【特集】構図は原発と同じ!? IWJが追う「マスコミ最大のタブー」リニア中央新幹線問題

 2025年に東京・品川―名古屋間の、2045年には東京・品川―大阪間の開業を目指し、建設が始まったリニア中央新幹線。最高時速500キロ、東京―大阪をわずか1時間7分で結ぶことから、大手マスコミは一様に、このリニア中央新幹線について「夢の超特急」として大々的に報じている

 しかし、沿線の住民を中心に、市民からは、リニア中央新幹線について、事業者であるJR東海に対し、数多くの疑問の声があがっている。

 例えばリニアは、その85%がトンネルで占められる。では、そのトンネルを掘削して出た残土は、どこに持っていくのか。特に、リニア建設が予定されている岐阜県の東濃地区は、ウラン鉱床が横たわっている。JR東海は、ウラン鉱床にトンネルを開けるというのだろうか。

 他にも、リニアから出る電磁波が人体に及ぼす影響、河川などへの環境への影響、そもそも採算が合うのかといった点など、このリニア計画には、疑問が尽きることはない。しかし、JR東海は、これら住民の疑問に対し、説明会で十分な説明を行ってこなかった。

 民間企業が事業を担いつつ、国がそれを「国策」としてバックアップし、地元住民の声を封殺していく。そして、大手メディアは、「JR東海はスポンサーだから」という理由で、問題点を一切報じない。リニアを原発、JR東海を東電に置き換えれば、この問題は驚くほど原発の問題と似かよっている。

 なぜ今、リニアが作られようとしているのか。その背後にある、政界と財界の思惑とは何か。これまでに岩上安身とIWJが取材し、まとめた関連記事を一挙ラインアップ。

目次

  1. 岩上安身インタビュー
  2. 注目記事ピックアップ

岩上安身インタビュー

 「リニアと原発の構図は似ている」――。そう指摘するのは、ジャーナリストで『”悪夢の超特急”リニア中央新幹線』の著者・樫田秀樹氏である。

 2027年の東京・品川―名古屋間の開業を目指し、JR東海が事業主となって建設が進められている、リニア中央新幹線。かねてから大手メディアは、時速500kmを超えるそのスピードを大々的に取り上げ、リニアを「夢の超特急」であると報じてきた。

 しかし、樫田氏によると、このリニア計画には、実に多くの問題点が存在するのだという。例えば、既に発生している、山梨県における河川の水枯れがあげられる。1997年4月にリニアの走行実験が開始されて以来、山梨県では、多くの水枯れが報告されている。

注目記事ピックアップ

マスコミが決して報じない「リニアタブー」。
 『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』でタブーに切り込んだジャーナリスト・樫田秀樹氏はIWJへの寄稿で、現場では住民不在のままリニア建設が強行されていること、リニア建設に伴うトンネル工事から排出される残土が「東京ドーム50杯分」にものぼり、いまだにその処分地も決まっていないことなど、大手メディアでは決して報じられないリニア建設の裏側を報告した。

 名古屋や岐阜、長野など、各地で安全祈願・起工式が開かれ、いよいよ本格工事入りが大々的に報じられたJR東海のリニア中央新幹線計画。

 しかし、リニア建設に伴うトンネル工事から排出される残土は「東京ドーム50杯分」とも言われ、いまだにその処分地も決まっていない。「着工開始」といっても、そのほとんどは資材の調達や測量にとどまっているのが現状で、マスコミが報道する内容と現実のリニア工事の実態には大きな落差があるといえる。

 2016年10月1日(土)14時より難波市民学習センター(大阪市浪速区)で第9回「リニア勉強会 in 大阪」が開かれ、春日井リニアを問う会事務局長の川本正彦氏が「リニア百害あって一利なし」と題し講演を行った。

 2016年8月31日(水) 8時30分から、山梨県大月市、都留市、中央市、南アルプス市、早川町、甲府市と実際、リニア新幹線が通る場所を、公共事業チェック議員の会(超党派の議員連盟)が現地視察を行った。

 2016年5月20日、東京都千代田区の司法記者クラブにて、ストップ・リニア訴訟提訴後の記者会見が開かれ、15時より参議院議員会館にて訴訟スタート院内集会が行われた。

 そもそも、既存の新幹線が車体の軽量化により400キロを目指す方針が明らかになった今、リニア中央新幹線が実験段階で500キロを記録したところで、本当に必要なのか!? 『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』で第58回日本ジャーナリスト会議賞を受賞したジャーナリストの樫田秀樹氏が、リニア中央新幹線の最新事情をレポートする。

 2027年にJR東海によって開通が目指されている、リニア中央新幹線。大手メディアでは「夢の超特急」として喧伝され続けてきたこのリニア新幹線だが、環境への悪影響や電磁波など、様々な問題が指摘されている。

 JR東海はこれまで、リニアが通る地元住民に対して説明会を開催してきたが、いずれの場合でも合理的な説明がなされることはなく、住民の理解を得られているとは到底言えないのが現状だ。

 リニア新幹線沿線住民ネットワーク主催の院内集会「リニアと国の責任―JR東海はリニアに持ちこたえられるか?」が2015年3月18日(水)、参議院議員会館会議室で行われた。千葉商科大学大学院客員教授の橋山禮治郎(れいじろう)氏と弁護士で法政大学名誉教授の五十嵐敬喜(たかよし)氏の講演・鼎談が行われ、国土交通省との政府交渉も実施された。

 2014年3月、外環道は「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(以下、大深度法)に基づく大深度地下使用が認可された。

 これに合わせ、リニア新幹線は、東京・神奈川間における大深度法の適用を視野に事業が進められている。

 両事業がもたらす地下水の汚染への懸念や、地価の下落の不安、地上の建築制限など、沿線付近の住民から問題を指摘する声があがっている。そんななか、外環ネットとリニア東京・神奈川連絡会による共催で、2月3日(火)11時30分より、参議院議員会館102会議室にて、院内集会が行なわれた。

 複数の自治体議員や市民団体から、さまざまな懸念が指摘されているリニア問題について議論する、第2回目の自治体議員懇談会が11月4日(火)、参議院議員会館で行なわれた。『リニアを考える自治体議員懇談会』は、国土交通省がリニア中央新幹線の事業を10月17日に認可したことに対し、拙速な事業認可だとして抗議書を提出。この日も参加者から、国土交通省にさまざまな問題の改善を求める声があがった。

 「リニアと原発はセットで輸出可能。これから人口減少が進む日本での採算より、海外への売り込みを狙っている」──。

 2014年9月13日、「ストップ!リニア山梨大会」が、山梨県甲府市にある敷島総合文化会館で開かれ、ジャーナリストの斎藤貴男氏が「安倍政権と原発・リニア」と題して講演した。経産省が2007年に打ち出した「原子力立国計画」が蘇りつつある、と指摘する斎藤氏は、メリットの薄いリニア中央新幹線を国が推進する背景として、インフラシステム輸出や集団的自衛権との関係など、多角的につながった安倍政権の思惑があることを論じた。

 リニア新幹線は環境にどのような影響を与えるのか。

 2月26日(水)、参議院議員会館で、「環境影響評価知事意見書(3月25日)を前に市民と国会議員が一緒に考える ―南アルプスとリニア新幹線」と題する院内集会が行われた。リニア新幹線計画を所管する国交省、環境影響評価をする環境省を呼び、リニア新幹線計画沿線の住民らが計画案の疑問点をぶつけながら、意見交換を行った。発言者の中からは、「JR東海は充分な磁界情報を開示していない」などの批判が述べられ、事業者の姿勢を正すよう行政として指導するべきとの意見が挙がった。

 JR東海が2027年に東京-名古屋間での開業を目指すリニア中央新幹線について、同社が公開した「環境影響評価準備書」(環境アセス)の内容が不十分だとして、沿線の住民らで作る「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」が、計画の凍結をJR東海側に求めるよう、環境省と国土交通省に要請した。

 2013年6月7日(金)16時から、東京都千代田区にある衆議院第一議員会館で、「院内集会『地震、事故の危険性~リニア計画の凍結!再検証を求める』」が行われた。主催はリニア新幹線沿線住民ネットワーク。長野県など、リニア計画ルート沿線から多くの住民が集まり、計画凍結を求める議論に熱心に耳を傾けた。

 2013年2月10日(日)13時30分から、神奈川県相模原市のソレイユさがみにおいて、リニア新幹線沿線住民ネットワーク結成集会「脱原発社会にリニア新幹線は必要か!」が開かれた。電磁波の問題、工事の周辺環境への影響、原発との関係、地震時のリスクなど、リニア新幹線計画への多くの疑問と指摘がなされた。

 2012年10月7日(日)、川崎市麻生区の麻生市民館で、「リニア新幹線を考えるシンポジウム」が行われた。リニア中央新幹線計画の概要、環境への影響、乗客の安全保障、電磁波の影響、電力の問題、JR東海内部から見た問題点、考える会の今後の活動方向性などに関して、4人の講師が説明した。

 2012年4月21日(土)18時、神奈川県の川崎市総合自治会館ホールにおいて、「あなたの真下を『リニア』が通る ~リニア新幹線は必要なの?~」と題したシンポジウムが開かれた。「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会」と「リニア市民ネット」共同で開催した。このシンポジウムは、「リニア中央新幹線」について、環境面や健康面など様々な角度から問題点を指摘し、「問題点が解消されるまで建設を中止すべき」という世論を形成する目的で実施した。リニア中央新幹線はJR東海が2027年度に品川~名古屋間の開通を目指しており、最高時速は500km。品川~名古屋間をわずか40分で結ぶことから、「国民のライフスタイルや、不動産価値など国土のあり方までも大きく変えるのでは」との予想もなされている。

コメント “【特集】構図は原発と同じ!? IWJが追う「マスコミ最大のタブー」リニア中央新幹線問題

  1. 【特集】構図は原発と同じ!? IWJが追う「マスコミ最大のタブー」リニア中央新幹線問題 http://iwj.co.jp/wj/open/%e3%83%aa%e3%83%8b%e3%82%a2%e6%96%b0%e5%b9%b9%e7%b7%9a … @iwakamiyasumi
    知れば知るほど、危険なリニア新幹線。電磁波だけではない、南アルプスの自然破壊、原発の再稼動もセットになってます。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/589388175325286400

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