┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~12月も3分の2を過ぎて、2025年も残すところあと10日です! しかし今月12月のご寄付・カンパの目標額達成率は、まだ12%です! 月間目標に達するには、あと88%、307万9000円が必要です! 真実を伝えていく活動を続けていくためには、皆様の有料会員登録と、ご寄付・カンパによる皆様からのご支援が必要です! 12月も、どうぞ皆様、お支えください! よろしくお願いいたします!
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┠■<ウクライナ紛争の変換点(その11)>EU首脳会合で、フォン・デア・ライエン欧州委員長ら対露強硬派にして戦争継続派が進めてきた「ロシア凍結資産をウクライナ支援に流用する」融資案が潰れ、EU自身が資金を調達してウクライナ支援をすることで合意! しかし、EU27ヶ国の債務は、すでに約2400兆円、英国を入れれば約3000兆円! EUの共同債務残高は約130兆円、そこに追加のウクライナ支援で900兆円!? ハンガリーのオルバン首相は「ウクライナ人は決して返済できないだろう」と表明! さらにゼレンスキー氏が「日本の高市総理に感謝する」と日本が9000億円のウクライナ支援をするとXに投稿!!
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┠■【中継番組表】
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┠■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】
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┠■【第1弾! ミス・フィンランドが東アジア人を蔑視する「吊り目」写真をSNSに投稿した事件の余波! レイシズム丸出しのポーズを「何が悪い」と、連立与党で急進右派の「フィン人党」の議員ら3人が、SNSに「吊り目」写真を投稿! オルポ首相が日中韓の大使館を通じて謝罪するも、議員らは形式だけの謝罪のポーズでさらに炎上!】こんな人種差別意識丸出しの連中が「反グローバリスト」!? フィンランドは他の欧州諸国と比べ、人種差別意識が高いという調査結果も! 東アジア人全体を差別し不快にさせて、何が楽しいのか!?(BBC、2025年12月17日)
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┠■【第2弾! ウクライナのゼレンスキー政権の汚職まみれの面々と同じく、汚職容疑で裁判中のイスラエルのネタニヤフ首相が、厚かましいことに、ヘルツォーク大統領に恩赦を要請! なぜか、米国のトランプ大統領も、ネタニヤフ首相の恩赦をヘルツォーク大統領に要求! 内政干渉もはなはだしい! 一方、捜査当局から流出した、関係者数百人に対する1000時間以上の取り調べ映像をもとにしたドキュメンタリー映画『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』が公開中!】(ロイター、2025年12月1日)
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■はじめに~12月も3分の2を過ぎて、2025年も残すところあと10日です! しかし今月12月のご寄付・カンパの目標額達成率は、まだ12%です! 月間目標に達するには、あと88%、307万9000円が必要です! 真実を伝えていく活動を続けていくためには、皆様の有料会員登録と、ご寄付・カンパによる皆様からのご支援が必要です! 12月も、どうぞ皆様、お支えください! よろしくお願いいたします!
この『日刊IWJガイド』は、12月22日発行の予定でしたが、編集作業が深夜まで及んだため、23日の発行となりました。ご了承ください。
IWJ編集部です。
12月は1日から19日までの19日間で、月間目標額の12%に相当する42万1000円のご寄付・カンパをいただいています。
ご支援くださった方々、誠に、ありがとうございます!
しかし、月間目標額の350万円に到達するには、あと88%、307万9000円も不足しています!
第16期がスタートして以降、ご寄付・カンパによるご支援は、月間目標額350万円に対し、8月は16%、9月は14%、10月は33%、11月は55%にとどまりました。これで1年の3分の1、4ヶ月連続、目標未達となってしまいます!
安定的な活動のための資金が、IWJは不足しています。財政的には厳しい状況が続いており、真実を伝えていく活動の困難を、痛感しています!
12月こそは、有料会員登録と、ご寄付・カンパによる皆様のご支援で、今月こそ、月間目標額に到達させてください! どうぞ皆様、よろしくお願いいたします!
米国の言いつけに、従順に従う、忠実な「同盟国」でありさえすれば、米国が必ず守ってくれるという幻想は、完全に終わりを告げました。
日本は、この国際情勢の変化に鋭く気づき、自らが生き残るために、自らのあり方を変えていけるでしょうか?
変えていかなくてはなりませんが、米帝国の変化への反応が、官民ともにあまりに心もとなく、懸念は尽きません。
肝心なことは、リアルな現実をまず直視することです。大小問わず、ほとんどのメディアが、現実直視を避けています。
IWJは現実を直視し、皆様にお伝えし続けてきましたし、今もお伝えしていますし、これからもお伝えし続けていきます。
しかし、現実は苦いものです。苦い現実を直視したくない心理が働くからこそ、甘い嘘をつくプロパガンダに人は飛びつき、騙されてしまうのです。
我々IWJは、プロパガンダの波にのまれることなく、ジャーナリズムの本道を歩み続けます。
我々は、破滅的な危機を回避できると信じています。しかし、そのためには、リアルを直視し、プロパガンダに流されないことが、絶対に必要です。
IWJは、厳しい経営が続いています。そのIWJの行方は、私達市民が、この苦いリアルと対峙した上で、なお希望をもてるかどうかにかかっています。
市民メディアであるIWJの活動運営費は、約半分が、会員の皆様からの会費によって支えられています。残りの約半分が、ご寄付・カンパによって支えられています。特定のスポンサーをつけず、スポンサーの意向に左右されることもありません! 権力に忖度することも、したことも、1度もありません!
困難は、迫ってきています。今は、東アジアにおいて、日本が、「代理戦争」の「捨て駒」として使われてしまうかどうかの正念場です! そうした事態は、絶対に回避しなければなりません!
しかし、そのリスクは、高市氏が総理大臣となり、小泉進次郎氏が防衛大臣となったことで、残念なことに加速しつつあります!
今期16期、IWJは、日本だけでなく、西側に広がり、やむことのないプロパガンダの毒素にのみこまれず、苦くても真実をお伝えしていきたいと思います!
どうぞ、緊急のご支援のほど、よろしくお願いいたします!
岩上安身 拝
※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!
みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル
城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル
ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
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年会費をまとめてお支払いいただければ、12ヶ月中2ヶ月分がサービスとなります。即ち、一般会員が月1100円で、年間だとその12ヶ月分1万3200円のところ、一括払いなら、1万1000円(消費税込み)となります。
同じくサポート会員が、1ヶ月3300円で、毎月支払ってゆくと、12ヶ月で3万9600円のところ、一括払いですと、3万3000円(消費税込み)ですみます! 2ヶ月分おトクです! ぜひ、ご検討ください!
■<ウクライナ紛争の変換点(その11)>EU首脳会合で、フォン・デア・ライエン欧州委員長ら対露強硬派にして戦争継続派が進めてきた「ロシア凍結資産をウクライナ支援に流用する」融資案が潰れ、EU自身が資金を調達してウクライナ支援をすることで合意! しかし、EU27ヶ国の債務は、すでに約2400兆円、英国を入れれば約3000兆円! EUの共同債務残高は約130兆円、そこに追加のウクライナ支援で900兆円!? ハンガリーのオルバン首相は「ウクライナ人は決して返済できないだろう」と表明! さらにゼレンスキー氏が「日本の高市総理に感謝する」と日本が9000億円のウクライナ支援をするとXに投稿!!
ウクライナ情勢は、ロシアの首都モスクワ、欧州連合本部のあるブリュッセル、米国のマイアミ、そしてウクライナの戦場において、同時進行で激しく動き続けています。
モスクワでは12月17日、ロシア国防省理事会が開催され、プーチン大統領が、和平交渉の如何によらず、「ロシアは軍事力によって歴史的領土(ノヴォロシア=新ロシアと呼ばれるウクライナ東南部を指すと思われる)の解放を達成する」と宣言しました。この発言は、翌18日から、ブリュッセルで開催されるEU首脳会合を意識したものでした。
※Expanded meeting of the Defence Ministry Board(President of Russia、2025年12月17日)
http://en.kremlin.ru/events/president/news/78801
ロシア軍は12月16日、ハリコフ州の要衝クピャンスクを掌握していると発表しました。ドネツク州北部では11日にセベルスクが陥落、ポクロフスクの北西のミルノフラードの包囲網はさらに狭まりました。ザポリージャ州のフリャイポレも「大釜」(軍事的包囲網)に囲まれつつあります。
また、ウクライナにとって、最後に残された黒海に面する港湾都市、オデッサへの攻撃も強化されています。オデッサもまた、ロシアに言わせれば、ロシアの、古い「歴史的領土」にあたります。プーチン大統領の言葉を裏付けるように、ロシア軍は進軍を加速しています。
※ロシア軍、ウクライナ要衝クピャンスク掌握と主張(AFPBB、2025年12月16日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3614190
欧州連合本部のあるブリュッセルでは、12月18日、19日とEU首脳会合が開かれました。
その主題は、敗色濃厚なウクライナを、和平へと導くのではなく、まだ戦争継続させるための資金援助を、「ロシアの凍結資産を流用するか、EUの独自財源で賄うか」でした。
会合は紛糾しましたが、結論は「ロシアの凍結資産を流用」せず、「EUの独自財源で賄う」でした。
狂気じみたEUも、ぎりぎり「理性」の範囲内で判断を下したことになります。
金融機関を信用して預金した資産を凍結して流用するなど、あってはならないことです。そんなことをする権限はEUになく、強行すればロシア側もEUの資金を凍結して、世界的な金融不安が起こりかねないところでした。
欧州市民から直接選挙で選ばれたわけでもないのに、圧倒的な権力をふるうフォン・デア・ライエン委員長は、ロシア凍結資産の流用をゴリ押ししてきましたが、結局、押し通せず、EU内の分裂が明白になりました。
EUによるウクライナ支援は、大きな曲がり角を迎えています。さらにはEUのふるう権力自体への疑念も、日に日に募っています。
※【解説】EUはロシア凍結資産を使う対ウクライナ融資を認めるか ゼレンスキー氏は必要性を強調(BBC、2025年12月19日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cgr1pgjkqzgo
12月19日、EU首脳会合の結論を待つかのように、米国マイアミで、米国のスティーブン・ウィトコフ特使(元々は不動産実業家で、トランプ氏の友人。外交の専門家ではない)、トランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏と、ルステム・ウメロフ氏が率いるウクライナ代表団との新たな交渉が始まりました。
今回は欧州代表として、ドイツ、フランス、英国の欧州国家安全保障顧問、さらにはトルコの外相や、カタールの首相も参加するのではないか、という報道もあります。
また週末には、ウィトコフ特使、クシュナー両氏と、プーチン大統領の特使であるキリル・ドミトリエフ氏との交渉も予定されている、とも報じられました。21日時点では、この情報の確認は取れていません。
※Putin envoy to hold talks with Trump aides on U.S. peace plan in Miami this weekend(AXIOUS、2025年12月17日)
https://www.axios.com/2025/12/18/trump-russia-ukraine-war-peace-talks-putin-envoy-miami
※US intercepts oil tanker off Venezuelan coast, officials say(Reuters、2025年12月21日)
https://www.reuters.com/world/americas/us-interdicting-sanctioned-vessel-off-venezuelan-coast-officials-say-2025-12-20/
※Miami meeting to bring together US and Ukraine’s chief negotiators and European security advisers – journalist(Ukrainska Pravda、2025年12月19日)
https://www.pravda.com.ua/eng/news/2025/12/19/8012680/
18日、19日とブリュッセルで開催されたEU首脳会合について、『BBC』は「EU首脳は、金曜日(19日)の早朝、今後2年間、ウクライナの財政を支えるため、共同で900億ユーロ(約16兆2837億円)の無利子融資を調達することで合意した」と報じました。
前述したように、ロシアの凍結資産の流用は、違法であり、国際的な金融機関の信用を傷つけて、金融危機を招きかねない、という主張が通って、EU自身が自らEU予算を担保として金融市場から資金を借り入れ、900億ユーロを賄い、ウクライナに貸しつけるといいます。
とはいえ、ウクライナは、激しい戦争でインフラが破壊され、GDPが半減し、たとえ今、戦争終結したとしても、復興まで何十年かかるかわかりませんし、返済のメドなどまったく立ちません。
今、和平に応じず、戦争を継続していけば、ウクライナは、さらに領土と人命を失い、インフラ等の損害は、ただただ大きくなるばかりです。
それだけ、貸しつけた金の返済のメドは立たなくなります。何のために、こんな愚行を欧州が続けるのか、まったくわかりません。
ある欧州人は、「今のEUの支配的なエリートは、欧州市民の負担のことも、ウクライナ国民の苦しみも、何も考えていない。クレイジーな連中ばかりで占められている」と、唾棄するようにIWJの取材に対して、語りました。
欧州では、全域で言論統制されているため、ロシア発の情報などは入らず、事実が何であるか、欧州の一般市民はなかなかわからず、さらに真実を語り、主張する者への弾圧も、日ごとに強まっているをひしひしと感じているそうです。
反ロシア派で、戦争継続派の筆頭でもあるポーランドのドナルド・トゥスク首相は、18日の会議の冒頭で、「今日金を払うか、明日、血で払うかだ」と、EU首脳にウクライナへの融資の決断を迫りました。
トゥスク首相の「明日、血で払う」とは、ウクライナに今、金を融資しなければ、近い将来、欧州で血が流されることになる、という意味です。
つまり、ロシアは、ウクライナを征服したあと、その隣国のポーランドや、東欧諸国、そして西欧諸国まで、次々と侵略を続けていくだろうというのです。
「狂気の独裁者」であるプーチン大統領が、新たなロシア帝国を樹立することを目論んでいるからだ、というわけです。
しかし、そんなにロシア軍が強大で、「死に体」のウクライナはもとより、欧州までも侵略されるんじゃないかと不安で仕方ないなら、ウクライナ紛争の和平をなぜ急がないのだろうかと、首をかしげたくなります。
ウクライナの経済力、軍事力はもはやゾンビのような状態で、外部から絶えず、資金を注ぎ込まなければ、年内にも降伏せざるをえません。
言い換えるならば、EUがここで資金を出さなければ、ゼレンスキーらがどうあがこうと、和平に応じざるをえないのです。
しかし、そういう話になると、ウクライナに資金を投入して、戦争を継続させれば、まだまだ、劣勢を挽回し、逆転の見込みすらある、という話になるのです。
なぜなら、ロシア軍は、優勢だといっても、接触線上でにらみあっていた頃から比べて、ウクライナの領土の0.1%しか取っていない、つまり、ロシア軍の実力など大したことないから、まだまだウクライナに資金と武器を援助しさえすれば、巻き返して、ロシア軍を押し返せる可能性がある、というのです。
こうした論理で、「負け戦さへの追い銭」を正当化する論調は、ウクライナを支援する、日本を含む西側の国々の政府や、西側のマスメディア、さらにはSNSに至るまで、広く用いられているロジックです。
たしかに、ロシア軍は、ウクライナ程度の小国を、3年半かかっても全面征服できていません。ウクライナへの支援の仕方次第では、逆転も許してしまうほど、たいしたことない軍隊である、という評価も、一理あるように思う人も少なくないでしょう。
しかし、そうであるならば、ロシア軍が、新ロシア帝国を樹立すべく、ウクライナの全面征服後、ポーランドやバルト三国、東欧諸国、そして西欧まで、怒涛の侵略を企てている、などという話は、到底、実現不可能な、滑稽な話になってしまいます。
第2次大戦中に、ソ連領土内まで攻め込んできたナチス・ドイツ軍を、死闘の果てに破って、ベルリンまでめくり直していったソ連赤軍のようなパワーを、今のロシア軍はもっていないと、西側自ら、評価していることになります。
そうであれば、プーチン大統領率いるロシア政府が何度も繰り返し主張しているように、「ロシアが新たな帝国を築こうとしている、というのは、西側のでっち上げたプロパガンダである」という言い分の方が、はるかに真実に近いのではないか、と考えざるをえません。
ロシアは、西欧まで征服しようとしているから危険だ、しかしロシア軍などちっぽけで、ウクライナの領土のわずかな面積を支配するのもやっとだという、まったく矛盾した情報を、ほぼ同時に、日本を含む西側の政府やマスメディアが、連日のように言い立てています。
それを聞くと、まったくつじつまのあわない苦しまぎれの、頭の悪いプロパガンダを、聞かされていることがわかります。
欧州は、ただただウクライナで時間稼ぎをして、その間に急いで軍拡し、ロシア軍と直接対決しようと考えているのかもしれません。
しかしそうなれば、ロシア側は、極超音速ミサイルの弾頭を、戦術核の弾頭につけかえるかもしれません。
欧州側も、核をもっているので、核の撃ちあいとなり、誰も勝者のいない核戦争にまで、エスカレートするかもしれません。
※Fraught EU summit backs Ukraine but divisions are clear(BBC、2025年12月19日)
https://www.bbc.com/news/articles/cjezpd95v71o
戦争継続のための資産の話に戻します。
『日刊IWJガイド』12月9日号でお伝えしたように、EU圏内にあるロシアの凍結資産のほとんどを保有するベルギーは、12月1日、ロシアからの報復を恐れ、凍結されたロシア資産1400億ユーロを、ウクライナ支援に流用する計画を拒否しました。
同時に、EU中央銀行(ECB)も、ロシアの凍結資産を流用するウクライナ向け1400億ユーロ融資への関与を拒否しました。
ベルギーとEU中央銀行が、ロシアの凍結資産の流用を拒否したことで、事実上、12月2日には、フォン・デア・ライエン欧州委員長が推進する、ウクライナ向け1400億ユーロ融資にロシアの凍結資産を流用する案は、頓挫することになったのです。
※<ウクライナ紛争の転換点(その8)>ウクライナ紛争の全局面でロシア軍が圧倒的優勢! 米国交渉団とプーチン大統領の和平会談は結論が出ず! 他方、米国案とは別にロシアに不利な和平案を持ち出してきた欧州に対し、プーチン大統領は「欧州が戦争を仕掛けてきても、我々は準備ができている」と宣言!! 欧州側と足並みをそろえている高市政権は、戦況の現実認識ができているのか!? ベルギーと欧州中央銀行は、凍結したロシア資産の流用を拒否し、欧州内部で分裂が進む一方、英独仏は対露強硬姿勢を崩さず、独国防大臣からは「数年以内に『欧州対ロシア』の戦争勃発の可能性」という声も上がる!
(日刊IWJガイド、2025年12月9日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20251209#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55278#idx-1
にもかかわらず、フォン・デア・ライエン委員長らは、その後も諦め悪く、12月12日には、欧州域内にある2100億ユーロ(約38兆円)のロシア資産を無期限に凍結するなどの対抗措置をとることを決定しました。
この合意からは、あくまで戦争継続に反対するハンガリー、スロバキアなどを排除した上で、形式的に全会一致の形をとりました。
※EU、ロシア資産の無期限凍結で合意 対ウクライナ融資計画への活用を念頭(BBC、2025年12月13日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/ckgzzwnw17wo
このEUによる、ロシア資産の無期限凍結という措置に対して、これまで「ロシア資産の凍結と流用は、窃盗である」と、言葉だけで反論してきたロシアも、ついに具体的な行動で反撃に出ました。
12月15日付『TASS』は、ロシア中央銀行が、ベルギーに拠点を置く金融機関「ユーロクリア」を相手取り、約18兆2000億ルーブル(約35兆円相当)の損害賠償を求める訴訟を、モスクワ仲裁裁判所に提起した、と報じました。
「ユーロクリア」は、現在EUとG7が凍結している約3000億ユーロ相当のロシア資産のうち、1850億ユーロ(約34兆円)を保管しています。
モスクワ仲裁裁判所広報部は、「2025年12月12日、モスクワ仲裁裁判所は、ロシア連邦中央銀行からユーロクリア銀行に対する請求通知を受領した。請求額は18兆1729億7190万3836ルーブル(36兆1824億2340万6481円)である」と発表しています。
12日は、EUがロシア資産の無期限凍結で合意した、まさにその日です。
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◆中継番組表◆
**2025.12.22 Mon.**
調整中
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◆中継番組表◆
**2025.12.23 Tue.**
調整中
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■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】
■【第1弾! ミス・フィンランドが東アジア人を蔑視する「吊り目」写真をSNSに投稿した事件の余波! レイシズム丸出しのポーズを「何が悪い」と、連立与党で急進右派の「フィン人党」の議員ら3人が、SNSに「吊り目」写真を投稿! オルポ首相が日中韓の大使館を通じて謝罪するも、議員らは形式だけの謝罪のポーズでさらに炎上!】こんな人種差別意識丸出しの連中が「反グローバリスト」!? フィンランドは他の欧州諸国と比べ、人種差別意識が高いという調査結果も! 東アジア人全体を差別し不快にさせて、何が楽しいのか!?(BBC、2025年12月17日)
フィンランドで起きた、東アジア人への差別問題の余波がおさまりません。
ここまでの経緯を、振り返っておきましょう。
ミス・ユニバース世界大会のフィンランド代表のサラ・ジャフチェ氏が、11月末、SNSに「中国人と食事中」というキャプションとともに、目尻を引っ張った「吊り目」の笑い顔の写真を投稿しました。
「吊り目」を強調するゼスチャーは、伝統的に東アジア人に対する侮蔑的な人種差別のポーズです。当然ながら、サラ・ジャフチェ氏は、SNS上で批判され、結果、ミス・フィンランドの称号を剥奪されました。
問題が、深刻化したのは、実はここからです。
この剥奪処分に対して、フィンランドの連立与党である急進右派政党「フィン人党」のユホ・エーロラ議員、カイサ・ガレデウ議員、セバスティアン・ティンキュネン欧州議会議員の3人が、「キャンセルカルチャーだ」などと反発し、サラ・ジャフチェ氏に「連帯」を表明するとして、SNSに同様の「吊り目」の写真を投稿し、問題を激化させました。
明らかな人種差別ポーズに対して、有権者の代表である与党議員が「連帯」を示す、ということ自体、どういうつもりなのか、アジア人への人種差別の肯定の表明なのか、と問いただしたくなるのは当然のことです。国境を超えて、非難はさらに殺到しました。
12月17日付『BBC』は、サラ・ジャフチェ氏のSNSへの投稿は、「日本や韓国、中国でジャフチェ氏に対する批判を呼び、さらにフィンランドの代表的な航空会社フィンエアーにまで影響が波及した」とした上で、「フィンランド国内では15日、ペッテリ・オルポ首相が『このようなジェスチャーをするのは軽率で愚かだ』と騒動に言及。この騒動は『国にとって有害だ』と語った」と報じています。
※ミス・フィンランドの「つり目」写真、東アジア各国で人種差別と激しい批判(BBC、2025年12月17日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cj387xxrgdxo
SNSに多くの批判が寄せられたフィンエアー(フィンランド航空)日本支社は、12月16日、X(旧ツイッター)に、以下のように投稿しました。
「一部のフィンランド議員が言及した発言や投稿は、フィンエアーの価値観を示すものではありません。
我々は、いかなる差別行為や不適切な言動も容認しません。
多様なバックグラウンドを持つ社員と、世界中のお客様に支えられる航空会社として、全ての方に敬意をもってお迎えすることをお約束します」。
※フィンエアー日本支社のXへの投稿(2025年12月16日)
https://iwj.co.jp/up/text_nig.php
★もとはといえば、ジャフチェ氏個人の軽率な投稿から始まった騒動です。彼女の誠実な反省と謝罪があり、連立与党の議員が、人種差別に対する「連帯の表明」などという愚行がなければ、ことは早期におさまったことでしょう。
しかし、その後の事態の推移は、あまりに誠実さを欠くものでした。
フィンランドの『イルタ・サノマット』紙を引用した、上記『BBC』の記事によると、ジャフチェ氏の写真は「夕食中の頭痛」のジェスチャーであり、後日つけられたキャプションは、「本人の同意なしに友人が追加したもの」だと弁明しているというのです。
笑いながら、目を吊り上げている写真が、頭痛時のものとは到底、信じられません。
自分でポストしたのではなく、他人に責任転嫁するところも、子供じみているとはいえ、反省の色など見えない言い訳としか受け取れません。
謝罪や反省を示すせっかくの機会を台なしにしたジャフチェ氏は、東アジア各国の市民の怒りに、ガソリンを投下しました。
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こうした有色人種に対する優越意識や人種差別意識は、フィンランド人に限らず、欧州人に広く、根づいていると考えられます。
ヨーロッパにおける人種差別は、根深い問題であり、ヨーロッパ各国の中で、各国の国民の利益を優先すべきと主張する「反グローバリスト」政党が台頭して、EUやNATOなどの超国家組織が推し進めるウクライナ戦争をやめるように主張する、好ましい一面がある一方、移民排斥を主張して、その行き過ぎで、人種差別的な傾向を帯びていることも否定できません。今回のフィン人党も、そうした「反グローバリズム」政党のひとつです。
各国の国民の利益を優先すべき、という「反グローバリズム」政党には、明と暗の部分があるといえます。
「グローバリズム対反グローバリズム」という二項対立の図式に単純化されると、今回のような「反グローバリスト」の中にある、人種差別意識に鈍感になってしまいます。
東京経済大学の早尾貴紀教授は、岩上安身によるインタビューの中で、エマニュエル・カントや、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルや、ユルゲン・ハーバーマスといった、欧州を代表するドイツの哲学者らが、実は、歪んだヨーロッパ人優越意識や有色人種に対する差別意識の持ち主で、現代人であるハーバーマスに至っては、パレスチナ人虐殺を肯定するシオニズムへの加担者であることを、厳しく指摘しています。
ぜひ、以下のインタビューも、この機会に視聴いただき、フィンランドに限らない、欧州における根深い差別意識の問題について、知る機会にしていただければと思います。
※岩上安身によるインタビュー第1202回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第1回(前編)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/528676
※岩上安身によるインタビュー第1202回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第1回(後編)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/528735
※岩上安身によるインタビュー第1207回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第2回(前編)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529197
※岩上安身によるインタビュー第1207回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第2回(後編)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529214
※岩上安身によるインタビュー第1208回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第3回(その1)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529646
※岩上安身によるインタビュー第1208回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第3回(その2)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529672
※岩上安身によるインタビュー第1208回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第3回(その3)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529673
※岩上安身によるインタビュー第1208回ゲスト 東京経済大学教授 早尾貴紀氏 第3回(その4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/529674
なお、サラ・ジャフチェ氏の投稿に端を発した、アジア人蔑視問題に対しては、政治的にぎくしゃくすることの多い日中韓も、この点に限っては、連帯して、アジア人全体への差別、あるいは有色人種全体への差別への抗議を行うべきではないか、と思います。
明確に声を上げ、抵抗の意志を示さない限り、人種差別を行う側に、差別された側の傷の痛みや不快感を伝えることはできないからです。
(IWJ)
■【第2弾! ウクライナのゼレンスキー政権の汚職まみれの面々と同じく、汚職容疑で裁判中のイスラエルのネタニヤフ首相が、厚かましいことに、ヘルツォーク大統領に恩赦を要請! なぜか、米国のトランプ大統領も、ネタニヤフ首相の恩赦をヘルツォーク大統領に要求! 内政干渉もはなはだしい! 一方、捜査当局から流出した、関係者数百人に対する1000時間以上の取り調べ映像をもとにしたドキュメンタリー映画『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』が公開中!】(ロイター、2025年12月1日)
2016年に汚職が発覚し、2019年に収賄・詐欺・背任などの罪で起訴された、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、11月30日、厚かましいことに、アイザック・ヘルツォーク大統領に恩赦を正式に要請しました。
※ネタニヤフ氏、汚職裁判で異例の恩赦要請 「イスラエルに利益」(ロイター、2025年12月1日)
https://jp.reuters.com/world/security/YKUWKYFXNFIVPIZBLGPAYVOAGM-2025-11-30/
これより前、11月12日には、ネタニヤフ首相の恩赦を求めるドナルド・トランプ米大統領の書簡を、ヘルツォーク大統領が受け取ったことも報じられています。
なぜ、米国の大統領が、汚職容疑のかかっている他国の首相について、恩赦するよう要請するのか、理解しがたいと言わざるをえません。三権分立と、他国の内政への干渉でもあります。個人的に、トランプ氏とネタニヤフ氏が親しいからといって、私情を持ち込むことも許されることではありません。
※トランプ氏、ネタニヤフ氏への恩赦要請 イスラエル大統領に(ロイター、2025年11月13日)
https://jp.reuters.com/world/us/CDWV4WMFP5PC5GR3CEVQ5F53HQ-2025-11-12/
ネタニヤフ首相の汚職に関しては、タイミングよく、重要なドキュメンタリー映画の上映が日本で始まっています。
11月8日には、ドキュメンタリー映画『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』が東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開され、全国で順次公開される予定です。
※ネタニヤフ調書 汚職と戦争(株式会社トランスフォーマー)
https://transformer.co.jp/m/thebibifiles/
★この映画は、イスラエルの捜査当局から流出した、ネタニヤフ首相への尋問映像などで構成されています。流出した、関係者数百人に対する取り調べ映像は、1000時間以上にも及びます。
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岩上安身による放送大学名誉教授・高橋和夫氏インタビューは、以下のURLからご視聴ください。
※「絶望」に突き動かされたハマスがイスラエルを急襲! イスラエルは、「報復」の名のもとに「民族浄化」を開始! パレスチナ人の「完全追放」まで至るのか!?「第2のナクバ」に~岩上安身によるインタビュー第1137回 ゲスト 放送大学名誉教授 高橋和夫氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519653
※ロシアはインドに最新兵器を輸出する一方、ウクライナ紛争でロシアにドローンを輸出したイランには、最新兵器を渡さず、イランはロシアに不信感を持っている!? イスラエルはイランの体制転覆を望んでいるが、そんなことができるのか!? 倒した後、民主的な指導者が出てくるのか!? 岩上安身によるインタビュー第1199回ゲスト 放送大学名誉教授・高橋和夫氏(前編)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/528228
※親米・親イスラエルへのイランの体制転覆は、パキスタンが受け入れない! インド・パキスタン紛争の空中戦で、圧勝したパキスタンが使ったのは、中国製戦闘機! ロシア製の最新兵器を提供してもらえないイランも、中国製兵器の導入を検討中! 岩上安身によるインタビュー第1199回ゲスト 放送大学名誉教授・高橋和夫氏(後編)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/528289
(IWJ)
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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵)
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