第85期 岡山労働学校『社会と生き方を考える教室』カリキュラム 第5講義「知り、考え、行動する―原発問題・避難移住者の実態から」 2013.6.13

記事公開日:2013.6.13取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)

 2013年6月13日(木)18時30分から、岡山市北区の勤労者福祉センターで「第85期 岡山労働学校『社会と生き方を考える教室』カリキュラム第5回講義『知り、考え、行動するー原発問題・避難移住者の実態から』」が開かれた。福島の原発事故を受けて、関東から岡山に避難した橋本洋子氏が、避難者の現状を報告した。

※6月13日の講演を6月15日(土)20時から録画配信しました。

■全編動画
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  • 講師 橋本洋子氏(おーい!止めたいママアクション in 岡山)
  • 日時 2013年6月13日(木)18:30~
  • 場所 勤労者福祉センター(岡山県岡山市)
  • 主催 岡山県労働者学習協会(詳細

 3.11の震災を機に、茨城県守谷市より、岡山に母子避難をした橋本洋子氏は、「岡山に避難した人は、登録されている人で947名。岡山出身で戻ってきた人は登録していない場合もあるので、実際には1500人から2000人近い方が避難してきている」と述べた。そして、「原発の問題は、お金やエネルギー問題、廃棄物の処理、核を持つことなど、さまざまな切り口がある。情報を集めて避難を決めた避難者として、放射線による健康被害について、話すことにした」と語った。

 橋本氏は「ウクライナやベラルーシの強制移住ゾーンは年間5ミリシーベルトであり、福島は年間20ミリシーベルトである。この値では必ずと言っていいほど、健康被害が出る」と述べ、チェルノブイリの健康被害について、NHKで放映されたドキュメンタリー番組『チェルノブイリ小児病棟~5年目の報告』を紹介した。その上で、「番組内では、チェルノブイリから北に60キロのブラーギンで、広島大学が行った調査で、『110人の子どもの検診で貧血や白血球の減少などの血液疾患が27人(25%)、甲状腺肥大や甲状腺機能低下などの甲状腺疾患が62名(56%)に見られた』と報告している」と述べた。

  橋本氏は、ウクライナ政府の報告や研究者による報告の中から、奇形児の発生率や、新生児の生後7日後の罹病率などを紹介し、「同じような放射能汚染状況の中で、福島の人たちが放っておかれていることに対して怒りを感じる」と話した。

  避難後の生活について、橋本氏は「避難した母親たちで『おーい!止めたいママアクション in 岡山』を立ち上げた。脱原発を望む人たちから手紙を集め、岡山県知事に渡す活動をしている。原発事故の避難者は、母子避難も多く、経済的にも困難があり、住み慣れた土地や人間関係を断ち切らなければならない。そのようなことを、同情ではなく、共感して、どうすればよいのか、一緒に考えてほしい」と語った。

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