【オスプレイ着陸失敗で1人死亡】 普天間・横田基地配備に不安と怒りの声 「欠陥輸送機」の危険性を指摘し続ける真喜志好一氏インタビューを緊急再配信! 2015.5.18

記事公開日:2015.5.18 テキスト動画
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(佐々木隼也、原佑介)

特集 空飛ぶ欠陥機オスプレイ
※5月18日18時50分より、「欠陥輸送機」オスプレイの危険性を指摘し続けている真喜志好一氏インタビューを、Ch1で緊急再配信!【Ch1はこちらから】

 2015年5月17日午前11時40分(日本時間18日午前6時40分)ごろ、ハワイのオアフ島で訓練中の米海兵隊のオスプレイが訓練中に着陸に失敗、炎上した。乗員の海兵隊員1人が死亡、残りの乗員21人が病院に搬送された。海兵隊によると事故原因は「調査中」だという。

 今回炎上したオスプレイは、海兵隊仕様のMV-22と呼ばれる機体で、日本ではすでに沖縄県の普天間基地に24機配備されている。さらに計17機の追加購入も決定しており、佐賀空港への配備が検討されている。他にも、5月11日には米国防総省が 空軍仕様のCV22と呼ばれる機体3機を2017年後半から東京都の横田基地に配備すると発表。2021年までに7機を追加配備し、計10機態勢とする計画も示している。

  オスプレイ17機と関連装備の日本への売却額は30億ドル(約3600億円)、1機あたり211億円と言われ、通常の輸送機の相場に比べ4〜7倍という破格の値段だ。

 中谷元・防衛相はオスプレイの横田配備について「首都圏にオスプレイが存在することは、わが国全体の安全保障に資する。また首都圏直下型地震や南海トラフ地震などの大規模災害にも対応できる」と語るが、今回の事故で明らかなように、何度も重大事故を起こしている。2012年4月にはモロッコで訓練中に墜落、4人が死傷した。また。同年6月にも米フロリダ州で墜落し、5人が負傷している。

 日本で配備中の普天間基地も、配備予定の横田基地も、人口が密集する市街地にある。また訓練では、日本本土を飛び回る。ひとたび事故が起きれば、その被害は計り知れない。

 「大規模災害に対応できる」と強調する日米両政府だが、4月25日に発生したネパール大地震では、米国政府の要請で救援のために普天間基地から派遣されたオスプレイ4機が、住宅の屋根や瓦礫を吹き飛ばす被害を発生させたという。ネパールの地元紙は「使えない」と批判し、「狭い場所では、巻き上げた砂煙が視界を悪くし、空中に停止するホバリングも難しくなる」などの指摘もあがっている。

「欠陥輸送機」の危険性を指摘し続ける真喜志好一氏

 「県としてオスプレイ配備反対」を掲げる沖縄県の翁長知事は、今回の事故を受けて「県民の安心安全を守る見地から原因究明を含めしっかり対応してもらう」と述べ、原因が究明されるまで県内でのオスプレイ飛行停止を求める考えを示した。

 「被害が少なそうな運動場などの落下場所を選ぶことは困難」——。オスプレイの構造の欠陥を指摘するのは、沖縄在住の建築家で市民活動家の真喜志好一氏だ。  真喜志氏は、2012年9月に行った岩上安身のインタビューで、手製の模型を使った落下実験でその危険性を視覚的に説明。落下時には通常のヘリよりもオスプレイの方がはるかに早く床にぶつかることを実証し、2004年に起きた沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故の時のように重傷で済む可能性はなく、「ほぼ間違いなく即死する」と断言した。

 さらにインタビューでは、プロペラの角度を変えて離着陸モードから飛行機モードへの切り替えの段階にも危険が潜んでいることも指摘した。

■インタビューのダイジェスト動画

【動画記事はこちら】

 また今回の事故と今後の横田基地配備について、真喜志氏はIWJの取材に応え、「そもそもオスプレイを配備する目的やその作戦行動がどのようなものか、どのような使い方をするのかも知らないまま日本政府がオスプレイの配備を承諾するのはおかしい。そもそもあれは人を移送するもの」としたうえで、「米国で民間地の上空を飛ばないと配慮しているにも関わらず、沖縄では自由自在に飛んでいるという二重基準を、日本政府は許している」と厳しく批判した。

「やっぱり起きたか」横田基地周辺住民の不安

 舛添要一東京都知事にオスプレイ横田基地配備の撤回要請(※)を出した都議会生活者ネットワークの事務局長・田辺小夜子氏は、IWJの取材にこたえ、今回のオスプレイ事故について「やっぱり起きたか」と感想を口にした。

 「地域自治体の住民からも、オスプレイの事故が心配だという声があがっていました。その矢先にこういう事故が起きて、『やっぱりね』という感じです。慎重に慎重を期して、配備計画を撤回してもらいたいと思います」  横田基地所属の軍用機の事故は、これまでにも相次いで起こっている。1955年には、横田基地を離陸した米軍のF-80シューティングスターが、東京都八王子市神戸の民家が点在する地域の上空で爆発。機体は墜落し、巻き込まれた5名の住人が死亡した。

 「様々な事故が私の記憶に残っています。基地周辺の事故は注意しても避けきれません。オスプレイはもともと事故が多いと聞いていますが、今回、ちょうど横田基地配備の話題がのぼっている中での事故だったので心配です」

 最後に田辺氏は、住人の不安をよそにオスプレイの受け入れを進める日本政府の姿勢に懸念を示した。

 「沖縄の基地負担の軽減というかたちであちこちに配備されてゆくんでしょう。米軍基地をこのまま米国の要請どおりに置き続けること自体を見直すべきではないかと思いますが、新・日米ガイドラインにも合意して、逆行している状況です。世論調査でも決して支持が高いわけでもないのに、閣議決定で進められていくことへの不安はあります。手続きも形ばかりで決められていって、すごく心配です」

※垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの横田基地配備撤回に関する要請 都議会生活者ネットワーク ホームページより

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