原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見 2013.2.13

記事公開日:2013.2.13 テキスト動画
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 2013年2月13日(木)、原子力規制庁庁舎で原子力規制委員会田中俊一委員長の定例記者会見が行われた。今回は現在作成中の新安全基準の具体的内容や、その中に盛り込まれるバックフィット制度に関する説明のほか、前回の会見で議題の中心となった名雪審議官の更迭についても再び話が及んだ。

■全編動画

  • 日時 2013年2月13日(木)
  • 場所 原子力規制庁(東京都港区)

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、原発調査を進めていく上での具体的な体制が未だ定まっていない理由について「現在建屋の中に入るとなると、1時間あたり数十ミリシーベルトという線量を浴びることになる。そんな中で本当に長時間に渡って詳細な調査ができるのか検討中。単に少し覗きに行っただけで判断できるような問題ではない。」と述べ、事故からまもなく2年が経過するにも関わらず終息への道のりが見えていない福島第一原発に7人しか検査官を配置していないという指摘に対しては「単に人を増やせば事故の原因がわかるわけではない。また、水が漏れているという状況は事故原因とは関係ないので、そこは分けて考えている」と話した。

 「我々の調査は原発問題における責任の問題を軟化するためのものではない。今後、規制をしていくために学ばなければいけないことを議論している」と述べた田中氏だったが、原発調査を進めていく上での具体的な体制が未だ定まっていないことについては「現在建屋の中に入るとなると、1時間あたり数十ミリシーベルトという線量を浴びることになる。そんな中で本当に長時間に渡って詳細な調査ができるのか検討している。単に少し覗きに行っただけで判断できるような問題ではない」と慎重を期す姿勢を見せた。

 事故からまもなく2年が経過するにも関わらず終息への道のりが見えていない福島第一原発に検査官を7人しか配置していないという点を指摘されると「単に人を増やせば事故の原因がわかるわけではない。また、水が漏れているという状況は事故原因とは関係ないので、そこは分けて考えている」と回答、自分たち使命はあくまで事故原因の調査であることを主張した。

 続いて現在パブリックコメントを受け付けている新安全基準に話題が及ぶと、「今のところ新安全基準はまだ格子の段階。最終的に基準は法令の文書にする必要があるので、寄せられた意見を踏まえながら基準案を作り、成案をまとめていくつもり」との方針を明らかにし、基準の根本は固まりつつあるもののパブリックコメントも参考にしていくことを発表した。

 また、原子力規制委員会が定めた安全基準に従わない事業者に強制力を持たせるための制度であるバックフィットについて審議官の山本氏は「再稼働を進める場合に安全基準を満たしていなければ停止命令を下すこともできるし、反対に再稼働を保留にする場合にも使用済み燃料の管理法について委員会で設定した安全基準下で管理することが可能である」と、新安全基準の内容に自信を見せた。再稼働は目指すものの資金難によって対策を後回しにするプラントも現れるのではないかという懸念に対しては、「長期に渡って対策を先延ばしにしておく中途半端な状況は誰にとっても好ましくないので、必要な対応はしていかなくてはいけないと思っている」との見解を示した。

 14日から2日間に渡って行われるもんじゅの立入検査に対しては、単に点検が行われているかなどの事務的な調査だけでなく、ヒアリングをはじめとする徹底的な調査を行うことを明言して、会見を締めくくった。

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