岩上安身によるインタビュー 第222回 ゲスト 有田芳生議員インタビュー 2012.6.26

記事公開日:2012.6.26取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根)

 2012年6月26日(火)16時より東京・千代田区永田町にある参議院議員会館で、岩上安身による、有田芳生議員インタビューが行われた。話題になっている小沢和子夫人の離婚の手紙の実物を見せ、筆跡も和子夫人直筆と比べて見せたりした。また、小沢本人のエピソード、政局、増税、拉致、原発など多岐にわたって、有田議員に話を聞いた。

■ハイライト

 冒頭、岩上が、有田芳生参議院議員に、有田議員に送られてきた、小沢夫人の離婚手紙と封筒を見せながら、「手紙は、文春にのり、無批判に読売新聞に掲載、そして陸山会の会員や献金した人、民主党党員サポーターなど送りつけられている」と話した。有田議員が「消印は浅草で、議員会館までは印刷、自分の名前などは手書きだ。裏面には何も書いていない。衆院と参院では、その封筒の書き方が違う」。岩上はまず、小沢夫人の手紙の件より前に、消費増税、社会保障・税と一体改革の採決の結果を話し、政局について、有田議員にまず訊ねた。

 「とにかく財政再建をするために、消費増税は必要。社会保障もこのままでは、たいへんなことになる、いう主観的な意図、出発点は否定しない。しかし、議論を聞いていると、大局的なこと、大きな枠組みが抜けている。みな各論について話すばかりで、経済についてはとても詳しいのだが、将来的なビジョンがない」。岩上が「1997年に3%から5%に上げたときの金融恐慌をもう忘れている」。有田議員は「当時、税収は落ちた。今回はもっと厳しい経済状況だ。日本のGDPの60〜65%は個人消費だ。それが増税で、冷え込めば、財政再建も、社会福祉の充実も、話にならない」と語った。

 また官邸前デモに話が移り、有田議員は「官邸前を人々が取り囲むという事態は、1970年安保以来なかった。いま、日本社会のなかで、怒りというものが政治を動かすというところに来ている。本多勝一氏の言った、原稿論文を書くときは、自分の母親が理解できるように物を書かなくてはいけない、という言葉を思い出す。野田首相も消費増税や社会保障の一体改革も、母親がわかるようには説明していない。街を歩けば、反撥、憤り、批判の渦だ。あと、国会で使うことばが古いし、業界用語になってしまっている」などと語った。

 岩上がふたたび話題を、小沢夫人の手紙の件に変え、この手紙の信憑性を訊いた。有田議員は「文春がすっぱ抜いた形になっていて、この記事を書いたフリージャーナリストの松田賢弥さんとは、若いころからの知り合い。それでこれは出来過ぎていると思った。小沢夫人の言動、魚を食べたときの話などツジツマの合わないところが多い。でも一般の人たちは、あの記事を読んで洗脳されてしまう。ウォルフレンの言う人間破壊そのものだ」。岩上が「文春の編集長も発行人もよく知っている。文春だったら、この怪文書の真偽はいかに、という切り口で掲載するのが筋だと思うので、とても残念」と言うと、有田議員は「政治の世界はある程度、汚さ、ひどさ、惨めさなどはあっても、立花隆や尊敬していたジャーナリストや毎日新聞の編集員などが、その記事を鵜呑みにして、小沢一郎はひどいヤツだ!と書く。この批判精神のなさはひどすぎる」と指摘した。

 岩上が「文春の発行人木俣氏が、筆跡鑑定をして確認した、と明言していた。有田議員は、筆跡には疑問をもっている。また永田町に、代書屋というのがいるらしいが」と訊いた。有田議員は「小沢夫人と20年来、お付き合いのある方から、直筆の手紙を借りて調べたら、やはりおかしい」と言ってハガキと、その手紙の文字を比べて見せた。「代書をする仕事もあるし、今は代わりに書いてくれるパソコンソフトすらある。だから筆跡鑑定で、本物だ、と公表されてしまえば、ほとんどの人は信じてしまう」と語った。

 岩上が「小沢議員がなぜ岩手に戻らないのか、その事情は?」と訊くと、有田議員が「私は、小沢グループではない」と断って話を続けた。「ただ、政治家になって、手本にしようとする先輩政治家がいない。小沢氏だけが、その中で尊敬できると思った。今、政治家に求められているのはゼネラリストだ。また被災地へはなぜ、入らないかというと、入っても権限がないから、何もできないんだ、と答えたことがあった」と話すと、岩上が、それに補足すると「ある側近が、小沢氏が岩手に行くと、SPやらいろいろ回りがたいへんにあるので、達増知事から、来ないでください、東京でがんばってください、と言われたらしい」などと話した。インタビューはまだまだ続き、小沢氏のマスコミがする人間破壊、和子夫人のこと、政局、増税、ジャーナリズム論、拉致問題など多岐にわたって話を訊いた。

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