自由報道協会主催 染森信也氏(看護師・元福島第一安定化センター Jヴィレッジ運営部 医療支援グループ)記者会見 2013.2.24

記事公開日:2013.2.24取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2013年2月24日(日)18時より、東京都千代田区の自由報道協会会見場にて「FPAJ主催 染森信也氏(看護師・元福島第一安定化センター Jヴィレッジ運営部 医療支援グループ)記者会見」が行われた。2012年1月から12月まで、東京電力の社員として、福島第一原発の医療班で看護師業務に従事していた染森信也氏が、医療班スタッフの視点から福島第一原発の現状を語った。

■ハイライト

 はじめに、染森氏から、東電の福島第一原発の医療スタッフとして勤務する経緯が、以下のように語られた。「Jヴィレッジの医療班は、当初は救護所扱いだったが、2011年11月頃、医療法人の診療所になった。医師は、東京電力病院と救急医学会からボランティアドクターが来ており、看護師は常時2名勤務していた。福島第一原発には健康管理室があり産業医がいたが、発災後、福島第二原発に移った。ところが、2011年5月に心肺停止の死亡者が出たため、医師と看護師が24時間常駐する緊急医療室がサイト内にできた。その際、看護師の募集があり、自分も含めて4名の男性看護師が採用された」。

 染森氏は「Jヴィレッジの診療所は自由診療なので、保険証を確認しない。診療は無料だ。現在、福島第一原発で働いている3000名ほどの中で、東電社員は2〜300人くらい。外注スタッフと下請け労働者の中には、いわゆる原発ジプシーといわれる人たちも多く、保険証不要で診療を受けられるのは、都合がよかったかもしれない。薬も処方して、その場で渡していた。医療スタッフは自ら志願して来た人ばかりで、医療の質は高かった」と述べた。

 福島第一原発のサイト内で、怪我人や急病人がでた場合の救急搬送について、染森氏は「原発から20キロ圏内には救急車は入れない。Jヴィレッジが、ちょうど20キロの境目にあるので、Jヴィレッジまで東電の救急車両で搬送し、放射線サーベイを行なってから通常の救急車に乗り換えて、いわき総合病院まで搬送するシステムだ」と話した。また、「原発での労働は本当にきつい。作業員が宿舎で亡くなっていることもある。雇っていた下請け会社は、東電に報告はするが『私病』という扱いなので広報されない。実際の作業との因果関係や放射能の影響については不明のままだ」と述べて、原発作業員の過酷な労働環境にも言及した。

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