【国会ハイライト】「軽減税率」導入による減収分「1兆円」はまったくのウソ!?日本共産党小池晃氏の追及に政府側は答弁不能状態に!翌日慌てて数字合わせするも根拠はまるで不明! 2016.1.18

記事公開日:2016.1.20 テキスト
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(文責 安道幹、岩上安身)

 「軽減税率」導入による「1兆円」減収の根拠が揺らいでいる。

 「1人当たりの負担軽減額が4800円なら、日本の全人口で掛けると6000億円ですよね。1兆円と6000億円の差額はどこに行くんですか?」

 共産党の小池晃議員が2016年1月18日の参院予算委員会で、「1兆円」の根拠について追及すると、政府側がたちまちに答弁不能に陥った。

 政府はこれまで、財務省の試算により、軽減税率の対象品目を「酒類と外食を除く食品全般」と「週2回以上発行し、定期購読されている新聞」とした場合の減収額を、年間1兆円程度と見込んでいた。

 18日、安倍首相は、総務省の家計調査などをもとに「軽減税率」によって1人当たり「4800円程度」の負担軽減になると答弁。ところが、4800円を日本の総人口1億2688万人で掛け合わせると約6000億円となり、政府側が説明してきた減収額「1兆円」と大きな矛盾が生じる。

 小池氏が「この差額はどこにいくのか?」と質問すると、政府側は誰も答えられないパニック状態に。その後、麻生財務相が「家計調査で出した数字と、全体で出した数字との差が出るのは当然」などと開き直り、最後には「家計調査は、実際の支出を全部書いてられない」と、家計調査の信頼性を否定するような発言を行い、火に油を注いだ。

 翌19日、財務省は安倍首相が答弁した一人当たりの負担軽減額「4800円程度」を「8000円程度」と修正。家計調査による支出額は「消費総額の6割程度」と強調し、減収額「1兆円程度」を改めて政府の統一見解とした。

 これまでの説明と異なる数字や政府答弁が唐突に出され、単なる数字合わせの印象が拭えない。また仮に、麻生財務相が言う通り、家計調査が信頼に足るものでないなら、これまでそれを根拠に説明されてきた消費税10%引き上げによる単身世帯の年額負担額「2万2000円程度」という政府答弁も、当然疑わしいものになるだろう。負担額はもっと重いものになるかもしれない。今後、政府にはさらなる説明が求められる。

 以下、小池晃議員が18日に質疑した該当部分の全文文字起こしを掲載する。

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小池晃議員、質疑文字起こし

小池議員「それから、軽減税率なるものについても聞きたいんですが、軽減と言うけれど、これ、総理、聞きますが、軽減と言うけれど税率下がるわけじゃないですよ。今より軽くなるわけじゃないですよね。これ、お認めになりますか」

安倍首相「この軽減税率というのは、フルに掛かっている税率に比べて安い税率があるという制度としてのこれは表現でございまして、しかし、10%になるものに対しましては、10%に上がらずに8%のまま、10%に比べれば当然これは軽減ということであろうと思います」

小池議員「いや、ごまかしちゃいけない。今より上がらない、今よりも軽減されるわけじゃないですよね、と私聞いているんです」

安倍首相「それはそのとおりでございますが、10%に比べれば2%軽減しているという意味で使わさせていただいているところでございます」

小池議員「だから、これ軽減じゃないんですよ。今より軽くなるわけじゃないんだから据置税率なんですよ、あえて言えばね。据置税率だと。自公両党は、食料品、新聞の税率を8%に据え置く、これで一致したわけですが、この税率、据え置いたとしても大増税ですよ。財務大臣に聞きます。酒類、外食を除く飲食料品及び新聞の税率を8%に据え置いた場合でも10%増税でどれだけの負担増になるのか、単身世帯とそれから2人以上世帯のそれぞれ平均で示してください」

麻生大臣「酒類及び外食を除く一般、いわゆる食料、飲食料品及び一定の新聞の定期購読料を軽減税率の対象として、いわゆる標準税率を10%に引き上げることとしておりますが、今ご質問の内容は、消費税負担の増加額を一定の仮定の下で機械的に試算をいたしますと、単身世帯当たり2万2000円程度、2人以上の世帯当たり4万1000円程度となるという計算ができております」

小池議員「お聞きになったように、2人以上世帯は平均で4万円を超える、単身世帯は1人だけで2万1000円超える、大変な負担増なわけです。改めて家計への大打撃になるということですね。これ、軽減なるものをやってもこうなるわけですよ。今グラフをお示ししておりますが、(資料提示)消費税のやっぱり最大の問題点は逆進性です。所得が低いほど重くのしかかってくるという問題です。

 年収200万円以下の場合、これは消費税の負担率ですね、家計に占める、年収に占める割合はこの増税によって1%程度増えます。それに対して、年収1500万円では0.4%の増加です。1%と言うけれども、年収200万円で2万円収入が消えるというのは、これ、本当に深刻だと思いますよ。10%に増税すれば、財務大臣、幾ら据え置いたとしても、8%のときよりもこのように逆進性が強まるということをお認めになりますね」

麻生大臣「単純に計算するとそうなるのは、当然のことだと存じます」

小池議員「当然と平然と認めてもらっては困るんですよ。そういうことをやるんですかということですよ、これ。所得の分配が必要だというときに逆進性を更に高める、そんな増税やっていいのかということなんですよ。税率を8%に据え置くために必要になる財源は1兆円、1兆円というふうに議論になりました。この1兆円の根拠をお示しいただきたい

麻生大臣「軽減税率導入によるいわゆる減収見込額につきましては、税率1%当たり消費税額2.1兆円、これは、国などにおけます、負担する消費税額や住宅取得に係る消費税額を除いたものでありまして、家計消費に消費するものだけなんですが、家計調査における軽減税率の対象品目の消費額の割合24%を掛けまして、これに軽減税率幅2%を掛けることなどにより1兆円程度ということを見込んでおるところであります」

小池議員「1兆円だと。一方、総理は衆議院の予算委員会で、食料品軽減税率の対象とした場合の2人以上世帯の1人当たりの負担軽減額が年間4300円程度というふうにお答えになっています。総理の答弁なので総理にお答えいただきたいんですけど、これに新聞加えて単身世帯も含めた場合の全世帯ではどうなるんでしょうか」

安倍首相「酒類及び外食を除く飲食料品及び一定の新聞の定期購読料を軽減税率の適用対象とした場合の総世帯の1人当たりの負担軽減額については、一定の仮定の下、機械的に試算すれば、4800円程度となるものと見込まれております

小池議員4800円程度だと。今の日本の人口というのは1億2688万人なんですよ。これ、4800円ということにすると、単純計算でこれ掛けると6000億円ちょっとになるんですね。一方で、1兆円と言うわけですよ。これ、どうしてなんですか。この1兆円と6000億円の差額は一体どこに行くんですか

委員長「ちょっと待ってくださいね」

麻生大臣「ご指摘のとおり、今の話で、ちょっとにわか勉強で誠に恐縮ですが、これは全体で取っている数字と家計調査に基づいて足してきた数字との差が多分これに出てきているのではないかと想像されます」

小池議員そんな説明通用しないでしょう。だって、9000億円と1兆円とか、9800億円と1兆円というのなら分かりますよ。6000億円と1兆円ですよ。全然違うじゃないですか。確かに家計調査で把握できないものはありますよ。ただ、食料品というのは一番把握しやすいんですよ。高額の消費であれば、それは把握できない部分はあるかもしれない。それがこれだけ乖離がある。これは全く説明になっていない。これでは駄目です。これ、納得のいく答弁してください

委員長「じゃ、どうですか。ちょっと、じゃ、宿題にして」

小池議員「いや、駄目ですよ」

委員長「じゃ、ちょっと待って、ちょっと待ってください。これ時間にカウントになっていないから、ゆっくり待ってください。じゃ、一応、速記を止めて」

〔速記中止〕

委員長「速記を起こしてください」

麻生大臣「大変お待たせしました。基本的に、先ほど申し上げましたように、家計調査というものを我々はいろいろな方にお願いをして出してもらっているわけですが、その出している方々が書いていただいているやつを我々は基にして、先ほど申し上げたことになりますけど、実際(の支出を)全部書いていられるかというと、なかなかそんなことは書いていられませんよ、調査してみたら分かりますから。

 そうすると、当然でしょう、だって書いていない部分は意図的に書いていないとかいうのではなくて、全体としては非常にもっと大きなものになりますので、そうなりますと、その全体の、税収入全体でいきますと、その差が出てきているのは当然なんだと思いますが」

小池議員今の説明だったら、家計調査って全く信用できない調査だということになりますよ。だって、6000億円と1兆円の違いですよ。僅かな誤差じゃないじゃないですか。これは駄目ですよ。だったら、さっきの、例えば大臣は1世帯当たりの負担増の数字も出したけれども、あれも全部でたらめだということになりますよ。こんなのじゃ議論できないですよ。ちゃんとした正確な数字出してください。やっぱりこれが、6000億円、この家計調査の方が間違っているんだとすれば、これは今までの議論が全部間違っているということになりますよ。それから、もしかして軽減税率1兆円だというのが過大な数字だとすれば、これは、今まで衆議院では全部1兆円の軽減税率だと、財源どうするんだという議論をしてきたのが全部駄目になりますよ。

 これ。はっきりさせてください。こんなのじゃ駄目です、政府の統一見解を出してもらわないと。今の説明では、家計調査がちゃんと把握できないからそれでは合わないなんていう、そんな説明では全くこれは誰も納得できないですよ、これはどう考えたって。多少の誤差ならともかく、これは国民、テレビを御覧の皆さんだってこれはやっぱり納得できないと思いますよ」

安倍首相「ただいま財務大臣から答弁したとおりでありまして、家計調査、家計調査の場合は、家庭にお願いをして言わば家計簿を付けていただいて、それをサンプルとして我々が集めたものを、そしてそれを、例えば言わば全ての世帯がこのとおりという、そういう計算をするわけでございますが、我々が1兆円とお示しをしているのは、まさにこれはマクロの数字として、実際に言わば今まで8%の既に消費税を掛けているわけでございますが、そのベースとなったものに10%を掛ければ当然この1兆円が出てくると、こういうことでございます。

 ですから、当然、今までの既に実績ベースで出されてきたマクロの数字としては正しいものが1兆円であると、こういうことでございまして、家計調査についてこれ割り返してみたらどうなんだという質問を民主党からいただいたものでありますから、そこで、新聞を除いたものとして4300円かな、というものを出したわけでございまして、通常、そこから、では税収がどれぐらい減るかということをこれは計算するものではないわけであります。それはなぜかといえば、これはそれぞれの家庭に家計簿を付けていただいている、これは全部の家庭ではなくて幾つかにサンプルをお願いをしていると、こういうことでございますから、そもそもこの家計調査とこういうマクロの数字を取るという、これは趣旨がそもそも違う、性質が違うということに起因するものでございます

小池議員「あのね、拍手するところじゃないですよ。政府の統計がでたらめだという答弁なんですよ。そういうことじゃないですか。家計調査が全く反映していないということじゃないですか。大体、それだとすれば、これだけの誤差が起こるということは納得できないですよ。だって、家計調査は確かに全世帯調査じゃないから、車を買った世帯とそうでない世帯と、差は出ますよ。ただ、食料品というのはどんな家庭だって買うんですよ。一番誤差が少ない部分なんですよ、家計調査の中でね。一番実態把握しやすい部分でしょう、食料品というのは。それがこれだけ違うというのは、これは全く、だって説明になっていないでしょう。これじゃ説明になっていないです」

麻生大臣「重ねて申し上げるようで恐縮ですが、少なくとも、小池先生のおっしゃるように、間違いなく家計調査というものはきちんとしたお願いをさせていただいた方々のところですから、サンプル量は当然小さくなるのは当たり前の話なんであって、そのものに対して我々は、その比率から計算して、税収全体から見てこういった比率だと、それを掛け合わせますので、そちらの側の方の全体、税収全体から見たら1兆円になるという話を申し上げているのであって、私どもは、サンプルを基にしてそういう比率を割り出しておりますから、そういった意味では決して間違っていないと思います」

委員長「速記を止めて」

〔速記中止〕

麻生大臣「今御指摘のことに関しまして、明確な答弁が今は数字の上でできませんので、後刻資料をもって提出させていただきます」

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