原口総務相オープン記者会見2 「私たちの改革は、様々な抵抗勢力がある」 2010.1.19

記事公開日:2010.1.19取材地: テキスト動画
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2010年1月19日(火)、原口一博総務大臣オープン記者会見の模様。今会見の前に河村たかし名古屋市市長との会談が行われたことに関連して、住基ネットに関する質問に対し、廃止法案を出してきた政権であるが、接続切断については現状に合わせて対応する旨。また、クロスメディアの所有規制問題に関連して、そのクロスメディアを検討する組織などの勉強会の場も原則フルオープンで行う意向を示す。

■全編動画

毎日新聞「すいません、毎日新聞の石川ですけども……」

原口「すいません、毎日新聞ばっかりになってるね、ごめんね」

毎日新聞「さきほどの河村市長とも言っていた関係なんですが、大臣のご認識としては、住基ネットの接続、河村市長は『接続の切断』ということをおっしゃってますけども、接続の切断はやはり違法という認識なのか。それで、もし違法という認識であれば、切断というのは認められないのか、そして、認められないということがあれば、福島県の矢祭町とかですね、国立市には是正要求とかされましたけれども、そういう切断という場合になった場合には、是正要求等もやってですね、接続というのを求めていかれる形になるのか」

原口「ありがとうございます。それはですね、私たちはこの住基ネットの廃止法案を4回にわたって出してきた、その政権ですね。今日もお話をしたように、その立場から事務方に指示を命じているんで。

 ただ、今日、河村市長に申し上げましたのは、年金の記録のその、消えた年金の記録を回復するために、1億数千万件のうちの1億3千万だったと思いますけども、その中の1年間に住基を使う、約7000から8000が年金なんですね。で、そのことの作業が滞らないか、あるいは市民や国民に実際にもうオペレーション、動いてますから、その中でどのようにすれば良いかということを、名古屋市とも話を進めていきたいと思います」

読売新聞「読売新聞の**です。最初の質問の小沢幹事長のことに関して、お答えがなかったので、あらためてうかがうんですが、この問題に関して、通常国会に与える影響、あるいは、幹事長の説明が国民に納得いただけるというふうに思いになられますか」

原口大臣「そうですね。幹事長が説明しているというか、党大会でお話をいただいた、私は個別の案件について、それを、政治資金規正法の問題ですから、私が、ここでとやかく言える立場にないということを、再三再四に申し上げているところでございます」

小川「フリーランスの小川と申します。さきほどの住基ネットの件について、もう少し質問したいんですけれども、名古屋市が、大きな都市なので、切断ということになると、他の自治体でも追随するような動きが出てくる可能性があるのですが、その場合は原口大臣としては、一つずつ対処していくということでよろしいのでしょうか」

原口大臣「そうですね。直接切断というふうには、今日は市長はおっしゃらなかったんです。つまり、あらたなこの仕組みに向けた色んな議論を進めていこうということをおっしゃっているわけで、今ある法律というものは、私たちも、その法律に当時反対したからといって、成立している法律は守んなきゃならないわけです。その前提の中で、仕事を進めていきたいと。これが私の答えです」

テレビ東京「小沢幹事長の問題なんですけど……」

原口「社名とお名前を……」

テレビ東京「あ、すいません、テレビ東京の**と申します。多様な言論ということをおっしゃっていましたけれども、民主党内で小沢幹事長の問題について多様な言論というのはあると思いますか。もしない場合は……」

原口「あると思いますね。

 どうぞ、後ろの。はじっこの方……」

田中「日本インターネット新聞の田中と申します。インターネット選挙の解禁を盛り込んだ公職選挙法の改正ですが、今国会では、民主党としては出さないということを聞いたのですが、どうですか」

原口「いや、そんなことは私は聞いていません」

畠山「フリーランスの畠山と申します。大臣はすでに、様々な既得権益を壊していきたい、オープン化をしていきたいとおっしゃっています。

 大臣会見は一定の条件を満たした記者はオープンになっていますけど、副大臣の会見というのがですね、いまだに記者クラブ加盟社以外の記者は出席することはできないんでけれども……」

原口「そうなんですか?」

畠山「ええ。今後は総務省の発進力を高めていく方策として、例えば金融庁の亀井大臣のように、大臣主催で会見をするとか、もしくは記者クラブ以外の記者の求めに応じて会見を開くというようなお考えはありますか」

原口「検討したいと思います」

神山「日本インターネット新聞社の神山です。一点確認をさせていただきたいんですが、すべて見てもらうというような主旨で、ご発言があったと思うのですが、今後、地方行政財政検討会議ですとか、そのクロスメディアの検討する組織などの勉強会の場もフルオープンにする考えはあるか……」

原口「できるだけ原則オープンにしていきたいですね。特に、私が入っているところ。つまり意志決定の最終段階。これについては、極力オープンにしたい。もちろん、いろんな利害が絡んだり、個別の企業の株価とか、そういったものに影響するような話も情報通信の世界にはあります。それまで全部オープンにできるかというと、それはできません。

 なぜかと言うと、まさに、それを言うことによってマニピュレート(=manipulate、操作する、操る)の意図が無くても、市場に影響を与えるということは、これはあってはならない。だから、そこは私はクローズドであるべきだと思っています。しかし、個人の様々なプライバシーや会社の不利益にならないそういったものについては、しっかりと開放すべきだと、こう考えています」

 これも、情報を扱う原理原則として、非常に重要なことである。

 情報は保持されなくてはならないときには、きちんと適正に保持されなくてはならない。保持すべき情報が漏洩することは、市場を歪めるだけでなく政治も、行政も恣意的に操作され、歪められることになる。他方、情報がオープンにされるときは、公正に、誰もがアクセスできるように開かれるべきである。閉じるときと、開くとき、保持と開示のメリハリは明確かつ公正にすべきであって、決して恣意的に、一部の人間や集団のみに漏洩されてはならない。これは非常に重要な鍵となる。

??「(社名・指名を名乗らず、誰か不明)1月14日にですね、通信各社がNTTのメタル回線の値上げについての要望書を出していますが、どのような流れ……」

原口大臣「メタルの問題についても、いわゆる競争政策の観点から、公正公平に処理をするようにという指示をいたしました」

読売新聞「読売新聞の**と申します。『渡り』の調査なんですけれども、再調査がまた全部公表されるとは思うんですけれども、公表に止まらずどのように改善したかというのと、対象の自治体に義務化させるとか、そのようにしないとなかなか渡りは根絶しないのかなと思うんですが、大臣はその辺指導にまで踏み込むことをお考えですか?」

原口大臣「おっしゃる通りですね。今回ですね、大阪の橋下知事から提案をいただいたわけです。前回の『渡り』というか、級数を同じ級数なんだけれど、その下にまたつけ足して、給与が高かった。こういった問題について、出てきた、自己申告したら実際には2つだったわけです。本当にそうなんですかと。大阪府並の基準で、やってみた時にはもっとあるんじゃないでしょうか。今回はその答えも全部オープンにしますんで、ちゃんと答えてくださいね、ということで再調査をやっているわけです。

 項目についても後で詳しく説明をさせていただきますが、政務三役会議でそこのところ、また、ご報告したいと思います」

アワープラネットTV「すいません、質問ができない立場なのでアワープラネットTVの白石と申します。お願いが二つあります」

原口大臣「質問ができないというのはどういうことですか」

アワープラネットTV「すいません、オブサーバー参加なんですけれども、クラブで規定されているガイドラインに入っていないので」

原口大臣「じゃ、僕の三役会議の時にやってください。優先的に」

??「(また、社名・指名を名乗らない記者)週末の世論調査で支持率が急落しましたが、原因はどういうところにあるとお考えですかというのと、挽回のためにどのような……」

原口大臣「支持率の急落。やはりこの間の政治と金の問題。これは大きなことで、真摯に受け止めなければいけないと考えています。これを改革するためには、私も1月分の政治資金収支報告書をネットでオープンにしたいと指示をしましたけど、私に限ってですよ、しっかりとした政治活動の透明性、それから、内閣としては、今私たちがやっている改革というのは、さまざまな抵抗勢力があるわけです。これは国民の支持がなければできない改革ですから、しっかりと説明をし、あるいは、改革の中身を見えるようにしていくと、これが大事だと思います」

??「(社名・指名、名乗らず)内閣として改革の中身をしっかりと見せていきたいということですが、郵政改革については、議論の中身がほとんどオープンにならない状態になっているんですが、この議事の進行の仕方について大臣は……」

原口「郵政改革は、亀井大臣が自らすべての記者会見をすべてにオープンにしてやっておられます」

 ここで再び、挙手して、発言機会を得たので、現在の小沢疑惑についてのメディアスクラムの問題について、報道局を監督下におく総務相としての見解を正面からたずねた。 (続く)

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