石川文洋講演会「フクシマ、沖縄、ベトナム」 2013.6.2

記事公開日:2013.6.2取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2013年6月2日(日)14時より、長野市川中島の、ひとミュージアム上野誠板画館で、「石川文洋講演会『フクシマ、沖縄、ベトナム』」が行われた。沖縄県那覇市の首里で育ち、ベトナム戦争の報道写真で高い評価を得た石川文洋氏の、写真展「石川文洋の見たフクシマ」の関連イベひとミュージアム上野誠板画館ントである。石川氏は、長年にわたって撮影した戦渦のベトナム、中東、沖縄、福島などの、戦争被災者や災害被災者の実態を説明し、国策の持つ危険性に警鐘を鳴らした。同時に、戦争の実態とからくりを説明し、戦争の絶対禁止を訴えた。

■全編動画

 講演会の前に、ピアノとバイオリンのミニコンサートが行われた。続いて、報道写真家の石川文洋氏が登壇。「福島へは、主催者の『たぁくらたぁ』編集部が連れて行ってくれた。まず、福島、沖縄、ベトナムの共通点は、国策ということ。今日は、この国策によって、いかに人々が災難を受けたかを、カメラマンの視点で話したい」と、写真を見せながら語り始めた。

 「これは、福島の写真。人々の歴史が破壊され、失われた様子がわかる。災害や戦争では、命、財産、自然が失われる。命と文化財は戻ってこない。次は、自分が4年間住んでいたベトナムの写真。ベトナム戦争の時、アメリカはベトナムを徹底的に破壊している。なぜ、アメリカにそんな権利があるのか、疑問に思った。当時、銃弾1発の値段は、ベトナム住民の1年間の生活費に相当した。爆弾の値段は、村全体の年間予算くらいだ。つまり、お金持ちが、物質的に貧しい国を破壊する。戦争は勢力の拡大でもある」。

 次に、石川氏はアフガニスタンの写真を投影した。「アフガニスタンは多民族国家で、ソ連が侵略してきた時は、各民族みんな一緒になって戦った。その後、米軍がやって、部族間の勢力争いに変化した。この大人の勢力争いに、子どもたちが巻き込まれた。勢力争いは、国、部族、宗教でも起こる」と述べた。続いて、1982年の長崎の水害や、1991年に火砕流が発生した雲仙・普賢岳の写真を見せた石川氏は、「こういう災害は、のちに復興している。このときも仮設生活があって、人々は難儀な生活を強いられていた。しかし、福島は復興できない」と話した。

 カンボジアのプノンペンを写真を見せると、石川氏は「戦争で、都市に誰もいなくなると、その風景はとても怖いものになる。でも、1年も経つと、街としてのにぎわいを取り戻す。しかし、福島はそうはならず、プノンペンよりも深刻だ」と語った。そして、敦賀原発の写真を見せ、「1981年、敦賀原発で高濃度の放射性物質が漏れ、50名ばかりが被曝した事件があった。事業者はこれを隠し、とても高圧的な態度だった。なぜ、そんなにも強気だったのか。原発が国策だからだ」と語った。

 続けて石川氏は「10年前、日本縦断をした。日本はとても美しいと感動した。それを守るためには、戦争をなくさないといけない。そのためには、戦争の実態、そのからくりを知らなければならない。原発も同じだ」と話した。そして、昨年9月のオスプレイ配備反対集会の写真を示し、「オスプレイは強制配備された。私は、森本敏元防衛大臣と仲井眞弘多沖縄知事の会談をそばで見ていた。彼らは、ただ、会ったという既成事実を作っているだけで、真摯さはまったく感じられなかった。安保闘争の時もそうだったが、政府は国民の声を聞かない。なぜなら、国策だからだ」と述べた。幼少時、那覇市の首里で育った石川氏は、沖縄の基地反対運動や、1959年の宮森小学校戦闘機墜落事件などを振り返り、写真提示と共に解説した。

 1991年から、枯れ葉剤の取材をしているという石川氏は、カンボジア国境の病院で撮影した、枯れ葉剤の後遺症に苦しむ子どもたちの写真を見せた。石川氏は「第3世代にあたる、戦後生まれの両親の子どもに、枯れ葉剤の後遺症が多く発症し、これまで22の症状を認めている」と語り、枯れ葉剤の影響による奇形児のホルマリン標本の写真を投影した。「1961年~71年にかけて、米軍は枯れ葉剤8000万リットルを散布し、2600の農村、300万人が被害を受けた。それには366キログラムのダイオキシンも含まれていた。これは、アメリカの国策だ。ベトナム戦争は、侵略戦争にほかならない。大人の優れた頭脳で、枯れ葉剤も原爆も作られたのだ」と話した。

 その後、日本軍の侵略戦争の実態などを語り、最後に石川氏は、子どもの笑顔の写真を見せ、「こういう子どもたちの笑顔を守るのが、大人の責任だ」と述べて、講演を終えた。

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