麻生太郎副総理(財務大臣兼金融担当大臣)定例記者会見 2013.2.22

記事公開日:2013.2.22取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

 2013年2月22日(金)11時、東京都千代田区の財務省において、麻生太郎副総理(財務大臣兼金融担当大臣)の定例記者会見が開かれた。冒頭、麻生副総理は、「中小企業等金融円滑化相談窓口」の設置について説明した。この窓口は、中小企業金融円滑化法が3月末で期限を迎えることに伴い、借り手である中小事業者の心配や質問に対応するために、全国すべての財務局や財務事務所に設置する。運用開始は25日を予定している。

■全編動画

  • 日時 2013年2月22日(金)11:00~
  • 場所 財務省(東京都千代田区)

 続いて行われた質疑応答では、韓国のパク・クネ大統領の就任式に出席することが決まった麻生副総理に、日韓関係についての見解を記者が訊(たず)ねた。これに対し、麻生副総理は、「日韓は、どう考えても、北東アジアの中で共通の価値観を持っている、数少ない民主主義国である」と強調した上で、「(日韓ともに)G20のメンバーであり、非常に関係の深い国。両国が今後とも手をつないで未来志向で事(こと)を進めていかなければならない」と語った。

 また、「歴史的なことを含めて、避けられない問題はいろいろある。だからといって、基本や大局を外れるということはない。それが一番肝心なところだ」とも述べた。特に、同日行われた「竹島の日」の行事に政務官が出席したことに関連し、経済や金融分野への影響や金融スワップ凍結についての質問に対しては、「これによって日韓関係がおかしくなって、次の金融スワップが要る・要らないという話にはならない」と語った。

 懸案事項となっている日銀総裁の後任人事について、「批判に対して理論で反論できること」を総裁に求められる資質だと安倍晋三総理が国会で答弁しているのに対し、麻生副総理は「組織運営」「語学力」「健康」を挙げ、「学者は(必ずしも)総裁に適任ではない」との考えを示していることについて、総理との見解の相違を調整していく方向性について記者が質(ただ)した。これに対し、麻生副総理は、「大きな組織を動かすときには、組織を動かした経験がない人では、なかなか物事がうまく回っていかない」とした上で、「日銀も例外ではない。基本的に、組織を動かしたことがない人は、日銀の総裁には不向き」と強調した。

 さらに、「日銀は、FRBやECBと比べ、世界の中央銀行の中では冠たるものだ。少なくとも、自国の通貨の価値をきちんと維持し対応をしてきた」とし、「日銀総裁は、各国の中央銀行にとって注目の的として存在のある立場であり、それにふさわしい人を考えなければならない」との見解を示した。

 開催が予定されているオバマ大統領と安倍総理による日米首脳会談について、どういうメッセージをアメリカに伝えるのか聞かれた麻生副総理は、「今、アメリカは国防予算を減らさなければいけない(厳しい財政状況)。日本は国防予算を増やし、アジアの安定に対して貢献しようとしている。はっきり、『アメリカができないところを日本がやる』と言うのが、アメリカにとって最大のメッセージになる」と語った。

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