本号でも、前号に続き海兵隊で二度の叙勲の栄誉に浴しながら、利権と軍力で結びついた軍と資本家の関係について告発したスメドリー・バトラー将軍の論文「戦争はペテンだ」を全文紹介する。翻訳は、元桜美林大学教授の吉田健正氏である。吉田氏の御承諾を得て、著作権フリーで公開する。
前編では、戦争がいかにいかがわしい商売であり、一部の資本家たちは大儲けをするが、米国民にとっては何の得にもならないという事実が述べられた。戦争のツケを払わされるのは、個々の米国民であり、「最大のツケを払うのは兵隊だ」とバトラー将軍はいささかもひるむことなく断じる。そのくだりから、後編をスタートする。以下、バトラー氏の「戦争はペテンだ」の引用である。
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しかし、最大のツケを払うのは兵隊だ。
ウソだと思ったら、海外の戦場の米国人墓地を訪れてみたらよい。あるいは国内の在郷軍人病院へ行ってみたらよい。この原稿を書いている最中に、私は国中を回り、18の在郷軍人病院を訪問した。これらの病院にずたずたになった人間がおよそ5万人も収容されている。18年前に国から選ばれた男たちだ。ミルウォーキー〔米ウィスコンシン州の南東にある都市〕にある、生ける屍となった人が3千800人も収容されている政府病院のきわめて優秀な外科医が私に言うには、在郷軍人の死亡率は国内に留まった人々の3倍も高いそうだ。
(続く)
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