「行政による票操作」が疑われる動画をネットに公開 ~選挙無効裁判に関する記者発表会 2013.8.23

記事公開日:2013.8.23取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)

 「通常、投票用紙はタテに折って投函するため、開票の段階で2枚が重なってくっつくことは考えにくい」──。

 2013年8月23日(金)14時から、東京都港区にある男女平等参画センターで、原裕幸氏は、こう主張した。原氏が筆頭責任者を務める原告団は、この7月21日の参院選の結果に異議申し立てを行うことを表明。発言は、開票作業の様子を収めた動画を巡るものだ。原氏は「類似した筆跡の投票用紙も多い」とも語り、同参院選で人為的な票操作が行われた可能性を強調した。実際に不正が確認されれば、開票結果はすべて無効となる。

■ハイライト

 原告団は、昨年12月の衆院選でも不正の可能性を指摘し、提訴している。しかし、原告団の大場淳一氏は「証拠がないとの理由で、今年3月に1審で結審してしまった」と、その後の展開を説明。4月に上告しているが、「棄却のような形で終わるとみている」とし、原告団の中では、この提訴はすでに過去のものになりつつあることを伝えた。

 代わって今、原告団の意識の中心にあるのは、自民圧勝で終わった今夏の参院選。大場氏は「今度は、行政の不正を裏づける『証拠資料』を用意するために、出口調査を実施した」と強調。「都内杉並区のとある投票所では、約9000人の有権者のうち約600人から回答を得ている。私たちの調査が、山本太郎氏(無所属)当選の影の立役者だと思う」と胸を張り、その理由については、「山本氏優勢の調査結果を、ほぼリアルタイムでインターネット上に発表したため、行政サイドが(山本氏を落選させる)不正をしづらくなった」と述べた。

 実際に出口調査を担当し、原告団に協力した田中宏治氏は「誰に投票したかを尋ねると、1位は山本氏で、2位の丸川珠代氏(自民党)より3ポイントほど高かった」と話した。田中氏が開票結果とのズレをもっとも感じたのは、公明党の山口那津男氏。「出口調査では9位という低さで、得票率はたったの4%弱。当選したことが不思議でならない」。有権者が重視した政策についても、「もっとも多かったのは、原発がらみ。メディアが喧伝するアベノミクス(経済政策)でも、ねじれ解消でもなかった」。

 また原告団は、東京選挙区の某開票所で、投票用紙をカウントしている様子の動画撮影にも成功。「公職選挙法には欠陥がある。選挙管理委員会に悪意があっても、チェック機能が働かない」と懸念を示した原氏は、「それは、投票箱を投票所から開票所に運ぶ途中で、票のすり替えなどの不正が行われる可能性があることを示す」と力説した。

 その上で、「われわれが収録した動画では、似た筆跡の投票用紙がかなり見つかっている。一方で、開票の段階で折り目がついていない投票用紙も多い。通常、投票箱に入れる時点で、投票用紙はタテ方向に折られているのに、だ」と話すと、「折り目のない投票用紙が2枚完全に重なってくっついている例があるが、通常の投函では起こり得ないと思う」と指摘し、次のように力を込めた。「決定的な証拠を得るには、再開票が不可欠。今回の訴状では裁判所に対し、再開票を拒むこと自体の違法性を強く訴えている」。

 原告団は、会場のスクリーンに映した動画をサイト(不正選挙裁判ポータル)にアップすることを伝え、「こういう動画が存在することを、広めてほしい」とアピール。大勢の市民の関心を集めることで、裁判所に圧力を掛けようとの狙いだ。

 質疑応答では、出口調査について、「市民団体の調査ということで、山本氏を応援する市民派が多く回答したことも考えられるが」と水を向けられると、田中氏が「われわれが市民団体であることを知らせると、答えてくれない有権者もいたが、その数は少なかった」と回答。「開票所での撮影は隠し撮りか」との質問には、大場氏が「立会所には許可を得て入ったが、撮影することに関し、断りは入れていない。あの場所で、いかがわしいことがなされていなければ、行政は、撮影されても何ら不都合を感じないはずだ」と応じた。

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「「行政による票操作」が疑われる動画をネットに公開 ~選挙無効裁判に関する記者発表会」への3件のフィードバック

  1. はじめから横に折った投票用紙 より:

    横折りの投票用紙ですが、投票所であらかじめ横に折った投票用紙を渡されました。
    (参院選比例区)
    全入れ替えならば、何かのサインですね。
    たとえば、すでに替え玉投票が行われているとか、ばれないように後で戻しておくとか。
    かなりしっかりと横に折りまげてありました。自然に開かないで閉じたままになるくらい。
    それを開いて書きました。(書き心地もちがったかな・・?ボールペン記入にちょっと違和感)

    あと、入場券の封筒を回収しようとされました。今回は断りましたが・・。
    入場順番号を記入する欄があったので、自分が何番目の投票者か知りたくて番号を教えてほしいと言ったら、
    この欄は、後でこちらで使うだけで今は記入しないと言って教えてもらえませんでした。
    (入場券って回収ですよね?回収されましたが・・)

    最初から、横折りのを渡しているから横折りなんです。
    やっぱり普通じゃなかったんですね、変だと思った。

  2. はじめから横に折った投票用紙 より:

    入場順番号 投票入場券に入場番号を入れる欄があったのに、ナンバリングしていませんでした。
    (九州の田舎の投票所です。)
    でも、あとで使うとはっきり言ってました。なんに使うんでしょうかね??

  3. あのねあのね より:

     選挙公約である『ウソつかない』『TPP断固反対』『ブレない』、これ等を見事に破って平然としているのは、次の選挙で票を大幅に減らしてもいいか、不正開票で予め当選が約束されているかのどちらかであると考えられる。衆議院議員選挙での不正が公然と語られる中で、参議院選挙において投票と開票の可視化を行わないのは不正をしていることを選管が承知しているとしか考えられない。
     秘密保全法の制定を数の力で推し進めたり、原発を再稼動させると公言し実行しようとしたり、TPP交渉に堂々と参加したりというのは、次回も不正選挙をやるという傍証としか考えられない。憲法改変を始め、現在政府がやっていることは、不正選挙の傍証として考えると完全にクロである。
     オバマが当選した米大統領選挙において、機械の使用を排除したという町山智弘氏の話を聴くと、日本で機械を排除しないのは、不正をやるためだという結論しか出て来ない。

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