亀井金融大臣会見 2010.6.8
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亀井大臣「また続けて、この度、(郵政改革・金融担当大臣を)やることになりましたので、皆さん、よろしくお願いします。取り立ててね、皆さん方とは、日頃から、私がどういう方針で、どういう取組みをしているかはお分かりいただいていることですから、改めて、申し上げることはありません。
当面はね、郵政改革法案を今国会で成立をしてもらって、国民のための郵政改革ね、もうこれを全力を挙げてやっていくというのが私のあれですし、また、保険業法の一部改正、これも零細な共済事業を継続させるという意味で非常に大事な法案です。これを成立させて、そういう方々がちゃんとやっていけるようにもしたいと。
金融行政もね、ご承知のように、小泉・竹中のね、間違ったそういう金融行政を、今、根本からひっくり返してる、もう、これをきっちりとやっていきますから。金融業界もね、だいぶ理解はしてきたところが多くなってきたけどね。まだまだね、無駄な抵抗をしているところもだいぶあるようだけどね、そんなことをやってたら時代に取り残されちゃいますよ。時代はどんどんどんどん進んでいる。自分たちだけが利益を得るための得手勝手なことがね、金融業界にだけ許されるということはあり得ない。みんなが、やっぱり幸せになっていくという中でね、金融業界も利益を得ていくということでないといかんわけでしょう。そういうことをちゃんとやるかどうかが金融庁の監督・検査の視点ですから。そういうこともどんどん進めていきます。
何かありませんか、皆さんのほうから。」
フリー・岩上「フリーの岩上です。
菅総理の会見に先ほど出てまいりました。やはり、総理としてですね、財政、それから経済に関して持論を展開されて、財政の健全化、国債発行の抑制とか、あるいは消費税の増税ということを匂わせるようなですね、発言をされておりました。以前の2次補正(予算)のときにですね、菅さんと亀井大臣はかなりぶつかり合ったご経験もありますし、またそのときとはお立場が違うとはいえですね、両者ともご持論があると思うのです。ぶつかる局面があるのではないかと思うのですけれども、今後、そうした積極財政に対して否定的なですね、経済財政政策、そういうハンドリングがメインになっていった場合、大臣はどういうふうに、この閣内で、それに対して物申されるのか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。」
亀井大臣「私は、菅(総理)さんとはそういう問題についてもね、公の場、そうではない場面でもいろいろ意見交換してます。基本的に違っているわけじゃないんです。「やはり経済を成長させなければ財政再建なんてできないんだ」ということは、菅(総理)さんも全く同じ意見なんだね。
問題は、どうやったらできるか。自・公が10年間やったようなことじゃ駄目だ。だから、「第3の道」と言っているでしょう。じゃあ、「第3の道」の中身が何かということね、これを菅(総理)さんも必死になって、今、考えておるわけだから、私なりにそうした。私も、「自・公時代のやり方が間違ってなかった」とは言いませんよ。間違ってたから、こんなことになっちゃってる。そうじゃない形で経済をどう活性化していけるのか、というね、やり方、私なりの考え方がありますからね。それは、今後とも、菅総理にもどんどん、私なりに提言もしていきますし、話もしていきますけども、決して、もう正面からぶつかるという話じゃなくてね、方法論にはいろいろなあれがある。やっぱり、十人十色で全部違う。黙って座ればピタリと当たる、誰も文句が言えないようなね、そんな処方箋があるはずがない。だから、そういう意味ではね、私は、直接の財政担当じゃないけれどもね、私も閣僚の一人で、連立を組んでいる党の代表という立場もありますからね、そういう面では、今後、積極的に意見を言ってまいります。政策に取り入れてくれるようにね、どんどん主張もしてまいります。
「絶対にこう」ということじはないんじゃないの。岩上さんは別だろうけどね、とにかく、「内部で俺と対立すればおもしろい」というんじゃないだろうけどもね、記事になるぐらいのあれが多いんだよ、そうはいかないよ、なかなか。やはり、お互いに「日本をどうしよう」という気持ちは一緒なんだからね。そうした、お互いに「ああ、そうか」、「ああ、そうだな」と言ってね、お互いに納得し合うところがあるわけですから、そういう中で良い方法を見出していくということだと思いますよ。」
フリー・岩上「増税をやったら景気の腰折れという懸念はありませんか、橋本内閣時代のように。」
亀井大臣「いや、私は、だから、菅(総理)さんにも言っているように、経済が死んじゃってね、増税やったって、これ意味のない話でしょう。「消費税をやる(上げる)」と言ってみたところでさ。これは、大衆課税の面が強いわけだからね。大衆の懐がさ、寒くなっていく中でね、そこから血液取り上げるみたいなことをやっちゃったらね、経済自体が大変な話になっていくわけですし、そういうことができるはずもないんで、やっぱり、民がね、栄えるということでないと。
いつも言うでしょう。これは、井戸の水が枯れていてさ、消費税という釣瓶を何本降ろしたところで汲み上げられないの。いかにして水を井戸の中に満たしていくか、ということをやった上で、今度は税制をね、じゃあどうするのかと。公平な税制、しかも、国家にとってもね、財政再建上都合が良い税制とは何か、ということを考えないかん。それが逆になっちゃっては駄目なんだよね。ただ、財務省の馬鹿がさ、すぐ「財政再建、財政再建」、「財政規律、財政規律」とさ、あほな経済学者やエコノミストにつられてさ、「ああ、そうだ、そうだ、そうだ」と言ってさ、結局、世の中みんな「そうだ」と言って、気がついてみたら大変なことになっている。小泉政権がそうだったでしょう。同じようなことを税制についても繰り返しちゃったら大変な話になりますね。」
司会「はい、どうぞ後の方。」
フリー・山岡「フリーランスの山岡淳一郎と申します。
かねてより、大臣は、小沢(民主党前幹事長)さんとの関係は「お互いに会わなくても相手の胸のうちは分かる」、そういう経験を積んでこられたというようなこともおっしゃっていたかと思うんですが、今回、小沢(民主党前幹事長)さんはこういう形で退かれたんですけれども、率直に、この小沢(民主党前幹事長)さんの今回の決断に対して、大臣ご自身はどう捉えておられて、どういうお気持ちで。」
亀井大臣「現状を打開する上においてはね、こういう状況というのは、やっぱり致し方なかったと思っているんじゃないですか、本人も。それはね、「寄ってたかってさ『悪いやっちゃ、悪いやっちゃ、悪いやっちゃ』と言って国民の中へ刷り込まれている中でね、選挙をやっていくというのは辛いな」ぐらいのことは分かっているわけですよね。そういう中で、鳩山(前総理)さんと2人でね、ああいう決断をしたわけですから。
あの人は、地位には恋々としない人だからね、昔から。そういう点は、俺と似てるんですよ。だって、大臣というのは半年しかやってないでしょう。そういう意味では、妙な欲はない。「この地位になるためにね、これをやってやれ」というのは。そんな発想とは極めて縁遠い人です、あの人は。そうじゃなくて、やはり権力を構築することにね、非常に関心が強い人よね。それから、仕組み、政治の仕組みなり、そういうものを作ることに、非常に熱心、情熱を燃やす人です。」
フリー・須田「フリージャーナリストの須田です。
あえて伺いたいのですけれども、郵政改革関連法案に関して言うと、(当時、)菅(財務大臣)さんとの間で相当なやりとりがありましたよね。意見の行き違いというか。」
亀井大臣「誰とですか。」
フリー・須田「菅さんとの間で、かつて。」
亀井大臣「ないです。」
フリー・須田「言った、言わないの話が。」
亀井大臣「あれは違うんです。」
フリー・須田「あのわだかまりというのは、もう解消されているんですか。」
亀井大臣「あれは違うんだよ。こんなことを言っちゃおかしいけどね、その問題で、菅(総理)さんとの間に何のわだかまりもない。あれは、「消費税」ということでね、行き違っちゃったんです。あのときに、こちらは「消費税をかけない」というようなことをね、決めたわけでもないんですよ。ただ、税調で、内部の取引だから。」
フリー・須田「いや、そちらではなくて、郵政改革関連法案で(ゆうちょ銀行の預入限度額)1,000万円を2,000万円に上げるか否かという。」
亀井大臣「それについては、聞いてみてください。そんなことはない。彼はね、消費税について、「俺が『了解をとった』と言ってるんだ」というように勘違いしたんです。そうなんですよ、彼は。」
フリー・須田「あのときのやりとりですか。」
亀井大臣「うん、あのときのあれは。それで行き違えちゃったんだ。だから、ほかのことについて、俺は、全部説明してるわけだから。ただ、消費税については、そう言ってないのに、マスコミがそれを言っちゃったから、(という)ことを聞いちゃったから、「亀井がそう言っている」と聞いたから、「そんなことは聞いてないよ」という話になっちゃった。本当に聞いてみて。それは正しくない。言っていないんだから、消費税について。あれは、税調でやる話だからね。だから、そこは妙なボタンのかけ違えみたいなことが起こっちゃったの。」
フリー・須田「消費税免除のお話ですか。」
亀井大臣「そうです。あれは、だって、税調の話だからね。「希望としてそうだ」ということを、どこかで俺が言っちゃったんだろうな、記者会見で。「希望として」と。それをマスコミがさ、「その(郵政改革法)案の中に消費税免除が入っている」みたいなことを、(当時、)菅(財務大臣)にぶつけちゃったもんだから、「そんな話、聞いているかい」という話になっちゃったんですよ。だから、「全部聞いてない」っていう話にね、グワーッとなっちゃったからおかしくなっちゃったんです。そういうことです、あの真相はね。だから、お互いに、そういう意味で、わだかまりはね、分かってるから、原因が、ありません。」
司会「ご質問のある方。」
フリー・高橋「フリーランスの高橋清隆と申します。
我が国では、1年も経たないうちに総理が突然辞任するという異常事態が常態化しています。こういうことがある度に、私は、「この国には主権がないんだな」というふうに解釈してるんですけれども、今回の辞任劇に関して、何か外圧によるちょっかいがあった、あるいは、外圧の手先によるちょっかいがあった、というようなことに関して、何かお心当たり、ご存じなことがあったら教えてください。」
亀井大臣「別にね、「外圧によって倒れた」ということで、私はないと思いますよ、今度の場合ね。普天間の問題ということが一つのあれになったわけだけども、これについてはね、やっぱり、鳩山さんがね、生真面目で純粋で正直だからね、「こうしたい」という思いをね、どんどん言っちゃったんだよ。「いつまでも先延ばしするわけにいかん、やはり半年ぐらいだな、延ばしても」とね。具体的に解決策がね、あるわけでないのに、「先まで延ばすわけにはいかんな」ということで、「5月末」と言っちゃったわけでしょう。」
フリー・高橋「「言った」というのは、対アメリカということ。」
亀井大臣「いやいや、国民に対して。それに縛られちゃったでしょう。アメリカとの関係で言えばさ、関係閣僚が両方ね、「2プラス2(日米外務・防衛担当閣僚)」やっちゃってね、それをやっぱり、総理としてはさ「取り組まん」と言うわけにはいかないわね。関係閣僚が相手方と決めているんだから。だけど、当時、「県外へ、国外へ」と言ってるでしょう、ちゃんと。だけど、両方の関係閣僚が「これでやろう」と言ったことをね、「それは当面取り組む努力をしない」なんて言えませんよ。そうでしょう。それは言えない。国民新党だって、それまで邪魔できないから、こちらは署名した。だけども、「県外、国外」ということを総理も「それだ」と言うから、文書の中に入ってるでしょう。ということなんだよ、あれはね。「ing(進行形)」だから。あれは、やっぱり沖縄の人たちが了解しないと絶対解決しない。
着弾のしっこないんだもん、だって。そうでしょう。それは、両国の防衛省とさ外務省、向こうの国防省と国務省か、両省の間で「そうしよう」と言った、「これで取り組もう」ということで決めたわけでしょう。だけど、沖縄なんかだって了解してるわけじゃないでしょう。決着にならないですよ、それは。「ing」なんですよ。だから、あえてそれを邪魔する必要はない。総理も、関係閣僚が決めたことをね、日米間で決めたことをね「取り組まない」と言うわけには。「それは取り組みます」と言ってオバマ(米大統領)とも話し合った。」
フリー・高橋「5月28日に、オバマ大統領から、直接、鳩山(前)総理のほうに電話があったという情報が流れていますけれども、これについては何か。」
亀井大臣「それは、俺は知らんけどね、それは、オバマ(米大統領)からエイッと背中を押されたから、という、そんな人じゃないですよ。「対米関係対等」、「従属的ではない」ということをね、最後まで言っていたでしょう。やはり対等な関係と。」
フリー・高橋「それだけに、国民としてはちょっと驚きだったんですけど。国民のほうが、むしろ「何で、辞める必要ないのに」という。」
亀井大臣「だから、生真面目で、真面目過ぎるんだよね。俺も生真面目で真面目だけど、俺よりかはもっと。そうじゃないか(笑)。」
ウォール・ストリート・ジャーナル・成岡「ウォール・ストリート・ジャーナルの成岡耕作と申します。
第1会見(記者クラブの会見)の初めのほうで、「アメリカのように大統領が強権を発動するような状況にならないように、これから金融界を監督、指導、サポートしていく」とおっしゃいましたが、銀行における資本増強に関しまして、大臣は、金融庁のほうからどのような規制を提案していくとか、お考えはございますか。」
亀井大臣「今のところ、BIS規制をどうだこうだってね、あれしていくような資本増強を、金融庁としてね、個々の金融機関に対して「やれ」と言うような、そんな状況じゃありませんね。ただ、個々の金融機関がさ、体質強化のためにそれぞれ増資とかね、いろんなことをやってるけどね。それはそれとしてやれば良いけども、金融庁として、そういうことを金融業界全体に対してね、ぐんぐんやっていかないかんという状況ではありません、今の日本は。ちょっとアメリカと違うからね。」
司会「じゃあ、あとお一人くらい。手短にお願いします。」
金融財政事情・吉田「金融財政事情の吉田と申します。
副大臣と政務官の人事について、今の時点で何かお考えはありますでしょうか。」
亀井大臣「いや、俺みたいなね、こんなあほな頭の大臣では務まらんですよ、やっぱり。あの2人がおってくれるから務まっている。「大塚副大臣と田村(大臣)政務官がちゃんとやってくれてるからね、私は仕事ができているんだ」と自分で思っています。」
金融財政事情・吉田「原口(総務)大臣とは何かお話はされていますでしょうか。」
亀井大臣「彼とはね、奇妙に意見が一致するんだよ、本当に。郵政問題だけじゃなくてね、ほかの面でね。郵政関係は、本当に意見が一致したんだよ。だから、さっきも言った、「あんたが総務大臣になるなら、俺はわざわざな、(郵政改革)担当大臣になるようなこともなかったな」というぐらい、彼とは意見が一致してる。
あとなんかあったら、あと一問くらい。」
司会「よろしいですか。はい、じゃあ。」
通信文化新報・古田「通信文化新報の古田です。
先週ですね、政界で激動があったもんですから、郵政(改革)法案が参議院入りしているにもかかわらず審議が進まないという状況でですね、なおかつ会期が迫ってますので、非常にタイトであるんですが、先ほど、大臣の「必ず成立させる」という意気込みをお聞きして、「よし」というふうに思うのですが、見通しとしてですね、これは、会期延長をしないと非常に厳しい面が出てきてるんじゃないか、その辺はどうでしょうか。例えば、公明党なんかは「廃案にして出直すべきだ」とか、山口代表なども言ってますけど。」
亀井大臣「公明党がギャーギャー言ったって、そんなことならないよ、そんなものね。」
通信文化新報・古田「そうですね。」
亀井大臣「だって、(国会の)会期だって(6月)16日まであるんだからね。言ってるでしょう、「徹夜だって良いよ」と、「土・日だってやろうじゃないか」と。そんなに「審議、審議」と言うならね。「『審議時間がない、ない』っていうんならやろうじゃないか」と。会期延長するかどうか、それは国対がね、決める話。私は、それはどうにでも対応する。俺みたいな怠け者がさ「土曜でも良いよ、日曜でも良いよ、夜中でも良いよ」と言ってるんだから。それをやらんでさ、反対で、「審議時間が足らん」と言うんだったら、これは野党が悪いですよね。俺みたいな怠け者が「ちゃんとやる、受けて立つ」と言っているんだからさ。「審議時間が要る、要る」と言うんなら、もう毎日やれば良いじゃないか、夜中でもやれば良い。そうでしょう。
もうちょっとね、俺はね、真面目に取り組まにゃいかんと思いますよ。それは、限られた時間の中で「ちゃんと大丈夫です」と、「これだけ時間があればね、中身を充実させて質疑をします」と言うなら定例日だけとかね、その中で粛々とやってパッと上げる方法もあるし、「やっぱりこれは審議時間が足らん」と言うんであればね、定例日以外にやるという方法もあるでしょう。夜にやる方法だってあるんだから。それでも「どうしても足らん」と言うなら、会期延長ということもあるだろうけどもね、それは国会が決めることであってね、私は、それは、如何様にも対応いたします。
国会を延長するなら延長するでも対応します。(延長)しないでやるなら、それで対応します、というのが、私の姿勢ですから。それに野党がどうするかだよな、これは。皆さん方は、そこらもさ、やっぱり、ちょっと(記事を)書いてよ。最初から(法案を)通さないという前提でやるんだったら、これは国会審議とは言えなんだから。国会審議というのは、気に食わん法律だって何だってね、徹底審議した上でね、数の上で通さざるを得ない場合だってあるんだからね。そのために選挙をやって議席数が決まるわけだからね。数の少ないほうが「絶対駄目だ」と言ってね、(駄目だと)言ったものは国会を通らん、というのだったらな、おかしな話なんだ。それでは議会政治じゃなくなっちゃう。しかし、といっても、少数意見も尊重していくというね、そういうことも同時にやっていくということでしょう。」