で安倍総理はイスラム国を挑発し続けた。
そうした流れの帰着が、この事件です。

この一連の流れや、政府の対応の意図的とも思える杜撰さについては、以下の記事でまとめていますので、ぜひご覧下さい。

・【続報】イスラム国による邦人人質事件:米国主導の「イスラム国壊滅のための有志連合」に組み込まれる日本
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226704

また、この事件をめぐり岩上さんが様々な専門家に、怒濤のインタビューを敢行中です。

直近では、一昨日24日には安全保障論の専門家で桜美林大学教授の加藤朗さんに、話をうかがいました。
防衛研究所で15年間にわたりテロや非正規戦を研究されてきた知見から、今回の事件の細部を分析していただいたのはもちろんのこと、その背景にある、米国発のグローバリゼーション(西洋世界)と、それに与しない勢力(イスラム世界)の戦い、という観点を、僕らに提示していただきました。

・2015/01/24 衝突する米国発のグローバリゼーションとイスラム世界 「近代国民国家」から「グローバル・リヴァイアサン」へ~岩上安身による桜美林大学教授・加藤朗氏インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/227242

また、同じく24日には、日本有数のイスラム学者で東京大学名誉教授の板垣雄三さんにも、話をうかがいました。
板垣先生は、この事件の背景であり、確固たる原因であるイスラエルの問題を解説しました。
シャルリ事件も、今回の人質事件も一つの歯車であり、全体の仕掛けが「イスラエルの利益」を中心に動いていることを、独自の切り口で分析しています。

テレビではまず間違いなくカットされてしまう内容ではないでしょうか。
ぜひ、どちらも会員となってご覧ください。

・2015/01/24 イスラム国による邦人殺害予告事件、その背景に日本とイスラエルとのかつてない異常接近~岩上安身による東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/227261

会員登録はこちらです!
http://iwj.co.jp/join/

そして、昨日は、イスラエル・パレスチナ問題やイラク問題などを、現場からレポートし続けている、ジャーナリストの志葉玲さんに、初めてインタビューしました。
IWJの中継などでは何度も登場していただいている志葉さんですが、意外なことに、岩上さんと会うのは初めてだったんですね。
インタビューでは、同じ戦場ジャーナリストとして、後藤さんの行動の不自然な点や、中東の空気感と生で触れ合ってきた経験から、今回の安倍総理の言動、事件発覚後の行動がいかにイスラム社会に対して、「最悪のメッセージ」を発しているか、指摘、分析していただきました。

インタビューは電波の関係で、残念ながら途切れ途切れとなってしまいまいた。
急ぎデータを受け取り、画質・音質をクリアにしたものを、本日再配信すべく作業中です!
観るのを断念した方や全編しっかり観たい方(本当にご迷惑をおかけしました!)、見逃した方、本日の再配信は必見です。
時間とチャンネルは、以下の【番組表】をご参照ください!!

また、これで終わりではありません。明日は京都へ飛び、イスラム社会、とりわけパレスチナ問題について、批判的な指摘を続ける京都大学大学院教授の岡真理さんへ、再びインタビューを行います。
こちらは録画のため、配信の時間は未定です。
明日になるかもしれません。決まり次第、ガイド等でお知らせ致します!

そして…さらに見逃せない、近日の超重要インタビュー2本のお知らせがあります!!!
…(後半へ続く)

◆中継番組表◆

本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。

**2015.1.26 Mon.**

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力の定例会見

【再配信・IWJ_EHIME1】9:00~「アーサー・ビナード 渡部伸二と語る―この国の未来と地方政治―」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-ehime1
※1月24日に行われた「渡部伸二を推薦する会」が主催の会。アーサー・ビナード氏と渡部伸二氏が「日本の未来と地方政治」について語りました

【Ch4】12:00~「1・26秘密保護法廃止へ!国会前行動」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「『秘密保護法』廃止へ!実行委員会」が主催。階猛衆議院議員(民主党)、畑野君枝衆議院議員(共産党)、吉田忠智参議院議員(社民党)らが発言予定

【Ch4】15:30~「STOP!戦争する国1.26院内集会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「5.3憲法集会実行委員会」が主催の院内集会

【Ch6】18:30~「安倍政権の暴走に反対する1.26国会前行動」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」らが主催の抗議行動。通常国会開会日に安倍政権に対して「No」を示す

【再配信・Ch1】19:00~「岩上安身によるジャーナリスト・志葉玲氏インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※昨日未明、拘束されていた湯川遥菜さんが殺害されたとみられる写真を手に持っていたジャーナリスト・後藤健二さんの映像がYouTube上で公開されました。このイスラム国による邦人人質事件について、岩上安身が、ジャーナリスト・志葉玲氏へインタビューしました。電波状況が悪く、中継できなかったため、再配信いたします。申し訳ございませんでした

~IWJが収録した志葉玲氏の関連記事はこちらからご覧になれます~
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%BF%97%E8%91%89%E7%8E%B2

(前半の続き)…
今回の国会における与党のメインテーマは「経済再生と財政健全化の達成」です。
「アベノミクスは道半ば…」「この道しかない…」と唱え続ける安倍総理ですから、15年度予算案は、これまでのアベノミクスの方針をより強固に、より強行に推し進めようとするのではないでしょうか?

しかし、アベノミクスはその初足から徹頭徹尾、破綻しています。
昨年、岩上さんが怒濤のインタビューラッシュを行った多くの専門家が、アベノミクスの「矛盾」「失敗」「嘘」を詳細なデータとともに暴いています。

ここで、その中から個人的にオススメの2本を紹介させてください。
150日間の国会論戦の予習に、そして国会で吐かれ続けるであろう「嘘」を見破る手札として、ぜひご覧になってください。

【一本目】

・2014/11/25 「財政で経済を潰す」に反転したアベノミクス 増税逆噴射で「日本の奈落」を招く財務省と安倍政権の狙いは~岩上安身が政治経済学者・植草一秀氏に聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208614

…植草先生は、そもそもアベノミクスの「成功」と言われた前半の株高を、「ただの運だ」と喝破します。
そして、消費税増税によって、安倍政権は「経済を潰す」政策に方針転換したと指摘してます。
難しい経済指標を用いた分析を、僕のような経済素人にも分かりやすく説明していただいています。
これなら、安倍総理も理解できるのではないでしょうか。

【二本目】

・2014/12/05 「消費の停滞は増税以外の要因もある」 ~安倍政権に不都合な経済データ呈示 『アベノミクスの終焉』著者・服部茂幸氏に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/211262

…「経済悪化は増税のせい」という以前に、そもそもアベノミクスのせいだった!?
服部先生は、アベノミクスがもたらす円安による輸入インフレ、格差拡大政策そのものが、今日の経済悪化を招いている、と分析しています。
こちらも、様々な経済指標を用いつつ、分かりやすく解説していただいているのですが、もはや、安倍総理は「あーあー聞こえないー」を決め込むでしょう。

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そしてこのあと、絶対見逃せない、経済関連の重要インタビューを立て続けに二本!予定しています。

28日水曜日、16時からは、ベストセラーとなった『資本主義の終焉と歴史の危機』の著者、水野和夫氏のインタビューが決定しました!!

その2日後には、ワシントンコンセンサスやIMFや世界銀行等のシステムについて、そもそもそれがいかにとんでもないシステムであり、緊縮財政を強いたあげく、世界を危機に陥れているか、その現実を喝破したミッシェル・チョスドフスキーの『貧困の世界化~IMFと世界銀行による構造調整の衝撃』を教科書に、その訳者である立教大学の郭洋春教授にインタビューを行います。

今現在、ギリシャの債務危機の只中、というタイミングです。
仮にギリシャがデフォルトに陥れば、世界は連鎖的な金融危機に陥り、年金資金を投じて官製相場で株高を演じている日本の株式市場にも大打撃を与えるでしょう。

そんなことなど関係ないと言わんばかりに、安倍政権は我々の年金資金を、勝手に、株式に大量投入し始めました。
民主党の長妻昭議員が、もし今の運用比率でリーマンショックなどのバブル崩壊が起きたら、その損失はいくらになるのか、という質問主意書を出しました。
政府から返ってきたのは、「損失はこれまでの2~3倍になりえますね」と、まるで他人事のような答弁書でした。
一体、損失を出してしまったらどうするのか。その際の責任、リスクについてどう考えているのか。
IWJは厚労省の塩崎大臣に、問いただしました。
そこで返ってきた答えは…

ぜひ、以下の記事をご覧になり、政府の呆れた無責任スタンスをしかと目に焼き付けていただければと思います。

・2015/01/20 「消えた年金」再び?! 年金運用の株式投資シフトで損失リスクが2倍に―― 塩崎厚労相、あくまで「安全かつ効率的」な運用だと強調
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226280

ちなみに、ここだけの話、今紹介した郭先生インタビューの煽りに出てくる、チョスドフスキーという人。
僕はまったく知りませんでした。一体何者なのでしょう、チョスドフスキー。
よくわかりませんが、岩上さんは両方ともすごいインタビューになると、今から力を込めており、出張先まで何冊も本を持って行って準備中です。
僕も今からチョスドフスキーについて、ちゃんと調べてみようと思います。

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そして、究極の【三本目】として紹介させていただきたいものがあります。

昨年末、IWJが総力を結集したイベント、「饗宴5 ――ぎりぎりからのターンオーバー ~民主主義はいつも遅れて反撃する――」のDVDが、早くも発売開始されました!

今回は、Ustreamの有料生配信サービス「PPV」がサービス停止につき、実際に会場に足を運んだ方しか、
観ることができませんでした。

来れなかった多くの方、またもう一度ちゃんと見返したいという方から、早くDVD化して欲しい、との要望が寄せられまくっていました。こうした声に応えるべく、動画班を中心に作業を急ぎ、なんとか開催から一カ月を待たずして、発売することができました。

この饗宴5は、先ほどこの挨拶文で紹介させていただいた、板垣先生、植草先生にも登壇していただき、熱い講演を行っていただきました。計16人の怒れる男たちが、原発、ヘイト問題、アベノミクス、沖縄問題、集団的自衛権、改憲、イスラエル・パレスチナ問題、中東問題、ウクライナ問題をテーマに、その問題点を分かりやすく提示し、そして突破口を提案しています。

ぜひ、お買い求めいただき、今日からの国会の、そしてこれからの日本の「反撃」にご参加いただければと思います。

ご購入ページはこちらです!
http://iwj.co.jp/feature/symposion5/archives/434

~~本日アップした記事はこちら~~

★記事UP 1/23 市民は過激派?!
辺野古から遠く離れた東京で我が身を守る、海保・防衛省職員らが撮影拒否~新基地建設問題で福島みずほ・山本太郎議員が辺野古での過剰警備を追及
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226917
何に怯えているというのだろうか

~~本日アップしたテキスト記事はこちら~~

★テキストUP 1/23 いかにして、絶望を希望に転化させるか~クロストーク「日本の真実を語る」第3回
木村朗×植草一秀×川内博史×岩上安身
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226919
邦人人質殺害予告事件の衝撃 日本政府はいかなる対応を取るべきか

★テキストUP 1/10 「市民が政府に、平和的解決を探せと声を上げること」――元朝日新聞中東アフリカ総局長、イスラミックサークルオブジャパン日本人部代表がシリア講演会
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/224006
国際社会は内戦を終わらせる意志がない

それでは本日も、よろしくお願い致します!!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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