【大阪都構想】二重行政より悪い三重行政になる可能性も!?「都構想で4000億円浮くと言うが、実際の効果は1億円しかない」──大阪市議らが橋下市長による都構想の矛盾を警告 2015.4.16

記事公開日:2015.4.26取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

※4月26日テキストを追加しました!

 「6000億円の大阪市の業務は府へ託し、今までの事業は、府の下に一部事務組合を作って受け持つ。その下に特別区があるので、二重行政より悪い三重行政になる。大阪府と大阪市が一緒になれば4000億円浮くと言うが、実際の財源効果は1億円しかない」──。

 大阪都構想に伴い、特別区を作ることについて、大阪市議の前田おさみ氏は、このように指摘した。

 大阪市24区を特別5区へと改編することの是非を問う住民投票(大阪市における特別区の設置についての住民投票)が、2015年5月17日に行なわれる。かねてから、大阪府と大阪市の二重行政の無駄なくし、地方行政のスリム化を主張する橋下徹大阪市長が、先頭に立って進めている事案だ。

 大阪市による住民説明会には橋下市長も出席し、4月14日から連日、各地域で開催されているが、大阪市会議員の有志らは「賛成集会だ」と反発。自由民主党大阪市会議員団が各会派に呼びかけ、公明党やOSAKAみらいの市議らとともに、「大阪市廃止・分割を考える会(仮称)」として全24回の反対集会を企画し、税収の懸念、市民サービスの劣化、政令指定都市の自治権の失権など、懸念される影響を住民に訴えている。

 2015年4月16日、大阪市西成区の梅南集会所で「『大阪市廃止・分割を考える会』 IN 西成区」が開催された。元大阪市会議員の柳井伝八氏、前市会議員の小林道弘氏、大阪市会議員の前田おさみ氏と柳本顕氏らが、特別区の問題点や、橋下市長の狙いなどを説明し、集まった市民に「住民投票は棄権せず、正しい判断を」と訴えた。

 大阪都構想が現実になれば、現在の財源である宝くじの収益金(年間143億円)や法人税、固定資産税が区に入らなくなり、税収は市民税、タバコ税、軽自動車税の3つだけになるという。さらに、大阪市の年間の生活保護予算2900億円のうち、自治体負担分の150億円がさらに増加する見込みであること、また、ゴミ焼却場とその経費分担の問題についても言及があった。

 西成区選出で大阪市議を3期務めた小林氏(2015年4月12日の市議選で落選)は、「大阪市を良くするなら、賛成と反対の両者を交えて話し合うべき。変化も必要だが、2年間で決めるのはあまりにも拙速だ」と主張した。

記事目次

■ハイライト

橋下市長が率先する大阪都構想への大いなる疑問

 冒頭、司会者(西成商店街住民)が、2015年4月14日から、大阪市による特別区設置協定書についての住民説明会が始まったと告げ、「本来、中立公平の立場であるはずの橋下大阪市長自らが、大阪都構想推進を率先することには大いなる疑問を抱く。西成区は人口42万人の中央区に吸収され、区長1人、議員数は13人になり、区長の権限が増大する危険がある」と話した。

 次に柳井氏が、「都構想は、二重行政の無駄の是正を問うというが、国、府、政令区、市町村の役割分担は決まっている。私が議員当時の印象では、府とはあまり関係がなかった。政令指定都市にはかなりの権限や予算が委譲され、国と直接やりとりして決めていた。当時、『大阪府は盲腸(=なくてもいい)』などと言っていた」と述懐した。

 地方自治体は、ゆりかごから墓場まで、市民の生活をサポートしていく存在だと続けた柳井氏は、「府は市に介入できず、広域行政を受け持つ。橋下市長は、大阪市が地下鉄、病院、美術館、図書館を持つことが、二重行政だと非難する。しかし、美術館取り壊しは中止、大学併合計画も頓挫している」と実情を語った。

 さらに、「橋下市長は二重行政をなくして財源を他に回す、と言うが、大阪市の説明パンフレットは美辞麗句があふれ、まったくのまやかしだ」と市の広報の矛盾を指摘。「橋下氏は大阪府知事をやって面白くなかったので、大阪市長になったのではないか。大阪市はあまりに巨大なので、潰して新しくしたいのではないか」と語気を強めた。

特別区に再編成することの是非を問う「5.17住民投票」

(…会員ページにつづく)

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