2013年4月19日(金)19時30分、神戸市中央区の神戸市勤労会館において、「非核の政府を求める兵庫の会 市民学習会」が開かれた。ドイツ文学翻訳家で世界平和アピール七人委員会委員の池田香代子氏と、首都圏反原発連合の野間易通(やすみち)氏が、「これからの『脱原発』の話をしよう」をテーマに、トークを展開した。
(IWJテキストスタッフ・久保元)
2013年4月19日(金)19時30分、神戸市中央区の神戸市勤労会館において、「非核の政府を求める兵庫の会 市民学習会」が開かれた。ドイツ文学翻訳家で世界平和アピール七人委員会委員の池田香代子氏と、首都圏反原発連合の野間易通(やすみち)氏が、「これからの『脱原発』の話をしよう」をテーマに、トークを展開した。
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池田氏は、かつて原発の危険性を認識し、核科学者の故高木仁三郎氏から話を聞いた経験がありながら、脱原発活動に積極的に関わってこなかったことを「慙愧(ざんき)に堪えない」と反省の弁を口にした。その上で、「もはや脱原発の流れは止められない」と述べた。また、「よく、世論(せろん)と世論(よろん)は違うといわれるが、それは脱原発活動についても同じだと思う」とし、「世論(せろん)は英語でポピュラー・センチメント(民の感情)と訳されるが、3.11発災直後は、みんなが『原発いやだぁ~』と(感情的に)なった。しかし、事故から時間が経ち、みんな勉強もして、「パブリック・オピニオン」(公の意見)と訳される世論(よろん)がものすごく強固になってきた」と語った。
そして、「ノーモア広島、ノーモア長崎という言葉には、核兵器をなくそうということだけではなく、被爆者への差別をなくそうという意味も込められている」とし、自身を「御用文化人とも言われているが」とネタにしつつ、未曾有の原発事故によって被害を受け続けている福島県民に対しての様々な差別や偏見について、苦言を呈した。
野間氏は、毎週金曜日に首相官邸前で実施している脱原発抗議行動について、主催者である「首都圏反原発連合」の由来や取り組みの趣旨を語った。その中で、福島第一原発事故後、定期点検時期を迎えて運転を停止した国内の原発が、関西電力の2基を除きいずれも再稼働ができぬまま、ほぼ脱原発の状態となっていることについて、「安全基準の見直しをせぬまま再稼働することに、多くの国民がデモなどを通じて、抗議の声を上げたからだ」と市民参加型のデモが果たした意義を述べた。
そして、「人々が、『脱原発は当たり前』と思うようになれば、政治は間違いなく変わる。これからの脱原発をどうするかという点から言えば、口コミの力を増していく、これしかないと思っている」と語った。今後の取り組みとして、首都圏のほとんどの運動体に呼びかけた大規模な脱原発アクションを、6月2日に東京で実施することを明言し、全国にも結集を呼びかけていく方針を明らかにした。また、「脱原発基本法」の制定に向け、その機運を高めていくための活動などにも取り組んでいく方針を語った。