日本人はどこから来たのか。そもそも「日本人」とは何か――。
人類学の分野では、人類の起源を解き明かそうとする試みが長年行われてきた。数十年前の通説では、「人類は100万年以上前にアフリカを出て世界各地に広がり、長い年月をかけて黒人や白人へと進化した」とされてきた。しかし近年の研究で、この通説は覆された。
8月15日、国立科学博物館で岩上安身のインタビューに応えた篠田謙一氏(人類史研究グループ長)は、「世界中に広がる人類の歴史はそれほど長くない。人類は皆6万年前にアフリカから出発し、その時には今の私たちと同じ体格・能力を持っていた」と語る。ミトコンドリアDNAを分析することで、人類の起源を解き明かしてきた篠田氏は、さらに日本人の成り立ちにも言及した。
近年まで、「日本人は万世一系の単一種族」という考え方が主流だった。かつては、縄文人と弥生人の骨の形質が違うのは、農耕が流入して文化が変化したからだ、とする説が正当とされてきた。しかし80年代になり、文化の違いだけでは説明できない形質の違いが明らかになってきた。人類学者の埴原(はにはら)和郎氏は、弥生人は朝鮮半島から農耕と金属器を携えてやってきた渡来系であり、先住民である縄文人と混血し、いまの日本人が形作られたとする「二重構造モデル」を提唱した。
篠田氏はこの「二重構造モデル」を、DNA分析による科学的な見地からの検証を試みた。日本にしか存在しない「M9b」「M7a」と言われるミトコンドリアは、縄文人に多く含まれるDNAであり、北海道のアイヌや沖縄の人々に色濃く残っているという。そして、日本人に一番多い「D4」と言われるDNAは、弥生人に多く含まれるDNAであり、日本人の他に中国東北部や韓国人に多いという。
この「D4」の起源を探っていくと、日本人のルーツは、5500年前に中国南東部の揚子江流域で稲作農耕を始めた人々に行き着くという。篠田氏は「我々は、『日本列島』というくくりで考えがちだが、南では南方系、北では北方系、本土では朝鮮半島や中国地域との関係があり、民族的な多様性が生まれている」と語る。
また篠田氏は、ここ数年ネットを中心に湧き上がっている「男系天皇維持論」の根拠となる、「Y染色体の継承」について「疑似科学だ」と喝破する。篠田氏によれば、男親から男の子へしか継承されない「Y染色体」と言われるDNAは、突然変異しやすく、次の世代のY染色体は全く別物になる可能性があるという。また、どんなに天皇家が貴重なY染色体を持っていたとしても、統計上、同じY染色体を持つ人は日本に10万人はいるという。岩上安身は、「(Y染色体の話は)結局は『血統の優位性』を言いたいのだろう。ナチスにも通じるこうした優生思想は、時に科学を蔑ろにする」と批判した。
終戦記念日のこの日。日本人とは何かを、人類学の見地からあらためて問い直す、2時間半のインタビュー。
人類アフリカから出て約7万年 原発 高レベル放射性廃棄物無毒化するのに10万年とか
ミトコンドリアDNA! 母親のDNAは核の染色体だけでなく、ミトコンドリアDNAからも引き継いでいるとは。
ハワイのフラ、先住民族の文化で母親とのおへそのつながりを伺ったことがあります。
母系制の先祖祭祀がどのようなものだったのか興味が湧き、ミトコンドリアDNAの話題は母親と共有し、さらに母から母の姉妹へ。ないがしろになっていた母方のお墓参りを三世代さかのぼってみることにしました。
母方がひと段落したら、次は父方の母系をたどってみます。祖母の母になります。
お墓参りの時に荒れ果てたお墓が目に付き、市営霊園なのに管理できていないのに違和感を感じました。
(市営霊園に問い合せたら、その後きれいになりましたが。)
これも父系制の影響なのかな?となんとなく感じました。
アイヌや琉球のお話も興味深いです。 スピリチュアルにはやましいものが多いのですが、私の場合、例えば先ほどの市営霊園でお墓のお掃除をしている時に臭くて臭くて困っていたのですが、家族には全く臭いがしないと言う。
なんでこんなに臭いのにわからないの~?と。そのあと、ほかの荒れたお墓の掃除を無断でするわけにいかないしと家族で話して霊園に問い合わせ・・という流れになりましたので、ひょっとして、ご連絡が臭いで私にきたのかなと思っています。
第六感というよりも、犬の嗅覚と人間の嗅覚の違いのような感じで、人それぞれの個性や体質だと思います。
低気圧が近づくとリウマチが痛くなる・・・というのもよく聞きますし。
先住民族のお話から知恵を得ることも多いのですが、失われたものの多さも計り知れません。
私自身、大和言葉も危うくなっていると思います。平安時代、、江戸時代の文書もちんぷんかんぷんになっています。
暦や祭祀でかろうじて意味がわからなくても引き継いでいるものも多々あると思います。
軽率に引き継がなくなる、トレンドに踊らされて代々引き継いでいるものを手放してしまうなんてことも、日常的な文化の崩壊
の一つだと思います。
ここ、取り戻したいです。
大人のためのスタジオジブリの映画、宮崎監督の引退会見をIWJで見なければ私は映画館で見ることもなかったと思います。大人のための映画です。 映画を見て終わりになるはずもありません。只今堀辰雄さんの小説を読んでいます。
小説家の水村美苗さんが、日本の近代小説は世界にも珍しいくらいの貴重な宝だと話されていたと思います。
日本にあるあまたの物語の数々を、私たちはその貴重さに気がついていないならもったいないですよね。
その物語が音楽になり、絵画になり、アニメにもなる時代。 宮崎監督の引き継ぎ方も秀逸ですが、
先住民族の絶滅は、その土地での生き方が失われるのですから、引き継ぎ方の工夫にも知恵を絞らなくてはなりません。
上の方のコメントにもあるように、少なくとも使用済み核燃料は10万年引き継がなくてはいけないのですから。
話題があちこち飛んでしまうコメントですいません。私は母系お墓参りをします。大和言葉の探求はちょっとしんどいので、近代小説をサーフィンしていきます。(NHKのラジオでアナウンサーが短編小説を朗読する番組、あれとても良かったですよ。15分~30分くらいなので視聴しやすいです。岩上さんのインタビューは勉強になるのですが、時間が長いので途中眠ってしまうもったいなさ。)
国政はそれどころではありませんが、皆が同じ方向を見てはひっくり返ってしまうので。
☆ ☆ IWJの経営がスムーズになりますよう祈願もします。☆ ☆ ここ大事!