2013年3月1日(金)19時半から、東京都千代田区の経済産業省本館前で「第2回 経済産業省対話集会/ふくしま集団疎開裁判の会 合同集会」が行われた。両市民グループの関係者や一般参加の有志が代わるがわるハンドマイクを握り、今の思いの丈を、日本の原発政策を推し進めてきた経済産業省に向かってぶつけた。
(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)
2013年3月1日(金)19時半から、東京都千代田区の経済産業省本館前で「第2回 経済産業省対話集会/ふくしま集団疎開裁判の会 合同集会」が行われた。両市民グループの関係者や一般参加の有志が代わるがわるハンドマイクを握り、今の思いの丈を、日本の原発政策を推し進めてきた経済産業省に向かってぶつけた。
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雨脚が激しい中、主催者のスタッフがかざす傘の下で、小柄な女性がマイクに向かってリードボイスを張り上げた。「甲状腺がん増やすな」「白血病にさせるな」「人体実験許さない」「福島の子に謝れ」「家族を一緒に非難をさせろ」「集団疎開」「必ず実現」。どんどん変わる主張の言葉に、周囲を囲む参加者が呼応。笛や太鼓で激しくリズムを刻みながら、シュプレヒコールの輪をつくり上げた。
ふくしま集団疎開裁判では、積算放射線量が年間1ミリシーベルト以下の、安全な場所で教育を受けたいとの理由で、郡山市に住む小中学生10人余りが原告となり、一昨年6月に福島地裁郡山支部に、安全な場所への避難を申し立てるも、同12月に却下されている(現在、仙台高裁で審理中)。東京での抗議行動に訪れた、ふくしま集団疎開裁判の会の呼び掛けで、2回目の経産省前の合同集会が実現した。
この日、主催者は一般の参加者にもスピーチを求めた。スピーチの大半は、放射能被曝を巡り、被災地に暮らす人たちが抱く恐怖心がいかなるものであるか、また、被災地での住民たちの分断、具体的には「原発誘致に賛成した人が非難を浴びる風潮ができ上がってしまった」など、窮状を訴える内容で、発言の要所要所では「そうだ」などと、同意を示す声が周囲から沸き上がった。
集会の終盤、ふくしま集団疎開裁判で原告側の弁護団代表を務める柳原敏夫氏がマイクを握った。柳原氏は「われわれが裁判に勝てば、郡山市に対し、原告の子どもたちを、年間1ミリシーベルト以下の安全な場所で教育を受けさせるよう命じる判決が下される」と述べ、「大事なのは、その判決が、原告の子どもたちだけにとどまらないことだ」と強調した。「原告同様、危険な環境に暮らす子どもたちが、郡山市だけでも大勢いる。われわれが裁判に勝てば、そういう人々も、裁判を起こせば勝てると確信するに違いない」と述べ、自分たちの勝利は、必ずや露払い効果を生むと力説した。
最後に柳原氏は、集まった参加者に向かって「必要なのは、みなさんの支援の声だ」と呼び掛け、「裁判に勝ち、みなさんの声をバックに行政と交渉し、ぜひとも、被災地に暮らす子どもたちの集団疎開を実現させたい」と、意気込みを語った。