「ターンオーバー元年」に向けて ―IWJ代表・岩上安身の2015年 年頭のご挨拶 ~日刊IWJガイド 2015.1.1日号 (No.841号)


■■■ 「ターンオーバー元年」に向けて ―IWJ代表・岩上安身の2015年 年頭のご挨拶 ~日刊IWJガイド 2015.1.1日号 ~No.841号~ ■■■
(2015.1.1 8時00分)

 新年明けましておめでとうございます。

 IWJの岩上安身です。日頃はスタッフが交代で朝のご挨拶文を書いておりますが、2015年元日の本日は、私が年頭のご挨拶をさせていただきます。

 まずは、旧年中に大変お世話になりましたこと、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 2010年12月に設立したインターネット報道メディアIWJは、おかげさまで昨年12月に4周年を迎えることができました。

 12月21日に開催した、IWJ設立4周年記念イベント「饗宴V」では、16名ものゲストをお招きして、5部に分かれて8時間におよぶシンポジウムを開きました。

 「最初で最後」の規模となるであろうこの「饗宴V」を無事開催することができましたのも、ご登壇いただいたゲストの先生方はもちろんのこと、ご来場者の皆様、協賛して下さった方々、会員・サポーターの皆様、中継市民やボランティアの皆様、そして懸命に立ち働いたスタッフの献身的な努力の賜物です。

 関係者の皆様、尽力くださった方々、そして御支援、応援してくださったすべての方々に、改めて御礼申し上げます。

 残念ながら、PPV(ペイパービュー)のサービスが停止されてしまったため、遠隔地の方々に同時中継でご覧いただくことはできませんでしたが、現在、DVDを鋭意制作中です。8時間にわたる真剣なシンポジウムがぎっしり詰まっています。今月半ばまでにはお届けできるようにいたしますので、どうぞ御高覧いただければと存じます。

 2014年は、日本にとってだけでなく世界にとっても大きな大きな転換点となる年でした。多様な問題が噴出しました。「饗宴V」のテーマを5つに分けざるをえなかったのはそのためでもありますが、まだそれらの多様な問題の噴出の意味は、十分に理解されていないように思います。

 2014年に起きた様々な出来事――ウクライナのクーデターと内戦、イスラエルによるガザへの侵攻、自由貿易協定反対を唱える台湾の学生たちの国会占拠、
消費税増税の断行と、法人税減税への圧力(優遇される巨大企業としわ寄せをされる個人・中小企業)、アベノミクスというリフレ政策とその息切れ、株価をのぞき悪化の一途をたどる日本の経済指標、秘密にされるTPP交渉と、事実上の先取りの国家戦略特区、
マレーシア航空機撃墜事件、ロシアへの経済制裁とその帰結としてのロシアと中国の急接近、サウジ等の原油増産と原油価格の下落、その結果としてのルーブルの暴落、
集団的自衛権の行使容認の閣議決定、特定秘密保護法の施行、沖縄への米軍新基地建設の押しつけと、選挙を通じて「抵抗」の意志を示し続けた沖縄の民意、
政府・与党による原発の維持・輸出政策の推進、ヘイトスピーチ横行への世界からの非難に対して、逆行するかのような政府・与党による歴史の書きかえのもくろみ、朝日叩きに象徴されるメディアへの圧力と、その裏腹の大手メディアに対する懐柔、
衆議院の解散・総選挙と自公の微妙な勝利、そして迫り来る乱脈な世界戦争状態の予感――それらの出来事の数々を、私たちIWJは全力で追い続け、報じ続けてきました。

 これら、国内外の問題群は、それぞれに連関しあっています。と同時に、2014年にまかれた問題の種はどれもこれも年を越して持ち越されており、2015年に大きく芽吹く可能性が否定できません。

 国民主権が脅かされつつあります。

 基本的人権がおろそかにされつつあります。

 国家と資本の分離がよりあからさまになり、富を吸い上げた、越境する巨大金融資本が国家を超え出てのたうち回り、戦争のための戦争を欲し続けているように思われます。

 国家という「地上の神」が衰える一方、とってかわろうとするかのような金融資本という幻想的な神は、瞬間瞬間に姿を変え、消長激しく、とらえどころがありません。

 バブルの多発と破綻の連続、その破綻の後始末のために繰り返される出口なき量的緩和が、またしてもバブルの創出に拍車をかけています。

 神の幻影を生み出しているのは持てる者の飽くなき貪欲であり、幻影による支配に持たざる者の民意を反映させる手だては、まだ誰も見出だせていません。

 しかし、黙って指をくわえてやられっぱなしでいるわけにはまいりません。「饗宴V」が掲げたテーマ、「ぎりぎりからのターンオーバー!民主主義はいつも遅れて反撃する!」は、これからのテーマでもあります。

 サザンオールスターズの桑田佳祐氏がチョビひげをつけて「ピースとハイライト」をあの紅白で歌った2014年の年末。そのすぐあと、「朝まで生テレビ」で孫崎享さんが、「饗宴」や私のインタビューなどでいつも話していることをいつも通りに発言しただけで衝撃が走った2015年元旦。

 まだまだ「ターンオーバー」「反撃」の手だてはいくらでも残されており、「反撃者」の同志は世のあちこちに伏在していることを思い知らされた元旦となりました。

 IWJが2014年中に発行したメルマガの総本数は12月31日現在で99本(IWJウィークリーとIWJ特報の合計)、インタビュー115本、記事本数3101本、動画の総配信本数は3102本でした。3日に1本の割合で、ロングインタビューを行い、メルマガを書いて発刊し、1日に約8.5本の割合で動画を配信し、記事をアップし続けてきたことになります。

 多様化する問題群を局面ごとに正確にとらえてすみやかにお伝えし、同時に領域横断的な分析によって、その問題群の連関を明らかにする。そのためには、まだまだこの報道量では足りないかもしれません。

 しかし、この報道配信量を、2015年においても継続してゆくのは難しくなるかもしれません。

 IWJのサイトは年間1400万ビューを数えます。ですが、会員数は5000人を回復することができないまま、越年となってしまいました。増税と物価高、実質賃金の低下によって、会費の継続的な支払いが厳しくなった、という方々の悲鳴のような声が届いています。

 この趨勢が変わらなければ、IWJのダウンサイジングは避けられません。私個人の持ち出しによってカバーするのはもはや限界です。

 IWJの活動をスリム化し、報道量を減らす分、質を向上させる方向に注力しなくてはならないと思います。

 本年は5年目、真価が問われる年です。2015年を「ターンオーバー元年」にするためにも、皆さまのいっそうのお引き立てをよろしくお願い申し上げます。

 末筆ながら、皆さまのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。この御挨拶が直接届く御縁のある方にも、届かない、御縁の薄い方にもすべての人々が平和で幸せであるようにと願いたいと思います。

株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
代表取締役 岩上安身拝

(後半へ続く!2日以降の番組表も後半で)

◆中継番組表◆

本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。

**2015.1.1 Thu.**

【年末年始再配信・Ch5】14:00~「【饗宴アフター企画】ストレスによる鼻血は医学的に「ありえない」北海道がんセンター名誉院長・西尾正道氏が政府見解を徹底批判」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
記事URL:http://iwj.co.jp/wj/open/archives/153566
※2014年7月12日に行われた、一橋大学社会学部主催による「人間環境論」公開講演会 「放射線健康被害を含めた日本人の健康をどう守るか」を再配信いたします。西尾正道・北海道がんセンター名誉院長は、冒頭で、放射線の「光の世界」を追って長年仕事をしてきたが、福島原発事故後の3年前からは、放射線の「陰の世界」の勉強を始めることになった、と振り返りました

【録画配信・Ch1】18:00~「岩上安身による『日本に巣喰う4つの“怪物”』著者 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏インタビュー」
視聴URL:http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※12月18日に行われた、「岩上安身による『日本に巣喰う4つの“怪物”』著者 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏インタビュー」を元旦に初公開!!テロップをさしこみ、視聴しやすくいたしました!是非、ご視聴下さい!

~関連アーカイブ~
・2012/03/29 カレル・ヴァン・ウォルフレン教授インタビュー「日本を追い込む5つの罠」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/6966
・2010/12/11 カレル・ヴァン・ウォルフレン教授インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/711

【年末年始再配信・Ch4】20:30~「【饗宴アフター企画】「2時間で原発問題が分かる映画だ」 ~ 河合弘之弁護士初監督作品『日本と原発』制作発表」
視聴URL:http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
視聴URL:http://iwj.co.jp/wj/open/archives/202719
※脱原発弁護団全国連絡会の共同代表を務めるなど、脱原発運動を展開している河合弘之弁護士が自ら監督した映画『日本と原発』(私たちは原発で幸せですか?)の制作発表および試写会が、2014年11月4日シネマート六本木で行われました。その模様を【饗宴アフター企画】として再配信いたします

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(前半の続き)…

 2015年元旦、最初の配信は、「饗宴V」の第一部「3.11から4年、原発と被曝を考える」にご登壇された西尾正道・北海道がんセンター名誉院長の講演の再配信です。【饗宴アフター企画】の第7弾となります。

 週刊誌「ビッグコミックスピリッツ」に掲載された漫画「美味しんぼ」で、被曝による鼻血や体調不良について言及する発言が描かれたことが、当時、物議をかもしました。2014年5月12日、私は、漫画「美味しんぼ」にも登場した、前双葉町長の井戸川克隆氏にインタビューを敢行しています。

・2014/05/12 「すべてが『実害』」 前双葉町長・井戸川克隆氏、石原環境相の「風評被害」発言を批判~岩上安身による前双葉町長・井戸川克隆氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/139458

 政府は「低線量被曝による鼻血はない」と、強引に騒動の収束を図りましたが、2014年7月12日に一橋大学社会学部主催で行われた講演で、西尾氏は、放射線科医の立場から、ストレスで鼻血が出ることは「医学的にはない」、ありえるのは「内部被曝の可能性」であると真っ向から反論しました。被曝の問題を今こそ、考え直すために、ぜひ年始早々に再視聴していただきたい講演です。

ご視聴はこちらから↓
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5

 そして、2015年最初の記念すべき初公開・撮りおろしインタビュー配信は、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏のインタビューです。

 2015年の劈頭を飾るにふさわしい、ビッグなゲストの登場です。日本を知り尽くす優れた外国人ジャーナリストであり、オランダのアムステルダム大学の名誉教授でもあるウォルフレン氏は、私の問いにこたえて、地球儀を見おろすような視野の良さと、曖昧さのまったくない口調で、日本と世界がどこへ向かっていこうとしているか、ずばり語っています。

 昨年行なった数々のインタビューの中でも、非常に衝撃的だったピーター・カズニック氏に、F.ウィリアム・イングドール氏のインタビューと共通するのは、米国の世界戦略のキーワード「フル・スペクトラム・ドミナンス(すべての領域における米国の軍事的な完全支配)」が、当然のことのように頻出してきたことです。

 2014年10月に『日本に巣喰う4つの“怪物”』という本を出版されたばかりのウォルフレン氏。衆院選直後で、「饗宴V」の直前でもあった12月18日に、インタビューを収録しました。

 撮りおろしの初公開です!本動画に、ウォルフレン氏の英語での回答を翻訳し、動画班がテロップをつけ、視聴しやすく編集しました。ぜひ、ご視聴下さい。

 初回、フルオープンでの配信は一回限りですので、お見逃しなく!もしお見逃しになった方は、会員登録してアーカイブを録画で御覧ください。一般会員なら一ヶ月間、サポート会員なら無期限にアーカイブを御覧いただくことができます。リアルタイムでの配信を御覧になれなかった方でも、録画で御覧になることができます。

ご視聴はこちらから↓
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

 なお、これまでのウォルフレン氏インタビューのアーカイブはこちらからご覧いただけます。是非、会員登録の上、御覧ください。

・2012/03/29 カレル・ヴァン・ウォルフレン教授インタビュー「日本を追い込む5つの罠」http://iwj.co.jp/wj/open/archives/6966
・2010/12/11 カレル・ヴァン・ウォルフレン教授インタビューhttp://iwj.co.jp/wj/open/archives/711

 聞き比べていただきたい、カズニック氏インタビューとイングドール氏インタビューの動画アーカイブはこちらです。

・2013/08/11 「沖縄の米軍基地が拡大される可能性」 核兵器に代わる米国の新戦略とは ~岩上安身によるアメリカン大学・ピーター・カズニック教授インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/95813

・2014/08/08 米国の新世界戦略を読み解く ウクライナとガザ侵攻における「ダブルスタンダード」を厳しく批判~岩上安身によるアメリカン大学教授ピーター・カズニック氏・乗松聡子氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/160561

・2014/09/12 ウクライナ危機は「米国によるユーラシア不安定化のステップ」 ~岩上安身のインタビューでイングドール氏が警告、東に舵を切れ! 「ワシントンの奴隷国である限り破壊と低迷があるだけ」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/204610

 両氏のインタビューのフルテキストに詳細な注と解説を加えたIWJ特報のバックナンバーはこちらから!

・【IWJ特報175~176号】「アメリカ帝国」はどこに向かっているのか その世界戦略を読み解く アメリカン大学ピーター・カズニック教授&乗松聡子氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208972

・【IWJ特報183・184号発行!】日本を含めたユーラシアの分断をもくろむ「アメリカ帝国」 F.ウィリアム・イングドール氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/220963

 なお、20時半からは、脱原発弁護団全国連絡会の共同代表を務めるなど、脱原発運動を展開している河合弘之弁護士が自ら監督した映画『日本と原発』(私たちは原発で幸せですか?)の制作発表の模様の再配信を、Ch4で行います。

 映画『日本と原発』には、構成・監修として、IWJではおなじみ、海渡雄一弁護士も参画。監督を務めた河合弘之弁護士は、「裁判官も書類の山を読んでいると、原発のことがわからなくなる。2時間で(原発問題が)分かる映画を裁判所に提出して、裁判官を説得したい」と映画制作にかける想いを言葉にしています。海渡雄一弁護士、河合弁護士のおふたりとも、「饗宴V」の第一部「3.11から4年、原発と被曝を考える」にご登壇いただきました。この録画再配信は、【饗宴アフター企画】の第8弾になります。

ご視聴はこちらから↓
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4

 2日以降の、すぐに決定している配信スケジュールを、以下、お知らせいたします。お正月休みにまとめてご視聴になるプランの参考にして下さい。なお、予定はあくまで予定であり、配信スケジュールが変更になる可能性もあります。当日の朝の日刊ガイドをお確かめになって下さい。

・2015年1月2日 15:30(配信時間)~
【再配信・Ch5】【饗宴アフター企画】放射線被曝にどう対応するか、放射線被曝と健康管理のあり方を問う~有識者らが提言
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/119442

・2015年1月2日 18:00(配信時間)~
【会員限定配信】【饗宴アフター企画】「バーナムの森は動いた」秘密保護法強行採決は安倍政権の終わりの始まり ~岩上安身による海渡雄一弁護士緊急インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/115742

・2015年1月2日 20:30(配信時間)~
【再配信・Ch4】【饗宴アフター企画】「鼻血バッシングで、健康被害を口にできない空気が生まれる」 ~『美味しんぼ』騒動を考える緊急集会
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/141347

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・2015年1月3日 16:30(配信時間)~
【再配信・Ch4】【饗宴アフター企画】「福島原発事故・吉田調書」報道で「記事全体を取り消した朝日新聞の判断を追認したPRC(人権委員会)見解こそ誤報」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/206493

・2015年1月3日 18:30(配信時間)~
【再配信・Ch5】【饗宴アフター企画】いまだに全村避難が続く飯舘村民の約半数2837人が決意のADR申し立て「誇りを捨てられない、捨てたくない、国に見放されたくない」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/205859

・2015年1月3日 20:30(配信時間)~
【会員限定配信】【饗宴アフター企画】岩上安身による河合弘之弁護士インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/20068

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・2015年1月4日 18:00(配信時間)~
【再配信・Ch4】【饗宴アフター企画】福島の子ども保養プロジェクト1周年イベント in 東京
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/83818

・2015年1月4日 21:00(配信時間)~
【再配信・Ch5】【饗宴アフター企画】「姑息だ」「頭を冷やせ」函館市長、門前払いの国と電源開発を痛烈批判~大間原発建設差し止め訴訟 第1回口頭弁論後の記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/150175

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公式サイト 【http://iwj.co.jp/

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