【岡山・大義なき解散総選挙】「安倍首相は裸の王様」――民主・蓮舫参院議員がアベノミクスを「古い経済対策」と批判 ~岡山4区・柚木道義候補 街頭演説 2014.12.9

記事公開日:2014.12.12取材地: テキスト動画
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特集 総選挙2014

※12月12日テキスト追加しました!

 「特定の人だけが良い思いをして豊かになれる時代は、もう終わりました」

 民主前職の柚木(ゆのき)道義氏、自民前職の橋本岳氏、共産新人の垣内雄一氏の3人が対決する岡山4区に12月9日、民主党の蓮舫参議院議員が柚木候補の応援に駆けつけた。蓮舫議員は、今回の解散総選挙を「茶番」だと批判。

 安倍首相は今回の解散について、「アベノミクス」や「消費税増税」を国民に問うため、と説明しているが、集団的自衛権や特定秘密保護法、原発再稼動についてはどうか。国民的議論を経ずに、強行に推し進めてきた。

 蓮舫氏は、自民党の議席が増えれば、国会での野党の質問時間が減り、安倍政権の暴走がさらに加速すると警鐘を鳴らす。さらに、豊かなものをより豊かにする「アベノミクス」は「古い政策だ」と断じ、子どもの教育や高齢者の介護、若者の安定雇用を支える政治をと、支持を呼びかけた。(IWJ・ぎぎまき)

■全編動画

  • 日時 2014年12月9日(火)15:30~
  • 場所 倉敷駅北口橋上デッキ、倉敷駅南口中国銀行前(岡山県倉敷市)

※以下、発言要旨を掲載します

安倍総理の想定通りに進む――集団的自衛権、秘密保護法「選挙で言わないことをやるのが安倍政権」

柚木道義候補「公明党が反対しても、憲法9条を変える発議もできる。国防軍を作る流れもできる。そういう大変な数の議席が、結果次第では、自民党一つに集まる。野党がどんなにがんばっても、大多数の力で与党が強行できる。70年間、みなさんが大事にしてきた平和憲法も大きく形を変えてしまう。その鍵を握っているが、一人一人の有権者のみなさんです。

 今のところ、安倍総理の想定通りに物事が動いていませんか。『どうせ国民のみなさんは選挙に行かない。だったら、今やれば自分たちが有利』。『さすがに憲法9条はやらないでしょう』と言っても、本当にそうでしょうか。2年前の総選挙、安倍総理が集団的自衛権をやります、特定秘密保護法をやりますと言ってましたか? そんなこと、言ってないでしょう。ですから、この選挙が終わったら、言わなかったことをやる、これが、これまでの流れ。私はそれを心配しています。

 景気の問題、年金生活者の切り捨て、子育て支援は先送り、若者の雇用不安定化が進むのが、安倍さんの成長戦略。医療介護の予算も削られる、来年(2015年)は介護も削られる。でも、すべては平和があってのことだと、私は思います。蓮舫さんが今日、来てくれていることの意義。一つの党だけで憲法9条を変えたり、3分の2の数の力でどんどん強行採決をしたり、その歯止めになれるかどうか。ここ、中国地方でどれだけがんばれるかどうかです。

 勝たせてもらえれば、私は安倍総理に言います。地元のこの声を聞いてくださいと。私は一人でも身体を這ってでも主張します。平和を守る力、高齢者を切り捨てない、子どもを守る力を与えていただきたい」

総選挙の費用は海上保安庁の年間予算の3分の1「茶番以外の何ものでもない」

蓮舫参議院議員(以下、蓮舫・敬称略)「この解散、まだ、何のために行なわれたのか分からない。景気が悪い、経済が悪い、消費税先送りだ、だから解散だと。だったら言わせてもらう。景気が悪いなら、国会を開いて景気対策を堂々と議論するのが政治の役割ではないですか。国会で議論しないで、争点にならない争点でもって、みなさんの税金700億円を使って総選挙を行う。私に言わせれば最大の無駄使いじゃないですか。

 この国の海を守っている海上保安庁の1年間の予算は2000億。総選挙はその3分の1。そんな金を使って、消費税増税の先送りを問う、茶番以外の何ものでもないじゃないですか」

政・官・業の癒着を剥がす者は嫌われる「豊かなものをより豊かにする必要はない」

蓮舫「アベノミクスはうまくいっている。雇用が広がった、賃金が上がった、豊かになった。どこの地域の話ですか。なんでアベノミクスでこれだけ消費が振るわないのか。古い経済政策なんですよ。大きなものを、東京の一部を、強いものを、自民党に献金する経団連の企業を豊かにしたら、みなさんの懐、豊かになりますか?

 人口が減るから消費者が減る、ならば子どもを増やそうじゃないですか。『子どもを産まない人が悪い』なんてことを言う大臣がいる内閣には、私たちが言っている子育て支援という意識はこれっぽちもありません。

 あるいは、現役世代。2年後が見えない人生なら、3年後が見える安定雇用に変えていこうじゃないですか。それで初めて、若い人たちは人生設計ができ、消費にまわすことができるんです。なんで貯蓄を切り崩さないのか、消費にまわさないのか。将来が心配だからじゃないですか。

 消えた年金、削られる介護、たらい回しの医療、私たちは同じ財源を使うのであれば、豊かなものをより豊かにするのではなくて、消費者対策をしっかりしよう、子どもたちの教育を支えよう、不安定雇用を安定雇用にしよう、消えない年金、誰でも受けられる介護、たらい回しにされない医療、安心を保障することでみなさんの生活が安定する。そうして、消費にまわり、経済がまわる。

 アベノミクスは失敗をしているから、もう一度、私たちの『人』への投資を政治に。政・官・業の癒着を剥がそうとしたら嫌われるんですよ。おいしい思いができなくなるからですよ。特定の人だけがおいしい思いをして、豊かになれる時代はもう終わりました。今はそうじゃない。みんなで幸せになれるように、しっかりと政治が底支えをする。スタート地点に立てない人たちを、スタート地点に立たせようじゃないですか」

誰が安倍総理に「裸の王様」と言うのか? 1票の重さは380万円

蓮舫「輝く女性の社会? 表面的なことを言っている内閣に、私は女の苦労は分かってないと思う。一人で子どもを育てる、結婚しようにも仕事が不安定、大学を出ても正社員の職につけない。がんばっている女性を本当に支援するのであれば、豊かな人だけ、女性役員を増やすという現実離れした政策ではなくて、底辺でがんばっている人たちをしっかり支援する、育児と雇用、ワークライフバランス。

 都合のいい所だけ女を使うとか、都合のいい所だけ景気の良いところを見るとか、限られた財源を、間違った現実で、贅沢に使わないように。『一強多弱』ならば、最大野党としてぜひ応援していただきたい。300を超える議席を自民党に与えたら、国会での民主党の質問時間はほとんどなくなります。大切な憲法の解釈でさえ、閉会後に閣議決定に変えた政権です。数を持ったら何をやるか、ぜひ想像力を広げてください。

 特定秘密、集団的自衛権、何がなんでも原発再稼動。みなさんに問わなければいけない不都合な真実は問わないで、アベノミクスを問うという、こうした間違った総理に、『王様は裸だ』と誰かが言わなければ目が覚めない。今回の総選挙、投票率が低いなんて言わせない。みなさんの税金、1年間の国家予算を衆議院議員4年の任期をかけて、1億人の有権者で割ったら、1票の重さは380万円。みなさまの380万円をどうか無駄にしないために、独裁国家にしないために。どうか投票に行ってください」

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