日刊IWJガイド・非会員版「米国のウクライナ追加支援608億ドルで「ウクライナ戦況は何の変化もない」!(米国防総省元顧問のクフャトコフスキ退役空軍中佐)」2024.4.25号~No.4210


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~米国のウクライナ追加支援608億ドルにさまざまな反応!「ウクライナ戦況は何の変化もない」!(米国防総省元顧問のカレン・クフャトコフスキ退役空軍中佐)「ウクライナ軍が11月の米大統領選挙まで持ちこたえ、バイデン氏のイメージを損ねなければいい」!(ロシア外務省、マリア・ザハロワ報道官)!

■経済的にピンチのIWJへの応援・ご支援をお願いします!! IWJへのご寄付・カンパの月間目標額達成率は、先月3月は162万2511円、目標額の41%の達成率でした! 11月から3月までの5ヶ月間は連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります! 今後も目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が出てきます! 4月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、今期5ヶ月間の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■モディ首相率いるインド人民党が掲げる「ヒンドゥー至上主義」の闇第4弾!『ヒトラー』と名付けられたアイスクリームが販売されている! 家庭用家具会社は、『ナチス・コレクション』と名付けたシーツと枕カバーの製品ラインを宣伝!

■「もしトラ」を見据えて麻生太郎氏がトランプ氏と会談。これまで日本の資産を切り売りしてきた麻生氏の「口約束」の中身は?

■本日のニュースの一撃!

■【第1弾! ドイツ軍兵士3000人がリトアニアの軍事演習に参加!】産業経済が崩壊中のドイツのショルツ首相は、米国がウクライナへの武器・弾薬追加支援に踏み切ったことで、ウクライナ戦争の支援、「やる気満々」!(『RT』、2024年4月22日)

■<IWJ取材報告 1>2024年1月に5人が死亡した海保機とJAL機の衝突事故の背景を、解雇されたパイロットらが指摘! 安全にかかわる問題点の大半が、JALや国土交通省に改善を求めてきたことだった!~4.11 羽田空港衝突事故を振り返る4・11緊急院内集会

■岸田政権が自衛隊の指揮権を米軍に譲渡という「愚挙」特集! <取材報告>2連打!

■<IWJ取材報告 2>岸田政権が強行する自衛隊の「米衛隊」化! 日本の国家主権喪失の危機!「自衛隊の指揮権を米軍にゆだねることは、国家主権の放棄では?」とのIWJ記者の質問に「自衛隊によるすべての活動は我が国の主体的な判断のもとで日本国憲法、国内法令等に従って行われる」と上川大臣~4.16 上川陽子 外務大臣 定例記者会見 いざ戦争が始まったから、米軍の指揮下のもとで日本の自衛隊が動かされることに同意しているのに、いちいち口を差しはさむことができるというのか!? 非現実的なごまかしの発言!!

■<IWJ取材報告 3>岸田政権が、安倍政権以上に、前のめりに邁進している自衛隊と米軍の一体化は、日本の安全保障にかなうのか!? 米軍の下請けとして主体的な判断ができなければ、日本にとっては、むしろリスクが高まっていく!!~4.19 立憲デモクラシーの会 記者発表「自衛隊と米軍の『統合』に関する声明」
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■はじめに~米国のウクライナ追加支援608億ドルにさまざまな反応!「ウクライナ戦況は何の変化もない」!(米国防総省元顧問のカレン・クフャトコフスキ退役空軍中佐)「ウクライナ軍が11月の米大統領選挙まで持ちこたえ、バイデン氏のイメージを損ねなければいい」!(ロシア外務省、マリア・ザハロワ報道官)!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 一昨日もお伝えした20日に米国下院で可決されたウクライナ追加支援608億ドルですが、この決定をめぐり、代理戦争を行っているロシア側と米国側から、さまざまな反応が起きています。

※【日本の「人でなし知識人たち」シリーズ(2)米国のウクライナ支援608億円の下院可決を賞賛する愚か者たち! このウクライナへの軍事支援の借款部分は最終的に日本が肩代わりする密約がある!?】(『BBC』、2024年4月21日ほか)(日刊IWJガイド、2024年4月23日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240423#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53435#idx-5

 20日付『RT』は、この予算案に反対票を投じた共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出)について、次のように報じています。

 「ジョンソン氏の議長交代を要求しているマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出)は、土曜日(20日)の採決を『卑劣』と呼んだ。『ウクライナの死体で煽られた軍産複合体の血で血を洗う戦争に資金を提供するのではなく、平和を求めるべきです』と付け加えた」。

※US House approves Ukraine aid bill(RT、2024年4月20日)
https://www.rt.com/news/596319-us-ukraine-aid-bill/

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、この予算案について、次のように述べたと、21日付『スプートニク日本』が報じています。

 「ザハロワ氏はさらに、ホワイトハウスはありえもしないウクライナの勝利にはすでに期待をかけておらず、ウクライナ軍がせめて11月の米大統領選挙までの間は持ちこたえ、バイデン氏のイメージを損ねなければいいと考えていると述べた」。

 たしかに、バイデン氏にとって、自分の任期中に始めた「代理戦争」で、「捨て駒」のゼレンスキー政権が白旗をあげてしまったら、自分の権力欲しか考えない政治屋は、選挙に大きくマイナスになると考えるのかもしれません。

※失敗確実のゼレンスキー政権救済策 米国が躍起になる理由=ザハロワ報道官(スプートニク日本、2024年4月21日)
https://sputniknews.jp/20240421/18244056.html

 また、ザハロワ氏はこうも述べています。

 「米国政権のエリートらは所属政党の如何に依らず、ウクライナ政権に武器をふんだんに与えることで、最後の1人になるまでウクライナに戦わせ、ロシア領内の民間インフラにテロ攻撃をさせる気だ」。

 「米国はウクライナ紛争に深入りすればするほど反撃を食らい、ベトナムやアフガニスタンでの戦争と同じく、みじめな大敗退を期すだけだ」。

※失敗確実のゼレンスキー政権救済策 米国が躍起になる理由=ザハロワ報道官(スプートニク日本、2024年4月21日)
https://sputniknews.jp/20240421/18244056.html

 米国内では、米実業家のデイビット・サックス氏やイーロン・マスク氏が、この予算案に鋭く反応しています。

 デイビット・サックス氏は、21日のXへのポストで次のように、この608億ドルの数字の意味を解き明かしています。

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■経済的にピンチのIWJへの応援・ご支援をお願いします!! IWJへのご寄付・カンパの月間目標額達成率は、先月3月は162万2511円、目標額の41%の達成率でした! 11月から3月までの5ヶ月間は連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります! 今後も目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が出てきます! 4月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、今期5ヶ月間の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 しかしながら、IWJの財政は、本当に厳しい状況にあります!!

 3月は31日間で、135件、162万2511円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 しかしながら、この金額は、月間目標額の41%の達成率にとどまっています。

 今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から3月まで、5ヶ月連続で目標金額に到達しておらず、この5ヶ月間の不足額の合計は、972万3789円にもなってしまいました。

 もし、4月も目標未達となると、年の半分が未達確定となり、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう具体的な可能性が出てきました。

 4月のご寄付・カンパの状況は、4月1日から22日までの22日間で、73件、328万円です。

 これは、月間目標額の82%に相当します。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 4月こそは、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2024.4.25 Thu.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.4.26 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

米国環境保護局(EPA)が飲み水のPFAS濃度の全国基準を最終決定!!「日本の暫定目標値見直しの参考とするか?」とのIWJ記者の質問に「諸外国や国際機関における動きの一つとして参考にしていく」と伊藤大臣!!~4.23 伊藤信太郎環境大臣定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522754

「1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み『米国の利益のための戦争をする国作り』に直結した!」~岩上安身によるインタビュー 第1154回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522670

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■モディ首相率いるインド人民党が掲げる「ヒンドゥー至上主義」の闇第4弾!『ヒトラー』と名付けられたアイスクリームが販売されている! 家庭用家具会社は、『ナチス・コレクション』と名付けたシーツと枕カバーの製品ラインを宣伝!

 昨日もお伝えした「ヒンドゥー至上主義」の闇の第4弾です。

※はじめに~総選挙で3選が間違いないとされるモディ首相率いるインド人民党が掲げる「ヒンドゥー至上主義」の闇第3弾! インドでは17%がヒトラーを『インドが持つべき指導者』として支持! 高学歴インド人もヒトラーを称賛!! ヒトラーの回顧録『我が闘争』はビジネススクールの必読書! ヒトラーは「ヴィシュヌ神の生まれ変わり」という説さえ議論! インド人民党の支配が長期にわたって続けばアーリア人(白人)優越主義(カースト最上位のバラモンはアーリア人扱い)で世界最大のネオナチ人口を持つヒンドゥー・ファシズム国家となる可能性!(日刊IWJガイド、2024年4月23日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240424#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53439#idx-1

 インドで、ナチスやヒトラーが罪悪感なく親しまれているという状況については、2015年6月2日付けのインドのメディア『ヒンドゥスタン・タイムズ』が、「ウッタルプラデーシュ州で製造され、『ヒトラー』と名付けられたアイスクリームのコーンの写真がSNS上で拡散し、世界中から激しい非難を浴びている」と報じています。

※Tasteless but true: Made in India Hitler ice-cream, cafe(Hindustan Times、2015年6月2日)
https://www.hindustantimes.com/india/tasteless-but-true-made-in-india-hitler-ice-cream-cafe/story-C6usCqTUqv4zAeU30b0GVM.html

 この記事によると、このアイスクリームコーンを製造する会社のオーナーは、「短気な性格から『ヒトラー』とあだ名された叔父にちなんで名付けた」と答え、「この村でコーンを買う人は、ヒトラーについて何も知らないと思いますよ」と述べています。

 この記事は、「インドでは、ブランドイメージとしてヒトラーが使用されることは、以前からあった」として、次のように報じています。

 「2006年には、入り口にヒトラーの肖像画を備えた『ヒトラーズ・クロス』というカフェが、ムンバイにオープンし、2011年には、ナーグプールに『ヒトラーの巣窟』というビリヤード場がオープンした。ユダヤ人団体の批判を受けて、両者の名前は変更された。

 2007年、ムンバイの家庭用家具会社は、『ナチス・コレクション』と名付けたシーツと枕カバーの製品ラインの宣伝に、鉤十字(ハーケン・クロイツ)を使用した。同社は、この名前は『インドの新到着地(New Arrival Zone for India)』の略だと主張した」。

 この家具会社の弁明は、さすがに苦しい言い訳だったと考えたいところですが、本気で「インドの新到着地」が「ナチス」だと考えていたとしたら、それはそれで大問題です。

 「5年後、アーメダバードの2人のビジネスマンが、『ヒトラー』という名の衣料品店をオープンし、ユダヤ人の怒りを買った。そのロゴは、『i』の上に、赤い鉤十字が描かれていた。

 映画の世界でも、ナチス指導者への言及が物議を醸している。2011年の映画『親愛なるヒトラー』は、インドで『ガンジーとヒトラー』という題名で公開され、マハトマ・ガンジーとヒトラーの間の手紙のやりとりに焦点が当てられた。

 1996年のマラヤーラム語映画『ヒトラー』は、タフな性格からヒトラーにちなんであだ名を付けられた男が主人公だった。

 オニダ、ルクソール、ヒューレット・パッカードなどの有名ブランドは、広告にヒトラーのイメージを使用している。故バル・サッカレー氏(インドの著名な右翼政治家)は、ヒトラーの政治と政策に対する称賛を公に語っている」。

 なぜ、インドでヒトラーが大衆に受け入れられているのかについて、2015年6月2日付『ヒンドゥスタン・タイムズ』は次のように指摘しています。

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■「もしトラ」を見据えて麻生太郎氏がトランプ氏と会談。これまで日本の資産を切り売りしてきた麻生氏の「口約束」の中身は?

 自民党の麻生太郎副総裁は4月24日朝、トランプ前米大統領と米ニューヨーク市にあるトランプタワーで1時間にわたって会談しました。

 トランプ氏は今、大統領選の選挙運動にあって、「不倫口止め料疑惑」の刑事裁判で連日裁判所に出席していますが、そんな多忙な中で時間を確保して麻生氏と会ったというのですから、この会談は「もしトラ」の際、「日米関係にとって重要な会議」だったと、位置付けられるかもしれません。

 会談前には、トランプ氏は報道陣に「麻生氏は素晴らしい人で、お互い大切な友人の偉大なシンゾー(安倍晋三元総理)を通して知り合った」と麻生氏を持ち上げました。

 林芳正官房長官は24日の記者会見で「麻生氏の訪米は一議員として行われたものだ。政府として関与していない一議員の活動にコメントすることは差し控えたい」と、バイデン政権と政権与党である米民主党に配慮した言い方をしていますが、日本政府としては、トランプ氏の再選を考慮した関係構築をしておくことは当然の外交戦略といえるでしょう。

 日本以外にも、ポーランドのドゥダ大統領、イギリスのキャメロン外相、ハンガリーのオルバン首相など、トランプ氏再選を見据えた「トランプ詣で」は活発化しています。

 麻生氏としても、もしかしたらトランプ氏再選時には、自身も岸田政権退陣後の「総理大臣」として、良好な関係を構築している「もしタロ」を視野に入れているのかもしれません。

 気になる麻生・トランプ氏の会談の内容ですが、会談後にトランプ陣営から出された声明によると、両者はインド太平洋地域の安定のための日米同盟の重要性について話し合ったほか、中国と北朝鮮の問題をめぐっても意見を交わしたといいます。

 また、トランプ氏は、日本の防衛費増額を称賛したと伝えられています。米国の軍事支出を抑えたいトランプ氏にとって、日本が米国側として東アジアの「防波堤」になってくれることは歓迎すべきものでしょう。

 今回の会談内容について、これ以上のことは現状報じられていません。

 しかし麻生氏のこれまでの発言などを鑑みると、トランプ氏との間で日本の資産を切り売りしたり、今以上の防衛費負担をしたり、日本を「ウクライナ」と同様の「捨て駒」にするような「口約束」を結んでいてもおかしくはありません。

 というのも、麻生氏は2013年、米ワシントンDCにある超党派シンクタンクCSIS(米戦略国際問題研究所)での講演で、「日本の水道を全て民営化します」と発言し、日本の公共インフラである水道への外資参入を、米国に約束した過去があるからです。

※「日本のすべての水道を民営化します」~マスコミが一切報じない我が愛すべき「麻生さん」の超弩級問題発言
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/95944

※(続報)外資が狙う日本の水道事業 ~マスコミが一切報じない我が愛すべき「麻生さん」の「水道民営化」発言
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/97834

※「貧乏人は水を飲むな」は対岸の火事ではない ――政府が進める水道料金値上げと完全民営化 ~マスコミが一切報じない我が愛すべき「麻生さん」の「水道民営化」発言
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/134990

 トランプ氏はこれまで、ウクライナ問題について、自身が大統領になったら「24時間以内に」戦争を終結させると発言してきました。

 最近になって、ウクライナへの追加支援を求める声を押さえきれず、「停戦」から「継戦」に「宗旨変え」したのか、2月に行われた支持者集会では、米国のウクライナへの支援について「無条件で資金を提供するのではなく貸付金にすべきだ」などと語っています。

※トランプ氏再選なら「ウクライナに一銭も出さない」とハンガリー首相 米支援停止で戦争終結と(BBC、3月12日)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cp4lzjx4w48o

 ここ最近は、大統領選を見据えてか「ウクライナの存続は我々にとっても重要だ」などと発言していますが、「米国よりも欧州にとってはるかに重要だ」「なぜ欧州は米国から投入された資金に匹敵する額を提供できないのか?」とも語っており、米国がより多く負担することに否定的なスタンスを崩していません。トランプ氏は、金、金、金がすべてなのです。金を出す国や人間ならば、厚遇しようという、わかりやすいスタンスの持ち主である、と言っていいと思われます。

 問題は、トランプ氏が言い出した、事実上、経済が破綻しているウクライナに、ローンで貸付けよう、という発想です。すでに「破産」している者に、なぜ「追い銭」を貸し込むのか。取りっぱぐれになって「貸し倒れ」になるだけではないか。金に厳しいトランプ氏が、どうしてこんな「大甘」の「追い貸し」を認めるのか、というかねてからの疑問に対し、ウクライナの代わりに支払ってくれる「保証人」が現れたからだ、ということで謎が解決しました。

 ウクライナの代わりに金を支払ってくれる「保証人」とは、なんと、我が日本だったのです。

 林官房長官が4月22日の会見で、日本がこれまでに約121億ドル(1兆8700億円)のウクライナ支援を表明してきたと発言しました。

 世界銀行を通じては55億ドルの財政支援を実施し、ウクライナが返済できない場合は、日本がいわゆる「保証人」として50億ドル分までは現金で債務を負担することになっているといいます。

 日本国民に対し、こんな重大な支出について、事前の説明や提案も、同意も得ずに、こんな「お人よし」の「保証人」となることを引き受けてしまったのです。

 ウクライナに勝ち目はまずありませんから、ウクライナ人が最後の1人になるまで、ロシアとの「半永久的な戦争」が続くことになります。その場合、米国の武器をローンという形で投げ込み、あとは日本にツケ回しをするという「スキーム」ができ上がってしまった、というわけです。「50億ドル分まで」という約束が、のちのち撤回されて、増額されてゆく可能性は高い、と思われます。

 米国兵士は死なず、米国の財政も痛まず、米国の軍需産業は次から次へと兵器を作って、ウクライナへ投げ込んで、ロシアに壊され、また新たに投げ込み、払いは日本が持つ、というのですから、こんな「戦争ビジネス」を米国がやめるわけはありません。

※日本のウクライナ支援、これまでに1兆8700億円=林官房長官(スプートニク、4月22日)
https://sputniknews.jp/20240422/18700-18247762.html

 米国の負担を各国に肩代わりすることを是とするトランプ氏と、これまで日本の資産を切り売りすることを約束してきた麻生氏。この二人が、ウクライナ問題に対しても、日本がより一層の負担を強いられる「口約束」を結んでいてもおかしくはありません。

■本日のニュースの一撃!

■【第1弾! ドイツ軍兵士3000人がリトアニアの軍事演習に参加!】産業経済が崩壊中のドイツのショルツ首相は、米国がウクライナへの武器・弾薬追加支援に踏み切ったことで、ウクライナ戦争の支援、「やる気満々」!(『RT』、2024年4月22日)

 23日付『RT』が、22日にリトアニアで始まった「グランド・クアドリガ2024」演習に、3000人以上のドイツ軍人が参加した、と報じました。「グランド・クアドリガ2024」演習は、5月下旬まで続く予定です。

 4月の初めに、ドイツ政府は、軍事チームをリトアニアに派遣しました。ロシア政府は、これに対して、「特別措置」(軍事的に対抗する準備)が必要な脅威であるとみなしています。

 4月8日、ドイツ軍の第一陣がリトアニアに到着、2027年までに5000人のドイツ軍人が配備される予定です。

 リトアニアは、旧東欧諸国の中でも、ロシアに対して敵対的な姿勢をとり続けているバルト三国のひとつで、ロシア本土と直接国境を接してはいませんが、バルト海に面したロシアの飛地であるカリーニングラード、ポーランド、ベラルーシに国境を接しています。

 「グランド・クアドリガ2024」演習は、1月下旬に始まったNATOの大規模な軍事演習「不動の防衛団24(Steadfast Defender 24)」の一部です。

 「不動の防衛団24」は、この数十年間で最大のNATOの軍事演習であり、全加盟国32ヶ国から、約9万人の兵士、戦車133台、歩兵戦闘車533台など、合計1100台の先頭車両、50隻以上の海軍艦艇、80機以上のヘリコプター、ドローン、戦闘機が参加しています。

 「グランド・クアドリガ2024」演習には、ドイツ軍の主力級戦車であるレオパルト戦車や、プーマ、ボクサー歩兵戦闘車など200台が参加します。

 ロシア安全保障会議書記のニコライ・パトルシェフ氏は、NATOの軍事演習に対して、「ロシアとの武力衝突のシナリオをリハーサルしている」と、明確に批判しました。当然、ロシアもそうしたNATOの姿勢に対して備える、ということも、この言葉は意味していると思われます。

※Germany holds large-scale military drills near Russian border(RT、2024年4月23日)
https://www.rt.com/news/596453-german-troops-drills-lithuania-russian-border/

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■<IWJ取材報告 1>2024年1月に5人が死亡した海保機とJAL機の衝突事故の背景を、解雇されたパイロットらが指摘! 安全にかかわる問題点の大半が、JALや国土交通省に改善を求めてきたことだった!~4.11 羽田空港衝突事故を振り返る4・11緊急院内集会

 今年1月2日に、羽田空港で、海上保安庁の飛行機と日本航空(JAL)の旅客機の衝突事故が発生しました。

※はじめに~羽田空港C滑走路上で日本航空A350型機と、令和6年能登半島地震の救援活動に向かうところだった海上保安庁のJA722A機が衝突! A350型機は炎上するも、乗客乗員は全員無事避難、一方海上保安庁の乗組員は6名のうち5名が死亡! 管制官の指示を海上保安庁機側が取り違えたのが事故原因か!? 令和6年能登半島地震の救援活動中に殉職された、5名の海上保安庁の乗組員の皆さまのご冥福を祈ります。(日刊IWJガイド、2024年1月4日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240104#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53088#idx-1

 4月11日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で、この事故を現場の視点から振り返り、安全確保への方策を探る集会が、JAL被解雇者労働組合(JHU)により開催されました。

 JHUの鈴木圭子副委員長は、2010年にJALを解雇された、自分達パイロットや客室乗務員に関し、「安全と、それを担保する労働条件を獲得するために、組合に集結して頑張る私たちは、会社にとって、目の上のたんこぶだった」と語り、解雇対象は組合役員等が中心だったと指摘しました。

 その上で、この集会で報告される安全にかかわる問題点の大半が、解雇前から彼らが、JALや国土交通省に改善を求めてきたことだ、と明らかにしました。

 JALの解雇争議とは、2010年1月に会社更生法を適用された日本航空が、同年12月31日、パイロットと客室乗務員計165名を解雇したことに始まりました。

 解雇の無効を訴えた裁判では、2014年に東京高裁が「解雇は有効」との判決を示しました。

 原告側が敗訴したあとも、復職を求めた交渉は続き、2022年7月に会社側が示した、業務委託契約で仕事を提供する解決案を、労働組合側が受け入れました。

 しかし、22人はこの解決案に合意せず、新たにできたJAL被解雇者労働組合(JHU)に加盟して、引き続き復職を求めています。

 この解雇については、日航再建を鳩山由紀夫総理(当時)から要請されて、2010年1月にJAL代表取締役会長に無給で就任し、業績をV字回復させた、京セラ創業者の故・稲盛和夫氏が、会見や法廷での証人尋問で繰り返し、「165名を雇用し続けることは、経営上不可能ではなかった」と述べており、解雇の必要性が疑問視されています。

※JAL解雇争議、12年経て事実上終結へ 労組が解決案に合意(朝日新聞、2022年7月22日)
https://digital.asahi.com/articles/ASQ7Q6R2PQ7QULZU00S.html

※JAL被解雇者労働組合(JHU)
https://jhu-wing.main.jp/

 集会では、元パイロットのJHU書記長、元管制官の国交労組副委員長、元客室乗務員のJHU副委員長が、それぞれの立場から、事故の概要や事故調査のあり方、事故の背景等について、詳しく報告しました。

 その内容は、発着数の増加に反して、国家公務員の定員合理化で、管制官などの人員が抑制されている問題や、最新の操縦装備の問題点、操縦士と副操縦士のコミュニケーションの問題、客室乗務員による避難誘導についてなどであり、安全管理に関する様々な論点が、当事者の目線で解説されました。

 また、最後の質疑応答で回答した、元パイロットの山口宏弥JHU委員長は、海保機や自衛隊機など国の飛行機が、民間航空条約の適用外であることを指摘し、手順などに関する、民間航空機構の方針変更などが、国側に正しく伝わっているのかについて、疑問を呈しました。

 集会には、会場を提供した立憲民主党の福田昭夫衆議院議員をはじめ、自由民主党、日本共産党、沖縄の風など、与野党超党派の国会議員等が参加し、挨拶をしました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※2024年1月に5人が死亡した海保機とJAL機の衝突事故の背景を、解雇されたパイロットらが指摘! 安全にかかわる問題点の大半が、JALや国土交通省に改善を求めてきたことだった!~4.11 羽田空港衝突事故を振り返る4・11緊急院内集会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522599

■岸田政権が自衛隊の指揮権を米軍に譲渡という「愚挙」特集! <取材報告>2連打!

■<IWJ取材報告 2>岸田政権が強行する自衛隊の「米衛隊」化! 日本の国家主権喪失の危機!「自衛隊の指揮権を米軍にゆだねることは、国家主権の放棄では?」とのIWJ記者の質問に「自衛隊によるすべての活動は我が国の主体的な判断のもとで日本国憲法、国内法令等に従って行われる」と上川大臣~4.16 上川陽子 外務大臣 定例記者会見 いざ戦争が始まったから、米軍の指揮下のもとで日本の自衛隊が動かされることに同意しているのに、いちいち口を差しはさむことができるというのか!? 非現実的なごまかしの発言!!

 4月16日午後4時15分頃より、東京都千代田区の外務省にて、上川陽子外務大臣の定例記者会見が開催されました。

 会見冒頭、上川大臣より、「上川外務大臣のG7外相会合等出席(令和6年4月16日~20日)」、「令和6年版外交青書の配布」、そして「国際社会の持続可能性に関する有識者懇談会の立ち上げ」の3点について、報告がありました。

※上川外務大臣のG7外相会合等出席(令和6年4月16日~20日)(外務省、2024年4月16日)https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/pc/pageit_000001_00525.html

※外交青書・白書(外務省、2024年4月16日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/index.html

※国際社会の持続可能性に関する有識者懇談会の立ち上げ(外務省、2024年4月16日)https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_00615.html

 続いて、上川大臣と各社記者との質疑応答となりました。

 IWJ記者は、岸田総理大臣の米国公式訪問(4月8日~14日)について、以下の通り質問しました。

 「岸田総理は、11日に米国連邦議会で行った演説で、『日本は米国のグローバル・パートナー』であると述べました。

 すでに岸田政権は、自衛隊の指揮権を米軍にゆだねることを明言しており、日本の国家主権を失い、さらに極東のみならず、世界中で米軍の下部組織として、自衛隊が使われることを主権者である国民を置き去りにしたまま、米国で約束してきたとしか解釈できません。

 米国による対ロシア代理戦争の捨て駒にされているウクライナと同じ悲惨な運命を、日本も辿ることになるのではないかと強く懸念します。大臣のご見解をお聞かせください」。

 これに対し、上川大臣は以下の通り答弁しました。

 「自衛隊によるすべての活動でありますが、米軍との共同対処を含めまして、我が国の主体的な判断のもとで日本国憲法、国内法令等に従って行われるものでございます。

 自衛隊及び米軍は、おのおの独立した指揮系統に従って行動するものであります。

 そのため、自衛隊も統合作戦司令部が米軍の指揮統制下に入るということはございません。

 なお、2015年に策定いたしました『日米ガイドライン』におきましても、自衛隊及び米軍の活動につきましては、おのおのの指揮系統を通じて活動する、行動すること、また、おのおのの憲法及びその時々において適用のある国内法令、並びに、国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われることが、明記をされているところでございます。

 統合作戦司令本部新設後の日米の調整要綱については、これらを前提とする形で、『いかに日米間の連携を強化できるか』という点から、検討される状況でございます。

 その意味で、『自衛隊は自衛隊』、日本の国の基本的な法体系、そして、基本的な考え方にのっとって行動をするということが基本であると申し上げたいと思います」。

 上川大臣の回答は、果たして信じられる発言なのでしょうか?

 以下のURLから、ぜひ全編動画を御覧いただき、あわせて、本特集の、<取材報告2>の、立憲デモクラシーの会の記者発表「自衛隊と米軍に関する『統合』の声明」についての記事、動画も御覧になってください!

※「自衛隊の指揮権を米軍にゆだねることは、国家主権の放棄では?」とのIWJ記者の質問に「自衛隊によるすべての活動は我が国の主体的な判断のもとで日本国憲法、国内法令等に従って行われる」と上川大臣~4.16 上川陽子 外務大臣 定例記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522657

■<IWJ取材報告 3>岸田政権が、安倍政権以上に、前のめりに邁進している自衛隊と米軍の一体化は、日本の安全保障にかなうのか!? 米軍の下請けとして主体的な判断ができなければ、日本にとっては、むしろリスクが高まっていく!!~4.19 立憲デモクラシーの会 記者発表「自衛隊と米軍の『統合』に関する声明」

 岸田文雄総理が、4月10日に米国でバイデン大統領と日米首脳会談を行い、その後に出された共同声明に「米軍と自衛隊の相互運用性強化のため、それぞれの指揮・統制枠組みを向上させること」が明記されました。

※日米首脳会談(外務省、2024年4月10日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/pageit_000001_00499.html

 今後、自衛隊と在日米軍が部隊運用レベルで連携し、米軍の指揮下で、「日米一体化」を進めていくことになります。

 4月16日には、自衛隊の陸海空の各部隊を一元的に指揮する統合作戦司令部の創設を柱とした、防衛省設置法などの改正案が、衆議院で可決されました。

※「統合司令部」法案が衆院通過 陸上風車規制は審議入り(日本経済新聞、2024年4月16日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA151J10V10C24A4000000/

 在日米軍は、司令部(横田)に陸海空3軍と海兵隊などを横断した統合任務部隊を設け、自衛隊との連携を強めるために、司令官の階級を中将から大将に格上げすることも報じられています。

※在日米軍司令官「大将」格上げへ 部隊指揮も検討、自衛隊と連携(東京新聞、2024年4月5日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/319555

 自衛隊の統合作戦指令部は、在日米軍の統合任務部隊の指揮統制下に入り、事実上の 下部組織となることが懸念されています。

※はじめに~岸田訪米を「国賓待遇」とヨイショする大手メディアの馬鹿さ加減!!「赤絨毯」と「儀仗隊」との引き換えに「グローバル・パートナー」なる嘘くさい美名のもと、「自衛隊を米軍の一部隊にする」との売国的な約束を、主権者たる日本国民を置き去りにして、米国議会で勝手に約束!(日刊IWJガイド、2024年4月16日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20240416#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/53408#idx-1

 2024年4月19日、立憲デモクラシーの会が衆議院第2議員会館で記者会見を行い、自衛隊と米軍の「統合」(一体化)を、「日本の安全保障の体を成していない」と批判する声明を発表しました。

 上智大学の中野晃一教授は、「米軍と一体化すればするほど、日本を守れるという根拠がどこにあるのか、ということが、リスクも含めてまったく議論になっていない」と批判し、次のように述べました。

 「米軍がいれば安心だったり、米国が日本と同盟していれば安心だと、これまではやや漠然と信じられてきたと思うんですが、本当にそうなのか。ちょっと考えてみれば、そんなはずがあるはずはない。

 米国は米国のために安全保障をやっているのであって、日本のためにやるわけでは、最終的にはない。

 一体化して、日本の安全保障にかなうのかどうか、という主体的な判断ができないという状態になれば、それは日本にとって、むしろリスクが高まっていくということ。

 この可能性が議論されないのは、なぜなのか」。

 IWJは、4月16日の上川陽子外務大臣記者会見で、「自衛隊の指揮権を米軍にゆだねることは、国家主権の放棄ではないのか?」と質問しましたが、上川大臣は「2015年に策定した『日米ガイドライン』にも、自衛隊及び米軍の活動は、おのおのの指揮系統を通じて行動すること、また、おのおのの憲法及びその時々において適用のある国内法令、並びに、国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われることが、明記されている」と述べ、「自衛隊の統合作戦司令部が、米軍の指揮統制下に入るということはございません」と断言しました。

※「自衛隊の指揮権を米軍にゆだねることは、国家主権の放棄では?」とのIWJ記者の質問に「自衛隊によるすべての活動は我が国の主体的な判断のもとで日本国憲法、国内法令等に従って行われる」と上川大臣~4.16 上川陽子 外務大臣 定例記者会見 2024.4.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522657

 IWJ記者は、立憲デモクラシーの会の記者会見で、上川外務大臣の答弁や、林芳正官房長官の「自衛隊の統合作戦司令部が米軍の指揮統制下に入ることはない」との記者会見での答弁をあげ、中野教授に「そもそも議論をする気のない人たちを相手に、今後どう対応すればいいのか?」と質問しました。

 立憲デモクラシーの会側からは、「今後どう対応すればいいのか」という問いに対する答えは得られませんでしたが、中野教授は、次のように述べました。

 「岸田総理も、『我が国の平和主義はいささかも変わるものではない』『専守防衛も変わらない』と言うわけですね。

 ただ、実際には次々と例外を作って、もはや原則が意味をなさない、憲法がないかのように振る舞っているという現実がある。

 今、林官房長官、上川外務大臣のことをあげていましたが、私が自衛隊関係者と話した時も、非常に強い剣幕で、『一体化など進んでいない』ということを、特に論理的なバックアップもないのに、とにかく言うんですね。たぶん、これは政府の方針として、米側と合意していることに対して、口裏合わせではないけど…。

 要は、お互い司令部を統合すると。日本の場合は、これまで自衛隊の陸海空がそれぞれに統制機能を持っていたものを、統合する。

 米国に関しても、太平洋で遠くにあったもの(司令部)を、日本を中心としたところで、例えば台湾海峡有事というシナリオにあわせて、統合的な判断ができるようにする。

 それをぴっちりとつなぎあわせて、あうんの呼吸で、すべてのレベルで、『あ、同じ考えだったね』という形で、指揮統制していこうという、たぶんそういうストーリーになっているんだと思うんですね。

 ただ、NATOや在韓米軍なんかもそうですけど、実際に米軍のような、中国も足元に及ばないような軍事超大国が、日本の判断をいちいち待って、あるいは日本が『ここはちょっと国内的に整合性があわない』となった時に、『そうか、やめておこう』と、米軍自体が動かなくなるなどということが、あり得るのか。普通に考えたら、そういうことがないようにするために、軍事超大国になったわけです。

 もうひとつは、(軍事超大国の米国に)抱きついていれば、日本がピンチになったら必ず助けに来てくれるだろうというのは、非常に甘いというか、米国の世論や政治システムをあまりにも理解していない。

 トランプが勝つか勝たないかはあまり関係がなく、ミニトランプみたいなのが、議会やあちこちの州にいっぱいいて、米国の世論はどんどん内向きになっているし、他国のために若い米兵が棺に入って帰ってくるということは、かなりやりづらくなっている。

 しかし、権益を守りたいということで、友好国や有志国、オーカスだ、ファイブアイズだと、なんだかんだ、いろんな仕組みを作って、統合抑止という形で、下請けさせようという方針を決めて、やっているわけです。

 その現実を考えた時に、『対等な日米関係に、これで近づく』なんてことは、言葉は悪いですけど、『馬鹿も休み休み言え』というか、あまりにも平和ボケしている。

 こういうことを直視できないで、何を見てやっているのか、真面目にやっているのか、というレベルだと思いますね」。

 また、国際基督教大学名誉教授の千葉眞氏は、上記のIWJ記者の質問に対し、「今の自民党は、不都合なことを全部、内輪で解決し、内輪で決定する、そういう体質になっているんじゃないか」と述べました。

 さらに千葉氏は、「膨大な債務超過を抱える米国にとって、岸田総理の大芝居(議会演説)は、財政のマイナスを補う『朝貢外交』をさせられる、第一幕だったのではないか」との見方を示しました。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※自衛隊と米軍の一体化は日本の安全保障にかなうのか!? 米軍の下請けとして主体的な判断ができなければ、日本にとっては、むしろリスクが高まっていく!!~4.19 立憲デモクラシーの会 記者発表「自衛隊と米軍の『統合』に関する声明」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522677

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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