高層マンションの建設をめぐり大揺れしている、東京・国立市で、現職の佐藤一夫市長が2016年11月16日に死去したことにともない、市長選挙が行われる。告示日は12月18日、投開票日は12月25日に予定される。
1999年に当選した生活者ネットワーク・上原公子(ひろこ)元市長のもと、国立市では、高層マンション建設にともない、市民による反対運動が展開された。マンション建設は強行されたものの、建物の高さを20mに制限する地区計画条例が制定された。
業者側は市に3120万円の損害賠償を請求し、市側が支払いを命じられた。市側が業者に支払いをすると、今度は、市民数名が賠償額の3120万円を上原元市長に請求するよう、市を提訴。市側は上原元市長に3120万円もの損害賠償を請求し、2015年12月22日、東京高裁が上原元市長に支払いを命じた。
元市長の側に立ち活動をしてきた「くにたち大学通り景観市民の会」の共同代表で、元国立市議(2期8年、2007~2015年)、フリージャーナリストの小川宏美氏は、自ら今回の市長選への無所属での出馬を決意した。12月10日に開かれた出馬表明記者会見には、日本共産党、社民党、緑の党、自由党の市議らや、各種市民団体のメンバーらが応援に駆けつけた。
「いのちにこだわる政治をしよう」
小川氏は、選挙に望むキャッチフレーズをそのように掲げ、「困ったときにどこよりも頼れる、敷居の低い市役所にしていく」と思いを語った。
市民グループや野党市議会議員、政党会派などによる「市民のくにたち」も設立され、小川氏の応援にあたる。共同事務局長の野道秀一氏によると、同グループの中核となっているのは、安保法制に反対をしてきた市民グループ「土曜夜会」。また、同じく共同事務局長の館野公一氏によると、現在、日本共産党、社民党、緑の党、自由党、民進党、生活者ネットワークに推薦の依頼をしている。
選挙には、同市現副市長の永見理夫(ながみかずお)氏も、無所属での出馬を表明している。永見氏は、自民党・公明党などに推薦を求めている。