2012年9月5日(水)、代々木オリンピックセンターで行われた、アーニー・ガンダーセン東京講演会『岐路に立つ日本――二つの未来』の模様。
同日の「ガンダーセン氏記者会見」の後に行われた講演会。ガンダーセン博士は米国の原子力技術者で、1979年のスリーマイル島原子力発電所事故の調査時には専門家として活動。アメリカ・エネルギ−省の廃炉手続きの共著者でもある。氏はスリーマイルの経験を踏まえ、「政府は必ず事故を過小評価し、子供や女性の避難を遅らせてしまう」と指摘。福島事故に関しても「メルトダウンすることは事前にわかっていた」として、「自分の国の政府もかつて事故の被害を隠蔽したが、同じ事が繰り返されてはならない」と警鐘を鳴らした。
また、「原発専門家として、以前は世界で原発事故が起こる可能性は2500年に1回だと思っていたが、実際は35年の間に3つもメルトダウンが起きている事を歴史が証明している」と説明。ドイツが原発に踏み切った理由を、「事故を恐れたこともあるが、再生可能エネルギ−の分野がお金になると気が付いたということもある」と解説し、「日本も脱原発を目指すためにはまず産業界に働きかけ、産業界が国会に対してロビー活動を行って行くことが必要。再生可能エネルギ−の分野で日本がリーダーになるチャンスは充分にある」と、政治的な決定の必要性を強調した。