7月22日の強制排除に続いて、再び危機が迫る沖縄県・東村高江! ~朝6時から開かれた抗議集会に県内外から500人以上が集結! 北部訓練場「N1裏」テント前からIWJがリポート! 2016.8.6

記事公開日:2016.8.6取材地: テキスト動画
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(取材:原佑介、阿部洋地、北野ゆり 文:原佑介 記事構成:安道幹)

記事下段に、IWJエリアChアカウントの連投を掲載しました。

 2016年7月22日の強制撤去に続いて、第2の「Xデー」はいつやってくるのか。8月5日以降、防衛省沖縄防衛局が、通称「N1裏」のテントの強制撤去を狙っている。

 先月22日、東村高江の米軍北部訓練場ヘリパッド建設予定地の一つである、「N1地区」ゲート前に置かれていた抗議車両とテントが強制撤去された。

 その日、防衛局は「N1裏」に建てられているテントに、「8月5日以降は、テントや中にある物について所有権が放棄されたものとみなす」と書かれた張り紙を残していった。「N1裏」のテントとは、ヘリパッド建設工事に反対する住民たちが、工事の進行を阻止し、活動の拠点にしようと2014年7月に建てたものだ。

 8月6日早朝6時、沖縄防衛局による第2の強制撤去に備え、「ヘリパッドいらない住民の会」「高江ヘリパッド建設反対現地行動連絡会」、「基地の県内移設に反対する県民会議」が、「N1裏」テント前で緊急抗議集会を開いた。集会には、議員や弁護士が参加し、県内外からは500人以上の市民が結集し、IWJはこの模様を現地から中継した。

■twitcasting動画

  • タイトル 政府による高江での米軍ヘリパッド強行建設工事と市民による抗議の模様〈カメラ 2〉
  • 日時 2016年8月6日(土)
  • 場所 米軍北部訓練場 高江N1地区付近(沖縄県東村)

 IWJは今後も継続して、マスメディアが報じない現地の様子を中継する予定だ。以下、6日早朝6時から始まった抗議集会の様子をお伝えする。

※2016年8月6日午後9時段階のツイートを加筆して掲載しています。ご承知おきください。

 本日(8月6日)も高江では早朝6時から集会が開かれている。

山城博治氏「昨日がテントの撤去期限だったが、もし排除するなら、彼らは前回は午前3時頃から山のような機動隊を動かし、来るという動きを見せていた。ところが今はそういう緊迫感はない。

 今日は村祭りもあるので、排除の動きを作るのは難しいのだろう。明日は日曜日なので、月曜日がヤマかという気もする。となると、明日の夕方に再結集を求めることになる。高江は森がきれいだから蚊が出ない。社会が淀むと安倍みたいなのが出てくるのと一緒です。

 新防衛相(稲田朋美氏)は、我々を『あそこに集まっている妨害者』と呼んだそうです。となると、政府に従わない沖縄全体が妨害者になる。なぜ千人もの市民がここに集まるのか、それを考えない政府とは、話のしようがありません」

▲沖縄平和運動センター事務局長・山城博治氏

▲沖縄平和運動センター事務局長・山城博治氏

弁護団・小口幸人弁護士「前回、N1ゲートの強制排除の際は、『7月22日を過ぎたら所有権を放棄したとみなす』と書かれていた。道交法に反している、と書かれていたが、こちらの張り紙には、その記述がない。こじつけの要素が減ったのでしょう。

 せいぜい防衛省設置法をこじつけて、『工事を進めるのに必要だから』と言うかもしれないが、テントを持って行っていいわけではなく、防衛局は違法行為をやることになる。我々の行動は正義に反しない」

赤嶺政賢議員「昨日、森林管理署の署長を6人の国会議員らと追及した。樹木の伐採について、『直径4センチ、胸の高さ』の樹木の伐採については、事前に防衛省が森林管理署と協議しなければいけないが、協議せず伐採していたことが明らかになりました。

 管理署は、切ってはならない樹木についてはひとつひとつ目印をつけていたそうです。それを防衛省は、『切ってもいいという目印だと思って切りました、ごめんなさい』と言ったそうです」

▲日本共産党衆議院議員・赤嶺政賢氏

▲日本共産党衆議院議員・赤嶺政賢氏

 森林管理署は、『防衛省がごめんなさいと言ったので今後の伐採は認める』と言っています。SACO合意の担当者だった外務省の岡本氏は今、『北部訓練場の過半の返還は負担軽減だが、新しい着陸帯が必要なのか、政府にも再検討が必要だ』と言っている」

福島瑞穂議員「沖縄県議会が出したヘリパッド中止の意見書を、なぜ政府は踏みにじるのか。今日6日から緊迫した事態を迎える。違法なことをやった防衛省に、ここで適法なことをやる資格があるのか」

▲社民党参議院議員・福島瑞穂氏

▲社民党参議院議員・福島瑞穂氏

愛媛から駆けつけた阿部悦子さん「伊方原発が、12日にも再稼働すると言われている。先日、伊方に集まった700人の市民が、四国四県から集まった警察に排除された。沖縄でこのような状況を許せば全国に広がる」

▲阿部悦子さん

▲阿部悦子さん

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▲「沖縄を返せ」を合唱し、ガンバロー三唱で集会終了。山城博治氏によると、早朝にも関わらず500名もの市民が集まったという。

▲「沖縄を返せ」を合唱し、ガンバロー三唱で集会終了。山城博治氏によると、早朝にも関わらず500名もの市民が集まったという。

▲広島に原爆が投下された8月6日8時15分に合わせ、高江でも黙祷が捧げられた。「本当は広島に行かなければならないが、今年は高江のことがあり、残念ながら行けない」と山城博治氏

▲広島に原爆が投下された8月6日8時15分に合わせ、高江でも黙祷が捧げられた。「本当は広島に行かなければならないが、今年は高江のことがあり、残念ながら行けない」と山城博治氏

山城氏「みなさんの結集で本日の工事は止められたようです。22日の凄まじい光景が脳裏によぎりましたが、9時を過ぎて異常がありません。今日の工事強行はないでしょう。皆さんの徹夜のご尽力に感謝致します」

▲山城博治氏

▲山城博治氏

山本太郎議員「日本政府は民主主義など持ち合わせていないが、ここに来るとき、多くの車が路駐されているのを見て、民主主義を守ろうとしている皆さんが沢山いることに感動した。高江の問題は日本全体の問題です」

▲参議院議員・山本太郎氏

▲参議院議員・山本太郎氏

三宅洋平氏「命ある限り、僕自身の運動は止まらない。多様な人たちがこの現場にも来る。若い世代も来ると思います。いい意味での世代間闘争をしてほしい。若い人たちを引っ張ってほしいし、引っ張られてほしい。

▲三宅洋平氏

▲三宅洋平氏

 伊方原発の再稼働が12日に決まりました。でも昨日は20〜30人しか現場で抗議していない。みんな身体はひとつしかなく、現場に来られない人間の方が多い。僕自身が門外漢かもしれないけど、そういう人間がいっぱいいる。そこから話を広げていきたい」

※IWJでは抗議集会に駆けつけた市民にインタビューを行た。以下、インタビューの模様を掲載する。

元名護市議・宮城康博氏「昨日は本当に星がすごかった。天の川を見たし、流れ星も5つまで数えた。高江にはもともと住んでいる方もいらっしゃるし、移住した方もたくさんいて、こういう生活を求めてきたにもかかわらず、なんやねんこのオスプレイはと、大変なことになってるわけで。

 (機動隊に排除された)22日にも(ゲート前に)来てたけど、それについてはもう聞かないで。本当に大変だったから。我々200数十人くらいいたけど、機動隊が400~500人近くいた。圧倒的な量と、なおかつ、普天間のときは沖縄県警だったけど、今回は東京や関西やいろんなところから来てる連中がいた。

 彼らは、もう我々を人だと思っていないからさ。人だと思われていないことを、実感しましたよ。引っこ抜き方も違う、移動のさせ方もこれまでと違うし。我々のやってる行為そのものを、おもんぱかるとか推し量るとか、何一つないわけだから。非常に目的意識をもって、我々の声や存在そのものに、目を閉ざし、耳を閉ざしていた。

 たぶん、(機動隊員は)自分の心の中のどこかを殺さないと、あんな仕事できない。殺しているんだ、という目をしてましたよ。どこを見ているか分からないような目だったから。あれは自分たちで、自分をそうコントロールするようにしていかないとできない任務なんだよ。同情はしないけど、あんな仕事させられてかわいそうだよね。人の行為として。

 96年にSACO合意があり、普天間の返還と県内移設、北部演習場の過半の返還と、それと同時にヘリパッドを作るという計画だった。そのとき、我々は97年、98年当時からずっと、これはヘリパッドじゃないだろうと、オスプレイが飛ぶんだろうと追及しつづけたんだけど、防衛局は、それは聞いていません、知りませんと。米軍からそのような公式の発表は何もありません、聞いたら皆さんにご報告します、というふうに言い続けて、何の報告もなく、今日に至っている。

 これは高江の住民の方々から言えば、本当、詐欺同然で、約束したじゃないか、その説明も何もしないで、何をやっているんだ君らはと、そういう状況ですよ、今は。こんなデタラメ許しちゃいけないですよ。

 私が97年の住民投票からずっと関わってきた中で、あまりにも日本政府のやり方がひどすぎる。だましにだましを重ねて、それが全部、外側から、米軍や米国の発表でバレても、それで悪びれずに知らんふりして、そのままやり続けると。こんなこと許しちゃいけない。沖縄県民が怒っているのは、これはどこの県でやられたって、ふざけんなの話ですよ。

 どこの県でもそんなやり方はしないはずですよ。でも沖縄だからやれるわけだ、彼らは。米軍基地を維持するために。これを差別と言わずに何というのか!? 沖縄の人はやさしくて、ある程度のことは許容してきた。でもいくら何でも『ここは譲れないよ』というところで怒っているわけだから。ここは理解するべきだと思います」

沖縄県内から来た女性「昨日夜9時ころに着き、車中泊をしました。こうやって人がいっぱい来たことで、今日(工事を)止められたのでホッとしています。だけども、来るなら来いという気持ちです。

 夜は本当にプラネタリウムのようで、カエルの声、星空、川、鳥の声という、すごい素敵な朝を迎えました。皆さん、それが分かれば(工事が強行されることが)痛く感じるだろうとなと思います」

大阪から来た女性「昨日夜に来ました。明け方はすごいスコールと雷だった。大阪でも、普段は政治に関心がない人でも、22日の映像を見て、本当に腹が立ったと、真剣に高江に行こうと思ったという人もいた。怒りが高まっているのは事実だと思います。

 22日は、大阪府警も来てたでしょう。あれに腹が立ってしょうがない。『お前らはこんなところに来て、沖縄の人たちを弾圧するのが仕事じゃない』って思う。『とっとと大阪に帰れ』と今日は言いたい」

東京から来た女性「高江に来るのは3回目です。N1(のテント)が変わり果てたのはショックだったけど、逆にここに来て、日本全国に仲間ができることがすごいなと思ってます。

 世の中の悪徳政治家やヘイトをやっている人たちの目つきと、ここにいる人たちの顔つきが全然違う。力をもらえますよね。みんな自信をもって動いてます。沖縄はみなさん明るいから、逆に涙が出てくる」

沖縄県渡嘉敷村から来た女性「22日の映像を見てショッキングでした。行かなきゃと思いました。でも地元ではあまり高江の話はしません。今でも沖縄では、辺野古や高江など、大っぴらに政治的な話をすることはありません。特に内地の人とは、って思う人もいる。私も人を選びながら話をしています。

 ここは訓練所さえなければ最高の場所です。それをずっと背負わされていることを、まずは見に来てほしいと思います。140人くらいの地元住民だけで反対というのはさすがに難しい問題だし、動かしているのは、どう考えても内地の問題なんだから。全員、直視するべきだと思います」

高江在住の女性「こんなにいっぱい人が来ていただいて、本当にありがたくて。最初に座り込みを始めたころは、高江の人と、辺野古から来てくれる人くらいしかいなくて、誰も知らない状況だった。誰もいないから、工事用のフェンスに洗濯物を干しながら、座り込みをしていたときもあった。

 一人でも多くの人に伝えたいと思って、これだけの人が来てくださっていることが本当にありがたい。でも、やっぱりここは農道で、生活道路でもあるので、地元の方の生活に支障がないように、ものすごく気をつけていています。現場だけ見ると、闘争現場に来たんだと思う方がいるかもしれないけど、生活の場なので、高江は。

 高江は、みんなヘリパッド建設に反対です。でも仕事もあるし、これだけの人がいて、高江の人間だといって前に出るのはやっぱりね・・・。静かな暮らしをしたいのと、真逆の世界ですから。ここに出てきたくない人の方が圧倒的に多いのは当然で。

 私みたいに座り込みした人は、うっかりした人ばっかりで、私はもういいやって思ってますけど(笑)。なるべく高江の人たちがどう思っているかということを、ちゃんと伝えていきたいなと思ってます。迷惑がかかるというのは、地元にしてみたら、米軍基地でも機動隊でも、オスプレイでも、反対運動してる人でも、一緒になっちゃったりしがちなので、それだけは避けたいというのが常にあって。私も引っ越ししてきた者だから、よそ者でもあるし。なるべくそこは気をつけてます。

 やはり、きちんと説明してくれないことが、一番大きい。ジャスコ作るのにも、もう少し丁寧に説明するだろうって思う。オスプレイが飛ぶことは、沖縄のマスコミが報道していましたし、それに対して『知らない』と言い続けて。ある日突然、那覇市と沖縄市にFAXを送って、『オスプレイ飛びますから』と周知してからは、次の日からそれを知らない人は仕方がない、というのはね。沖縄に住んでいる人たちを愚弄する象徴的なものですよね、オスプレイは。

 アメリカでは、『危ないから』という、いたってシンプルな理由で住宅の上を飛ばないのに、その理由は、日本でも同じはずでしょう?

 高江はすでにオスプレイの騒音がひどすぎて、避難してる家族がいる状況ですから。まったなしです。今2つのヘリパッドでこの状況ですから、あと4つもできたらどうなるのかと。何としてもオスプレイは飛ばないようにしてもらわないと。

 映像ではなかなか伝えられないですが、オスプレイは本当に振動がすごくて、内臓がゆすられるような感じですから。ここを国立公園にするという話もありますけど、地面守っても、上でオスプレイが飛んでいたら、自然は保存できないですから。感度が鈍い人間ですら、気持ち悪くなるくらいですから、森の中の生態が耐えられるわけがない」

以下、連投ツイートを掲載します

 本日も高江では早朝6時から集会が開かれている。山城博治氏「昨日がテントの撤去期限だったが、もし排除するなら、彼らは前回は午前3時頃から山のような機動隊を動かし、くるという動きを見せていた。ところが今はそういう緊迫感はない」

山城氏「今日は村祭りもあるので排除の動きを作るのは難しいのだろう。明日は日曜日なので、月曜日がヤマかという気もする。となると明日の夕方に再結集を求めることになる。高江は森が綺麗だから蚊が出ない。社会が淀むと安倍みたいなのが出てくるのと一緒です」

山城氏「新防衛相は我々を『あそこに集まっている妨害者』と呼んだそうです。となると政府に従わない沖縄全体が妨害者になる。なぜ千人もの市民がここに集まるのか、それを考えない政府とは話しようがありません」

弁護団・小口幸人弁護士「前回、N1ゲートの強制排除の際は、『7月22日を過ぎたら所有権を放棄したとみなす』と書かれていた。道路法に反している、と書かれていたが、こちらの張り紙には、その記述がない。こじつけの要素が減ったのでしょう」

小口弁護士「せいぜい防衛省設置法をこじつけて『工事を進めるのに必要だから』と言うかもしれないが、テントを持って行っていいわけではなく、防衛局は違法行為をやることになる。我々の行動は正義に反しない」

赤嶺政賢議員「昨日、森林管理署の署長を6人の国会議員らと追及した。樹木の伐採について『直径4センチ、胸の高さ』の樹木の伐採については、事前に防衛省が森林管理署と協議しなければいけないが、協議せず伐採していたことが明らかになりました」

赤嶺議員「管理署は、切ってはならない樹木についてはひとつひとつ目印をつけていたそうです。それを防衛省は、『切ってもいいという目印だと思って切りました、ごめんなさい』と言ったそうです」

赤嶺議員「森林管理署は、『防衛省がごめんなさいと言ったので今後の伐採は認める』と言っています。SACO合意の担当者だった外務省の岡本氏は今、『北部訓練場の過半の返還は負担軽減だが、新しい着陸帯が必要なのか、政府にも再検討が必要だ』と言っている」

福島みずほ議員「沖縄県議会が出したヘリパッド中止の意見書を、なぜ政府は踏みにじるのか。今日6日から緊迫した事態を迎える。違法なことをやった防衛省に、ここで適法なことをやる資格があるのか」

愛媛から駆けつけた阿部悦子さん「伊方原発が12日にも再稼働すると言われている。先日、伊方に集まった700人の市民が、四国四県から集まった警察に排除された。沖縄でこのような状況を許せば全国に広がる」

 「沖縄を返せ」を合唱し、ガンバロー三唱で集会終了。山城博治氏によると、早朝にも関わらず500名もの市民が集まったという。

 広島に原爆が投下された8月6日8時15分に合わせ、高江でも黙祷が捧げられた。「本当は広島に行かなければならないが、今年は高江のことがあり、残念ながら行けない」と山城博治氏。

山城氏「みなさんの結集で本日の工事は止められたようです。22日の凄まじい光景が脳裏によぎりましたが、9時を過ぎて異常がありません。今日の工事強行はないでしょう。皆さんの徹夜のご尽力に感謝致します」

山本太郎議員「日本政府は民主主義など持ち合わせていないが、ここにくる時、多くの車が路駐されているのを見て、民主主義を守ろうとしている皆さんが沢山いることに感動した。高江の問題は日本全体の問題です」

三宅洋平氏「命ある限り僕自身の運動は止まらない。多様な人たちがこの現場にもくる。若い世代もくると思います。いい意味での世代間闘争をしてほしい。若い人たちを引っ張ってほしいし引っ張られてほしい」

三宅氏「伊方原発の再稼働が12日に決まりました。でも昨日は20〜30人しか現場で抗議していない。みんな身体はひとつしかなく、現場にこられない人間の方が多い。僕自身が門外漢かもしれないけど、そういう人間がいっぱいいる。そこから話を広げていきたい」

 8月6日18:45頃、沖縄高江のN1裏テントを安倍総理大臣の妻である安倍昭恵婦人が突如、訪問。カメラマンなどのスタッフを伴った三宅洋平氏がアテンドした。日頃からテントで新ヘリパッド建設に反対している住民らからは怒りや戸惑いの声が多く上がった。

 昭恵婦人らは、テント内部を視察。テントの住民らには「撮影NG」の旨が伝達された。安倍総理にも内密で訪問にきたこと、本来市民メディアなどの中継を受け入れるつもりだったが、テント付近に大手メディアの中継車が停車していたことなどを警戒したという。

 テント内を案内した男性は、「安倍さんの奥さんも我々の仲間になれると思います」と歓迎。「我々は平和を目指す仲間として、辺野古、高江に軍事基地を作るのは反対という立場。課題はありますが、それを乗り越えたい」と語った。

 案内した男性は、「今日は昭恵さんのほうから挨拶はなしということで」と話すと、「聞きたくねぇよ」と投げかけるテントの住人も。案内した男性はさらに、昭恵婦人の訪問は、三宅氏のほうから事実上のテントの代表者である山城博治氏に話を通していると説明した。

 山城氏は昨日からの徹夜の泊まりこみで疲労が溜まっていたため午後には帰宅。案内の男性は「ヒロジさんに『代行を頼む』と言われた。公的にお招きはできないが、一般参加者が見学するのを拒んではいけない、ただ見学するだけである、という趣旨だ」と続けた。

 三宅氏は「ツイッターなどでの発信は、僕らサイドで、オフィシャルに慎重な情報出しをしてからでお願いします。また誤解を生みかねない。もちろん、皆さんの自由ですが」と訴えたが、テント参加者には「なぜ一方的に?」と疑問を持つ人も多数いた。

 テントの女性は、昭恵婦人に「オスプレイが高江の森にやってきたせいで、眠れずに避難している子どもたちもいるんです私たちはお金もいらないし、子どもたちが幸せに生きる世の中にしたいだけなんです。安倍さんにも伝えて下さい」と語りかけた。

 昭恵婦人は、神妙な面持ちで「(安倍総理に)伝えます。こうして率直な意見を聞く機会がないのでここにきたんです」と応じた。昭恵婦人らは、約15分の滞在でテントを後にした。

 昭恵婦人はテントを訪問した理由について、「『標的の村』という映画を洋平さんに紹介してもらって、それを観て、私は全然高江のことを知らなくて、知らないことは自分の目で確かめたいと思う性格なので、現場を見て、何が起きているか知りたかった」と説明した。

 テントを見た感想について「(政府は)もっとキチンと住んでいる人たちの思いを汲みとって、説明をするべきだったという気はしています。私も今日きたばかりなので考えたい。私が決められるわけではないですが、皆さんのお話しをもう少しうかがいたい」と語った。

 昭恵婦人の訪問を受け、テント内部の住人からは昭恵婦人訪問に対し、さまざまな異論が噴出。数十分後、三宅洋平氏がテント前に戻り、昭恵婦人訪問の経緯を説明する場が設けられた。

 平和運動センターの事務局長・大城悟氏は、「山城さんの了解をもらっていたのはわかりますが、私たち県民は、当然、怒りを覚えているわけです。総理が高江でやっていることには反発をもっている。その夫人に、現場としては強く抗議したいと思っている」

大城氏「本当は連れてきたほしくなかったと現場は思っています。そういう思いがあることはわかってもらいたい。中で撮影もされていたが、それは一切、公に出さないでください。何の許可もないし、私たちのプライバシーもある」。三宅氏「わかりました」

三宅氏「断っておきたいのは、僕が連れてきたのではない、彼女が自分の意志できたんです。『標的の村』は観せました。それを観て、感じるものがあったのでしょう。すごく苦しんで、自分なんかが現場に行って迷惑かな、混乱を生むだけでしょうかと相談されました」

三宅氏「僕は現場の人に話は通しますとお伝えしたんです。僕自身、事前に公表すべきか…でも旦那にも内緒でくるというから公表するわけにはいかない。受け入れられない人もいることはご理解いただけますよね?とも話しました。」

三宅氏「昭恵さん本人は『正々堂々きたい』と言っていた。山城さんに尋ねたら、『あまり大仰にこられては混乱も起きるだろうから、スッときて、テントの中で私が説明するのは構わないよ』という返答だったんです」

三宅氏「撮影に関しては、僕はメディアコントロールとかしたくないのでオールフリーしかないと思っていたが、現場に着いたらマスコミの車あって、彼女がナーバスになってきて、俺も慌てて、テントでも適切なことは言えていないと自覚しました」

三宅氏「ひとつお聞きしていいですか?この場所と運動は、どこまで開かれているんですか?高江にきてくださいと不特定多数に呼びかけながら『お前はくるな』というのが存在するのか、ギリギリのラインじゃないですか。本当に何もなく一人で来たらどうしますか?」

大城氏「一緒だよ。総理婦人が、一般の国民の同一とは常識的に考えてならないと思います。多くの県民はそう思います。総理婦人がここにくることは当然、拒否しますよ。何の目的できたのか。『沖縄の基地の整理縮小に頑張っています』とでも言いにきたんですか?」

大城氏「時期やタイミングもある。先月22日、全国から500人の機動隊を投入し、公権力を弾圧と暴力に変えて…そんなことをした国の総理婦人です。そんな時期に『本当に多くの方が反対しているのか情報がないので来ました』…私たちが『どうぞ』と言えるか」

沖縄で平和運動に取り組んでいるKEN子氏「この出来事を少し遠くから見ていた友だちは、抗議行動で頚椎捻挫したり海保にやられたり…そういう思いをしてきた。よく殴らずに非暴力で繋げてきたと思う」

KEN子氏「被害にあった友だちらが昭恵婦人を引き止め『おい!』と迫ることもできた。でも、もしここで暴走して昭恵婦人に手でも出せば運動は終わり。被害を受けた友だちが小声で『なんで誰も何も言わねぇの?』って言っていたのを聞いてごめんなさいと思った」

三宅氏「それをどうにかしたいじゃん」。KEN子氏「すぐにできることと時間を重ねないといけないことがある」。三宅氏「今すぐどうにかしないといけないんじゃない?一縷の希望を賭けたんだよね」

 テントの住人らからは、「じゃあ工事が明日止まるのか!?」「無責任だ!」「身体張ったことあるのか?」「わかってないよ貴方は、急にきて、現場を見ていなくて」という声が上がった。

三宅氏「やっぱり、工事を止めさせるように働きかけるきっかけを作りたいんだよ。現場で長く携われる人間と、そうじゃない立場で動く人間、両方必要。もっと現場に来いよ、っていうのはすべての現場の人が思うこと。俺は、各地各地に行きながら伝えていきたい」

三宅氏「信頼関係というけど、おれとしては筋道として、最低限まず、現場の責任者のヒロジさんに相談し、了承をもらったうえで昭恵さんはきた」。大城氏「わかっています。山城さんの了承がなければ、我々は全力で抗議したでしょう」

KEN子氏「怒りの理由はわかっている?」。三宅氏「わかっている。だから昭恵さんも何日も前から心配していたし、でも昭恵さんがくるかどうかを決めるのは俺じゃない」。KEN子氏「連れてきた責任は伴う。アテンドがなければこられない」。三宅氏「そうだね」

KEN子氏「今日みんなが我慢していたのは、ヒロジさんが我慢したから。あと、機動隊の前で揉めごとをしたくないというのもある。みんなが怒りのコントロールができていた。現場を知りたいなら、他にもまだ方法があったはず」

参加者の男性「スカーっとテントにカメラと一緒に入ってきた、あの15分が何かに繋がるとは思えない。カメラもきて、やっぱり一般市民じゃないよね。みんなギョッとするよ」

参加者の男性「俺らはみんなテントに最初にきて、まず自己紹介する。昭恵さんもそうであれば、確かに希望になるかもしれないが、あの感じでくるべきなのか」

三宅氏「最初は区長さんに会うか、婦人会の皆さんに会うかという段取りもトライしたんだけど、今、色んな意味で、まさに感情が全開になっている時期だからそれは見送ろうという結論になった。でも落ち着いてからというのも違う。今日明日どうなるかという中で…」

三宅氏「ちょっとでも昭恵さんの感情的に揺らぎが起きて、何か国の内部に働きかけをしてくれないか、そういうチャンスかもしれないと僕は思ったから…」。大城氏「本当に昭恵さんにそういう思いがあったら、もっと早くに行動を起こすべきなんですよ」

大城氏「『明日にでも…』と言うけど、ここまでこんなことしておいて…」。三宅氏「それ、昭恵さんがやっていることじゃないじゃないですか」。大城氏「総理婦人だ。そういうことになるでしょ」。三宅氏「僕も最初はそう思っていました」

三宅氏「でも昭恵さんに三度会って、本当に情報が偏っていたり、マジで旦那と考えが違う中で葛藤していると感じたから、ズルさじゃない部分で動いていると思った。じゃないと『来る』って言わないし、彼女もリスクを承知していた」

三宅氏「旦那に工事をやめろって言ったからって何かが働く状況でもないし…」。KEN子氏「でもそこに期待したのでは?」。三宅氏「期待しないでしょ。だったら政治の構造がわかってなさすぎる。そもそも安倍総理が『やめろ』と言ったって止まらないくらいの話」

三宅氏「20年前からのロードマップに従ってやっている。安倍総理が全部決めてスイッチを押しているのではない。自民党や政権という組織が持っている思想や構造の問題では」。大城氏「誰がこの沖縄で基地強行してるの?自民党の誰だという話じゃないでしょ」

大城氏「日本政府が特にこの辺によく関わっているのは知っての通りだよ。なぜ95年の海兵隊撤退まで検討して、なぜ未だに駐留しているのか…」。三宅氏「自衛隊の配備まで視野に入れた基地建設をしていると思う」

KEN子氏「私は洋平がやっていることに矛盾があると思う。安倍昭恵を連れてきたのは総理の婦人だからでしょ?」。三宅「旦那というよりは、内部的な世界、彼らが思い至っていない視点を彼女が持ち帰ってくれると」

テントの女性「テント以外になかったのか。昭恵さんの政治に利用されただけではないでしょうか」。三宅氏「テントに来たいとは、俺も昭恵さんも言っていない。現場をみたい、とヒロジさんに相談したら、こっちに連れてくれば案内するって言われた」

大城氏「現場は怒っていたと、山城さんに伝えてください」。三宅氏「みんなで話し合いましょう」。大城氏「山城さんの了解があったとはいえ、実際にテントに入ったことは許せない」。

男性「話を聞いてわかったのは、あたなは何十年間も虐げられている沖縄の人の気持をあまり理解していない」。三宅氏「完璧にはわかっていないが、ないちゃーの中ではわかっていて、そのために動いていて、ヤマトの人たちにも声をかけ続けていると思う」

 議論は1時間以上も続いたが、決着はせず、時間の都合上打ち切られた。三宅氏「お騒がせした部分はすみません。自分の判断ややり方が全部合っていたとは毛頭思っていません。ただ、話してくれてありがとうございます。もう一度納得いくまで話させてください」

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