鎌仲ひとみ監督&田中優氏トークショー「瀬戸内から発信『あれから2年、今一番必要なこと』」 2013.8.2

記事公開日:2013.8.2取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)

 2013年8月2日(金)14時から、岡山県瀬戸内市の啓明学院前島キャンプで、鎌仲ひとみ監督&田中優氏トークショー「瀬戸内から発信『あれから2年、今一番必要なこと』」が行われた。

■全編動画

  • トーク 鎌仲ひとみ氏(映画監督)、田中優氏(文筆家、未来バンク事業組合理事長)
  • 日時 2013年8月2日(金)14:00~
  • 場所 啓明学院前島キャンプ(岡山県瀬戸内市)
  • 主催 せとうち交流プロジェクト(詳細

 7月にベラルーシで取材を行った鎌仲氏は、「チェルノブイリ原発事故の際、放出した放射能の7割は、ベラルーシに落ちたとされている。国民はまじめで、国を信じており、地域のつながりも強いところが、日本によく似ている。事故が起きてから27年目になるが、母親たちが四半世紀の間、子ども達を守ってきた。事故当時1歳だった子ども達が、子どもを産む世代になり、事故当時20歳だった人は、孫が生まれる世代になった。事故から3世代目になろうとしているが、健康被害は依然として続いている」と述べた。

 また、ベラルーシは日本と比較して貧しい国ではあるが、夏休みは3ヵ月ほどあり、幼稚園から中学生までの子ども達が、無料で国営の保養所に滞在できることを紹介した。鎌仲氏は「貧しくても、無料で保養する施設が作れる。やるか、やらないかだと思う。ベラルーシでは子ども達の9割が、なんらかの健康被害を抱えており、事故当時に子どもだった世代には、大人の甲状腺がんの問題が広がっている。日本の場合は、福島で27人の子どもが小児甲状腺がんになっていて、すでに手術もしているが、原発事故との因果関係はないとされている」と疑問を呈した。

 鎌仲氏は、放射性ヨウ素など、元素の半減期が短いことで「安全だ」とする見解があることについて、「ヨウ素は、半減期が8日間だとマスコミが報じたことで、すぐなくなるから安心だと思った人も多かった。しかし、放射性ヨウ素は、放射線を80日間は出し続ける。その間、甲状腺に濃縮され、細胞に傷をつけており、その傷は放射能がなくなっても残る。病気は、時間差で出てくるのだ。被曝した経験はなくならないので、免疫や発病を注意深く見ていく必要がある」と話した。

 田中氏は、エネルギー問題について、「今は、従来からのピラミッド型社会が、変わろうとしている転機だ」と述べた。また、「これからは、農業や林業でも、地方のほうが豊かな暮らしができる時代になる」と地方の可能性を語り、「日本は、さらに高付加価値なものを作ることで、国際的な競争力をつける必要がある」と強調した。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事