「巫女のくせになんだ」――また失言!?自民・大西議員の「職業差別」「女性蔑視」に非難轟々!IWJは大西議員事務所に直撃取材!その弁明とは…? 2016.3.25

記事公開日:2016.3.25 テキスト
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(原佑介)

 「失言王」の称号獲得へと独走する、自民・大西英男衆議院議員(東京16区)が、また舌禍事件を起こした。

 大西英男衆院議員は2016年3月24日、所属する細田派の総会で、衆院北海道5区補欠選挙の応援で道内の神社を訪れた際の様子を紹介。そこで、「世話を焼いてくれた巫女さんは20歳くらいで『自民党はあまり好きじゃない』と言う。『おい、巫女さんのくせになんだ』と思った」と述べたという。「職業差別」「女性蔑視」ともとれる、いや、そうとしか受け取れない発言で、批判の声が高まっている。

 大西議員は2013年3月、衆議院総務委員会で、元外務省情報局長の孫崎享さんを指して、「間違った考えを語る人間を、ひとりでしゃべらせてはいけない!」と訴え、まるで「NHKは今後、孫崎氏を番組に出すな」と言わんばかりに番組構成に介入した過去がある。

 さらに2014年4月には、同委員会で、質問中の日本維新の会(当時)の上西小百合衆院議員に「子供を産まないとダメだぞ」とセクハラやじを飛ばして謝罪。2015年6月には、自民党若手議員の勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番」などと発言し、党から厳重注意処分を受たこともある。

 春に桜が咲くように、大西議員の失言は例年の恒例行事となっているよう。もはや失言癖があるというよりは、本心を口に出せばすなわち「失言」になるような、そんな思考回路のお方なのかもしれない。

 実は2013年、大西議員は岩上安身のインタビューに応じている。その際、大西議員は、TPPに関し、自民党が「守る!」と掲げた農産品の「聖域」について、「すぐにではなく、いずれ関税撤廃ということ。自民党の多くの議員も同じ考えだ」と、うっかり証言してしまったことがある。

 今回の「巫女のくせに発言」を受け、IWJは大西議員事務所に電話取材。「まだ大西本人と話していないのでわからない」としつつも、丁寧に取材に応じてくれた担当秘書は、「私の印象だと…」と前置きしたうえで、「巫女のくせに発言」に対する見解を話してくれた。

 担当秘書は、「『巫女のくせに』というのは、職業差別という意図ではなくて、『巫女さんでも今、自民党を支持していない』という厳しい現状を言いたかったのではないか」と推論を展開。この推論の前提には、巫女だけでなく神主も含めて、神社界の関係者は皆、自民党支持者のはずだ、そうでなければけないという強固な思い込みがある。

 年末年始に、全国の神社で「異変」が起きていたのを覚えているだろうか。初詣客で賑わう境内の一角にはジャーナリストの櫻井よしこ氏のポスターが貼られ、その傍らには、櫻井氏や日本会議が主導する「憲法改正1000万人賛同署名」が置かれていたのだ。IWJはこれを取材し、神社本庁は日本会議と「一心同体」となって、安倍政権の憲法改正を堂々と支援している事実を報じた。

 神社本庁は全国約80000社の神社を包括する団体であると言われている。つまり、大西議員の頭には、「神社で働く巫女であれば、憲法改正を訴える自民党を支持しているだろう」という認識があったのではないか――担当秘書はおそらく、そう言いたかったのだろう。

 担当秘書のコメントに納得する方もいるかもしれないが、苦しい言い訳だととらえる方も多いだろう。大西議員は会合で、「私は神社関係を中心に回ったが、私の世話を焼いた巫女さんが20歳くらいだった。投票が初めてだということだから、ひとつ口説いてやろうと思った」「巫女さんを誘って札幌の夜に説得をしようと思った」などとも発言していたという。

 何度も失言を重ねながら、いまだに同様の発言を繰り返す大西議員。自民党として処分をくださないのであれば、大西議員の失言を追認しているとみられてしまうだろう。党として、厳格な対応が求められる。

※本記事はIWJ会員に毎朝無料で発行している「日刊IWJガイド」2016年3月25日号から転載し、大幅加筆したものです。

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「「巫女のくせになんだ」――また失言!?自民・大西議員の「職業差別」「女性蔑視」に非難轟々!IWJは大西議員事務所に直撃取材!その弁明とは…?」への2件のフィードバック

  1. あのねあのね より:

     《巫女のくせに》という発言は神社についての基本的な理解すら出来ていないから出てくる言葉である。神道的な信仰心がかけらほども無いということだ。巫女さんより、自民党の議員の方がえらいと云う発想がどこから出てくるのか本人の考えを明らかにして欲しい。巫女さんは若い女性にしか出来ず、靖国神社の大鏡の前の板の間で神楽を舞うのも巫女さんしかできない。結婚した女性には出来ず、穢れが無いとされる女性にしか出来ない神聖な仕事だ。理解できない人も居ると思うが、神主さんの方が偉いと云う発想も生まれてこない。宗教的な見地から、巫女さんに対する蔑視と云う発想もあるはずの無いことだ。この人の神道に対する基本的な宗教観について疑問をもたざるを得ない。
     

  2. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    「巫女のくせになんだ」――また失言!?自民・大西議員の「職業差別」「女性蔑視」に非難轟々!IWJは大西議員事務所に直撃取材!その弁明とは…? http://iwj.co.jp/wj/open/archives/293417 … @iwakamiyasumi
    これはもう失言というより「本音」だろう。あまりに見苦しい。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/713267721400528897

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