【岩上安身のツイ録】「本当に大事なのは、情報の伝達力」~市民ジャーナリズムのススメ

記事公開日:2011.1.8 テキスト
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(岩上安身)

※2011年1月8日の岩上安身による連投ツイートを再掲します。

 ジャーナリスト、と聞くと、何だか難しい職業のようなイメージを持つ方も多いが、そんなことはない。誰でもなれる、最も簡単で間口の広い仕事であり、営みである,と思う。ランナーと同じ。家の周りをジョグするのもランナー、五輪のマラソンのメダリストもランナー。

 ジャーナリズムの基本は、事実の伝達。事実をありのまま、できるだけ正確に伝える。これが、ジャーナリズムの基本。古代社会で狼煙をあげて情報伝達していたのも、ジャーナリズムのひとつ。

 ジャーナリズムとインテリジェンス、何が違うか。取材過程がそう大きく違うわけではない。違いは、伝達する相手。前者は不特定多数の読者・視聴者。後者は特定の為政者や権力者。前者は、オープン、後者はクローズド。

 つまり、ジャーナリズムは、開かれた民主主義社会を前提とする。すなわち、情報の受け手は、すべての一般市民である。ところが、情報の送り手は、長い間、一握りのジャーナリストに限られるとされてきた。その原因のひとつは、情報の伝達手段が高くつくためである。

 新聞の輪転機もテレビ局の放送設備も、誰もが所有できるものではない。だが、ネットが、そうした状況を大きく変えた。今や誰もがメディアをもち、情報の発信者となりうる。

 極論すれば、開かれた社会において、情報を広く伝達しようとする者は、すべてジャーナリストなのだということができる。いつでも、どこでも、誰であっても、事実を伝えようとする者は、ジャーナリストたりうる。現代は、国民皆ジャーナリスト社会なのだ。

 もちろん、ジャーナリストの大きな役割として、分析、批評、論評などがあげられる。が、それはあくまで事実に立脚しての話。記者はまず、記録し、伝達すること、これが第一の基本。

 会見に参加する記者募集、というと、必ず、質問ができるかどうか、自信がない、と言って、尻込みする人が出てくる。だが、気のきいた質問をする、というのは、第二段階の話。第一段階では、まずとにかく、記録し、伝達すること。それができれば、ジャーナリストとしての最初の仕事は合格。

 情報のリテラシーという言葉で、読み解き方の向上ばかり、取り上げられるが、本当に大事なのは、情報の伝達力。送り手、伝え手、つなぎ手としてのスキルが向上すれば、自ずと受け手としても成長してゆく。

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