「国は、抵抗する権利自体を奪おうとする。これが民主主義国家なのか?」 ~普天間基地前 オスプレイ配備抗議行動 2013.8.3

記事公開日:2013.8.3取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部玲)

 2013年8月3日(土)、米海兵隊の輸送機MV22オスプレイ2機が、岩国基地(山口県岩国市)から沖縄県宜野湾市の普天間基地へと追加配備された。これに反対する市民らが、早朝から野嵩(のだけ)ゲート前に続々と集まり、歩道に座り込むなどの抗議行動を行った。2期目の当選を果たしたばかりの糸数慶子参議院議員らも参加。警察による強制排除に抵抗する市民1名が、公務執行妨害の疑いで逮捕されるなど、波乱の一日となった。

※配信状況により、録画が断片的なため、録画の一部のみを掲載しております。何卒ご了承下さい。

■全編動画 午前8時頃~10時頃

■全編動画 午後3時頃~5時頃

  • 日時 2013年8月3日(土) 8:00~
  • 場所 普天間基地野嵩ゲート前(沖縄県宜野湾市)

 昨年10月に配備されたオスプレイ12機に、さらに12機の追加配備が計画され、完了すれば、普天間基地のオスプレイは24機態勢となる。当初は、12機のうち4機が8月3日に、残り8機が8月5日に到着予定とされていたが、この日(3日)は2機の飛来にとどまった。5日は10機の移動が見込まれていたが、同日に米海兵隊基地のキャンプ・ハンセン(沖縄県)で起きた、訓練中のヘリコプター墜落事故の影響により、10機の移動は延期されることとなった。

 オスプレイについては、安全性などへの懸念から、沖縄の県内世論が強く反対しており、再度の配備強行に対する反発から、この日も早朝から数百人の市民が続々とゲート前に押し寄せた。人々はプラカードや旗を手にしながら、歩道への座り込みを行い、「オスプレイを撤去するぞ」「最後の最後まで闘うぞ」などと、シュプレヒコールを上げた。これに対し警察は、「歩道を塞がぬように」「プラカードを掲げる行為、座り込む行為は大変危険」「拡声器を使っての抗議活動は、周辺住民から苦情が来る可能性があるので止めるように」など、再三に渡って注意を行った。

 事態が動いたのは8時20分頃。警察が「車両が通過するので、事故防止のため移動するように。指示に従わない場合は、部隊を持って警備にあたる」と通告。つまり、強制排除を予告した。ほどなく、市民1人に対して警察官数人が取り囲み、身体を持ち上げ、強制移動が始まった。昨年のゲート封鎖の際は、引き抜かれた市民がすぐに戻ってきて再度座り込む、ということがあったため、今回は戻ってこられないよう、歩道上の狭いスペースに押し込め、人間の柵で封じ込めた。怒声が飛び交う中、8時40分頃、抵抗する男性1名が、もみ合いの最中に警察官の制服のボタンを引きちぎったとされ、公務執行妨害の疑いで宜野湾署に現行犯逮捕された。オスプレイの抗議行動で逮捕者が出たのは、これが初めて。

 9時55分頃、糸数慶子参議院議員(無所属)が姿を現し、スピーチを行った。「7月22日、選挙が終わるのを待つかのように、防衛省はゲート前にフェンスを張り巡らせた。これは、オスプレイ配備に反対する民意を無視する暴挙であり、われわれは最後まで抵抗する」と、市民たちと共に闘う姿勢をアピールした。16時40分頃には、赤嶺政賢衆議院議員(共産党)が訪れ、「沖縄県民に矛盾を押し付ける内閣が、永く続いたことはない。安倍内閣も、いつか倒される。そうなるように、こういった抗議行動を日本全国で巻き起こす」などと呼びかけ、やはり闘う姿勢を強調した。

 17時過ぎには糸数議員が再度マイクを持ち、「国は、抵抗する権利自体を奪おうとする。県民同士がいがみ合う構図を作る。民意を無視する国、これが民主主義国家なのか?」と怒りを露にし、「不当逮捕された仲間のためにも、最後まで共に闘おう」と、参加者たちを鼓舞した。参加者たちによる「オスプレイ配備反対」「配備を撤回せよ」というシュプレヒコールは、最後まで衰えることがなかった。

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「「国は、抵抗する権利自体を奪おうとする。これが民主主義国家なのか?」 ~普天間基地前 オスプレイ配備抗議行動」への1件のフィードバック

  1. あのねあのね より:

     本土(ヤマト)出身者が圧倒的に多い警察による民衆排除を見て吐き気がした。警察内部での反共というより、反日本共産党教育の“成果”も生きていることだろう。沖縄出身の自衛隊員が辞職する前に、15人対1で格闘訓練と称してころされた事件を思い出した。

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