「はだしのゲン」問題、市教委の判断での規制は有り得ると再度強調 ~下村博文 文部科学大臣 定例会見 2013.8.30

記事公開日:2013.8.30取材地: テキスト動画
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(IWJ・佐々木隼也)

 島根県松江市教育委員会による漫画「はだしのゲン」の閲覧制限指示を、下村博聞文部科学大臣が「問題ない」との認識を示していた問題で、下村大臣は30日、閣議後記者会見でIWJの質問に対し、「国としてではなく、あくまで都道府県が青少年健全育成条例の規定に基づき、教育的な判断で有害図書指定するのは有り得るのではと申し上げた」と釈明した。

 また、発射直前で打ち上げが延期となった新型ロケット「イプシロン」について下村大臣は、地上とロケットとのデータをやりとりする時間に、0.07秒のずれが生じていたことが停止の原因になったとの見方を示した。

■全編動画

  • 日時 2013年10月30日(金)
  • 場所 内閣府(東京都千代田区)

 「はだしのゲン」についての質疑やり取りは以下。

IWJ「27日の会見で、下村大臣は、映画やゲームに年齢制限があるように、図書に対しても子どもへの規制があるのはおかしいことではなく、そうした判断に基づいて、教育委員会が学校に対して図書の指定をするのは適法である旨を述べられました。

 ですが、映倫やゲームなどの規制には客観的な判断基準があり、明確な年齢区分もされている一方、図書に対する規制の基準はあいまいで、今回の教育委員の判断も主観によるものでした。こうしたあいまいな基準に基づいて図書の閲覧制限をされることが本当に問題ないとお考えなのか、改めて大臣のお考えをおうかがいしたい」

下村大臣「『問題ない』ということを申し上げたのではなくて、国の法律ではありませんが、都道府県が青少年健全育成条例を制定しております。その中で有害図書については、規定しているところもあります。その規定の範囲内で都道府県が自ら、教育的な判断において、その規定を使うということも有り得るのではないかということを申し上げた」

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「「はだしのゲン」問題、市教委の判断での規制は有り得ると再度強調 ~下村博文 文部科学大臣 定例会見」への1件のフィードバック

  1. KOKO より:

    > 映倫やゲームなどの規制には客観的な判断基準があり、明確な年齢区分もされている一方、図書に対する規制の基準はあいまい
    映倫やゲームは業界の自主規制ですね。そもそも、図書については自主規制が存在しない。
    その点が問題であるとの見方も出来ると思います。
    だからこそ、必要な場所では適切な図書かの判断が必要です。

    > 今回の教育委員の判断も主観によるものでした。
    5人の教育委員の判断です。
    更に、学校図書館は、そもそも、司書の主観で蔵書が決定されます。
    主観、下手すれば1人、しかも、密室で決定出来る蔵書について、5人が合議のうえで単純公開が不適切と判断するのは、何が問題なのか理解に苦しみます。
    図書館の独立、自由は司書の性善説が無ければ成立しませんが、船橋市西図書館蔵書破棄事件のように、司書の独断で破棄、または、蔵書の偏向が実際に起こっているのです。
    学校図書館の蔵書が不適切と判断された場合に、学校の上位機関である教育委員会が指導、指示を行うのは、法律で定められた権限の範囲内だと思います。
    また、学校図書館は公立図書館とは目的が違います。
    学校図書館法に基づき公立図書館とは違う、選別された蔵書が行われるのが学校図書館です。
    表現の自由の前に、学校図書館法に基づいて適切か否かが優先されます。
    何でも蔵書するのは公立図書館の役割です。

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