2013年2月15日(金)、東京都千代田区の村上正邦事務所で、「第51回 日本の司法を正す会」が行われた。この日は、狭山事件、弘前事件などの冤罪事件について、取材・執筆を行ってきたルポライターの鎌田氏が招かれ、「なぜ冤罪は起こり続けるのか」ということについて、話し合われた。鎌田氏は「本人はやっていないと言っているのに、死刑になる不条理な世界。また、国家権力を使うことが、自分の出世に繋がるという今の官僚制度はおかしい。間違いだと気づいても訂正出来ないことになる。今回の原発も同じ構造」と国の制度を批判した。
「ルポルタージュ」【reportage フランス】①報道。現地報告。探訪。ルポ。②第一次大戦後に唱えられた文学様式で、社会の出来事を報告者の作為を加えずにありのままに叙述するもの。日本には第二次大戦後、文学の一ジャンルとして登場。→記録文学 『広辞苑 第六版』
ルポライターの鎌田慧氏は、「ノンフィクションという(上品な)言葉はあまり好きではない」から、蔑称の「ルポルタージュ」を使うと言う。
近著の『残夢』を、私はまだ未読だが、さいきんの新聞のコラムに、「処刑の熱狂」という文章が掲載された。今回の日本での三人の死刑執行にふれた後、“「朝七時から午後三時半まで、八時間以上かけて十一人を処刑した。が、刑務官が疲弊したため、残る一人を翌朝にまわした。いまから一〇二年前、明治四十四(一九一一)年一月、幸徳秋水など大逆事件被告にたいする市ヶ谷監獄での死刑執行だった。 このときの裁判は検事総長が「邪推と云えば邪推の認定」とあとで語ったほどに、いいかげんなものだった。”『東京新聞 2013.2.26』
現在の「日本の司法」の問題は、「大逆事件」から考えざるを得ない。歴史を知ることは、未来を知ることでもある。このような小さな、しかし重要な会を記録してくれるIWJもまた、ほんものの、優れた、「ルポライター」だ。
→関連動画 『2013/01/24 院内集会「102年後に大逆事件を問う」』