2013年3月16日(土)14時から、岡山県倉敷市の日本キリスト教団倉敷教会で、「『子供たちは今!』~原発、偏見・差別につながる実態を考える~ 中嶌哲演氏講演」が行われた。住職であり、長い間、反原発運動に携わってきた中嶌哲演氏が、活動をする中で見えてきた、原子力と被曝、それに伴う差別の問題について、講演を行った。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2013年3月16日(土)14時から、岡山県倉敷市の日本キリスト教団倉敷教会で、「『子供たちは今!』~原発、偏見・差別につながる実態を考える~ 中嶌哲演氏講演」が行われた。住職であり、長い間、反原発運動に携わってきた中嶌哲演氏が、活動をする中で見えてきた、原子力と被曝、それに伴う差別の問題について、講演を行った。
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中嶌氏は、反原発運動に関わるようになったきっかけを、「学生の頃に友人に誘われ、原水爆禁止の広島平和大会の平和行進に参加した。その時、広島原爆の被爆者から、戦争や被曝についての地獄の体験を聞き、『死ぬる気で出征したるふるさと 隠れ病の身となりて帰りん』などの短歌を教えてもらった。『隠れ病の身』というのは、全ての被曝者にとってのキーワードだと思う」と語った。
福井県小浜市で、反原発運動に参加するようになったことについて、「地元に原発ができることになり、はじめて原発や核の問題を、自身の問題として考えるようになった。小浜市にも広島原爆の被爆者がおり、被爆者専門の医者にかかれるように、カンパや托鉢を行うなどの活動を始めた。被爆者を支援する法律を、国が作った時に活動を止めようと考えていたが、それまでに26年半という年月がかかった。原発の危険性や、戦争などの社会問題について書いた手書きのチラシは、318号を数えた」と振り返った。
国策としての原発推進について、中嶌氏は「日本政府は『必要性と安全性』『自主・民主・公開の平和利用3原則』という2大スローガンを掲げて、原発を推進してきた。地元の反対の声は、マスメディアのコマーシャルの波にかき消されてしまったが、福島の事故をきっかけに、ようやく国民に理解されるようになってきた」と述べた。
原発の立地が過疎地に集中することについては、「原発立地は、差別立地になっている。電力消費地の都会は、地方の原発立地の反対運動について共有できていない。ひとたび誘致してしまえば、原発マネーによるファシズムの犠牲になり、立地地域の誰も声を上げられなくなる。そのことを、都会に住む人たちが知らないことが問題だ」と話した。
最後に、中嶌氏は「放射能は、特に子供たちに、健康面や遺伝的な面で悪影響を与え、差別を生む」として、放射能から福島の子供を守る保養施設の必要性を語った。