亀井金融大臣会見 2010.1.29

記事公開日:2010.1.29取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

 2010年1月29日(金)10時より、亀井静香金融大臣のオープン記者会見が行われた。総理から補正予算成立を受け、速やかに執行し景気への反映を指示された、と述べるだけにとどまり、質疑応答に移った。

■全編動画

 まず、岩上より「先日の亀井大臣の故新井将敬氏へのスピーチの真意を伺いたい。ひとつは、検察批判があるのか? 次にその発言は、小沢氏への身の施し方などへの暗喩なのか? そして外国人参政権に関して、日本新党は、参政権をそのまま認めるより、帰化することを主張している。しかし故荒井将敬氏は帰化してもなお、差別に苦しんだ。そのことと矛盾すると思うが、それについての意見」と質問した。

 亀井大臣はそれに対し、「日興證券の常務が1カ月にわたり検察から事情聴取を受け、被疑者になった故新井将敬氏はたった3時間の取り調べで逮捕された。私自身は捜査のデュー・プロセスに問題があったと感じている。参政権については、民族問題につながるので慎重にならざるを得ない。小沢氏に対する捜査などは、意識して言ったことはない」と答えた。

 ファイナンシャルジャパンの記者からは、政治資金法改正について意見を求められ、「個人献金だけだと、どうしても利害関係が生じ、個人献金が政治を浄化するとは限らない」と亀井大臣は述べた。毎日放送記者から、町村議員の野次について問われると、亀井大臣は「相手にしない。自分も野次を飛ばす」と答える。日本証券新聞社記者からは「オバマ大統領の新しい金融規制法案の件で、金融市場が混乱した。そのことについてどう思うか、日本でも同様な規制を導入するのか」と質問が寄せられた。

 亀井大臣は「融資は大事だが、金融は本来なくてもよい。生産と消費があればそれで済む。しかし、人間は利潤追求に走って自己規制ができないくなるから、金融庁がそれを監督する。業界自体がうまく制御できないところを補っていく。また、オバマ大統領は評価する」と付け加えた。また貸金業法完全施行、ゆうちょ銀行、地方分権についてなどの意見を問われた。

 最後に、マガジンエックス記者より「現在、投資と投機が区別つかなくなっている。大臣の金融に対するメッセージをお願いしたい」と聞かれ、亀井大臣は「働いて、お金を得て、生き甲斐を得られる社会。『一攫千金』を夢見ても、千金を作る人がいないと、一攫ばかりの者だと社会は成り立たない。とは言ってもね、金がない時はさあ、俺なんかも、とにかく、『百円玉落ちてないか』と下向いて、そういう時に限って落ちてないんだよな」と、皆を笑わせ、記者会見は終わった。

おはようございます。ラブリー亀ちゃん、今日は久しぶりに会見に出ます。なお、昨日、Livedoorの方と会い、僕のホームページのエントリー、「ニュースのトリセツ」が、ブロゴスに加わることになりました。

とはいえ、上機嫌とばかりにはいかない。

天気もよく、気持ちのよい朝です。今、金融庁に向かっているところ。ただ、昨日の総務省記者クラブの総会決定なるものには、驚いた。ライターだから、撮影禁止? 僕は今、ジャーナリストと名乗ってはいますが、ライターとは名乗っていませんが。

昨日、総務相で大臣記者会見の主催権を握る総務相記者クラブが、総会を開いて、フリーランスには動画の撮影を認めないという決定を行った。

そうです。法人には動画を認めるが、フリーの僕には認めないという話です。 RT @gryphonjapan: @iwakamiyasumi 撮影というのは動画のことですか?今までのようにyoutubeで会見動画をUPできないという意味ですか?

主催は大臣側?、記者クラブ側? 後者なら、最悪。RT @hamemen: 総務省会見:原口大臣「副大臣会見も大臣会見同様、オープン化する」

この禁止決定に、合理的な理由など何もない。映像素材を「独占」したいという記者クラブの思惑があるだけである。公益性など、どこにもない。

亀井大臣「今日は女性記者がちらほらおられて、華やかですね。男性記者だけだと殺風景だよなあ(笑)。あの、今日は特別ありませんが、総理から補正予算が成立したので、速やかな執行をして、景気に対して少しでも良い影響を与えるようにという指示がありました。

 それだけだなあ。あと何かありますか」 大塚副大臣(以下、敬称略)「ここからご質問で。はい、じゃあどうぞ」

岩上「フリーの岩上です。おはようございます。よろしくお願いします。あの、先日大臣には、新井将敬さんのお話をしていただきました。大変、胸に響くお話ではあったと思うのですが、いくつか、いろいろな解釈ができるところがありますので、もう一度この新井さんのお話をされた真意をちょっとご確認ということでおたずねしたいんですけれども。

 一つは新井将敬さんが、非常に厳しい捜査を受けたというところで、捜査批判(の意図)があるのか。

 もう一点、それからしかし、亡くなられた後「敷島の…」というようなことで、本居宣長の歌を、先生は贈られたと。これは司法に対して抵抗するのではなく、自らの身をさばいて……。その生き方の美学みたいなものは、まあちょっと際どい言い方になりますけど、現在の小沢さんに対して、小沢さんの抵抗の仕方、身の引き方に対して、やんわりと諭しているかのようにも聞こえます。この辺の真意。

 それからもう一点。新井さんは帰化されても非常にひどい差別を受けたということを、おっしゃっていました。国民新党は、外国人参政権問題で、参政権をそのまま認めるよりは、帰化するという方向で、ということを主張されています。ただ、それであってもですね、帰化してもなお、こういう差別を受けるのであれば、その辺、大変、矛盾と言いますか、気の毒な面もあると思うのです。すみませんが、解釈次第で難しいところを三点、これについてお話をうかがいたいと思います。

亀井大臣「まあ、あのことを話した一つはね、やっぱり今の参政権についてのあれで。彼(故・新井将敬元代議士)が本当に日本に住んでおってね、やはり、日本人として今後、生きていくというね、決断をして、帰化をして、一生懸命生きていく過程の中で、帰化した国からね、彼自身が、予想もしない仕打ちを受けたというか、ね。そういうことを、私に訴えたし、私自身が、その任意事情聴取を受けた状況とか、日興證券の常務の大学ノートでね、調べの状況を書いている。それを、ずうーっとトレースして見てきたわけだから、そういう中から、捜査のあり方というのもね、そういうことで、将敬、泣きじゃくっていたよね。日興證券の彼はね、ひと月近くも任意で、毎日毎日、調べを受けて、相方のね、被疑者にされていった将敬には、わずか3時間ぐらいしか事情を聞かないで逮捕していくというようなことについて、彼は別に差別されたとは言わなかったけどね、泣きじゃくっておったわけだけども。そういう意味での捜査のデュー・プロセス。そういうようなものについて、やはり問題点があったなあと、いうことを私自身はあの事件についても感じておりますがね。

 ま、そのことを帰化をすれば、参政権の問題は、ということを言っておるわけだけどもね、非常にこのね、永住外国人の問題というのはね、日本の歴史と関わりあっている問題でもあるんだよね。単純に日本におる外国人をね、どういう権利を与えるか、という単純な話じゃない側面があるんですよ。まちがいなくある。

 だけど、そのことを簡単に参政権をね、付与するということで処理していくということは、私はやっぱりよしたほうが良いと。これはね、逆にそうなってくると、民族間のね、対立を起こす危険性があると思いますよ。選挙だから、選挙になるわけだから。やはりね、もともと、やっぱり選挙運動をやったりのこともあるわけでしょう、出てくるわけでしょう。そうした中で、やはり日本人との間で選挙戦で加熱するわけだから、そういうことの中で、『なんだと。国籍ないのにあいつらが』という素朴な感情が出てくる可能性もあるわけでしょう。

 世界中は民族問題ですよ。今、一番やっかいな問題の一つというのはね、貧困の問題、それもあるけども。だからね、やっぱり民族問題というのは、私はね、このね、非常に慎重に丁寧にやはり、こう考えていくと、そういうことで対応していくことが、私はやっぱり必要だろうと、そういうことの中でね、新井将敬君のことを、今度29日かな、13回忌か。

 それとまあね、(現在)進んでいる(小沢氏に対する)捜査との関係を、私は意識して言ったわけじゃないんでね、辱めを受けた場合のね、えー、この対応する権利があるわけだから。基本的にはね、主君とは争わない。自ら腹を切ることで潔白を訴えるというね。そういうやり方をね、みんながやっていったら、大変な話になっちゃうんだ、逆に言うとね。やはり、自分が無実だと思えば、当然これをね、それを疑っている国家権力に対して主張するというのが基本的にはあるべき姿ですよ。基本的にはあるべき姿。そういう武士のような、従順にと言ったらおかしいけど、形の上では従順で、そういうことをすべきだということを言うつもりはありません。それはね」

大塚「一番奥の方。お名前と社名を」

FJ-吉岡「フィナンシャルジャパンの吉岡といいます。先ほどの会見でも少し触れられていましたけれども、政治資金規正法の改正についてなんですが、先ほどは各党が考えるべきと大臣は、おっしゃいましたけど、国民新党としてはですね、たとえば、政策研究会ですとか、そういう政治団体から、パーティ券も含めてかなり大きな資金の提供があるわけなんですけれども、国民新党としてどういう立場なのかと、お聞きしたいと思います」

亀井大臣「そうかな。党として、政党として、ちょっと待てよ。俺、知らないけどさあ、そこまでさあ、事務局長じゃないから、わからんけども。郵政研を通じて、政党にやっているのかなあ。知らんなあ。調べてみるわ。調べてみるわ。俺自身は受けてません」

吉岡「ああそうなんですか。亀井大臣として、この法案に対して賛成するのか反対するのか…」

亀井大臣「だからこれはねえ、民主党の連中だった困るんじゃないか。全部個人献金だけでやれ、ったってさあ。ねえ、あなたたちだって色んな思想的な考え方があって支持政党があるだろうけど、献金までして応援する? なかなか日本でね、献金までして政治家を応援しようということは、逆に怖いのはね、あれよ、個人との関係になっちゃうと、ダイレクトの関係になるから。利権じゃないけどね、そういう面でのこの影響ね、強く与える危険性も生まれてきますよ。

 個人献金の場合に、1対1の関係で、長期にわずかでもね、10万円でも20万円でも、今は150万円か。(大塚:そうです、150万円です)150万円ずつさ、ずうっと毎年もらっている人から、個人的にね、『これ頼む』と言われたら、心理よ、心理的にね、聖人君子じゃないから。個々の議員が影響を受けてくる場合というのはね、団体から言われている場合よりはね、強い影響を受けるんじゃないかと思うよ。心理的には。だからねえ、一概に私は個人献金が政治を浄化するというね、そういうことにはダイレクトには、実態としてはつながっていかないんじゃないかなあと。と私は思いますよ」

大塚「はい、前の方」

毎日放送-福岡「毎日放送の福岡です。野次についてなんですが、町村(信孝 衆議院)議員から名指しで批判がありましたが……」

亀井大臣「だれ、だれ?」

福岡「町村議員から」

亀井大臣「私は、あんな者が言うことは相手にしません(笑)」

福岡「その批判について、町村議員の批判について、どう思われるか」

亀井大臣「何だって批判しているか、聞いていない」

福岡「『大臣が野次を飛ばすことはあり得ない』みたいなことを……」

亀井大臣「あり得んことはないよ。あいつだって大臣やってた時は、飛ばしたんじゃないか。俺なんか、大臣、自民党時代には野次ばっかり飛ばしてたなあ。

 別に野次と言ったらそうだけど、ねえ、静かに議論したほうが一番いいやね。だけど一番いいけどさあ、あまりにもひどいね、質問が出たりよ、いろんな時にはね。あなたたちだってさあ、政治とか、あんなのねえ、どう考えても、一国の総理大臣だよ。一国の総理大臣に対してね、こんな失礼なそんなことをね、そこの泥棒に聞くような話をさ、ねえ。国民を代表しての国会議員がねえ、テレビの入っている公開の場でね、やるって時にね、黙ってね座って聞いているだけなんて、やれるかい? 君は大人しそうだから、あれかもしれないけど。ついな、それは言いたくなるよ。野次と言われるかどうか知らんけどね」

 またしても記者クラブメディアの“質問”というよりは、言いがかり、いちゃもんである。なぜ、毎日放送がクラブ外のオープン会見に出席しているのか、といえば、地方局(TBS系列の大阪のキー局)のため、東京の記者クラブの会見には出られないからだろう。しかし、重要な大臣会見時間を、こんなくだらない質問のために費やすのは止めてもらいたい。亀井大臣を批判した町村議員のところへ行って、その批判の言い分を聞いて流せばいいではないか。

大塚「人間の叫びですね。次、行きましょう。はい」

通信文化新報-永冨「通信文化新報の永冨です。よろしくお願いします。先日、日本郵政のほうで新潟県加茂市の方で小池さんのところで……」

亀井大臣「おれ行けなかった」

永冨「はい、大臣のお知り合いでございます。意見をうかがう会がありましたけれども、いろいろな方、いろいろな地方の方が発言されましたけど、やはり分社化による弊害がですね、非常に大きいという声ばかりでした。今、大臣のほうにも団体の方がヒアリングに来られていますけど、改めて分社化の方向性をどう処理されるのか、お聞きしたいと思います」

亀井大臣「とにかく、あれは純ちゃん(小泉純一郎元首相)がさ、とにかく、もう神戸の少年じゃないけど、切り刻むのが趣味じゃなかったんだろうけどね、もう切り刻んでね。明治以来の国民的財産ですよね。有機的に繋がってさ、それが協力しながらやってきた事業体をね、ズタズタに切っちゃったんですよ。

 それで半分くらいの郵便局でね、3つに仕切っちゃってね、お互いに行き来ができない、協力はできない、そんなね、馬鹿げたことをやって民営化だって言ったわけでしょ。ガタガタになっちゃったんだよね。モラルも落ちるしね。まあ、それを皆さん方は別かもしれないけど、マスコミはこうやってね(拍手して)、今でもまだ、もてはやしているわ。これを変えます。抜本的に変えますから。ちゃんとしますよ」

 この発言の、郵政民営化を神戸の連続児童殺傷事件に、喩えたくだりは批判を浴びた。私もこの場に居合わせて、適切な喩えではない、と感じたのは確かだ。しかし、亀井大臣の場合は、失言が大事には至らず、問題視されても、次第に鎮火してゆく。打たれ強く、そのために慌てふためかないことが肝心なのだろうか。

日本証券新聞社-田口「日本証券新聞社の田口と申します。先ほどの会見でも出ていました、オバマ大統領のですね、新しい金融規制法案の件なんですけど(※「オバマ米大統領、金融規制改革の推進表明」(2010年 03月 16日 07:06 JST ロイター)、それでけっこう金融市場は混乱いたしましたが、大臣としてはアメリカの動きをどのように見ておられるのか。また日本でも同じような、こういった同じような規制を導入することをお考えなのか、お考えを聞きたいと思います」

亀井大臣「私はね、オバマ大統領が、アメリカ自体がとにかく、あんな事態になってね、アメリカ経済だけじゃなくて、世界経済に対して甚大な被害を与えたわけですからね、それは国民生活に対して、大変な状況を生んだわけですから。そりゃね、プロとプロとの間で、相対(相対取引。一対一で取引をすること)やって勝った負けたとかね、得した損したという話ならまだしも。しかし、それだって、それぞれが社会的存在なんだから、社会的影響を与えていくわけですよね、それ自体も。

 だけどね、一般の投資家なり、一般の経済、これに対して、影響を与えちゃうんですね。だから、そうした金融取引、色んな問題についても、やはりそういうことが起きないような、まず業界自体が、個々の企業自体が社会的責任をもって経営をするというのが、基本だと思いますよ。ところが、だんだんだんだん、たがが外れていってちゃうんだな。

 日本の場合だってねえ、残念ながらバブルみたいな。日本の銀行だってそうでしょう。ノーマルな融資しないでさ、とにかく金貸してやるから土地買いなさい、マンション買いなさいね、ゴルフ場作りなさい、やりまくっちゃったでしょ。その結果どういうことが起きちゃったかというと、大変な事態が起きちゃった。

 だから、金融機関が、ただ単なる金貸しだと言ったって、それの融資によって、経済が動いていくのも事実なんだから。そうでしょ? それが、このノーマルなあれ(規範)から外れていっちゃった場合というのはね、前にも言ったように、金融なんてのは、本来は、なくたって良い話なんだ。生産と消費があればいいんですよ。人間の営みの中で、そうでしょ? 原始的に言うとね。

 だけどそれだけでは上手くいかんから、金融とか信用とか、そういうのが間にできてくるわけでしょ。これは不可欠な機能ですよね。だけども、それはあくまで生産と消費のね、メカニズムが上手く動いていって、富の配分が全体にきちっと行われるために、上手く機能しておるということに本来の意味がある。

 やらないとやっていけないから、やるのは良いけども、だけど、それ自体が価値の増殖をね、自分たちだけのための価値の増殖、利潤追求にいっちゃった場合はさ、実態かまわずやっちゃった場合だってさ、いずれはパーンと跳ねちゃうんですよ。そうならないように、自分たちで自制をすればいいんだけれども、なかなかそれは人間の本能というのは、自分では制御できないから、金融庁が、そういうことにならないような一つの監督なりね、一つのあれを、指導をやっているわけでしょ。

 それでね、金融庁の役割というのは、本当に私、大事だと思うなあ。俺みたいなアホなのは大臣として相応しくないんだ。彼(と大塚副大臣を指す)がおるからね。どうにかやっているみたいな話なんだけどね、だからね、そういう意味では、私は金融機関が、まず自らがね、金融庁の監督とか指導とか、また法律で新しい仕分けをするとか規制をするとか、自分たちがちゃんとやっていくのが、一番望ましい話なんだね。

 私は今の金融界で、それぞれやってくれていると思うんだけれども、ま、今度、金融庁としてもね、そういうデリバティブ商品等をめぐっての色んな問題ね、少しでもそういうことが上手くいくように、今、大塚君がね、大塚副大臣の下でそういうことについても、今、通常国会で目指して検討してくれていますけどもね」

田口「オバマ大統領の政策は影響ありますでしょうか」

亀井大臣「影響たって、そりゃあ、ねえ、過去の反省に立ってね、自分たちの間違いの反省に立って、そういう事が二度と起きないような手を打っているというように私は評価しますよ」

大塚「はい、あの20分過ぎまでなので、手短に。はい、じゃ前の方どうぞ」

FTグループ-畑「FTグループの畑と申します。貸金業法の6月完全施行の話ですけども、これは見直しは行われないで、運用面の見直しは行われないで、運用面の改善策を探るというようなことになりそうですか…」

亀井大臣「これも、大塚副大臣、田村(大臣)政務官の下で今、検討していますけども、法律をね、更に再改正するということじゃなくて、運用面の、全党一致の法律ですから、非常に重いですよね。重い法律なんで、それを実施するということについて、問題はないのかどうか、運用面についてね、手を打つことが、あるいは手を打たにゃいかんということを、今、検討しておるんだけどね。

 昨日、全銀(全国銀行協会)の代表が来た時に私は言ったんだけどね、『今、サラ金の問題が大変な問題になっている』って言ってるけどね、『そういう今度の改正で、このそういう融資を受けにくくなる、受けられない人がヤミ金に走っていったり、あるいは自殺していくような、そういう事態があったらいかんので、我々としては今、苦慮している、検討しているところなんだ』と。

 ところが、『あんたたちはね、ずるい』って言ったの。メガバンクなんてのは。自分のところで直接やらないでさ、住専の時もそうだけど、そういうこうね、非常に、うんとあれが取れるところ、つまり利幅の取れるところ、それを子会社を作ってそこにやらせるとか。あるいは、あの、武富士とか色々ありますね、そういうところに資金提供して、そこでやらせて、そこからこのあれ(利益)を取るとか。果実だけ取るとか。そういうことをあなたがたはやっている。

 『なんで直接やらないのか』言ったの。『なんで三菱銀行が、直接やらないのか。子会社作ってやって。それによって直接起きることについて、直接責任をとりゃいいじゃないかと。それがイヤだからと言って、ダミー作ったり、そんなことやったりっていうのはね、僕は卑怯だ』と言ったのね。『だからこういう事態になった場合はね、金元である金主である、利益出てきたんだから、こういう事態になって困る零細な、“緊急な資金が必要だ”という人たちに対する資金需要に、メガバンクがどう対応するか責任があるんじゃないか』と。

 『ね、“知らんよ、それは直接やっていることじゃないから、今度の影響を受けてね、そういうところが大変になっても私は知らんよ”というのはおかしいんじゃないか』と。大塚副大臣も同席しておったけどね、私はそういう点を、郵政のこととはちょっと外れるんだけども、問題点を指摘しておいたんだけどね。郵政事業も今度、金融業もまたやっていくわけだから、その中でそういう部門について、何かやれる方法ないか、ノーベル賞をとった人が何かやってるんだなあ。銀行」

大塚「はい。グラミン銀行が、マイクロファイナンスみたいなものをやっていますね」

畑「すみません、受け皿として、ゆうちょ銀行を使うようなことは」

亀井大臣「いや、だから、そこらを含めて、メガバンクとか既成の金融機関がね、『そこが上手く儲からんであれば引く』みたいなこと言うて、そういうことに頼ってやってた善良な人達が、困ったら困るんでね。政府系金融機関がね、やれば良いの、本当はね。そこのところを郵政事業の中で、やっていける方法はないか。

ただ、一つ困るのはね。信組・信金、第二地銀、ああいう地域零細な融資活動をやっておられる人達との関係をどうしていくかという問題もあるし、リスクをね、負担をどうしていくかという、こういう問題もありますよね。預金者の関係でね。 だからそういうことは非常にねえ、難しいもんなんだ。だけどね、一生懸命考えて、私どもなりにね」

大塚「ではあと、今手が上がっている方。4人。一番右側の、こちらの方から」

金融タイムス-大島「金融タイムスの大島と申します。今、ゆうちょ(銀行)について民間金融機関から意見を聞かれていると思うんですが、一番多い要望は何で、それに対してどう対応しようとしていますか」

亀井大臣「だから盛んにね、『自分たちの業務が、いわゆるある意味で圧迫されるんじゃないか』とかね、『どうだ』というようなあれ(意見)があるけど。この2年間、現にさあ、このあれでしょう。今のゆうちょ銀行は営業しているわけ、やってるわけだからね。それとの関係で、今、具体的にどういう問題が起きているのか、というね、私はそういう問題を年内に、ある意味、検証する必要があると思いますよ。現在そういう形でやっているわけだから。

その間、金融機関との間で、どういう問題が発生しているのかということも含めてね、何度も言うようにね、もう、ゆうちょ銀行もバンバンバーンとね、一方では信金・信組がバンバン潰れていく。それじゃ、何のために郵政事業の見直しをやったか判らない。何も郵政事業に関係している人たちだけのために、あれでね、守られるべき日本人であって、そうじゃないのは、そうじゃないって、わけじゃないんだからね。

保険の代理店をやっている零細な人達もたくさんいるでしょ。そういう人たちがこのおかげで、滞納状態になるということであれば、特定郵便局が潰れてくるのは、いかんと思っている。それが動機の一つにはあったわけだけども。同じように零細な代理店がね、潰れていくようなことがあったら意味がない。そういうことが起きたら。この郵政事業の見直しというのが。そこらのことを、ちゃんと考えてやらにゃいかんということ。

だけどなかなかね、お互い利害がぶつかるところもあるからね、その調整というのは、私は神様じゃないから。こちら(大塚副大臣)では神様に近いところはあるけどね、それにしてもね、だけどね、本当に今、苦労しているの、今。ちょっとズレ込むね、私が予算委員会なんかで身体とられちゃっているもんだからね」

フリーライター-高橋「フリーライターの高橋清隆と申します。公開していただいて構いません。今、国会で国と地方の協議の場を設ける法案が提出されています。閣僚としての大臣のご見解をおうかがいしたいんですが。今まで日本は、それぞれの地域が中央政府の元で、相互補完関係で豊かになってきたと思うんです。いわゆる、地方分権の動きというのは、この絶妙なメカニズムを破壊して、国を解体に導くものではないかなと、私自身は思っているのですが、大臣のご所見をうかがいたいと思います」

亀井大臣「まーね、今の日本は、今は行き詰まっちゃって、どうしようもない状況になっちゃっているんだけれども、明治以来の日本が発展をしてきた、そういうね、その間の戦争という経験をしながら、なったなかでは、やはりね、中央政府、国と地方がその役割分担をそれなりに果たしてきたという面があると思いますよ。また、役人がね、上手く機能してきた面もあるけれどもね。やはりしかし、制度疲労というか、そういう面で今までプラスの面もあったけれども、マイナスの面が非常に目立ってきちゃってるという。

何もね、中央政府が関与しなくても関与して、昨日なんかもそうだけど、私のところに地方のね、首長さんとか議員さんが、どんどんやって来るけどね。本来ね、国交省とかさ、各省の役人に頼まなくても良いようなことまで頼まないと、仕事ができないという現実がありますよね。そんなもの任せるものは任せる。中央政府がやるものは中央政府。そういう役割分担をこの際、もう一度、見直す時期に来ているんじゃないかと、私はそのように思います。ただね、一つの問題は、地方自体はね、全部がそうでるとは言わんけど、極めて非能率になっているところが多いんじゃないですか」

高橋「小池加茂市長なんかも反対だと思うんですけど……」

亀井大臣「あれなんかは、一生懸命やっている。自信があるからね。政府の方がダメで、俺の方がしっかりしていると思っている。彼はなかなかね、そういうプライドを持ちながら、ちゃんとやってますけどね、そういう自治体もあるけども、そうじゃないところもある。何かあると『国に頼っちゃおう』という自治体の長もおるし、逆に言うとね、パフォーマンスばっかりやってね、中身がないようなことばっかりやっている自治体もあるし、だけどこの際、もう一度ここで、新政権ができたんだから、それを見直すということは大事なんじゃないの」

大塚「大分、時間が迫っているので、あとお二人。手短にお願いします。じゃあどうぞ。」

保険毎日新聞-園田「保険毎日新聞の園田です。郵政と保険代理店のところで大体のことをおっしゃってくださったんですけども、代理店が守られる仕組みというものとして、どのようなものが考えられるか。何か新しい施策として、そういうことも盛り込む可能性もあるということですか」

亀井大臣「だからね、もう私も副大臣もね、実態を全部、分かっているわけじゃないの。本当のこと言って、分かっているわけじゃないんですよ。だから、できるだけ実態をさらに把握しないと、思っているんだけどね。そこらが今度の事業で、やっていけなくなるようなことがないような、仕組みと事業展開の中身ね、両方だと思うんだよね。それから今から、本当に大変なことだけど、考えてます。慎重に考えてます」

マガジンエックス-島田「マガジンエックスの島田と申します。金融庁としては、公的な金融機関の監督が仕事だと思うんですけれども、あえてその一般国民に向けて、その金融の投資と投機がごっちゃになっている方もたくさんいらっしゃると思うんで、そのあたり大臣のメッセージとして、金融というものをどう考えれば良いということを、おっしゃっていただければ、と思うんですが」

亀井大臣「それは、なかなか難しい質問。難しい質問だけれども、やはりあれじゃないの、誰だってね、お金は欲しいしね。基本はさあ、あぶく銭を握ろうとせんことだよ、ね。やはり、働いて、肉体労働だけじゃない、知能労働もある。働いてねえ、やはり、お金を得るというね、そういうことに生き甲斐を感じていくという社会じゃないと、健全じゃないんじゃないの。

と言っても、こんなことで何億円も稼いでいる人を、私、批判するわけじゃないよ。ま、それもあって言うんだけどもね、国民が全部ね、マネーゲーム的なものにね、走って『一攫千金狙う』みたいなことを言ったってね、これいかんのは、一攫千金を夢見てね、“千金”は、どうやってできるか、“千金”を作る人がいないとね、“一攫”しようとする“千金”が存在しないんだ。考えてみれば、簡単なことなんだよね。それを“千金”だけがパカッと取れるんじゃないかと、みんながそれにばっかり走り出したら、その“千金”を作る作業がなくなっちゃったらさ、社会は存在しないんだよね。

だからとにかく、一攫千金という夢を見るのもいいけれども地道にやっぱり働くことをね、考えるべきじゃないの。とは言ってもね、金がない時はさあ、俺なんかも、とにかく、『百円玉落ちてないか』と下向いて、そういう時に限って落ちてないんだよな(笑)」

大塚「はい、じゃあ今日はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました」

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