「これ以上お話することはありません」――5月24日の定例会見で「戦時中は、慰安婦制度が、悲しいことではあるけれども合法であったということも、また事実であると思います」と述べたことに関し、4日、発言の真意を問われた稲田大臣は、「とにかくこれ以上お話することはない」と回答を拒否した。IWJは「『合法』ということは、戦中・戦前における『公娼制度』を意味したのか」と質問したが、稲田大臣は「橋下さんの発言に関し、慰安婦の問題についてこの会見で2回述べました。それ以上に申し上げることはありません」と語った。
「慰安婦制度は合法」だとする発言に対しては、韓国外務省当局者が「女性の尊厳と人権に対する冒涜で、反人道的犯罪を擁護する常識以下の表現だ」とする声明を発表、即時撤回を求めていた。韓国側の声明に対する受け止めを聞かれた稲田大臣は「会見の議事録をすべて読んでいただければ、私の発言の真意は分かっていただける」とだけ述べた。
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以下、IWJと稲田大臣との質疑応答書き起こし
IWJ平山「従軍慰安婦に関するご見解について確認したいことがあります。5月24日の会見で、大臣は『戦時中、従軍慰安婦は悲しいことではあったことだけれども、合法だということは事実だと思います』と発言されました。この『合法』という発言に関して、2点確認させてください。この『合法』というのは、戦前・戦時中の『公娼制度』ということを意味しての発言だったのか、それをまず確認したいさせてください」
稲田大臣「橋下さんの発言に関し、慰安婦の問題についてはこの会見で2回述べました。それ以上に申し上げることはありません」
IWJ平山「韓国側から、この『合法』という発言に対して非難する声明も出ています。それに対する受け止めですとか、閣議の中で何か話が出されたりしましたでしょうか?」
稲田大臣「その時の会見の議事録をすべて読んでいただければ、私の発言の真意は分かっていただけたはずであると思います」
IWJ平山「それは韓国側に、ということでしょうか?」
稲田大臣「韓国側といいますか、そこに書いてあった私の言いたかったことですね。それを読んでいただければ分かってもらえると思います」
IWJ平山「言いたかったことというのを、あらためて教えていただけますでしょうか」
稲田大臣「そこでも申しましたように、慰安婦制度は、女性の人権に対する侵害だということです」
IWJ平山「え、そのうえで『合法である』とおっしゃられたかと思うのですけれど。その『合法』の意味合いを確認したいのです」
稲田大臣「それは、過去の、私の一議員時代の言行にもとづいて聞かれたので、そこはお答えをしましたけれど、付け加えることはありません」
IWJ平山「では、今はお考えが変わられたということですか?」
稲田大臣「いえいえ、そういうことではありません。とにかく、これ以上お話することはありません」
(ここで、事務方・広報に質疑を制止される)
合法ということであれば法的根拠があるはずです。日本軍慰安婦が合法だったというのであれば、その法的根拠がどこにあったのかを問いただすべきだったかもしれませんね。