【ドキュメント台湾国会占拠(2)】「非暴力をつらぬく」膨れ上がる抗議参加者 〜中国系メディアは恣意的な印象操作を展開 2014.3.23

記事公開日:2014.3.23取材地: | テキスト動画
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(取材:林(現地)、岩上安身、須原拓磨・記事構成:佐々木隼也)

 3月18日夜に台湾の立法院(国会)を占拠した学生らは20日、馬英九政権に「サービス貿易協定の撤回」や、この協定の内容と検討プロセスを国民が監視する「両岸協議監督条例」の成立などを要求。21日正午までに回答するよう求めた。しかし回答期限の21日正午を過ぎても、馬政権側からの一切の返答はなく、学生らは国会占拠を継続する意志を固めた。事態は「持久戦」の様相を呈している。

【Ustream】台湾立法院(国会)占拠24時間中継

 そんな金曜日をむかえた首都・台北には、前日よりさらに多くの市民が集結。立法院を包囲した。集まった市民の数は19日夜が2万人、20・21日にはそれぞれ3万人以上。台湾全土から無料バスが出され、抗議を支持する台北市内のゲストハウスや大学などが、抗議参加者のために部屋やシャワーを無料解放したり、飲食店やボランティアも食べものや必要物資を支提供した。そんななか国会を占拠する学生らに呼応して、台湾各地の国民党事務所を包囲する抗議集会も開かれ始めた。

▲20日夜には大粒の雨が降りしきるなか、抗議行動やスピーチが夜通し行われた

 IWJでは20日に引き続き、この日も現地の協力者とコンタクトを取り続け、現場の状況を収集。岩上安身のTwitterアカウント(@iwakamiyasumi)で速報として伝え続けた。以下、その模様をドキュメントで掲載したい。

※20日の抗議の模様はこちら

3月21日午前11時〜午後6時

 この動画で、インタビューに応えた学生の代表者の一人は、国会占拠の動機についてはっきりとした口調で次のように述べている。

 「今回のサービスの自由化や原発の問題その他いろいろの問題に対しても見られるように行政の権力がすでに一党に握られ大きな力になっている。これは既に立法というものを既に凌駕している。三権分立において監督機能もすでに力を失っている。 また代表制による議会政治で国民党のような、委員が圧倒的に多い党の主導、強制による議会でもその効力は失われている。このように国民党の独裁による行政の操作においては、台湾の民主主義はすでに失われている。このような状況だからこそ我々は国会の中へ来た」 。

 さらに彼は、涙を浮かべながら、自身や共に占拠している仲間の家族・友人に向けて語りかけた。

 「仲間全てが自分の信念の元に行動している。だから仲間のお父さんお母さん友人の方々、どうか心配しないでください 我々は完全な対策準備をもって行動していいる。非暴力構想の原則に則り、誰一人を傷つけることなく行う」。

 今回この抗議行動を主導し、国会を占拠した学生らは、「非暴力抗議」を強く唱えている。それによって、立法院前に集まった何万人という市民も、秩序を乱すことなく、理性的に行動しているという。警察とも衝突することなく、エールを送ったり、警備の交代の際には拍手で道をあけているという。現地からの報告によれば、ごみの分別や収集もきちんとなされており、中天テレビが報じるような「汚い」というものでは一切ないという。

 台湾の大手メディアの恣意的な報道は他にも、抗議に参加する学生に「協定の内容を全部知っているのか?」とインタビューし、「協定はブラックボックスで全ては明かされていないため、全部の内容は知らない」と答えさせ、「知らない」の部分だけを報じて、「協定の事を何も知らないのに抗議する学生」という印象操作も行われたという。

▲立法府周辺での抗議や大学教授らの青空講義は21日朝も続けられた

 抗議に参加する市民らは、積極的にネットやSNSを使って情報発信を行っている。21日夜には、抗議の現場から台湾人学生が日本語で「民主主義の危機」を訴える動画がyoutubeにアップされた。

 この日、馬総統が公式に声明を発表することはなかった。午後の議員会議で馬総統は、学生を追い出すために警察を用いないことなどを決めた。  台北市警察局は、立法院や総統府周辺での集会申請を無期限で許可。抗議行動への圧倒的な国民支持を前に、馬総統は孤立を深めている。ドキュメント3月22日へ続く。

※続きはこちら

 IWJでは、IWJ台湾Chから、今も台湾全土で行われている抗議行動の模様を、現地市民の協力を得て、散発的に中継し続けています。「持久戦」の様相を呈してきたこの事件。本日(3月23日)には、原記者が現地台北に入り、生々しい抗議の模様や現地市民の声を、出来る限り中継し、お届けします。この問題は、中国を米国に置き換え、ECFAをTPPに置き換えると、非常によく似た構図となっています。IWJは苦しい財政状況ですが、可能な限り伝え続けたいと考えています。第一線での取材が持続できるよう、どうか緊急のご寄付、カンパのほど、そして会員登録をよろしくお願い致します。

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“【ドキュメント台湾国会占拠(2)】「非暴力をつらぬく」膨れ上がる抗議参加者 〜中国系メディアは恣意的な印象操作を展開” への 3 件のフィードバック

  1. ジョイ より:

    台湾を助けてください_| ̄|○‼
    3月24日の午前2時、馬英九政権の台湾政府が人民を敵にして、警察を命じ、”中国に対するサービス貿易協定の撤回”を主張する学生を激しく攻撃した!この事件に関わる真相の映像を馬英九政権に消除されました!どうか、日本メディアの方はこのニュースをシェアして、報道してください!もし台湾に知り合いがいれば、確かめて、報道してください!どうぞ宜しく申し上げます

  2. 中村剛 より:

    台北在住の日本人です.よく調べられていると思います.このサイトをより多くの日本人が見ることを希望します.日本でのあまりに少ない報道に驚いています.また,報道がされる際に,中国寄り,馬政権よりの印象操作がなされないよう強く望みます.立法院には何度も行っていますが,非暴力と非破壊が徹底されています.学生は混乱回避のために通行整備をし,ごみの分別まで行っています.参加大学生はいずれも普通の学生で,日本の安保のような政治団体の思想闘争ではありません.そのため,大多数の台湾国民,医師,弁護士,大学教員陣が立法院での抗議に支持を表明しています.立法院デモの学生代表は,昨晩の行政院でのデモは別団体によるものであること,行政院には向かわないよう声明を出しました.日本の報道が,学生の行動が全て暴動であるような報道にならないよう希望します.立法院は昨晩も冷静な落ち着いた占拠が続いていました.

    1. junsantomato より:

      スタッフの佐々木と申します。現地の空気感を教えていただき、ありがとうございます!

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