TPP協定の条文や説明書類の日本語訳に18ヶ所もの不備が見つかった問題で、野党からは協定そのものを国会に提出し直すべきだという声が上がっている。政府は早期のTPP国会承認を目指しているが、5年におよぶ米の高値偽造取引問題が発覚するなど、TPP審議が本格化する前からつまずきを見せている。
民進党は2016年9月27日、午前11時30分から「米価格偽装解明チーム」の会合を開き、農水省の担当者からヒアリング。山本有二農水大臣の言う「事実関係の調査」の中身を説明するよう求めたが、松尾浩則官房政策課参事官は口を閉ざし、「誰に」「何の」調査をしているのかさえ、明らかにしなかった。そもそも民進党は政務官の出席を求めていたが、農水省はこれを拒否。山本大臣の判断だったことが伝えられた。
- 日時 2016年9月27日(火)11:30~、16:30~
- 場所 衆議院第4控室
実際の米の取引価格がこれまでの政府説明と異なれば、「輸入米と国産米の価格が同じ水準」だというTPP承認の前提が覆される。予算委員会で野党の筆頭理事をつとめている長妻昭議員は、「今回の補正予算にはTPPに関する予算も入っている。こういう状況だと予算(審議)に入れない」と、今後、審議には応じない可能性を示唆。福山哲郎議員は、「大臣と相談して政務官が出てこないと判断したということは、審議を拒否しているのはそちらだということを申し上げておく」と批判した。
午後4時半からの「米価格偽装解明チーム」にも政務官は現れず、代わりに柄沢彰生産局農産部長が出席した。民進党の福島伸享議員は、明日も引き続きヒヤリングの機会を持つが、その際にも政務官が出席できないのであれば、その理由を書面にして提出するよう求めた。柄澤部長は「お約束しかねますが、持ち帰って大臣と相談します」と答えるにとどめた。